【不定貫】刺身・寿司・生食用 アカマンボウ サク (品番997)
食べられる深海魚ガイドブック [ 21世紀の食調査班 ]
「万代」の正体とは
まず始めに「万代」はマンダイと読み、魚名の他にも新潟市中央区の名称でも知られています。一見するとどんな魚なのか想像がつかないマンダイですが、その姿は意外なもので、実際に目にすればすぐ「どういった魚か」理解できることでしょう。
「万代」はアカマンボウのこと
気になる「万代」とはアカマンボウの別名の事。アカマンボウはその名の通り「赤いマンボウ」のような姿をした魚で、アカマンボウ目アカマンボウ科に分類される深海魚です。よく深海魚は美味しいと聞きますが、アカマンボウもその例にもれず、料理とは結び付かない外見ながら美味しい魚です。見た目の鮮やかさから、アカマンボウや「万代」の他にも、ラテン語の目名や科名などは「輝かしい/明確な」という意味のギリシャ語「lampros」に由来したものとなっています。
「万代」はマンボウではない、正しい分類
アカマンボウの名を持ちますが、実は「万代」はマンボウではなく、リュウグウノツカイの近縁種が深海の環境に適応していくうちにマンボウに似ていった、とされています。こうした名前に別の魚名が付いているが、実は別種と言う魚はアカマンボウに限らず、イソマグロやカジキマグロも名前に「マグロ」とついているもの、マグロの仲間ではない事で有名です。
「万代」の分布と生息域
万代、もといアカマンボウは見た目は勿論生態もマンボウとよく似ており、マンボウの仲間と思われる事も少なくありません。アカマンボウは世界中の熱帯、温帯の海に分布し、水深500メートルまでの水域に生息しています。ただし、アカマンボウはマンボウと異なり人目に現れることが滅多にないため、その生態は謎が多く「マンボウとどう違うのか」や「何故マンボウの近縁種ではないのに、マンボウと似ているのか」等の謎は明かされていません。
「万代」の生態と、好むエサ
アカマンボウはマグロなどと同様に、絶えず泳ぎながら生活している魚で、食性は肉食性で、クラゲやイカ、オキアミなどを捕食し、アオザメやホオジロザメと言った大型のサメに捕食されているのを見かけます。その稚魚はリュウグウノツカイと似ており、成長にともなってマンボウのような姿へと変化していきます。何故リュウグウノツカイに似た稚魚がマンボウに似るのか?それは未だに謎のままです。
「万代」だけ?ユニークな特徴
アカマンボウは更に「今のところ、アカマンボウでしか発見されていない」と言う非常にユニークな特徴を持ち、アカマンボウは魚類で唯一、血液の温度を保つ機能がある「恒温動物」であることが判明しています。アカマンボウは心臓とエラの間に特殊な絶縁網があり、これがアカマンボウの体温を一定に保つ機能を果たしていると言います。これは哺乳類や鳥類と同じ体温維持の方法で、魚でありながら、その生態は哺乳類に似ていると言う、何処までもミステリアスな魚です。
「万代」を釣りで狙う、その釣り方
生態も体の構造も謎に包まれた万代ですが、同時に万代は美味しい魚でもあります。出来るならば万代を釣りで狙い、市場や通販で購入するコストを抑えたいところ。万代は他の魚の様に、釣りで狙える魚なのでしょうか?
「万代」の釣りシーズンや、釣り上げられる確率は
いまいち「釣り」と結びつかないマンボウですが、道具を揃えれば釣りで狙う事も可能です。と言ってもアカマンボウを始めとする「マンボウ釣り」はまだ確実な釣り方が確立されていないため、何処を狙うべきか、いつが釣りシーズンか等は詳しく判明していません。マンボウの仲間はクラゲやイカと言ったエサを好み、500メートルまでの水域を泳ぎ回っている為、釣りで狙う場合は魚系のエサを用意し、深場も攻められるタックルを組みましょう。
伝説の魚、釣りあげたらラッキー
ただでさえ釣りでは狙いにくいマンボウの仲間ですが、中でもアカマンボウは「伝説の魚」と呼ばれるほど釣りにくい魚として有名であり、神奈川県で大物が釣り上げられた時は「伝説の魚が釣れた」と記事が作られるほど。それほどまでに釣りで狙うのは厳しい魚と言えるでしょう。と言っても「絶対釣れない」と言う訳ではないため、根気よくマンボウ釣りに挑戦すれば、いつかアカマンボウとも巡り合えるかもしれませんね。
「万代」を食べる、買える場所や旬の時期
万代を買うなら、マグロの揚がる港を狙え!
釣りで狙うのが厳しいとあらば、市場で新鮮なものを購入するのが一番。万代はおもにマグロの水揚げ港で見かける魚で、市場ではもっぱらフィレで見かけることが多い魚です。味がいいわりに価格は安く、安定した人気があるため、美味しい魚が食べたいと言う方や、深海魚レシピや深海魚の調理等に興味がある方にもおすすめです。万代が購入できる市場は沖縄や宮城、神奈川や和歌山、高知県と言った「マグロ」で有名な県にあります。調理の目安も「マグロ」となるため、しっかり覚えておきましょう。
万代の旬はいつ?気になる旬の時期
調理前に気になるのが万代の旬、旬の最も美味しい時期に料理したいものですが…実は万代の旬はわかっていません。いつが旬かわからないため、調理法や春夏秋冬を問わず、いつの時期に食べても味がほとんど変わらない魚です。「旬がわからない」と言うと、なんだか大きなデメリットのように感じますが、逆の言い方をすれば旬に関係なく、いつ食べても、どう調理しても美味しい魚という事。旬は気にせず、食べたい!という時期に購入し、調理するようにしましょう。
「万代」の購入、通販も可
通販で万代の切り身をゲット!
【不定貫】刺身・寿司・生食用 アカマンボウ サク (品番997)
近場にマグロの水揚げ港がない場合は、通販で万代の切り身を購入するのもアリです。通販で購入すれば市場に出向く必要がなく、新鮮な万代が手に入るため、出来る限りすぐに食べたいと言う方におすすめ。刺身や寿司用のため、加熱調理のみでなく刺身などの生食レシピにも対応しているため、購入すれば実に色んな料理レシピを楽しめます。購入時の注意点として、賞味期限は約1か月、水揚げ状況によっては欠品となることに気を付けましょう。
調理の参考に、他にもいる美味しい深海魚
食べられる深海魚ガイドブック [ 21世紀の食調査班 ]
万代の他にも、深海魚は旬を問わず美味しいものが多いため、万代料理を堪能したら他の深海魚料理にも挑戦し、どんどん色んなレシピを試してみましょう。深海魚の中にも、旬や料理レシピに向き不向きがあり、さらに食べられる深海魚や、深海魚毎の旬を見抜くのもポイント。万代以外の深海魚料理にも挑戦し、深海魚レシピを開拓しましょう。
どう調理する?気になる万代のさばき方
見た目もインパクト抜群はアカマンボウは調理するまでも一苦労。アカマンボウはかなり大型の魚のため、調理前の下処理も、まな板の上では困難を極めます。動画でも調理前の下処理を3人がかりで行っており、万代を丸ごと購入し、家で解体となるとかなりの労力を有します。市場ではこうした「下処理」があらかじめ行われたものが販売されている為、丸ごと購入は避け、サクや切り身などで購入しましょう。
「万代」はこんなところにも?意外な食べ方
滅多に食べられない稀少食材と言う面が強い万代ですが、実は名前を知らないだけで案外身近な魚。特に回転寿司に行くと言う方は知らず知らずのうちに万代を食しているかもしれません。
回転寿司のあのネタも「万代」
マグロのかわりとしてのアカマンボウ「マンダイ」
— 髑髏蛸@タコ氏 (@dokurotako) September 28, 2017
いざ商品として見て食べるかと言われるとイエスとはこたえられない
画像は拾い物です pic.twitter.com/ohxTk0oXbV
回転寿司の人気ネタと言ったらマグロ!しかし実はそれ、本物のマグロではないんです。回転寿司に使用されている「マグロ」は実はマグロではなく万代だと言われており、マグロに代わる美味しい魚として注目されているのです。マグロの刺身と万代の刺身は見た目は勿論、味もよく似ており。余程2つの刺身に食べ慣れていない限り判別は困難を極めるそうです。
「万代」がよく使われるお寿司は何?
騙されてたのかっ!
— いぬい (@inuitakumi1) November 5, 2017
ネギトロの雑学
近年、マグロに色や食味が似た
アカマンボウ(マンダイ)の
身を使用したネギトロが多い。
本マグロの中落ちを使った
本来のネギトロは高価で希少。
Σ(゚д゚;)そ、そんな pic.twitter.com/AFjKp8TaS5
寿司ネタの中でも、特に万代の味が引き立つと言われているのが老若男女問わず人気のネタ「ネギトロ」です。その比率はお店により異なるそうですが、ネギトロに使用されるマグロ刺身の殆どは万代の刺身だと言われています。マグロなのに、実はマグロじゃないと聞くと「騙された!」となってしまいますが。マグロは絶滅の危機が迫っている魚のため、今のうちに万代の刺身に舌を慣らし、欲張り過ぎないよう気を付けましょう。
「万代」おすすめレシピ①・刺身
まずはアカマンボウに限らず、新鮮な魚や旬の魚を手に入れた時の定番料理である刺身から。万代の刺身はマグロのかさ増しにも使われる通り大変美味で、脂がのっていて甘みがあり、癖がなく食べやすい刺身となっています。腹より背の方がサッパリした味わいのため、刺身特有の脂っこさがダメだと言う方は背中側の身を刺身にしましょう。どちらにせよ、旬を問わず脂がよくのった、イヤミのない味わいです。
マグロの刺身とどう違う?万代刺身の味
万代の刺身は「マンボウそのもの」な見た目に似合わず、意外なほどあっさりとした、食べやすい味わいとなっています。刺身自体にしっかり味がついているため、食べ方のポイントは醤油を付け過ぎず、ワサビも軽く乗せる程度にする事。クセらしいクセもないため、食べ方に物凄くこだわる必要はなく。刺身だけで食べるのみでなく、海鮮丼と言った食べ方もおススメ。マグロの刺身に比べ主張し過ぎない味のため、色んな食べ方やレシピが試せる魚。余った万代の刺身は醤油とみりんに浸け込み「ヅケ」にする、と言う食べ方もおすすめです。
「万代」おすすめレシピ②・寿司
マンダイ(赤マンボウ)の寿司。 pic.twitter.com/8eQjLiwaXR
— たぼやん@まったり (@tabo_slowlife) June 10, 2018
刺身で美味しいという事は、勿論寿司にしても美味しいと言う訳であり、刺身に飽きたらシャリと合わせお寿司にしてみましょう。万代のお寿司は、まるでマグロの握りのような味で、腹に脂があり、柔らかくて美味しく、キハダマグロより酸味が少なく、とがった主張が少なく食べやすい握りとなっています。そのままお寿司にするのもおすすめですが、ネギトロとの相性は抜群のため、レシピをアレンジしネギトロにしてみましょう。
「万代」おすすめレシピ③・カルパッチョ
更に、万代の刺身を作ったら食べ方をアレンジし、洋風刺身であるカルパッチョにしてみましょう。基本的な食べ方はわかりませんが、醤油で食べるか、オリーブオイルで食べるかで味わいは大きく変わってきます。カルパッチョに料理するときのポイントは、背中部分を出来るだけ薄く切り、あらかじめ皿にオリーブオイルやニンニクを混ぜたソースを作っておき、刺身とソースをスプーンで馴染ませる事。ハーブ類やトマトの切り身、コショウなどと合わせることで更に美味しくなります。
「万代」おすすめレシピ④・フィッシュサンド
洋風の食べ方として他にもおすすめなのが、万代をソテーしたものをサンドイッチに挟み「フィッシュサンドイッチ」として頂く事。ソテーやムニエルとはまた違う「手づかみの美味しさ」が魅力の食べ方です。両手で掴みかぶりつく食感は、お箸やフォークとはまた違う味わいがあります。勿論ですが、万代はソテーやムニエルにしても美味しいため、フィッシュサンド用のものと、ムニエル用に分けるのもいいでしょう。
「万代」おすすめレシピ⑤・唐揚げ
刺身やムニエルにした後、余った身部分は片栗粉をまぶし唐揚げにしましょう。そのまま揚げる以外にも、醤油やみりんで下味をつけ「竜田揚げ」にするのもおすすめ。じっくり揚げても中はジューシーで、外はカリカリ、中はジューシーと言う、美味しいご飯の友が出来上がります。魚料理にはご飯が欠かせないと言う方や、揚げ物系の食べ方が好きという方に試してほしい食べ方ですね。
「万代」おすすめレシピ⑥・カレー
ユニークなところで、万代をカレーの具にしてしまうなんてのもアリです。魚を具材にしたカレーと言うと余り耳にしませんが、もともと万代にしっかり脂が乗っている為、カレールーとの相性も良く、カレー味の万代は煮つけとはまた違う味わいがあります。万代はお腹側の方が脂が乗っているため、こってり系にするならお腹側の身を多めにしましょう。
「万代」おすすめレシピ⑦・照り焼き
和風レシピで、ご飯の進む魚料理が食べたい場合はブリ等でお馴染みの照り焼きがおすすめ。とってもおいしい照り焼きですが、美味しく料理するのは少々コツが要ります。さらに美味しく作るためには、タレを作る前にフライパンについた油をしっかりと洗い落とすようにしましょう。魚から出た旨味がタレと混ざって良いのではと思ってしまいますが、料理には見栄えも重視すると言う方は油を落とすようにしましょう。
「万代」おすすめレシピ⑧・生姜焼き
照り焼きに続いて紹介する魚料理がこれまた魚料理の定番である生姜焼き、こちらも照り焼きと同様に美味しく料理するコツがあり、万代同士が重ならないようにフライパンに並べ、しょうがは最後に入れるようにしましょう。途中でしょうがを入れると風味が飛んでしまい、しょうが特有の食欲をそそる香りが余りしなくなってしまいます。また、取り出すさい余分な脂はキッチンペーパーで拭き取っておきましょう。
「万代」おすすめレシピ⑨・野菜あんかけ
「回転寿司のネギトロ」として有名な万代は、野菜との相性も抜群であり、野菜あんかけにすれば和風レシピから中華風レシピに早変わりします。万代にかける「野菜あん」に使う野菜は、あんかけでお馴染みのニンジンやピーマンの他、えのきなどのキノコ類との相性も良く、様々な野菜を混ぜ込む事で栄養バランスも良くなります。野菜好きな方や、野菜をたっぷり摂りたい方におすすめの料理ですね。
「万代」の味を堪能しよう
万代こと「アカマンボウ」はマンボウによく似た姿をしていながら、マンボウとは似て非なる存在だった李、回転寿司のネタになっていたり、刺身以外でも、色んな食べ方やレシピで美味しく頂ける魚です。今度から回転寿司でマグロを食べるときは「実はマグロではなく、万代だ」と思って見てはいかがでしょうか?