摩耶山の魅力と注目スポット
摩耶山は兵庫県神戸市にある標高702mある見晴らしのいい山です。初心者から上級者向けまで、さまざまな難易度のルートがあり、登山愛好家に大変好まれています。また、家族でハイキングを楽しむ方もたくさんいます。
マイナスイオンをたっぷり浴びられる美しい滝や、山頂の掬星台展望台など注目スポットをご紹介します。
掬星台展望台
摩耶山山頂にある掬星台展望台。"手で星を掬(すく)える"ほどの絶景という意味からこの名前が付けられたそうです。展望台からは神戸市から大阪市までの町並みから、神戸空港、関西国際空港、陸地の先には海があり、行きかう船ものぞめます。
掬星台展望台からの眺めは昼間の見晴らしも素敵ですが夜景が特に有名。日本三大夜景にも選ばれており、まさに名前の通り、星を掬えるほどのきれいな夜景を楽しむことができます。
摩耶自然観察園
展望広場の北側には「摩耶自然観察園」(入園無料)があります。奥摩耶遊園地(摩耶ケーブル遊園地)の跡地に当たり、約2ヘクタールの広大な自然観察園です。ここは摩耶山に育成するさまざまな植物を観察できる貴重な場所です。
園内には散策路が整備されており、アジサイ、ミズバショウ、カキツバタなど四季折々の植物に出会えます。路傍植物や湿性植物、常緑広葉樹が茂る散策路を、ゆっくりと散策することができます。
特に、6月から夏まで咲く遅咲きのアジサイがおすすめ。
布引の滝
「布引の滝」は摩耶山登山途中に現れる滝。華厳の滝(栃木県)、那智の滝(和歌山県)とともに日本三大神滝のひとつで、日本の滝百選にも選ばれています。
こちらは難易度が低いルート上にあるので、ぜひチェックしたいところ。新神戸駅から徒歩五分ほどのところに、一つ目の滝が出てきます。
布引の滝は生田川の布引渓流にあります。雄滝(おんたき)・雌滝(めんたき)・夫婦滝(めおとだき)・鼓ヶ滝(つつみがだき)の4つの滝の総称で、なかでも雄滝は高さ43mの名瀑です。大自然の中に現れる、美しい滝を見ながら登山を楽しむことが出来ます。
猿のかずら橋
六甲楽学会より「祖谷のかずら橋」に見せて装飾された橋。布引の滝の先に現れます。大正の初めに造られた橋(谷川橋)で、重要文化財に指定された施設だそうです。
趣のある橋が、何とも言えない雰囲気を醸し出しています。写真家の方にもおすすめのスポットですね!
布引貯水池
布引貯水池は生田川水系の布引谷川を水源とし、神戸水道創設時の水道施設として建造され、明治33年(1900年)に完成しました。ダムの正式名称は、布引五本松堰堤(ごほんまつえんてい)です。
貯水池周辺は、新神戸駅から六甲山へ向かうハイキングコースとして整備され、夏期はライトアップが行われるなど美しい姿で訪れる人々の目を楽しませてくれます。
王子動物園
今回ご紹介する初心者コースの一つで使う王子公園駅の近くには、王子動物園があります。動物のお食事タイムやトレーニングタイムが設けられており、ゾウのトレーニングタイムでは飼育係の「ステイ」「ラング」「リフト」などの号令にあわせて、大きなゾウが鼻や足をあげる姿を見られます。
レッサーパンダ、ゾウ、パンダなど、子どもに人気の動物に出会えます。王子動物園には130種類の動物がいるほか、動物科学資料館では動物の環境と身体のことを詳しく紹介しています。また、遊園地もあり小さなお子様から大人まで楽しめる施設です。
摩耶山史跡公園
摩耶史跡公園は、昭和51年に山頂より下にあった摩耶山天上寺が火災にみまわれ、山上の草創の地へ遷寺した跡地を史跡公園として神戸市が整備したそうです。
摩耶山天上寺の急な石段を上り詰めたところにあり、市街地をのぞめます。太平記に登場する摩耶山城の史跡でもあります。
摩耶の大杉
摩耶山中にある杉の巨木。幹周りは8mもあります。樹齢1000年とも言われ、約200年前に摩耶山一帯で起きた大水害で奇跡的に生き残ったため、その生命力に驚いた当時の人々が、この木に神霊が宿っているに違いないとして"大杉大明神"の名を付け、あがめたそうです。
現在は昭和51年の旧天上寺の大火災の後、火を被ったことが原因で徐々に樹勢が衰え枯死してしまいましたが、今でも圧巻の迫力を感じられます。ここは神戸のパワースポットとも言われ、見逃せないスポットです。
おすすめの登山口
①摩耶山登山口
摩耶山登山口は、新神戸駅から歩いて五分の距離にある登山口です。場所はJR新神戸駅の高架下。電車だとJR線、新幹線、地下鉄でのアクセスが便利です。
バスであれば神戸市バス2系統、布引バス停で下車。車であれば新神戸駅付近のコインパーキングを利用可能です。
②上野道登山口
【初心者におすすめ】摩耶山の登山コース2選
摩耶山には登山ルートがたくさんあり、難易度もさまざま。初心者におすすめの短時間コースや、上級者向きの数10kmに及ぶコースもあります。
摩耶山には山頂から山麓までロープウェイやケーブルカーを乗り継いで帰ることも可能です。登山して疲れたら、帰りは交通機関を使うなど、初心者には安心できる山です。
初心者向けのおすすめコース①摩耶山登山口からのルート
新神戸駅から摩耶山登山口、そして、布引の滝へ。ここまでで20分ほどです。布引の滝から布引貯水池までは約20分。壮大な滝を眺めてさらに歩いて行くと、美しい布引貯水池が現れます。
布引貯水池から市ケ原、さらに天狗道登山口から山頂へ。ここまでで約2時間ほどです。市ケ原には休憩所・トイレ・茶屋が集まっています。ここには自販機も設置してあるので、一旦ここで休憩することをおすすめします。
ルート概要
摩耶山登山口からの初心者コースのルートは以下の通りです。
JR新神戸駅→(5分)→摩耶山登山口→(15分)→布引の滝→(30分)→布引貯水池→(20分)→市ヶ原→(10分)→天狗道登山口→(85分)→摩耶山山頂
全体でかかる時間は、約3時間ほど。難易度も低めなのでお子様にもおすすめです。
初心者向けのおすすめコース②上野道登山口からのルート
登山口までは住宅街の急坂を抜けて行きます。途中分かれ道があり、青谷道に進む道がありますが、難易度が低いのはこちらの上野道のルートです。
王子公園駅→(20分)→上野道登山口→(70分)→青谷道分岐(20分)→山頂
全体でかかる時間は約2時間です。
上野道登山口までバスを利用する場合
登山口までは王子公園駅から20分かかりますが、登山口までバスを利用することもできます。
公共交通機関を使う場合は、JR灘駅や阪急六甲駅などから坂バスを利用し、摩耶ケーブル下バス停で下車すると、近くに上野道登山口があります。その場合山頂まで1時間半ほどで到着します。
ケーブルカー・ロープウェイの利用もおすすめ
初めての登山であれば、どれくらい疲れるのかも、どれくらいの時間で上り下りできるのかも分かりません。摩耶山であれば、山頂からロープウェイやケーブルカーを乗り継いで帰れるので、疲れたらそれを利用して帰れます。これも摩耶山が初心者におすすめである理由の一つです。
大正14年開業の摩耶ケーブル、昭和30年開業の摩耶ロープウェイ。摩耶山の山頂と山麓を結んでいます。
駅名には「虹の駅」と「星の駅」というかわいい名前が付けられています。その名前にぴったりなかわいい車体に揺られ、広大な自然や、夜なら美しい夜景を楽しむことが出来ます。
摩耶山の混雑時期
混雑するのは4月から5月の新緑の時期や、10月〜11月の紅葉の時期です。ですが、多くはロープウェイやケーブルカーを使用するため、登山であれば心配ありません。帰りにロープウェイやケーブルカーを利用するという場合には、混雑に気を付けましょう。
摩耶山で登山デビュー
摩耶山の魅力を知っていただけたでしょうか?今回は難易度の低いルートをご紹介させていただきましたが、そのコースの中にも、景色を一望できる展望台や動物園、美しい滝など魅力満載でした。ぜひ、初めての登山に、摩耶山を選んでみてはいかがでしょうか?