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鈴鹿山脈最高峰「御池岳」の魅力とは?登山コースやアクセス情報含めてご紹介!

鈴鹿山脈の最高峰御池岳の魅力を紹介します。標高や登山道の種類、登山口までのアクセスや駐車場情報を満載しました。鈴鹿山脈最高峰で、登山道へのアクセスは決して良くない御池岳ですが、自然が残っているため小さな美しい花々や野生のリスにも出会えます。
2020年8月27日
麦食くま
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はじめに

主に三重県と滋賀県の県境に位置する鈴鹿山脈の最高峰「御池岳(おいけだけ)」を取り上げます。鈴鹿山脈で最も有名なのは、ロープウェイなども通っている、御在所岳(ございしょだけ)ですが、こちらの御池岳はそこまで観光地化されていない分、自然との触れ合いが味わえます。今回はそんな御池岳の魅力を、各地点の標高や駐車場の場所、登山道までのアクセスなど様々な視点から集めてみました。

御池岳の魅力① 鈴鹿山脈について

鈴鹿山脈とは

鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)とは、関が原から鈴鹿峠までの岐阜、三重、滋賀の県境にまたがる山脈地帯です。とくに北部と南部については、採掘工場があるほどの良質の石灰岩質で、御池岳の山頂付近ではカルスト地形も見られるようになっています。中央付近は花崗岩質になっています。最も有名な山は「御在所岳(ございしょだけ)」で、ここには三重県唯一のスキー場があります。

鈴鹿山脈における御池岳の位置づけ

鈴鹿山脈における御池岳ですが、この山がこの山脈の中で最も高い山です。北側から見て5番目くらいの場所に位置する高い山ですが、石灰岩質の場所に位置するのでなだらかになっており。登山コースとして非常に登りやすい山になっています。ちなみに御池岳は、花の百名山にも指定されています。

御池岳の魅力② 御池岳の概要・標高

御池岳の概要

御池岳は鈴鹿国定公園にあり、古生層の石灰岩で構成されています。冬場は琵琶湖が西側にあるため、日本海側の気候の影響を受ける影響で、想像以上の積雪があります。そのため山頂では樹氷をみることもできます。登山口のある国道306号線の鞍掛トンネルの周辺は、積雪のために冬期期間は閉鎖されます。冬以外の季節では、南東側に太平洋があるため、太平洋側の気候の影響があります。

御池岳の標高

御池岳は鈴鹿山脈最高峰ですが、標高は1247mになります。このやまの山頂部分は「テーブルランド」と称されていて、尖っておらず、平らな山容が続いているのが特徴です。山頂からの風景ですが最高峰ということもあり、鈴鹿山脈のほとんどの山が眺められる位置になります。また、鈴鹿山脈から遠くにある伊吹山(いぶきやま)や乗鞍岳(のりくらだけ)、天候が良ければ中央アルプスなどの山々が見られることもあります。

御池岳の魅力③ アクセス

三重県側からのアクセス

御池岳への三重県側へのアクセスは、国道306号線を目指します。公共交通の場合は、三岐鉄道三岐線の終着駅「西藤原駅」で下車します。ここからは登山口まで徒歩300分とあり、登山口まで5時間かかるほど遠い距離となります。車での利用がないと厳しいかもしれません。車なら登山口の近くの駐車スペースまで行く事ができます。

滋賀県側からのアクセス

御池岳への滋賀県側へのアクセスは、三重県側と同じ国道306号線で、鞍掛トンネル西口からが一般的ですが、別のルートもあります。特に公共交通の場合、滋賀県の八日市から出ているコニュニティバスを乗り継いで君ケ畑まで行き、こちらにあるT字尾根登山口から御池岳を目指す登山ルートの方法もあります。なお君ヶ畑の集落は、「ろくろ」をもちいて木工品を加工製造する職人「木地師(きじし)」発祥の地といわれています。

御池岳の魅力④ 登山口までのコース

コグルミ谷登山口

御池岳の登山口として最も一般的なのがコグルミ谷登山口です。国道306号線沿いに小さな標識が付いた登山口があります。但し、登山口周辺には駐車場がなく、ちょっとした空き地や空きスペースを利用して車を置くことになります。この登山口には、リスが多く生息していおり、比較的高い確率で野生のリスに出会えます。

国道306号鞍掛トンネル登山口


コグルミ谷と同じ国道306号線にある鞍掛(くらかけ)トンネルにも登山口があります。ここはトンネルの東側(三重県)、西側(滋賀県)の両側から登山口があり、登山のための駐車場や登山ポストが備え付けられています。ちなみに現在通行止めとなっている鞍掛トンネルの通り抜けが可能になるのは、2019年以降になる見込みです。

藤原岳登山口

もう一つ御池岳登山口で有名なのが、山の南側にある「藤原岳」を経由するルートがあります。この場合の登山口は、藤原口の登山口から山の中に入る事になります。こちらには観光用の駐車場が整備されています。またこちらの登山道は航行交通西藤原駅からも非常に近いので、その場合は藤原岳経由で登るのも便利です。

御池岳の魅力⑤ 登山ルートその1

コグルミ谷からカタクリ峠を経由

最もオーソドックスで、三重県いなべ市の公式登山コースのルートです。登山口はコグルミ谷です。ここから遭遇率の高いリスや足元に咲く季節のつの小さい花々を見ながらゆっくり登って行くと、長命水と呼ばれる水が湧き出ているところに到着します。さらに尾根伝いに上がって5合目を過ぎるとカタクリ峠はすぐ目の前です。

6合目のカタクリ峠を越えて一気に山頂へ

6合目付近のカタクリ峠(天ケ平)は、カタクリの花の季節に訪れると、上記画像のように凛として美しいカタクリの花々に出会えます。登山はそのまま道標に従って上がっていくとやがて真ノ谷が見えてきます。そこまで来ると御池岳山頂まであとわずかです。

御池岳の魅力⑥ 登山ルートその2

コグルミ谷からタテ谷を経由

2つ目の登山コースは、コグルミ谷登山口よりより、少し「難路」と呼ばれる「タテ谷」を経由するルートです。登山口を上がっていくと途中で「タテ谷」との分岐点があるので、そちらの方を目指します。ここからはワイルドな中級以上のコースが続きます。キツイ急斜面を次々と登って行きます。またこのルートは道標がないので特に慎重に歩く必要があります。

難所を乗り越えて鈴北岳までくればあとわずか

急な斜面を登りきると、視界が開け、御池岳の北側にある、標高1182mの「鈴北岳(すずきただけ)」山頂に到着します。この近くには「日本庭園」と呼ばれる広々とした苔庭(こけにわ)地帯があります。そのまま歩いていくと、やがて真ノ池が見えます。そこまでくれば御池岳山頂はすぐそこです。

御池岳の魅力⑦ 登山ルートその3

鞍掛トンネル東口から鞍掛峠を経由して

御池岳のもう一つの登山道のコースは、鞍掛トンネルです。東西に登山口があります。トンネル東口(三重県側のルート)の登山口には駐車場があります。そこから最初に鞍掛峠を目指します。そこまで来ると、鈴鹿山脈の縦走路と交差しますので、そこから南側(縦走路)を歩いていきます。

鈴鹿山脈の御在所岳まで続く縦走路沿いに歩く

鈴鹿山脈の縦走路まで登り切り、その縦走路沿いに南方向に登山道を歩けば鈴北岳に到着しします。あとはゆっくりと御池山山頂を目指せます。ちなみ鈴鹿山脈縦走路は、このまま藤原岳や竜ヶ岳をとおり、ロープウェイのある、標高1,212mの御在所岳までつながっています。そのため宿泊を兼ねて挑戦する登山者も多くいます。

御池岳の魅力⑧ 登山ルートその4

鞍掛トンネル西口からのルート

鞍掛トンネル西口(滋賀県)側にも駐車場がありますが、2018年6月現在はその手前で車両通行止めになっています。西口からの登山道は、道標はあまりありませんが、登山道がわかりやすいです。ジグザグ急坂道の登りは結構厳しいです。鈴鹿山脈縦走路やトンネル東口登山道との交差地点まで行けば後は同じです。


御池岳の魅力⑨ 登山ルートその5

アクセス便利な初心者向けの藤原岳経由のルート

公共交通利用時にも、山麓に豊富な駐車場も完備していて、かつアクセスが非常に便利な、藤原岳経由の登山道を紹介します。このルートは初心者向けです。登山道は大貝戸(表登山道)のコースと聖宝寺の境内からの道(裏登山道)のコースがあります。藤原岳まで上がると、縦走路を北方向に向かえば御池岳に到着します。

御池岳の魅力⑩ 登山ルートその6

滋賀県の君が畑から御池岳を目指す

滋賀県側から御池岳を登るルートで穴場的におすすめなのは、公共交通が近くまであるためにでアクセスが便利で、かつ近くに駐車場がある登山道のある、君ヶ畑から御池岳を目指す方法ルートです。「ノタノ坂」と呼ばれる地点から登ってて行くと、標高1049mの土倉岳(はぜくらたけ)に到達します。ここから西寄りの北側を歩いて行けば、御池岳に到達します。

天狗堂経由のルートもあります。

君ヶ畑からのルートで、天狗が集まる伝説のある「天狗堂」を経由するルートもあります。君ヶ畑の大皇器地祖神社(おおきみきぢそじんじゃ)を起点に天狗堂を目指します。そこからサンヤリピークへ向かい、ミノガ峠を経由して標高1130mの鈴ヶ岳、鈴北岳を経由して向かうルートです。これは中級者以上向けの登山道です。

御池岳の魅力⑪ 登山道での見どころ

コグルミ谷

御池岳の登山ルートとして最も一般的なコグルミ谷は、リスが多く生息していて、高い確率で遭遇します。また石に苔が生えていたり、その隙間を使って色々な種類の花が咲いているルートなので、登山をしながら植物園の散策をしているような錯覚にとらわれ、御池岳登山のコースルートで、コグルミ谷のルートが人気で選ばれる理由がうかがえます。

鞍掛峠

2018年6月現在トンネルを通って県境を越えることはできませんが、御池岳の滋賀県側、三重県側の両側に登山コースを保持している、鞍掛峠(くらかけとうげ)のルートも人気の高い登山道です。ここは駐車場が完備している点が強いところです。ちなみに鞍掛峠の歴史は古く、三重県側の住民は京都に、滋賀県側の住民は伊勢神宮参拝で通った古道(登山道)が山の中にあります。そしてその東西の登山口が南北に通る縦走路と交差しています。

真ノ池

御池岳の山上付近には数多くの池があります。これは山が石灰岩でできているため、石灰が浸食でなくなった後の窪地「ドリーネ」に水が溜まって出来たのが理由です。そんな中登山堂でも行きやすい場所は限られており、真の池はその立寄れる数少ない池の一つです。この池は「真ノ谷」源流部となり、ここを流れ落ちる川は「愛知(えち)川」となって、最終的に琵琶湖に流れ込みます。

元池

御池岳山頂近く、登山ルートのコース上にある大きな池「元池」は別名「雨乞池(あまごいいけ)」と呼ばれます。実はこの池では「雨乞い神事」が行われていました。滋賀県側の麓(甲良町)では、日照りが続いた時でもこのドリーネの元池が枯れないとの理由で雨乞いの儀式を行ったそうです。その流れをくむ「おはな踊り」が麓の日吉神社境内で行われ、国の無形民俗文化財に指定されています。

ボタンブチ


御池岳登山ルートのコース上には「ボタンブチ」と呼ばれる場所があります。これは山頂の南側にある崖の上の岩場を指します。ここからの眺望は素晴らしく、鈴鹿山脈最高峰と言われながらも眺望にやや難点がある山頂よりも、より素晴らしい視界が広がり、感動の2文字が頭をよぎるでしょう。ここからは西側に開けたその先には琵琶湖を眺めることもできます。

御池岳の魅力⑫ 山小屋情報

御池岳付近の山小屋「藤原山荘」

御池岳は日帰りで登山できることもあり、山小屋と呼ばれるものは基本的にありませんが、隣の藤原岳には「藤原山荘(ふじわらさんそう)」と呼ばれる山小屋があります。昔は藤原岳の山頂付近にスキー場があり、その時に山荘があり100人ほど止まったという記録があります。現在はスキー場も当時の山荘も無くなりましたが、代わりに避難小屋としての藤原山荘が残っています。

藤原山荘の利用について

藤原山荘は2F建ての無人の避難小屋です。藤原岳の9合目付近になります。1Fは座席で2Fは桟敷になっています。無料で利用できるので休憩スペースとしては最適でな空間になっています。トイレが無料(バイオトイレ)があるのがうれしいところです。管理者がいるので、いつも快適です。マナーを守って積極的に利用しましょう。

御池岳の魅力⑬ 周辺の山

藤原岳

御池岳の南にある、藤原岳(ふじわらだけ)は標高1144mの山で、花の百名産などに選ばれています。登山口に駐車場があり、公共交通の西藤原駅に近いので、登山として利用しやすいです。また御池岳に近いので縦走コースとしてセットで立寄ることも可能です。ちなみに三重県側は、太平洋セメントの石灰鉱山として利用されています。

竜ヶ岳

藤原岳のさらに南には、竜ヶ岳(りゅうがだけ)があります。標高は1099mあります。むかしこの地に勢力を持っていた豪族(ごうぞく)が龍神を祀っていた伝説が残されています。かつては「雨乞いの山」として、登拝されていました。近くにあるホタガ谷のあたりから北側が石灰岩で南側が花崗岩になる地質上の特徴があります。三重県側の宇賀渓(うがけい)から登山道が続いています。

天狗堂

御池岳の南西側、藤原岳の西にある「天狗堂」は、標高988mです。山なのに「岳」「峰」でもなく「堂」がついてる理由は、この山が天狗が一堂に集まったという伝説の残る山だからです。独立した山なので近くからは美しい山の形を見ることができます。山頂には大きな岩があり、そこからは御池岳をはじめ藤原岳や竜ヶ岳などの鈴鹿山脈の名峰の数々が見渡せます。
 

まとめ

以上で、御池岳についての様々な情報、登山口までのアクセスや駐車場情報も含めてお伝えしました。鈴鹿山脈最高峰ながらも、ロープウェイが通じているために御在所岳の方が有名ですが、むしろこちらの方が自然が残り、小さな花々やリスに出会えるなど、日帰り登山としては魅力的です。藤原岳などの他の山々とのセットで回るなど、個々の体力・登山スキルに合わせてご利用ください。今回の情報がお役にたてれば幸いです。

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