北海道の支笏湖とは
国立公園に指定される支笏湖は、釣りをするだけが魅力じゃありません。支笏湖が人々を惹き付ける理由を調べてみましょう。(※こちらの記事は2018/6/13現在の情報です。)
透明度の高い神秘の湖
支笏湖は北海道の札幌市の南方の、千歳市の湖です。4万4千年前に火山噴火で形成された支笏カルデラに湖ができました。風不死岳や恵庭岳など火山の山々に囲まれ、支笏湖から流れる千歳川は、やがて石狩川に合流します。最大水深は360mと深く、摩周湖に匹敵する透明度を有しています。
日本最北の不凍湖
北海道の湖のほとんどは、真冬になると厳寒のために凍りつきます。しかし支笏湖は真冬でも凍りつくことがほとんどありません。そのため、不凍湖としては日本最北端の湖です。これは深さのある支笏湖の水が、夏場の暖かさを冬まで維持したり、温泉が湧くことでも水面を凍らせないのです。
支笏湖のレジャー
そんな支笏湖の水辺は、一年中レジャーの注目どころ。幾つかのキャンプ場、温泉、ボート乗り場を有しています。一年に渡りハイキングや水遊びできるし、苔の洞門は有名なスポットで、支笏湖氷濤まつりは冬の見どころです。
支笏湖のアクセス
支笏湖へ釣りに行くなら、車で移動するのが基本になります。東西南北に幾つかのルートがあります。
千歳市から
千歳市街地からは、道道16号線(支笏湖通)を西へ走って、およそ40分程度です。千歳空港から北海道中央バスに乗って、支笏湖に行くことおできます。支笏湖のバス停は、東部の支笏湖温泉に置かれています。
札幌市から
札幌市街地の中心部から伸びている国道453号線が、南方の支笏湖方面へと向かっています。支笏湖までの所要時間は、およそ1時間程度です。
苫小牧市から
苫小牧の中心部から北に伸びている、国道276号線(支笏湖通)を通ります。支笏湖まではおよそ40分です。
伊達市から
西の伊達市方面からは、国道453(有珠国道)、国道276と経由して支笏湖に向かいます。順調ならば1時間20分程度です。
支笏湖には釣具屋がない
支笏湖に釣りに向かうとき、ひとつ気をつけるべきなのが釣具屋の情報です。支笏湖は釣り人の聖地みたいなところですが、湖畔に釣具屋が存在していないのです。アクセスする時、ルアーなどタックルは、自宅近くの釣具屋で揃えるのがおすすめです。
支笏湖の釣りの時期と禁止区域
広い支笏湖の大部分で、期間限定の釣り可能区域と、禁止区域が指定されています。この情報を覚えておかないと、支笏湖で正しく釣りができません。
何故釣り禁止区域があるのか
ヒメマスは古来より、北海道の阿寒湖とチミケップ湖に生息する魚でした。1894年に日本で初めて移植した先が、支笏湖でした。全国的に生息する湖が少なく、個体数が少ない魚です。そのため支笏湖では水産庁さけます孵化場、千歳警察署、千歳市役所などで漁業や釣りを取り締まっているのです。
支笏湖のヒメマス解禁時期
ヒメマスの解禁シーズンは、毎年6月1日から8月31日までの間のみです。つまり9月から5月までが、ヒメマス釣り禁止期間です。時間は季節ごとに厳しく制限されています。
支笏湖のヒメマス解禁時間
・6月は朝の3時~夜19時30分まで
・7月は朝の3時30分~19時30分まで
・8月は朝の4時~19時まで
支笏湖のヒメマス解禁区域マップ
6月から8月まで、釣りが解禁されている場所はこちらです。この季節の間、ヒメマスに限らず、全ての種類の魚を釣るなら、指定された区域のみです。各地のボートハウスで遊漁料やレンタル料を支払う必要があります。
指定区域以外では1年中釣りできる
支笏湖には、釣りの禁止区域に指定されていない場所があります。ここでは1年を通じて、全ての種類の魚釣りが可能になっています。わからない場合は、支笏湖漁業協同組合に問い合わせてから、お出かけしてみるとよいです。
支笏湖で釣りたい魚①
ヒメマス
支笏湖で釣果を期待したい魚といえば、支笏湖の代名詞となっているヒメマス。明治時代に支笏湖で放流が始まって以来の支笏湖の主役であり、明確に禁漁時期と解禁時期が定められています。特にレイクトローリングや、フライフィッシングのタックルで狙うのが人気です。
ヒメマスの特徴
北海道ではチップと呼ばれていますが、これはアイヌ語の薄い魚を意味する、カパチェプが鈍ったものです。海に出ない湖沼残留型の見た目はアジにも似て、繁殖期には赤みがさします。体長は1年で16センチ、最大で50センチを越えます。サケ科の魚では、最も美味しいと言われています。
支笏湖で釣りたい魚②
ベニザケ
ヒメマスには海に出る降海型があり、それらはベニザケと呼ばれる魚に変化します。英語ではソッカイサーモンと呼ばれています。支笏湖でヒメマス移植が始まって以来、各地のポイントで釣れる魚です。
ベニザケの特徴
紅鮭と書くように、胴体部の見た目が真っ赤な色合いとなり、顔つきも鋭角になります。大きさは体長50センチ、最大級では70センチを超える個体も現れます。支笏湖に残留したヒメマスを釣り上げてみれば、同じ魚とは思えないほど別物です。トラウトロッドのルアーのタックルでも釣れる魚です。
支笏湖で釣りたい魚③
ニジマス
日本の川魚の代表格ニジマスは、ここ支笏湖にも生息しています。英語ではレインボートラウトといい、偶然にも日本語の虹鱒(ニジマス)と全く同じ意味です。支笏湖南方に、虹鱒橋という橋があります。
ニジマスの特徴
体の全体に黒い斑点が並んでいますが、繁殖期になると頭部から尾ひれにかけて虹色のラインが現れることから、この名があります。一般の河川のニジマスは40センチほどですが、支笏湖では70センチオーバーの大物が釣れることでも知られます。
支笏湖で釣りたい魚④
ハナカジカ
支笏湖で釣れる小型な魚の代表格といえば、ブスッとギョロっとした表情のハナカジカです。支笏湖にヒメマスやニジマスが放流される以前から元々いた、原生魚類の1種です。
ハナカジカの特徴
海に生息しているカサゴやハゼに似ているので、すぐに見分けがつきます。いかつい大きな顔をして、褐色でひれが大きめなのが特徴です。トラウトロッドにサケマス狙いのルアーのタックルでも、釣れる魚です。
支笏湖で釣りたい魚⑤
アメマス
支笏湖に昔からいたサケ科の魚です。雌のほとんどは降海しますが、湖沼残留型はエゾイワナとも呼ばれています。アイヌの間では、古来よりアメマスが地震をおこすとされていました。
アメマスの特徴
全体的にはサケやマス特有の外観ですが、薄いグレーに白い斑点を持っているのが特徴な魚です。体長は14センチから、大きいものでは70センチにもなります。
支笏湖で釣りたい魚⑥
ブラウントラウト
20世紀末になってから、釣りを目的として外国から持ち込まれ、何者かにより石狩川や支笏湖に放たれた外来魚です。アメマスなどの生息域をおびやかしているとして、一部では問題視されています。しかし巨大に成長することから、フライフィッシングやルアーのタックルで好まれている魚です。
ブラウントラウトの特徴
形はニジマスにそっくりですが、茶マスとも呼ばれるように、全身が薄茶色から黄色がかった色合いに、黒い斑点が付いています。大きさは20センチから、巨大化したものは100センチを超えることがあります。支笏湖で一番の大物といえば、ブラウントラウトの可能性が高いです。
支笏湖での釣り方法
支笏湖に行ってみれば、色んな手法の釣りを楽しむ人々の姿があります。支笏湖で代表的な釣り方法を見てみましょう。
ボートでヒメトロ
支笏湖では6月より陸釣りや、ボートに乗ってレイクトローリング(引き釣り)が盛んに行われます。ヒメマスを釣るためのトローリングは、ヒメトロと呼ばれています。ヒメペラというリーフ状の光る仕掛けを取り付け、ボートで移動しながら回転させて、ヒメマスをおびき寄せます。
ルアー釣り
支笏湖では、陸上からはエサでもルアーでも、多くの人々が釣果をあげています。サケやマスが中心となる支笏湖では、トラウトロッドを使うのが一般的です。ルアーはワームやミノーなどを用います。ルアーでの釣りをするなら、小魚のように動きをつけるのがコツです。
フライフィッシング
支笏湖に行ってみれば、湖の中にじゃぶじゃぶと入って釣りをする人を見かけることがあります。これは浅瀬で好まれる、イギリス発祥のフライフィッシングです。支笏湖の浅瀬で、ニジマスやベニザケやブラウントラウトの釣果が期待できます。
支笏湖のおすすめ釣りポイント①
支笏湖観光センター(ボート)
支笏湖北部のポロピナイ地区にある、支笏湖観光の中心地です。ここはボートでのヒメマス釣りができる他、レストランではヒメマスを使ったフライ、天丼、そば、カレーなどの名物料理も味わいたい場所です。
ボート乗り場の利用方法
まず現地に予約の電話を入れます。このときに代表者の氏名や電話番号、参加人数、利用の日時、希望するボートの種類などを伝えてください。釣り船は各種がありますが、レンタル料金は1日格安なら3,000から、高額なら15,000円ほど。それに遊漁料1,500円も必要です。
釣具のレンタルも
この施設では、釣り竿やルアーなどタックル一式のレンタルをしています。手ぶらで来ても、アメマスなどの釣果を得られるのでおすすめです。タックル一式は、わずか700円のレンタル料金です。
アクセス
支笏湖北方の旧有料道路(国道453号)を走って、ポロピナイの分岐から観光センター内に入ります。
支笏湖のおすすめ釣りポイント②
モラップ支笏湖ボートハウス
モラップ山のある支笏湖の東部、モラップ地区のボートハウスです。ここはモラップキャンプ場に隣接した場所で、キャンプもボート釣りも両方を欲張れます。
ボート乗り場の利用方法
ひとまず電話予約で、利用の代表者の情報や、利用日時、ボートの種類など必要情報を伝えます。こちらもボートのレンタル料金のほか、遊漁料の支払いが必須です。
アクセス
支笏湖南東部の湖畔には、国道276号線が通っています。駐車場はモラップキャンプ場の隣接地です。
支笏湖のおすすめ釣りポイント③
美笛支笏湖ボートハウス
支笏湖の最西端の美笛地区のボートハウスです。この付近は完全に人里から隔離された地域で、美笛キャンプ場のおとなりです。
ボート乗り場の利用方法
美笛ボートハウスに、まずは電話して予約を行ってください。必要情報を全て伝えて予約を完了したら、現地では船のレンタル料金と遊漁料を支払います。
アクセス
支笏湖の南西部で、国道276号から道道78号線に入って、美笛キャンプ場方面に向かって間もなくです。
支笏湖のおすすめ釣りポイント④
旧有料道路
支笏湖の北側には、地元では旧有料道路と呼ばれている国道453号線が通っています。旧有料道路に沿う岸辺は、護岸ブロックやテトラポットが並んでいます。特に休憩駐車場の目の前が、釣果の出る格好の釣りスポットになります。
旧有料道路釣り場の特徴
湖畔の旧有料道路に沿って、レゴみたいな護岸ブロックが並んでいる場所です。人々が大勢やってくるのは、駐車しやすいということや、ニジマス、ブラウントラウトが釣れると、釣果情報が常に出ている場所だからです。
アクセス
ひとまず北側の湖畔の、旧有料道路(国道453号)を走ります。支笏湖観光センターのそばの休憩駐車場が、旧有料道路では唯一となる駐車場です。あるいは旧有料道路沿いの、路側帯が広い場所を駐車場所にする人もいます。
支笏湖のおすすめ釣りポイント⑤
丸駒温泉
丸駒温泉は支笏湖の恵庭岳がわにあり、現在は湖畔に丸駒温泉旅館が営業しています。その丸駒温泉旅館の北200メートルに、いまは閉鎖されて跡形もないくなった、いとう温泉旅館跡地があります。どちらとも、有望な釣りスポットとして取り上げられています。
丸駒温泉旅館前の釣り場の特徴
丸駒温泉旅館の駐車場から右側の小道を降りて、恵庭岳から流れる川の河口のあたりに向かいます。ここはルアーのタックルにて、アメマスやニジマスが釣れるとの情報が出ています。
いとう温泉跡地の釣り場の特徴
丸駒温泉旅館の手前に、進入禁止になっている横道があります。そこから歩いて降りていくと、旧いとう温泉旅館の基礎部分が残っています。地面はコンクリなので足場は良好です。ここもルアーで、アメマスやニジマスの釣果があがる釣り場だと言われています。
アクセス
国道453号線の支笏湖観光センター近くから、道道730号線を南の丸駒温泉へ向かいます。丸駒温泉旅館の駐車場を利用します。いとう温泉旅館跡地の場合、入口に車を止めて徒歩で湖畔に降りますが、先客がいると停められない可能性が高いです。
支笏湖のおすすめ釣りポイント⑥
オコタンペ川河口
支笏湖の西方で、恵庭岳の西から流れるオコタンペ川の河口付近が、知られる釣り場です。周囲は原生林と水辺ばかりという野性味に溢れた場所。オコタンペ野営場というキャンプ場に隣接しています。平成26年の支笏豪雨災害の影響で閉鎖情報が出ていますが、再開が待たれるところです。
オコタンペ川河口釣り場の特徴
休日になると、キャンプついでに釣りをする家族連れが多く見られます。湖畔は砂利の多い砂浜といった印象で、河口付近は普段からニジマスの釣果が出ているポイントです。しかし急流として知られる川なので、増水時には注意が必要です。
アクセス
国道453号から、恵庭岳の西側に通る、道道78号線を南へ向かっていきます。現地では車の通行が少ないため、脇道に路駐するのが一般的です。
支笏湖のおすすめ釣りポイント⑦
美笛川河口
南西部の美笛川の河口付近は、支笏湖で人気の釣り場の一つ。ボート乗り場と美笛キャンプ場のあいだが釣り場です。ここはいつも釣れる情報が頻繁で、フライフィッシングのタックルで釣りに興じる人の姿が絶えません。
美笛川河口の釣り場の特徴
美笛川の綺麗さ。
— kaichisenpai@道産子 (@MRPkaichisenpai) October 16, 2017
※無加工#支笏湖 #北海道 pic.twitter.com/BWEkWaPNB9
美笛川河口は100メートルほど浅瀬が広がり、その先は一気に深くなっている地形です。ブラウントラウトやニジマスなどの超大物が釣り上げられるとの情報が多く出ています。川が大幅に増水している時は、釣り人の命の危険も隣り合わせなので気をつけるべきです。
支笏湖のおすすめ釣りポイント⑧
支笏湖トンネル
国道276号線の途中では、心霊スポットでも有名だという、若干長めな支笏湖トンネルが通っています。そのトンネルの手前に小さな駐車場があり、そこから崖下に降りていくと、地元で知る人ぞ知る穴場の釣り場です。心霊現象もへっちゃらな人におすすめします。
支笏湖トンネルの釣り場の特徴
崖を降りて右手には岩場が広がって、ここは深さがあるのでルアーのタックルを持ち込む人々が目立ちます。ニジマスやブラウントラウトの大物も期待できるところです。崖下だけに、落石には気をつけてください。
アクセス
支笏湖南方の国道276号線の、支笏湖トンネルの東側入口に駐車場があります。トンネル西側の場合は空き地に駐車します。
支笏湖のおすすめ釣りポイント⑨
姫鱒橋と虹鱒橋
湖畔に通る国道276号線の、風不死岳のそばに掛かる姫鱒橋と虹鱒橋は、目立たない小川の橋です。しかしここも地元釣り人の間で知られた、釣れる穴場スポットです。
姫鱒橋と虹鱒橋の釣り場の特徴
北海道 part2
— nao33 (@hitsujikumo33) April 21, 2017
【北海道支笏湖】 初春に残る雪景色 https://t.co/XGIc0Gp1Kz
支笏湖沿いの国道276号「姫鱒橋」はマス釣りで有名な場所。この雄大な景色を見ながら釣りをするって、最高の気分ですよね〜。いいなあ。#ファインダー越しの私の世界 pic.twitter.com/KdXayBpe5p
橋の横から川へと降りて湖畔にたどり着くと、若干浅瀬が広がっています。そのためフライタックルの釣り人が目立ちます。虹鱒橋の名前がある通り、ニジマスもよく釣れるしブラウントラウトも釣果情報が出ています。
アクセス
国道276号で、風不死岳のそばの姫鱒橋か、虹鱒橋のそばへ向かいます。駐車場はないですが、国道横の小さな空き地や路側帯に車を停めている人が目立ちます。
北海道なら釣りは支笏湖で
支笏湖は貴重なヒメマスから巨大なブラウントラウトまで、幅広く淡水魚を釣れる魅力的な湖です。陸釣りのタックルで釣果を目指してもいいですが、たまには1日ボートの釣りに熱中するのもおすすめです。ヒメマスのいる支笏湖に足を伸ばしてみませんか。
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