利尻富士について
概要
利尻島にある利尻山は、日本国内最北の国立公園であるサロベツ原野から見ると富士山に似ていることから、利尻富士と呼ばれています。利尻富士のほかにも利尻岳や利尻火山とも呼ばれています。 利尻富士は難易度の高いコースや山頂からの絶景を楽しむことで、登山者にとってはとても魅力のある山ですが、利尻島へ向かうフェリーからの景色やサロベツ原野から見える利尻富士の美しさは素晴らしく、観光地としても人気があります。
利尻島へのアクセス・所要時間
利尻富士までのアクセス方法は、通常稚内から飛行機とフェリーを利用します。ここでは各地からのアクセス方法をご紹介します。訪れる時期によっても時刻が変更されることがありますので、実際の時刻はご自身でご確認願います。
アクセス方法
札幌(新千歳空港)→(飛行機)→利尻島 約50分 札幌(新千歳空港)→(飛行機)→稚内→(フェリー)→利尻島 約2時間30分 東京(羽田空港)→(飛行機)→稚内→(フェリー)→利尻島 約3時35分 東京(羽田空港)→(飛行機)→札幌→(電車)→稚内→(フェリー)→利尻島 約7時間 大阪(関西空港)→(飛行機)→札幌→(電車)→稚内→(フェリー)→利尻島 約7時間20分 福岡(福岡空港)→(飛行機)→札幌→(電車)→稚内→(フェリー)→利尻島 約8時間
補足
札幌から直行便を利用すると約50分ですが、JRを利用して稚内へ行く場合、かなりのアクセス時間を要します。東京、大阪、福岡から利尻島を目指す場合は、旅の途中で観光や宿泊するなどして時間や日程に余裕をもって行くことをおすすめします。
利尻富士登山時の服装
利尻島の気候
海に囲まれている利尻島は、真夏でも30度を超えることがほとんどなく、冬は氷点下10度より冷え込む日があまりありません。一年を通して過ごしやすい場所です。時期によっては雨が続いてしまうことがあります。計画を立てる前にきちんと調べましょう。また、登山を目的とした場合、寒暖差があるので真夏でも上に羽織れるものは持参したほうがいいです!
服装
春・秋→長袖シャツで過ごせる日もありますが、気温の変化に対応できるよう重ね着かフリースなどの持参をおすすめします。 夏→真夏は基本半袖でも問題ないですが、朝晩は寒い日もあるので、長袖の持参をおすすめします。 冬→ダウンジャケットなどの防寒着にマフラーや手袋が必要です。 特に登山初心者の方は経験者に相談するなどし、万全の服装で挑んでください!
利尻富士の登山時期
適正時期
利尻富士は9月下旬には初冠雪を記録し、4月下旬まで雪が降ります。6月上旬までは雪も残っているので、足場も悪く、登山初心者には難易度が上がります。7月8月には登山しながらもいろんな高山植物を楽しめ、9月10月にはとてもきれいな紅葉が楽しめます。紅葉は山頂からだけでなく観光地からも楽しむことができるので、登山初心者は無理せずに、6月下旬から9月中旬の比較的過ごしやすい時期に挑戦することをおすすめします。
登山時のマナー
利尻では毎年登山道の補修作業をしてくれています。登山者のマナーが悪いと自然が守られず、自然が崩壊し登山禁止になりかねません。これくらい大丈夫という考えから山へ与える自然への影響を考え、一人一人が登山マナーを守ってこれからも素晴らしい景色が見られるようにしたいですね。 下記マナーは利尻富士だけでなく全ての登山にも重要です。初心者の方にも共有してください。
基本マナー
・携帯トイレを使う(登山前に携帯トイレブースの場所を確認しておく) ・ストックにキャップをつける(登山道の侵食を軽減するために必ずキャップをつける) ・植物の上に座らない、踏み込まない(記念撮影などで植物を踏んで傷つけないようにする)
利尻富士の登山コース①
鴛泊(おしどまり)コース
登山口(北麓(ほくろく)野営場)→4合目→5合目→6合目(第一見晴台)→7合目→第二見晴台→8合目(長官山)→避難小屋→9合目→沓形(くつがた)分岐→山頂 登山時間:上り約5時間~6時間 下り約3時間~4時間 登山距離:片道約6.9キロ
一番人気の鴛泊コース
登山客に一番人気のあるコースが鴛泊コースとなり、中級者向けの難易度となっていますが、5合目くらいまでは単調な道が続くので、初心者でも比較的歩きやすく挑戦しやすいコースです。 登山口の北麓野営場から約500mほどの場所に、日本最北の百名水の湧水「甘露泉水」があります。甘露泉水はとても冷たく軟水で、飲むと甘く感じる湧水です。利尻富士の登山コースの中で甘露泉水が飲めるのはこの鴛泊コースだけになります。
利尻富士の登山コース②
沓形(くつがた)コース
沓形登山口→6合目(五葉の坂)→避難小屋→8合目(夜明しの坂)→三眺山→沓形分岐→山頂 登山時間:上り約4時間~5時間 下り約3時間~4時間 登山距離:片道約5.1キロ
上級者向けの沓形コース
鴛泊コースよりも難易度が高く上級者向けのコースとなります。きつい傾斜や険しい登山道が続き、クリアしなければならない難所がいくつもあります。残雪がある時期にはアイゼンやピッケルが必要になるので事前に準備が必要です。初心者には難易度が高くおすすめできないコースです。
利尻富士の登山コース③
鬼脇(おにわき)コース
利尻富士には知る人ぞ知る鬼脇コースがあります。現在は崩落が激しく危険なために、7合目以上登山禁止となってしまいましたが、難易度が高く地元の人もよほどの経験者にしかおすすめできないコースでした。現在、山道は手が付けられていないので竹藪でおおわれている状態です。
利尻富士のトレッキングコース
ポン山トレッキング
利尻富士の登山は難易度が高いのでもう少しランクを落としたいという方におすすめなのが、ポン山トレッキングコースです。登山口は鴛泊コースと同じ北麓野営場になるので、湧水「甘露泉水」を飲むことができます。歩きながら高山植物や景色を楽しむことができるコースで、登山初心者にはおすすめです。
ポン山・姫沼トレッキング
登山口北麓野営場から、湧水「甘露泉水」を通り、ポン山に上ります。ポン山からの景色を堪能した後に下山途中の姫沼分岐から姫沼へ進むコースです。ポン山コースよりも長くなりポン山だけでは物足りないという方や初心者にもおすすめです。姫沼は神秘の湖と呼ばれるくらい美しく、風がない穏やかな日には、水面に逆さ富士を見ることができます。時間的には早朝がいいので朝強い方はぜひ早朝に姫沼を目指してみてくださいね!
利尻富士絶景スポット
利尻富士山頂からの景色
各コースの登山口から頑張って山頂まで到着したご褒美は、360℃の絶景です!この絶景を見たさに何度も訪れる登山客がたくさんいます。時期によっては天候が悪いなどで絶景を見ることができない場合がありますが、その場合はリベンジしてみましょう!何度も訪れる理由がそこにはあります。もし余裕があれば登山中に景色や高山植物を楽しみながら進むとより充実感が増します!
ヤムナイ沢
鬼脇コース途中、林道を入るとヤムナイ沢という一年中雪が残っているスポットがあります。訪れる時期や天候により変わりますが、ヤムナイ沢からは利尻山の山頂を見ることができます。空気が冷たく心地よく利尻島の穴場スポットです。近くまで車でも行くことができるので、空いた時間にいかがですか?
利尻富士周辺の宿泊施設
利尻富士観光ホテル
利尻空港やフェリーターミナルまで約5キロの場所にあり、無料シャトル送迎があります。登山口の利尻北麓野営場や、観光スポットの姫沼までの距離が約4キロというアクセスで、登山客にもありがたい宿泊施設です。また、宿泊プランも数多く用意されており、通常プランのほかに登山応援早割プランもあります。
基本情報
・住所 〒097-0101 北海道利尻郡利尻富士町鴛泊港町194-2 ・アクセス 鴛泊港より徒歩2分 利尻空港より車7分 無料送迎あり(要予約) ・お問合せ 0163-82-1531 ※注意 4月~10月末のみ季節限定で営業
アイランド イン リシリ
利尻山から9キロの場所にあり、ボリュームのある美味しい豪華な料理や、スタッフの接客が最高と評判の宿泊施設です。また、美しい夕日が見られる宿泊施設として人気があります。予約人数分の簡易トイレ付で登山口までの送迎サービスがあるのもうれしいですね!
基本情報
・住所 〒097-0401 北海道利尻郡利尻町沓形字富士見町30 ・アクセス 鴛泊港から車で20分 利尻空港から車で15分 沓形港から車で1分 無料送迎あり(要予約) ・お問合せ 0163-84-3002 ※季節限定で営業
利尻マリンホテル
鷲泊港から徒歩圏内で観光に登山に便利です。食事も新鮮な魚介が食べられます。登山の場合は、鴛泊登山口までの送迎サービスもあります。また、朝食の代わりにおにぎりを用意してくれるのもありがたいです。前もってお願いすれば、有料ですがお昼も用意してもらえます。
基本情報
・住所 〒097-0101北海道利尻郡利尻富士町鴛泊港町81-5 ・アクセス 鷲泊港から徒歩7分 利尻空港からタクシー6分 無料送迎あり(要予約) ・お問合せ TEL:0163-82-1337
利尻島の観光
利尻島へは利尻富士の登山目的で訪れる登山客と観光を目的として訪れる観光客がいらっしゃいます。登山目的で訪れる場合でも、数日間の余裕を持った宿泊をして、自然たっぷりの利尻島をゆっくりと巡ってはいかがですか?登山が初めてだった初心者の方や難易度の高いコースを上った方たちも、ぜひ島の観光も楽しんでください!
仙法志御崎(せんほうしみさき)公園
利尻島の最南端にある公園です。透明度が高い海の中に積み重なる奇岩や怪石がゴロゴロしています。天然の磯観察場があるので、目の前でウニや昆布が見られますよ。また、運が良ければ野生のゴマフアザラシに会えるんです!
夕日ヶ丘展望台
夕日ヶ丘展望台は、標高45mの高台にあります。展望台までの道は緩やかな階段を上ります。遮るものが何もないので途中の景色も楽しむことができます!利尻島の数あるスポットの中でも一番美しい夕日が見ることができると言われいます。夕日が沈む静かな時間、何を思いながら過ごしますか?
オタトマリ沼
利尻島の中で一番大きな沼で、きれいな利尻富士を見ることができます。オタトマリ沼と道を挟んだ海側にある沼浦展望台はあの銘菓「白い恋人」のパッケージのモデルになったスポットです。恋人同士にはピッタリの観光スポットですね!オタトマリ沼に立ち寄ったら、海側にあるで沼浦展望台にも立ち寄ってみてください。白い恋人を持参してパッケージと景色を見比べてみるのも楽しいですね!
まとめ
いかがでしたか?利尻富士までのアクセス方法と登山情報を中心にご紹介しました。北海道の利尻島へ行くのなら利尻富士への登山に挑戦して山頂からの絶景を一度見ておきたいですね。初心者には難易度が高いコースがありますが、初心者でも比較的やさしいトレッキングコースやハイキングコースもたくさんあるので、登山時間や時期を確認し、慎重に計画を立ててください。また、宿泊施設も充実しているので何日か掛けて観光スポットを巡るのもいいですね。利尻富士へ行かれるさいには参考にしてみてください!