ジャーマンカモミールってどんな植物?
ジャーマンカモミールは、ヨーロッパや中央アジアを中心に自生しているハーブです。ジャーマンカモミールの草丈は30~60センチくらいです。同じカモミールの仲間としてはローマンカモミールがありますが、ローマンカモミールが多年草なのに対して、ジャーマンカモミールは一年草です。ジャーマンカモミールは、古くよりハーブティなどにして人々に愛されてきました。ジャーマンカモミールは種から発芽しやすく育て方や増やし方も簡単なので、ガーデニング初心者にもおすすめです。
ジャーマンカモミールの花の特徴
ジャーマンカモミールの花の開花時期は、3~6月ごろです。ジャーマンカモミールは花から林檎のようなとてもよい香りを漂わせます。ジャーマンカモミールをハーブティなどに使う場合の収穫時期は、花の開花時期である3~6月です。ジャーマンカモミールの花色は、花びらが白く真ん中が黄色で、黄色い部分は成熟とともにこんもりと盛り上がります。
カモミールの名前の由来
「Chamomile(カモミール)」は、ギリシャ語に由来する花名です。ギリシャ語で「大地のリンゴ」を意味する「chamaimelon」がなまって「Chamomile(カモミール)」となりました。カモミールの花の香りがリンゴのようであることにちなんだものです。
ジャーマンカモミールの基本データ
科名属名
キク科シカギク属
学名
Matricaria recutita
和名
ジャーマンカモミール
別名
カミツレ
英名
German chamomile
原産国
ヨーロッパ、中央アジア
ジャーマンカモミールの効果と効能
ジャーマンカモミールは、ヨーロッパで古くより民間薬として重宝されてきたハーブで、「植物のお医者さん」という愛称で呼ばれるほどです。ジャーマンカモミールの効果と効能について詳しく見ていきましょう。
効果と効能1:皮膚や粘膜を守る
ジャーマンカモミールには、アズレンという物質が含まれています。アズレンには抗炎症作用があり保湿効果も期待できる成分です。そのためジャーマンカモミールは、口内炎や歯肉炎の予防、さらには胃の粘膜を保護してくれることから胃潰瘍の予防といった効果が期待できます。
効果と効能2:安眠作用
ジャーマンカモミールの甘い香りには、鎮静効果があると言われています。寝る前にジャーマンカモミールのハーブティを飲むと安眠できるそうです。
効果と効能3:糖化を防ぐ
ジャーマンカモミールには、糖化を防ぐ効果効能があります。糖化というのは、食事で摂取した糖のうちエネルギー消費されなかったものが体内で「糖化たんぱく質(AGE)」というお肌の老化の原因となる物質を作り出すことを指します。ジャーマンカモミールは、糖化を防ぎお肌のエイジングケアによいとされていて、女性の強い味方と言えるハーブです。
効果と効能4:体を温める
ジャーマンカモミールには、体を温める効果効能があります。そのため風邪の予防や生活習慣病、がんの予防にもよいと言われています。もしかして風邪かな?と思ったときにカモミールティでうがいをしたり、カモミールティを飲むと、風邪がひどくならずに済むかもしれません。
ジャーマンカモミールの花言葉
ジャーマンカモミールには4つの花言葉があります。どの花言葉もジャーマンカモミールの特徴をあらわすものとなっています。
花言葉1「逆境に負けない強さ」
ジャーマンカモミールは、一度根付くととても強く、足で踏まれても枯れることはないと言われています。そんなジャーマンカモミールの丈夫さから、「逆境に負けない強さ」という花言葉がつけられました。
花言葉2「苦難に耐える」
ジャーマンカモミールはとても強いハーブ。しっかり根を張って可愛らしい花を咲かせます。そんな草姿からイメージされて「苦境に耐える」という花言葉が生まれました。
花言葉3「あなたを癒す」
ジャーマンカモミールの歴史は古く、古代エジプト時代にはすでに人々に薬効成分を期待され使われていたそうです。ジャーマンカモミールはよい香りで人々を癒し、体によい効能で人々を助けてきました。そんなジャーマンカモミールの特徴から「あなたを癒す」という花言葉が生まれました。
花言葉4「清楚」
ジャーマンカモミールの、白と黄色の花姿は「清楚」という花言葉どおりのイメージです。
ジャーマンカモミールの育て方1「土づくり」
ジャーマンカモミールは、水はけがよく水持ちのよい肥沃な土壌を好む植物です。。小粒の赤玉土に腐葉土を少し混ぜたものを準備するとよいでしょう。市販の草花用培養土を利用するのも便利です。
ジャーマンカモミールの育て方2「肥料」
ジャーマンカモミールには、はじめの種まきや植え付けの際に、元肥として穏効性の固形肥料を少し施しましょう。そのあとの追肥は必要ありません。ジャーマンカモミールに追加の肥料は不要です。ただし、あまり窒素成分を与えすぎると、ジャーマンカモミールの葉っぱばかりが茂り、花が咲かないことがあるので注意しましょう。
ジャーマンカモミールの育て方3「水やり」
ジャーマンカモミールは、乾燥に強く、あまりじめじめとした環境を好みません。ジャーマンカモミールを植えている土が乾いて数日たってから水やりするくらいでよいでしょう。あまり多く水を与えすぎると、ジャーマンカモミールは根腐れを起こして枯れてしまうことがあります。
ジャーマンカモミールの育て方4「場所」
ジャーマンカモミールは、日当たりのよい風通しのよい場所を好む植物です。ジャーマンカモミールの花の開花時期は、夏前の3~6月。真夏の暑さとともに枯れてしまうので、真夏の時期の直射日光は気にせず、よく日の当たるところに種まきもしくは植え付けてあげましょう。
ジャーマンカモミールの育て方5「植え付け」
ジャーマンカモミールは、植え付けたい場所に直接種まきするか、苗を植え付けます。苗の植え付けをする場合、株と株のあいだはだいたい30センチくらいあけましょう。種まきした場合は、よい株を残して間引きます。あまり密植栽培にすると、株がひょろひょろとして倒れやすくなったり、蒸れて病害虫の発生源になることがあります。
ジャーマンカモミールの育て方6「剪定」
ジャーマンカモミールは、摘芯と切り戻しによる剪定をおこなうことで、成長をサポートすることができます。2つの剪定方法について詳しく見ていきましょう。
剪定1:摘芯
ジャーマンカモミールの苗が、草丈15~20センチくらいに成長したら、茎の先端をつめって摘芯による剪定をおこないましょう。摘芯したところから新しい枝がたくさん出て枝分かれし、ジャーマンカモミールの花の数が多くなります。
剪定2:切り戻し
ジャーマンカモミールは、湿気に弱い性質を持っています。ジャーマンカモミールの枝葉が混みあいすぎると、株が蒸れてしまいます。ジャーマンカモミールの草姿を観察して、混みあっているところや、葉っぱが重なりすぎているところを切り戻しによる剪定をおこなって、風通しよくしましょう。
ジャーマンカモミールの育て方7「病害虫」
ジャーマンカモミールをハーブティなど食用目的で栽培する場合、病害虫の駆除にはなるべく体にいれても安心な自然由来の殺虫剤を利用しましょう。牛乳や焼酎をつかって自分で作ってもよいですし、販売されているものを利用してもよいでしょう。
病気
ジャーマンカモミールには、うどんこ病が発生することがあります。うどんこ病にかかると、葉っぱや茎など株全体が白っぽい粉のような物質に覆われます。そのまま放置しておくと株が枯れてしまいますし、隣の株にもどんどん病気が広がってしまいます。うどんこ病にかかったジャーマンカモミールは、切り取って処分しましょう。
害虫
ジャーマンカモミールは、アブラムシが発生しやすいハーブです。アブラムシは春先の気温があたたかくなってきた頃から発生しやすい害虫です。アブラムシは、ジャーマンカモミールの葉や茎に寄生し、栄養分を吸い取ってしまいます。さらに、アブラムシの排泄物からは甘い香りがして、ほかの病気や害虫を呼び寄せる特徴があります。二次被害を避けるためにも、アブラムシを見つけたらすぐに駆除しましょう。
ジャーマンカモミールの増やし方「種まき」
ジャーマンカモミールの増やし方としては種まきが挙げられます。ジャーマンカモミールの種まきによる増やし方は比較的簡単です。ジャーマンカモミールの種まきに適した時期は、3~4月もしくは9~10月です。直播きするか、一度育苗ポットに種まきして安定した苗を作ってから植え替えましょう。種まき用の土を入れた育苗ポットにジャーマンカモミールの種をばらまきして、薄く土をかぶせます。日当たりのよい風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。ジャーマンカモミールの発芽適温はだいたい15~20度。ジャーマンカモミールは比較的発芽しやすく、だいたい1~2週間で芽が出てきます。
ジャーマンカモミールの収穫と利用方法
収穫
ジャーマンカモミールは、開花した花に香りがあります。葉っぱには香りはありません。ジャーマンカモミールの開花時期に収穫をしましょう。ジャーマンカモミールが開花してしばらくすると、真ん中の黄色い部分がこんもりとしてきます。ジャーマンカモミールの花の真ん中の黄色い部分がこんもりし、白い花びらが落ちてきたら収穫の合図。ジャーマンカモミールのよく開花した花を摘み取って収穫しましょう。
利用方法
ジャーマンカモミールの花を収穫したら、黄色い部分を中心に天日干しします。しっかり乾燥させたら、乾燥剤を入れた密封容器に入れて保存しましょう。お湯を注げば自家製のカモミールティのできあがりです。ほかにもクッキーに混ぜ込むなどして香りを楽しみましょう。
ジャーマンカモミールを育てて自家製カモミールティを作ろう
ジャーマンカモミールは、とても可愛らしい花を咲かせ林檎のようなよい香りを漂わせます。古くより薬効を期待されハーブとして人々に愛されてきました。ジャーマンカモミールの増やし方は簡単。ジャーマンカモミールは、種から発芽しやすく種まきによる増やし方がおすすめです。たくさん種をまいてジャーマンカモミールのお花畑にしてみませんか。開花した花の香りに包まれながらジャーマンカモミールのお花を収穫して、自家製のカモミールティを作ってみましょう。極上のひとときを味わえることでしょう。
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