ケサランパサランてなに?その正体に迫ってみる!
ケサランパサランとは
ケサランパサランは、白い綿毛のような形状の不思議な生き物で、見つけると幸せになると言われています。名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか?
伝説の生き物?動物?植物?色々なうわさはありますが、自然界に存在し、ひとつひとつが妖力を持ち、人間の運気に影響を与えると考えられており、生き物というより妖怪や妖精に近いのではないかとも言われています。
動物や虫、鳥や魚、そういったはっきりとした生き物ではないようです。ケサランパサランとはいったいなんでしょう?
ケサランパサランの語源とは
ケサランパサランとは、「なるようになる」という意味のスペイン語の「ケセラセラ(Que Será, Será)」が語源であるとか、梵語の「袈裟羅・婆裟羅」が語源であるといわれます。
袈裟とは法衣の袈裟で、婆裟羅は衣服などが風になびく様や、自由奔放な様子を表すとされており、どちらもなんとなくふわふわ漂うようなイメージが浮かびます。また、江戸時代の百科事典『和漢三才図会』に、牛や馬などの家畜の胆石や結石を、鮓荅(へいさるばさる)と呼び、薬などに用いると記述されており、これをケサランパサランの語源とする説もあります。
こちらは白い球形ですが、ふわふわ感はありません。様々な文献に登場していることからも、ただの伝説ではなく、動物や植物などの分類はともかく、確かにそういうものは存在するのでしょう。
見ると幸せになる?ケサランパサランの伝説とは
幸せを呼ぶケサランパサラン
ケサランパサランは、見つけると幸せになるという伝説があります。伝説なので、地域によって多少変化はあります。見つけると幸せになりますが、年に1度しか見てはいけなくて、2度以上見ると効果がなくなるとか、単に見せると効果がなくなるという話もあります。
そもそも幸せの定義が人それぞれですし、見つけた場合は、「レアなものを見ることができて幸せだ!」くらいに思っておく程度の方が良いかもしれません。伝説とはそういったものと思っておきましょう。
子々孫々幸せを受け継ぐケサランパサラン
東北地方を中心に、代々ケサランパサランを受け継ぐ家があると言われています。座敷童のように、その家に幸福をもたらす存在として代々受け継がれているようですが、そもそも他人に見せたり、年に2度以上見ると効果がなくなるとも言われているので、その存在自体が隠されていて、公表されていないことの方が多いのかもしれません。
飼っていると増えるので、生き物のようではありますが、増えたものを子や孫に受け継いでいくこともあるようです。
幸せを呼ぶ不思議な生き物ケサランパサラン
ケサランパサランの生態
ケサランパサランは、妖怪や妖精に近い存在とはいえ、古来より生き物として扱われることが多いようです。動物の毛皮のような体は、年を経て大きくなるようですし、餌を与えておくと、分裂して増えるとも言われています。
身体の作りはわかりませんが、飼い方も伝承されており、植物というよりは動物に近いのかもしれません。色々な説はありますが、科学的な研究がすすめられていないため、詳しい生態はよくわかっていません。
飼い方にも諸説ありますが、育てているという方は確かに存在します。そういう家系の人たちは、飼い方のノウハウも伝承されているはずです。
ケサランパサランの寿命
ケサランパサランの寿命については、生き物としての生態がよくわかっていないうえに、諸説あってはっきりとは分かっていません。
年に一度しか見ないという飼い方をしている場合、分裂して片方が死んで消滅してしまったら、次に見たときは前と違う1匹を見ることになりますが、同じ形状のものなら違いが判るかどうかも怪しいです。
数年飼っていると、色あせて崩れてしまうという話もあるので、永遠の命を持っているわけではなさそうです。動物のようにはっきりとした動きがないので、生きているか死んでいるかもよくわからないかもしれません。
人々に幸せを運んでくるケサランパサラン
ケサランパサランとは江戸時代に飛来したなにからしい
ケサランパサランは、民間伝承や伝説として古くから語り継がれていますが、古くは江戸時代までさかのぼるようです。
このころ大陸から飛来したか、南蛮貿易の珍品として輸入されたか、はたまたそれ以前から日本に生息していたが、閉鎖的な田舎の地域で細々と飼われていたものが江戸時代頃に広まったのか、経緯は定かではありませんが、江戸の後期にはすでにケサランパサランの話題が出ていたようです。
1970年代におこったケサランパサランブームとは?
ケサランパサランは、見ると幸せになるとされ、東北の一部の地域で代々受け継がれたりしていましたが、1970年代後半に、そうした民間伝承が朝日新聞の地方版で小さな記事に取り扱われたのを皮切りに、各メディアがこぞって取り上げ、一大ブームを作り出しました。
当時の小学生は、あちこちで空を見上げてはケサランパサランが降ってくるのを待っていたものです。
ケサランパサランを飼って幸せになろう!
ケサランパサランの飼い方とは?
一部の地域では、代々ケサランパサランを受け継ぎ、育てている家があるそうです。餌を与えて大事に育てていると、分裂して増えるので、それを母から娘へと分け与えるという話もあるそうなので、どうやら飼うことはできそうです。
娘の幸せを願い、母親がケサランパサランを収めるための箱を作り、嫁入り道具の一つとしていたのかもしれません。
飼い方のノウハウ
ケサランパサランの飼い方は、実際に育てている方に聞けるなら、その方が確実です。ケサランパサランを飼うためには、まず飼育するケースの作り方です。桐の箱に空気を循環させるための穴を開けたものを用意します。
桐は防湿、防虫、防カビ、防臭効果があり、ケサランパサランには居心地の良い住処になります。密閉するとケサランパサランが窒息してしまいますし、姿を見ないように餌を与えるためにも穴は必ずあけましょう。
ケサランパサランの捕まえ方
ケサランパサランはどこにいる?
ケサランパサランを捕まえるには、まずケサランパサランがどんなとこにいるかを知る必要があります。ケサランパサランは、日本全国で目撃例があるので、基本的にはどこにでもいると思われます。
ただ、いざ捕まえようと思ったら、街中よりも自然豊かな郊外の森林などの方が、より健康的で元気なケサランパサランに出会えるでしょう。また、ビワの木の付近でよく見つかるとも言われますので、近所にビワの木があれば、その周辺を探してみるのも良いでしょう。
ケサランパサランと一緒に幸せを捕まえよう!
ケサランパサランは、人間の幸福感を好むとも言われますので、ケサランパサランを捕まえようと躍起になるより、自然の中でリラックスし、過去の幸せな経験などを思い出してみましょう。そうすると空からふわふわとケサランパサランが降りてくるかもしれません。
手のひらでそっと包み込むように捕まえ、大切に持ち帰りましょう。事前に箱やビンに餌となるおしろいを入れた手作りの罠を用意しても良いかもしれません。運よく発見し、捕まえることができたら、それだけで幸せになれそうな気がします。
ケサランパサランの餌
ケサランパサランとおしろいの関係とは?
古来よりケサランパサランは、白粉(おしろい)を食べると言われています。おしろいは、昔のファンデーションのようなもので、舞妓さんや歌舞伎役者が顔を白く塗るときに使用します。
粉おしろいの成分は、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、コーンスターチ、デンプンなどで、カオリンやタルクのような鉱石成分以外は、生物が摂取しても不思議ではない成分といえます。
おしろいが手に入らない場合は、コーンスターチやデンプンなど手作りの餌を考案するのも良いかもしれません。色々試して、独自の育て方マニュアルを作り、受け継いでいきましょう。
餌の与え方を学んで幸せの準備完了!
ケサランパサランは、自ら餌を欲しがったり、人間とコミュニケーションを取ることはありません。
飼っているケサランパサランの大きさによって、食べるおしろいの量も変わってくると思いますので、おしろいを与えた後は、どの程度減るかを見ながら次に与えるおしろいの量を加減しましょう。
あまりいつまでも残っているようなら、そのおしろいが気に入らないか、食べきれない量なので、違う餌に変えたり量を減らしたり、飼っているケサランパサランの好みと食欲に応じて調整してください。
ケサランパサランとはなにか?その正体とは?
ケサランパサランの正体「動物の毛」説
ケサランパサランの正体は、いくつかあるといわれますが、その中のひとつが動物の毛です。ワシやタカなどの猛禽類は、小動物を食べたあと、消化されなかった毛などを体内でまとめて吐き出します。
これをペリットいいますが、猛禽類が吐き出したペリットが木の上などから落ちてきて、これをケサランパサランと思ったという説がひとつ。猛禽類が食べた小動物の毛皮が、乾燥して毛の生えた部分を外側にして丸まったものという説がひとつ。
いずれにしても、真っ白でふわふわの毛玉になる確率はかなり低いといえます。
ケサランパサランの正体「植物の種子」説
ケサランパサランは、動物性と植物性があると言われています。タンポポのように綿毛を飛ばす植物は数多く存在しますが、中でもガガイモやアザミの綿毛は、毛足が長く、種を中心に放射状に白い毛が広がるため、白い球形に見えることがあります。
また、途中で種だけ落下し、綿毛だけが残って浮遊する場合もあるので、その場合は種の重さがない分、滞空時間も長く、白い毛玉がふわふわ飛んでいるように見えます。これがいわゆる植物性のケサランパサランの正体とされているものです。
ケサランパサランの正体「生き物」説
日本国内にも、ワタムシやアオバハゴロモの幼虫など、白い綿毛に覆われた身体を持つ昆虫がいます。これらの昆虫は羽があり、自ら飛行することも可能です。
どちらもごく小さな昆虫なので、これらをケサランパサランと思い込むのは無理がある気がしますが、これらの昆虫も、ケサランパサランの正体と言われているもののひとつです。
ケサランパサランの正体「鉱物」説
オケナイトまたはオーケン石と呼ばれる鉱石は、白い動物の毛のような繊維を形成することから、ラビットテールなどと呼ばれています。
あくまでも鉱石なので、風に浮遊するほど軽くはありませんが、外観だけでいえば、これが最もケサランパサランのイメージに近いかもしれません。
当然鉱石なので、餌は必要としませんし、成長したり分裂したりしません。パワーストーンとしても人気があるため、高値で取引されることもあります。
ケサランパサランの作り方
ケサランパサランの正体と言われるアザミを育ててみよう
オークションなどで販売されているケサランパサランは、ほとんどがアザミの種です。ケサランパサランを植物だと定義するなら、手始めにアザミを育ててみましょう。アザミは日本全国に分布し、夏から秋にかけて花を咲かせる多年草です。
耐暑性、耐寒性に優れ、山野に自生するものが多いので、このアザミの種がケサランパサランとして最も可能性が高いのかもしれません。
アザミはいろいろな種類がありますが、風通しの良い日向であれば、特に難しい世話をしなくても簡単に育てられます。鉢植えの場合は、真夏の水切れに注意し、あまり乾燥しないよう灌水しましょう。
これぞケサランパサランの正体!種が取れたら
ふわふわの綿毛が飛ぶ季節になったら、綿毛の良く広がった綺麗なものを採取し、ガラスのビンなどに入れてインテリアとして飾ってみるのも良いでしょう。幸運のお守りとして小さなガラス瓶に入れて持ち歩くのもおしゃれかもしれません。
まとめ
ケサランパサランとは、古くから日本人に根付いた、不思議な存在です。飼い方や捕まえ方がまことしやかにささやかれてはいますが、その正体については諸説あるものの、どれも決め手に欠け、いまだに不思議な存在として扱われます。
こうしたものは、無理に正体を明かすのではなく、謎のままにしておく方が面白いのかもしれません。皆さんの近くにもふわふわ浮いているかもしれません。見付けたときは、そっとしておいてあげましょう。