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コムラサキとは?花や実の特徴や育て方を解説!見頃の季節はいつ?

コムラサキは美しい紫色の実がかわいらしい樹木。夏に小花を開花させたあと秋に実がつきます。神秘的とも評される独特の美しさを持つコムラサキはお茶席や和モダンな庭にも用いられます。コムラサキは比較的育てやすい植物。コムラサキの育て方や増やし方をご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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コムラサキってどんな植物?

コムラサキは、日本の湿地や山などに自生する落葉低木です。コムラサキは、秋に紫色の美しい実をつけることから、おもに観賞用に人気の樹木です。コムラサキの樹高はだいたい2~3メートルくらいです。コムラサキは、花というよりはむしろ実の美しさが有名な植物です。コムラサキは、比較的育てやすい樹木なのでガーデニング初心者にもおすすめです。

コムラサキの学名の由来

コムラサキの学名は、「Callicarpa dichotoma」。「Callicarpa 」はギリシャ語に由来し、「callos」と「carpos」があわさったものです。「callos」はギリシャ語で「美しい」を意味し、「carpos」はギリシャ語で「果実」を意味します。コムラサキの実の美しさを象徴するような学名です。

コムラサキは盆栽に仕立てるのも素敵

コムラサキは、小さく仕立てて盆栽にしてもとても素敵で、愛好家に人気があります。手のひらサイズのコムラサキを、お部屋にちょこんと飾るととても可愛らしく趣きのあるものです。

コムラサキの花の特徴

コムラサキの花の開花時期は夏です。コムラサキの花はとても小さいもので、開花のようすは、花びらからおしべとめしべが飛び出たような恰好です。コムラサキの花の色は、淡いピンクを帯びた独特の紫色をしています。

コムラサキの実の特徴

コムラサキの花が夏に開花した後、コムラサキは可愛らしい紫色の実をつけます。コムラサキの実のつく時期は、花の開花後のだいたい9~11月です。コムラサキは、秋の訪れとともに、とても鮮やかでつやつやとした美しい実をつけ、おもに鑑賞用や生け花用として重宝されています。コムラサキのひとつひとつの実は、直径3~4センチくらいの大きさで、いくつもの実が房のようになってみのります。

コムラサキの葉の特徴

コムラサキの葉っぱの色は美しい明るいグリーンで、コムラサキの紫色の花や実とのコントラストがとても美しいです。コムラサキの葉っぱの形は楕円形です。コムラサキの葉っぱは、枝の同じところから発生する「対生」と呼ばれるタイプです。

コムラサキと紫式部は違う樹木

コムラサキとムラサキシキブは、秋に美しい紫色の実をつけ、外見がとてもよく似ている植物なのですが、実は、違う植物です。ただし、本当はコムラサキであっても、園芸店などではムラサキシキブという名前で販売されていることもあり、混同されやすいものです。また、コムラサキとムラサキシキブどちらの植物も、育て方が良く似ています。コムラサキとムラサキシキブの見分け方について、詳しく見てみましょう。

葉っぱの違い

コムラサキの葉っぱは、先のほうだけまわりがギザギザしています。一方、ムラサキシキブの葉っぱは、ふち全体にギザギザがあります。

実の違い

コムラサキの実は、まるで果物のぶどうのようにひとつひとつの実が密集してついています。ムラサキシキブの実は、コムラサキと比べるとややまばらな印象です。またコムラサキの実は、葉っぱから少し離れたところのつきますが、ムラサキシキブの実は、葉っぱの付け根につきます。

コムラサキの基本データ

科名属名


クマツヅラ科ムラサキシキブ属

学名

Callicarpa dichotoma

和名

小紫(コムラサキ)

別名

小式部(コシキブ)

英名

Japanese beautyberry

原産国

日本、中国、台湾

コムラサキの花言葉

コムラサキには3つの花言葉が存在します。どの花言葉も美しいコムラサキの実の印象からイメージされてつけられたものです。

花言葉1「気品」

コムラサキのつやつやとした実のなる様子は、とても美しくまさに「気品」ただようものです。コムラサキは、お茶席のお花としても重宝されている樹木です。

花言葉2「知性」

コムラサキの実の紫色は、とても鮮やかでありながら毒々しくなくすっきりしたものです。そんなコムラサキの実の様子から「知性」という花言葉がつけられました。

花言葉3「聡明」

「聡明」という花言葉も、コムラサキの、神秘的とも言える透き通るような実の美しさからイメージされてつけられたものです。

コムラサキの種類

コムラサキは、名前のとおり紫色の実が美しい植物ですが、実は白色の実のなる珍しいタイプのものもあります。


コムラサキ

スタンダードなタイプの、紫色の実がなるコムラサキです。

シロシキブ

珍しい白色の実のつくコムラサキです。真っ白でつやつやの実はとても美しく、個性的なものをお探しの方にもおすすめです。

コムラサキの育て方1「土づくり」

コムラサキは、水もちがよく水はけのよい土壌を好む樹木です。小粒の赤玉土に腐葉土を混ぜたものを準備しましょう。市販の草花用培養土を利用するのもおすすめです。

コムラサキの育て方2「肥料」

コムラサキは、それほど肥料を必要としない樹木で、肥料を与えなくても枯れてしまうようなことはありません。ただし、コムラサキの花の開花後の時期に、少し穏効性の肥料を施してあげると生育がさらによくなるでしょう。

コムラサキの育て方3「水やり」

コムラサキは、比較的しめり気のある環境を好む樹木です。鉢植えの場合、地植えの場合ともに、コムラサキを植えている土の表面が乾いたら、しっかりと水やりしましょう。コムラサキの葉っぱが乾燥しチリチリとしてきたら、水切れのサインです。コムラサキは水切れを起こすと弱ってしまい、枯れてしまうこともありますので、サインを見逃さないように観察しましょう。

コムラサキの育て方4「場所」

コムラサキは、日当たりのよい風通しのよい環境を好む樹木です。半日陰の場所でも枯れてしまうことはありませんが、花付きや実付きが悪くなります。ただし、コムラサキは、直射日光が当たりすぎて、頻繁に水切れが起きるような場所は向いていません。一年をとおして少し湿り気のある環境をキープできるところがベストです。

コムラサキの育て方5「植え付け」

コムラサキの植え付けに適した時期は、2~3月のなるべく暖かい日です。水持ちと水はけのよい土壌を準備してコムラサキを植え付けましょう。育苗ポットなどからコムラサキの苗をぽこんと取り出して植え付けます。植え付けたコムラサキの根っこがしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。

コムラサキの育て方6「植え替え」

コムラサキは成長の早い植物です。鉢植えの場合、根詰まりを起こさないように定期的に植え替えをしましょう。だいたい2年に1度の割合で植え替えるのが目安です。植え替えたいコムラサキを鉢から取り出して、傷んだ根っこを清潔なハサミなどできれいに切り取ります。これまでより一回り大きな鉢を準備して、コムラサキを植え替えましょう。植え替えたコムラサキがしっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。

コムラサキの育て方7「剪定」

コムラサキは、自然のままに放任していても樹形がそれほど乱れることはありません。ですが切り戻しによる剪定をおこなうことで、新しい枝が出やすくなり成長を促進させることができます。コムラサキは、樹形を整えるという目的というよりは、成長をサポートするために剪定をしてあげるとよいでしょう。コムラサキの選定に適した時期は、1~3月ごろです。コムラサキは何年か実をつけていると、その枝が細長くなってくるので、新しい枝に更新するために、切り戻しによる剪定をおこないましょう。また、同時に、混みあった部分や不格好な部分も切り戻して整理するとすっきりしてよいでしょう。

コムラサキの育て方8「病気」


コムラサキは、うどんこ病にかかることがあります。うどんこ病は、梅雨の時期など、じめじめとした環境に発生しやすい病気です。コムラサキは比較的水を好む植物なので、うどんこ病が発生しやすいと言えます。うどんこ病にかかると、コムラサキの株全体、葉っぱや茎などに白い粉をまぶしたようになります。白い粉はコムラサキの光合成を妨げ、コムラサキを弱らせてしまいます。最悪の場合は枯れてしまうことも。うどんこ病を見つけたら、すみやかに駆除しましょう。

コムラサキの育て方9「害虫」

カイガラムシ

コムラサキには、カイガラムシが発生することがあります。カイガラムシは、春の暖かくなってきた時期に発生しやすい害虫です。カイガラムシは、おもにコムラサキの葉っぱや茎に寄生し、栄養を吸い取ってしまいます。カイガラムシはとても硬い殻を持っていて、薬剤を散布しても効果が薄いです。カイガラムシを見つけたら、ブラシなどでコムラサキからカイガラムシをこすり落として駆除しましょう。

毛虫

コムラサキには毛虫がつくことがあります。毛虫はコムラサキの葉っぱや花芽を食べてしまうだけではなく、人間が刺されると痛みをともなうやっかいな害虫。毛虫を見つけ次第、殺虫剤をスプレーするなどして、すぐに駆除しましょう。

コムラサキの増やし方1「種まき」

コムラサキは、種まきにより増やすことができますが、種は乾燥に弱いので園芸店などでは販売されていません。自分で育てているコムラサキから種を採取することにより、種まきで増やすことが可能です。

種の採取

コムラサキは、採取した種から増やすことができる植物です。コムラサキの種の採取と種まきに適した時期は秋です。コムラサキの種は乾燥に弱いので、種を採取したら保存はせずに、すぐに種まきしましょう。コムラサキが開花し実がなって熟したら、種を採取します。

種まき

採取した種は水洗いして、種についている果肉をきれいに落としましょう。種まき用の土をいれた育苗ポットなどに種をまきます。直射日光の当たらない風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。コムラサキの種が発芽して2カ月くらいたつと、だいたい10センチくらいになり苗の完成です。

コムラサキの増やし方2「挿し木」

コムラサキは、挿し木によっても増やすことができる植物です。コムラサキの挿し木に適した時期は、3月ごろです。コムラサキの程度の良い枝を10センチくらい切り取ります。挿し木用の土を入れた育苗ポットなどに挿し木します。直射日光の当たらない風通しのよいところで管理しながら、水やりを続けましょう。

コムラサキの美しい実を愛でよう

コムラサキは、小さな紫色の花を開花させたあと、可愛らしい実をつけます。コムラサキの実の色はとても鮮やかな紫でつやつやとしていて、まるでつくりもののよう。コムラサキは比較的強い植物で、育て方や増やし方も簡単です。和モダンなテイストを作り出すことができ、ガーデナーにも人気があります。秋は実りの季節。赤や茶色の木の実とはまた違う、魅力的な紫色のコムラサキの実を愛でてみませんか。