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石楠花の育て方!植え方から増やし方まで時期に合わせた育て方を解説!

華やかで美しい花を咲かせる石楠花(シャクナゲ)は「花木の王様」とも呼ばれます。敷居が高そうに思えますが、育て方のコツなどを載せているのでぜひ育ててみませんか?石楠花(シャクナゲ)の種類や育て方、増やし方、花が咲かない場合などの解説をしていきます。
2020年8月27日
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石楠花(シャクナゲ)とは

石楠花(シャクナゲ)とは、ツツジ科ツツジ属の植物のことをいいます。「花木の王様」と呼ばれ、またネパールの国花ともなっています。野生のものでも変種が数多く、また園芸用としても数多くの品種があり、その数は数百にもおよぶといわれています。

石楠花の学名

石楠花の学名はRhododendronといいます。 ギリシャ語の「Rhodon(バラ)」と「dendron(樹木)」が語源となっています。バラのような美しい花を咲かせることから、このような学名がつけられました。

石楠花の原産地

中国原産で、19世紀中期にヨーロッパへともたらされました。石楠花の美しさに当時の人々は感嘆し、瞬く間に広まったと言われています。

石楠花の開花時期

石楠花は4月下旬から5月中旬頃に開花時期を迎えます。石楠花の開花は、種を植えてから5年から10年近くの年月が必要といわれています。

石楠花(シャクナゲ)の種類

石楠花は野生のものでも変種がとても多く、更に園芸種としても多くの品種が存在します。その中から、石楠花の品種をいくつかご紹介します。

ハクサンシャクナゲ

白から淡い紅色の花を持ち、花びらの内側に薄緑色の斑点があります。高山帯の日当たりのよい場所に分布しています。

キバナシャクナゲ

淡い黄色の花を咲かせる品種で、高山帯に自生し、群生していることも多いです。厳しい環境に分布しているため、樹高は30cmから40cmほどにしかなりません。

ツクシシャクナゲ

淡い紅紫色の花を咲かせ、樹高は4mにもなる品種です。日本固有種で、九州や四国の森林に自生しています。

ホソバシャクナゲ

樹高2mにもなる品種で、遠州石楠花(エンシュウシャクナゲ)とも呼ばれます。日本固有種で、静岡県と愛知県の山の、日当たりのよい岩場に生息しています。絶滅危惧ll類に分類されています。

アズマシャクナゲ

樹高2mから4mほどになり、紅紫色の花を咲かせる品種です。東日本の高山帯に分布していることからアズマ(東)という名前がつけられました。

石楠花(シャクナゲ)の花言葉


石楠花には「威厳」と「荘厳」という花言葉があります。かつてヨーロッパの人々を魅了し、「花木の王様」とまで呼ばれる美しさに相応しい花言葉です。

石楠花(シャクナゲ)の植え方

石楠花の植え方には、鉢植えと地植えの2つがあります。一般的には地植えが多いですが、鉢植えでもしっかりと育ちますよ。
それぞれの植え方と、時期やコツなどをご紹介します。

石楠花の植え方〜時期について

石楠花は、種を植えてから花を咲かせるまで10年以上の月日がかかるので、苗から育てることが一般的です。苗の植え付けは、3月から4月、または9月から10月です。

石楠花の植え方〜適した土について

水はけと水持ちに優れ、有機質を多く含んだ酸性の土壌を使用します。小粒の赤玉土や腐葉土、鹿沼土などがおすすめです。またツツジ用に販売されている用土もあるので、それらを使用するのもよいでしょう。

植え方〜鉢植えの場合

株よりも一回りから二回りほど大きく、深めの鉢を用意しましょう。根を痛めないよう注意しながら根を引き抜き、根を軽くほぐして広げながら植え付けます。最後に水をたっぷりとあげて、直射日光の当たらない場所に置きます。

植え方〜地植えの場合

鉢植えと同じように根を痛めないよう気をつけながら植え付けます。植える場所は、水はけのよい土で、日陰になる場所にします。

植え方のコツ

根元に直射日光が当たると生育障害を起こしてしまう可能性があるため、日当たりには注意しましょう。また、株が不安定な場合は、支柱を立ててあげるとしっかりと育ってくれますよ。

石楠花(シャクナゲ)の育て方

育て方〜石楠花が好む環境について

石楠花は高山植物なので、高温多湿な環境を嫌います。風通しがよく涼しい場所で管理するようにしましょう。

育て方〜水やりについて

鉢植えの場合は、土の表面が乾いていたら水をたっぷりとあげます。石楠花は湿気に弱く、根腐れを起こしやすい植物なので、天候や湿度の様子を見て定期的に土の状態を確認しましょう。特に、暑い夏の時期は土が乾燥しやすいので、早朝や夕方以降などの涼しい時間帯に水やりを行います。

地植えの場合は、土がかなり乾燥しているとき以外は、水やりはしなくても大丈夫です。

育て方〜肥料について

3月から4月の開花し始める時期と、9月から10月頃に、固形の有機質肥料か遅効性の化成肥料をあげます。特に秋の季節は、冬を乗り越えるためのエネルギーが必要なので、しっかりと肥料をあげましょう。11月から2月は生育が鈍る時期なので、肥料は必要ありません。

石楠花は肥料の栄養を根の先端部分から吸収するので、肥料をあげる場合は幹の近くではなく、幹から少し離れたところにあげるようにしましょう。

育て方〜花がら摘み

開花後の花びらである花がらは、見た目がよくないだけでなく、次の開花を妨げてしまうことがあります。もう一度開花させるためにも、花がらはこまめに取り除くようにしましょう。
 

時期ごとの育て方


時期ごとの育て方〜春と秋

水やりのほか、肥料を与えます。植え替えの適期でもあるので、根の様子をしっかり見てあげましょう。

時期ごとの育て方〜夏

夏は土が乾燥しやすいので、涼しい時間帯に水をあげます。害虫が増えてくる時期でもあるので、葉などを観察し、薬剤の散布や葉水などを行いましょう。

時期ごとの育て方〜冬

鉢植えの場合は、土が乾いていたらやや控えめに水をあげます。室内の日当たりがいい場所に置いてあげましょう。

地植えの場合、冬の時期の水やりは必要ありません。寒さが厳しい地域では霜よけをしておきましょう。

注意すべき病気

うどんこ病

うどんこ病とは、葉に白い斑点ができ、病気が進行すると葉全体が白くなり、光合成ができなくなることで生育不良を起こす病気です。カビが原因の病気なのですが乾燥を好み、4月から10月の長い期間に発生しやすく、また真夏と真冬にはほとんど見られません。

適度な水やりと、葉が乾いている場合には葉水を行い、発生を予防しましょう。発症している葉を見つけたら、すぐにその葉を取り除きます。自然に治ることが多い病気ですが、植物全体に広がってしまっている場合は薬剤を使用しましょう。

褐斑病

褐斑病とは、葉に褐色の斑点ができ、病気が進行すると葉が枯れてしまう病気です。高温多湿な時期に発生しやすく、主に3月から6月と、9月から11月に発生します。

こまめに剪定を行ったり、周囲の雑草などを取り除いて風通しをよくし、発生を予防しましょう。発症している葉を見つけたら、すぐにその葉を取り除きます。薬剤を使わずに治療するのは難しいので、症状が広がっている場合には薬剤の散布を行いましょう。

注意すべき害虫

ベニモンアオリンガ

4月、6月、9月と年に三回発生し、幼虫がツツジ類の葉や新芽、蕾を食べてしまう虫です。発生時期になったら、あらかじめ薬剤を散布しておきましょう。

石楠花(シャクナゲ)の植え替えについて

植え替えを行う時期

3月から5月か、または9月から10月の時期に、2年に1回程度を目安に植え替えを行います。また根詰まりを起こしている場合には、すぐに植え替えるようにします。
植え替えは、石楠花を開花させるための大切なお手入れなので、時期や根の様子を見てしっかりと行いましょう。

植え替えの仕方

根を優しく広げて植え付け、その後に水をたっぷりとあげます。植え替えの後、根が伸びるまでは肥料はあげないようにしましょう。

植え替えの注意点

ツツジや石楠花が植えてあった場所に植えると、連作障害を起こしてしまうことがあるので注意しましょう。

石楠花(シャクナゲ)の剪定

石楠花の剪定について

石楠花はあまり枝が増える植物ではないので、剪定をしすぎてしまうと芽が伸びなくなってしまうことがあります。なので、石楠花の樹形を整える場合には、剪定ではなく芽かきを行います。

芽かきとは、小さな脇芽を取り除く作業のことです。風通しをよくし、それによる病害虫の予防など、剪定と同様の効果が期待できます。

芽かきのしかた


石楠花の剪定代わりに行う芽かきは、4月から7月頃が適期です。葉の付け根部分に小さな芽が出てくるので、それを摘み取ります。このとき、枝の皮が剥けてしまわないように気をつけてください。

石楠花(シャクナゲ)の増やし方

石楠花の増やし方には種まきのほかに挿し木、そして接ぎ木という方法があります。ですが、種まきでは花が咲くまで10年以上かかるので、挿し木か接ぎ木で増やしてみましょう。

挿し木とは

挿し木とは、茎やつるなどから発根させて植物を増やす方法です。種では増やしにくい植物を増やす場合に、この挿し木が行われます。石楠花の挿し木は、湿度が高くなる6月か、または9月が適期です。

挿し木の仕方

石楠花の挿し木での増やし方についてご紹介します。

1.芽が2つ以上ある枝から、芽を1つ残して切り取り、挿し穂を作ります。
2.葉を5枚程残して取り除き、また大きい葉は半分に切ります。
3.枝を切り口が斜めになるように切り、発根促進剤を薄めた水に3時間程つけます。
4.赤玉土や鹿沼土を用意したプランターに挿し穂を挿し、その後は日陰に置きます。
5.根が出るまで乾燥しないように水を多めにあげます。

接ぎ木とは

2つ以上の枝や茎、つるを接着させて、1つの植物にする増やし方を接ぎ木といいます。石楠花の接ぎ木の台木には赤星石楠花という品種が使用され、2月から4月あたりに行われます。

接ぎ木について

1.台木になる石楠花の茎を、切り口が斜めになるように切ります。
2.1日から2日程おいて、切り口から水分を飛ばします。
3.水が出てこなくなったら、台木と同じ太さで切り口が斜めになっている接ぎ木を用意します。
4.発根促進剤を薄めた水に3時間程つけます。
5.台木に接ぎ木用テープで固定し、乾燥を避けるため鉢の上からナイロン袋などをかぶせます。
6.二週間程したら袋に穴を開けて、約1ヶ月後に袋を取ります。

花が咲かないときは?

花が咲かない原因

華やかで美しい花を咲かせる石楠花ですが、育てていく中で「花が咲かない」という場面に出会うかもしれません。
石楠花の花が咲かない要因として、
・花がらが残っている
・根詰まりを起こしている
・土の栄養分が足りていない
といったことが考えられます。

花が咲かないときの対処法

花がらが残ってしまっていると、種をつくるために栄養分を取ってしまいます。花がらはしっかりと取り除いて、花芽に栄養がいくようにしましょう。

根詰まりを起こしている場合は、すぐに植え替えを行います。根詰まり防止のために、石楠花の植え替えは2年に1回を目安に行いましょう。

花がらをしっかり取り除き、植え替えもしているのに花が咲かない、という場合は、土の栄養分が足りていないのかもしれません。根元から少し離れた場所に固形の有機質肥料か、遅効性の化成肥料をあげましょう。

最後に

「花木の女王」石楠花をご紹介しました。やや中級者向けの植物ではありますが、コツさえ掴めば開花までさせることができます。かつてのヨーロッパの人々を虜にした石楠花、ぜひ育ててみてくださいね。