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釣って食べたい「ハナダイ」とは?その釣り方と美味しい食べ方をご紹介!

鯛と聞くと「マダイ」の名前がまず思い浮かんできますが、その陰に隠れることが多い「ハナダイ」について解説します。ハナダイの生態、マダイとの簡単な見分け方や釣り方を紹介します。ハナダイの食べ方で人気があるレシピも3つ紹介しています。
更新: 2022年1月31日
KERA
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ハナダイとは

スズキ目タイ科チダイ属の海水魚です。正式名称は「チダイ」といいます。漢字で「血鯛」と書くのは、えらぶたの縁が血でにじんだように赤いためといわれています。「ハナダイ」という呼び方は関東で親しまれている呼び方です。釣り人の間でも「ハナダイ」という名称で通っています。産卵期にはおでこがボコッとでるので「ボコ」と呼ばれることもあります。

ハナダイの生態

ハナダイは軟体動物や甲殻類を捕食する肉食の魚です。群れをつくり、海底付近で生活します。産卵期は9月~11月です。卵は分離浮遊卵であり、水温が20℃では2日前後でふ化します。稚魚は沖ではなく湾内で過ごします。成魚になると冬は水深が60m~80mある大陸棚や岩礁地帯に生息し、温かくなると水深が浅いところに移動します。1年で10㎝~13㎝成長します。

ハナダイの特徴

成魚のハナダイの体長は45㎝程度です。700g~900gあれば成魚といえます。体高があり楕円形の体をしています。色は鮮やかな赤色をしており、コバルト色の小さな斑点が背中側にあります。マダイに比べて小ぶりであるのが特徴です。マダイの体つきを男性的と表現するのに対して、ハナダイは女性的と表現される美しい魚です。

ハナダイとマダイの見分け方

マダイとの見分け方はえらぶた、尾びれ、目です。えらぶたが血がにじんだように赤く縁取りされています。尾びれの後ろ側の縁がマダイと違く、黒く縁取りされていません。目の黒い部分がマダイより大きい特徴があります。マダイより水深が深いところに生息しています。

ハナダイの生息地

ハナダイは琉球列島を除いた北海道南部伊南、朝鮮半島南部に広く生息しています。日本各地の沿岸ではなじみ深い魚です。底引き網や定置網漁でまとまって水揚げされます。釣り人にも人気がある魚です。特に山口県、島根県、長崎県、山形県など日本海側での水揚げが豊富です。

ハナダイの地方名

コダイ(山形県)、サクラダイ(山形県)、レンコダイ(広島県)、チコダイ(大分県)などが代表的です。チコと呼ばれるときはハナダイの中でも小型の個体を指していることがあります。その他にも、マトダイ、マチコ、マコダイ、ホンチコ、ヒレナガ、チレチコ、ヒダイ、ムクチダイ、ヨリコ、トウミョウ、チボロ、ダイジャコ、シャコダイ、サルマ、サコダイ、クンダイ、エビスダイ、アカダイ、オオッパナ、カスゴ、クニダイなどがあります。

ハナダイの旬

1年中市場に入荷しますが、晩春から夏にかけてがハナダイの旬とされます。春になると急に味がよくなる魚です。ちょうどその時期のマダイの味が落ちるため、マダイと同じ食べ方、同じ調理に仕えるハナダイはマダイの代わりとして重宝されます。体の赤色が鮮やかなもの、目が澄んでいるものが新鮮です。

ハナダイの市場評価


関東の市場ではマダイ、ハナダイ、キダイという順番で値段が付きます。1年を通して市場への入荷が見られます。関東で需要が高いのは「春日子」と呼ばれる小さなサイズです。そのころのサイズのハナダイは1匹で2巻の寿司が握れます。価格は安定しています。

ハナダイ釣りの旬

ハナダイ釣りの旬は春から夏にかけてで、ハナダイが浅瀬(水深40m前後)に移動する時期です。釣りの旬と味の旬が重なるため、釣って楽しく食べておいしい魚として釣り人に人気があるのです。船で沖に出るのがハナダイの一般的な釣り方です。

ハナダイの船釣り:コマセしゃくり釣り

道糸にPE3号を使用し、テンビンにコマセビシを取り付け、そのテンビンの腕の先端に仕掛けを付けます。コマセビシサイズはMサイズ、中型テンビンは30㎝前後の腕の長さを使用します。そこに太さ2㎜で長さが50㎝のクッションゴムを付けます。仕掛けは三本針が一般的で、ハリスにフロロカーボン2号です。針はチヌバリ2号です。ウイリー針という擬餌針が使用されることもあります。

コマセしゃくりの釣り方

仕掛けを海底に到達させたら、底から5m~15mがハナダイを狙うタナとなります。竿を2回しゃくってコマセビシをあおりコマセを出します。コマセが出たところに仕掛けのウィリー針を紛れ込ませることによってハナダイを狙います。そのためしゃくった後は仕掛けの幹糸の長さ分だけ道糸を巻き、当たりを待ちます。ハナダイは上に上がる餌を追いかける習性があるのでその時のあたりに注意します。

ウィリー針とは

ウィリー針とはタイ釣りにおける一般的な針です。針に糸が巻いてあり、水中に沈めるとコマセと同化するようになっています。ウィリー針を使用する時は普通は餌を使用しませんが、喰いが渋い時には餌を付けることもあります。

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ハナダイ釣りで使われる餌はオキアミやイカの短冊です。アミエビは尻尾を落としてエビがまっすぐになるように針に通します。2匹を抱き合わせて付けるのも効果的です。イカの短冊はチョン掛けします。

ハナダイの船釣り:ひとつテンヤ釣り

PE3号の道糸にフロロカーボン3号をリーダーとして4mほど結びます。リーダー先端にオモリと針が一体になったテンヤというシンプルな仕掛けを使います。餌のエビの尻尾を切り落とします。針を尾から刺してお腹側に針先を出します。エビがまっすぐの姿勢になるように取り付けた時、エビの尾がテンヤの付け根に来るようにするのがベストです。孫針をエビの頭に軽く掛けます。

ひとつテンヤの釣り方

テンヤ仕掛けを海に投入したら、糸ふけが出ないように糸を軽く押さえながら海底まで落とします。フォール中に当たりが出やすいので集中しながら落とします。仕掛けが海底に着水したら竿先が海面に着くまでさげた状態で、糸ふけを取ります。そこから竿を上に大きくしゃくったあと、テンヤをゆっくり沈めます。海底に着いたら数秒待ち、また竿を上にしゃくってからゆっくり落として待つを繰り返し誘います。


ハナダイのルアー釣り

タイラバというタイ釣り独特のルアーを使った釣り方をします。海底付近を狙うハナダイの餌釣りではメバル、カサゴ、ソイなどの根魚がよく釣れます。アジやサバなども釣れます。それが嬉しいという場合もありますが、アジやサバなどに邪魔されずにハナダイを狙いたい場合にはルアー釣りがおすすめです。大物を狙うマダイ釣りとは違い、ハナダイ釣りは数釣りを楽しむので手返しがよいルアー釣りは魅力的です。

タイラバの釣り方

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伝統的なマダイ釣りの仕掛けとしてタイカブラというものが使われてきましたが、タイラバはそれを少し改良したルアーです。釣り方は、タイラバを着底させ、ゆっくりとしたリトリーブスピードで巻き上げます。ハナダイのその日のタナを攻め終わったらもう、一度着底させ巻き上げるを繰り返します。メタルジグのように大きなアクションや誘いは必要なく、一定のスピードのダダ巻きで釣ることができます。誘い方がシンプルな釣り方なので、ルアー釣りがはじめての方にもおすすめです。

ハナダイのタックル

餌釣りのタックル

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テンヤ釣り、ウィリーしゃくり釣り専用タックルが開発されています。また、船竿のオモリ負荷30号前後で2m前後のタックルでも代用できます。リールは中型の両軸リールが一般的で電動リールを使用することもあります。テンヤ釣りではスピニングリールが使用されることもあります。

ルアー釣りのタックル

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タイラバ専用タックルを使用できます。また、2m前後の太刀魚用タックルやジギング用タックルでも十分ハナダイを釣れます。リールは中型の両軸リールを使用します。

ハナダイの食べ方

ハナダイの料理方法はさまざまです。刺身、にぎり、塩焼き、味噌汁、煮つけ、鯛めし、唐揚げ、てんぷら、フライなどの食べ方ができます。江戸前寿司にはなくてはならない魚で関東では頻繁に食されます。マダイと比べると身に水分があるので酢で締める食べ方もされます。「小鯛の笹漬け」は有名はハナダイの食べ方です。三枚に下した状態で皮目にサッとお湯をかけ氷水に浸し刺身にする、「皮霜造り」も料亭などではよく振舞われます。

ハナダイの味わい

旬のハナダイの美味しさはマダイ劣りません。皮に甘みがあり、透明感のある上質の白身の美味しさが味わえます。調理で熱を通しても身が硬くならない特徴があります。身離がよく食べやすい魚です。マダイより大きさで劣るハナダイですが、姿と色合いの美しさはマダイをしのぐため、おめでたい席でマダイの代わりに重宝されることもあります。

ハナダイのおすすめ料理レシピ①

刺身レシピ

【材料】ハナダイ 刺身醤油 ワサビ 【料理手順】①鱗を取って頭と内臓を取ります。②三枚に下します。③皮面を湯引きします。④すぐに氷水に浸してあら熱を取ります。⑤お好みのサイズにスライスして完成です。


調理ポイント

刺身の調理ポイントは三枚に下した時に皮を剥がないことです。皮がおいしい魚なので皮を剥がずに刺身にします。お刺身の食感を楽しむならその日のうちに食べてください。1日冷蔵庫に寝かせたハナダイの刺身は甘みをより楽しめます。

ハナダイのおすすめ料理レシピ②

カルパッチョレシピ

【材料】ハナダイ 長ネギ:1本 パプリカ赤:半個 パプリカ黄:半個 トマト:1個 ベビーリーフ:1袋 レモン:半個 オリーブオイル:大さじ2 塩:小さじ1 こしょう:少々 砂糖:小さじ1/2 【料理手順】①鱗を取って頭と内臓を取ります。②三枚に下します。③皮を剥がずに湯引きし、冷水に浸し熱を取ります。④お刺身より少し薄めにスライスします。⑤白髪ねぎをつくり水にしたし、トマトは角切り、パプリカは細く切ります。ベビーリーフは洗って水気を切ります。⑥オリーブオイル、レモン汁、調味料をすべて混ぜます。⑦お皿にまずベビーリーフを盛り付けて、タイの身、残りの野菜を盛り付け調味料を回しかけて完成です。

調理ポイント

カルパッチョの調理ポイントは、湯通しして冷水に浸したタイの身の水気をよくふき取ることです。調味料はかき混ぜるだけなので、砂糖と塩がオリーブオイルになじむようにしっかりかき混ぜます。使用する野菜はお好みで、トマトやアボカドなどもよく合います。頻繁に作るようなら、ワインビネガーを少し加えると違った風味を楽しめます。

ハナダイのおすすめ料理レシピ③

鯛めしレシピ

【材料】お米:2合 ハナダイ:2匹(ジャーに入るくらいのサイズ) 青ネギ:適量 お酒:大さじ2 醤油:大さじ2 みりん:大さじ1 しょうがチューブ:2センチくらい 塩:小さじ1 【料理手順】①ハナダイの鱗と内臓を取ります。②軽く洗い水気を吹いたら、両面に塩を振ってグリルで塩焼きにします。③お米をとぎザルで水を切っておきます。④お米をジャーに入れ、調理量を入れます。⑤それから、水を2号のメモリまで入れます。⑥最後に焼いたハナダイを浸し炊き上げます。⑦炊き上がったらハナダイの身をほぐして混ぜます。⑧お茶碗に盛り付けてから刻んだ青ネギをふりかければ完成です。

調理ポイント

鯛めしの調理ポイントは頭からよいだしが出るので頭を切り落とさないことです。ジャーに入れる順番に注意が必要です。お米、調味料を入れてから水をメモリまで入れます。水の分量を測ってからタイを乗せてください。そうしないと水の量が少なすぎてしまいます。水かげんは使っているお米の質に合わせて、いつものメモリ加減を使用してください。

まとめ

旬のハナダイの美味しさはマダイを上回るともいわれます。ハナダイは体高がある魚なので、インパクトのある引きが釣り人を魅了します。清潔感のあるきれいな魚なので捌いたり、料理するのも苦にならず、クーラーボックスに入れて持ち帰りたい人気の魚です。釣ってよし食べてよしのハナダイ、レシピも豊富なのでいろいろな食べ方で上品な白身の美味しさを楽しんでみてください。