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ニベとはどんな魚?その特徴や釣り方から美味しい食べ方まで解説!

「にべ」という魚をご存知ですか?イシモチと呼んでいる人もいるかもしれません。普段からよく食べられる魚とはいえませんが、皮がとても美味しい白身魚です。今回はにべについて、どんな魚なのかと一緒に、釣り方、レシピ付きの食べ方までも詳しくお教えします。
更新: 2023年12月9日
蛙屋
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にべってどんな魚?

「にべ」といわれても、ピンとこない人もいると思います。まずはどんな魚なのか覚えておきましょう。

呼び名が多く、混乱必至!

にべはスズキ目の魚です。大きさは50cmくらいにもなり、個体によっては1m近いものもいます。日本では宮城県、新潟県以南の浅い砂地に生息。料理にも意外と使われています。イシモチ、グチ、シログチ、アカグチなどいろいろな名前で呼ばれるのですが、実は似た魚と混同されていることも多く、区別が曖昧になっているのが現状のようです。

釣り上げられると愚痴る?

にべは釣り上げられると「グーグー」と音を出します。浮き袋を動かして鳴らすのだそうです。これが釣られたことに愚痴を言っているようなので、グチとも呼ばれます。音はコミュニケーションのためだと考えられており、カサゴやギギにも見られる特徴です。釣りの際は、にべの抗議にも耳を傾けてみてください。

大きな耳石持ち

にべの頭を捌くと、大きな耳石が出てきます。イシモチ(石持ち)と呼ばれるのは、ここからきています。そのため、にべとイシモチは同じ魚と広く認識されているのですが、厳密には違う魚なのです。詳しくは次項に書きますが、この違いがわかれば相当なものです。混同したままであっても、特に障害はありませんが。

大にべ釣りが流行しそうだ!

一般サイズのにべは「ほんにべ」と呼ばれているのですが、「大にべ」と呼ばれる種類もいます。その名の通り、最大で2mにもなる怪魚です。このサイズは釣り人にも好評で、近ごろでは船で沖に出て釣る遊びも人気のようです。釣り方も難しくはなく、未経験者でも釣れるようです。

にべとイシモチは違う

混同されるにべとイシモチ。よくよく調べると違う魚です。どうしてこんなことになったのでしょう?

シログチがイシモチの正体だった!

イシモチも多くの別名を持っています。グチ、シログチなどで、にべの別名とかぶっています。さらににべと見た目もそう変わらないので、混同が激しくなったと考えられます。実はシログチという魚がイシモチのことで、にべよりも少し小さいのです。旬や食べ方もあまり変わらず、今はほとんど一緒くたにされて、流通の場でも混同されているのです。

意外と簡単だった見分け方

にべとイシモチの違いを見分けるのは難しくありません。にべは全体的に黒い斑紋があり、イシモチ(シログチ)はきれいな白銀色です。一見しただけで見分けられるでしょう。また、にべは外洋に面した浅瀬でよく見られるのですが、イシモチは内湾に多いのです。自然に親しむなら両者の違いを頭に入れておきたいですね。

にべと人の暮らしとの関係

人は昔からにべを利用してきました。驚くような使い道もあったようです。

現代でも使われる優れた接着剤

取り付く島がないことを「にべもない」といいます。にべは「膠」で、接着剤のことです。昔はにべの浮き袋から接着剤を作っており、それがなくてくっつきようがない→取り付く島がないとなったのです。にべの膠は今も弓を作るのに使用されており、「にべ弓」でなければダメだとこだわる競技者も少なくないそうです。


にべは家族計画にも貢献!?

にべの浮き袋はとても大きく、人間は昔から利用してきました。中国ではにべの浮き袋を、なんと避妊道具として使っていたといいます。男性器に被せるスキンにするのに、厚さや弾力がちょうどよかったのだそうです。なかなか大胆なアイデアですね。それだけにべは暮らしと密接していたのです。

にべの旬と釣期はいつか?

魚を楽しむには、その旬と釣りの時期を知らねばなりません。料理や海遊びのタイミングを逸しないよう、知っておいてください。

年中美味しく食べられます!

にべは春から初冬にかけて釣れます。夏くらいから美味しく食べられますが、冬のにべが美味といわれ、旬は秋から冬と考えていいと思います。わりと年中獲れる魚なので、厳密な旬というのは断言しにくいところがあるんです。人によって夏が旬という意見もあります。個人の好みで、いつでも美味しいともいえるでしょう。

狙いは真夏の夜

にべの釣期は3月~11月。最盛期は7~9月でしょう。夜釣りのほうが釣果が期待できるようです。船釣りでも、陸からの投げ釣りでも狙えます。仕掛けで釣るのが主流ですが、ルアーやジグでも大丈夫。いろいろな釣り方が楽しめます。ややこしいことに、釣りの場でもにべとイシモチは一緒に揚がることが多いです。

にべ釣りのタックル選び

にべは陸釣り、船釣りが楽しめます。それぞれのタックル仕様や、キャスティングのコツなど、基本的な釣り方を説明します。

投げ釣りでにべを狙ってみよう

堤防や浜からの投げ釣りは、4mくらいの投げ釣りタックルを使います。投げ釣り用の大型スピニングリール、ラインはPE1号~2号を使用します。ミチイトの先に胴付きや天秤の仕掛けをつけます。オモリは20号くらいでいいでしょう。にべ釣りの餌はイソメが一般的。

タックルはシーバスタックルでもOK

陸に近い浅瀬に接近する傾向があるにべは、投げ釣りが適した釣り方でしょう。しかし、沖でイシモチ(シログチ)などと一緒に狙えることもあり、船釣りも楽しい魚です。船釣りの場合はシーバス用のタックルで構いません。ルアー釣りもシーバス用タックルでできます。

浅瀬のくぼ地を探せ!

タックルをキャスティングしたら、リールを巻きながら海底のくぼみを探ります。にべはそうしたポイントにいることが多く、くぼみを狙えるかどうかで釣果が変わってきます。海が濁っている日のほうが釣れやすい傾向があるといいます。

にべ釣りの仕掛け

にべの釣り方はいろいろです。ここでは仕掛け釣りを解説します。

にべ釣りの正道、胴付き仕掛け

投げ釣りタックルと胴付き仕掛けで行う手軽な釣り方です。おおよその目安ですが、幹イトは1mくらい。ナイロン3~5号で、2、3本の枝ハリスに、12号くらいの丸針。20号から25号のオモリです。餌はイソメの他、サンマの切り身などが使えるようです。

天秤仕掛けでも狙ってみよう!


にべは天秤仕掛けでも狙えます。タックル、ミチイトは胴付きと同じ。テンビンオモリは15~25号くらいでいいです。あとは天秤仕掛けを繋げばいいだけです。餌も同じ。胴付き仕掛けのほうがにべは主流ですが、天秤でも特に違いはありません。

にべのルアー釣りとジギング

餌釣りもいいですが、にべにはまだまだ釣り方がたくさんあるんですよ。

濁った海はルアー釣りがおすすめ

梅雨時の、濁った河川の水が海に流れ込む時期には、ルアーでもにべが狙えるそうです。使うのはシーバスタックルでも大丈夫。ルアーは10cm程度のシンキングミノー、フローティングミノーでいいのですが、ヒットしやすいのはバイブレーションです。ゆっくりリトリーブして誘ってみましょう。

大にべをジギングで豪快に釣ろう

にべには大にべという種もあり、最大2mにもなります。大にべを狙うならジギングがおすすめです。ジギングタックルに、PE1号ライン、ジグは100~200g、フックはタチウオ用のトレブルフックがいいようです。底を叩くボトムパンプでにべを誘います。大にべのジギングは流行の兆しだそうですよ!

にべを捌き方は?

にべは大きな魚です。大にべなら捌くのも一苦労。とは言え、やり方は普通のおろし方と変わりません。3枚おろしにしておけば、どんな食べ方にも対応できるでしょう。

にべは少しずつ切り離してゆく

まずはウロコを落として、頭を切り離します。腹部を裂いて内臓を取り出し、中骨に沿って切れ目を入れておきます。大きいので、少しずつ深く包丁を入れてゆくのです。背部も同様に行い、身を切り離します。もう片側も同じにして、3枚おろしは完成です。

刺身は腹と背を分割しよう

身は腹部と背部に切り分けると、後々調理もしやすくなります。旬の時期は刺身などでも食べますから、そのままでは、にべは大きすぎるのです。切り分けたら中骨を除き、必要に応じて皮を引き剥がします。焼霜造りにする場合は、皮はつけたままにしておいてください。

にべ料理:焼き物編

にべ料理といえばまずは焼きものです。調理しやすく、レシピも簡単な魚料理の王道です。

フライパンでも調理できる塩焼き

にべの切り身に塩を振って焼くだけ。レシピはお好きな塩加減だけです。グリルでもフライパンでも調理できます。フライパンでの調理は皮から先に焼いて、こんがりさせると美味しく頂けます。塩を振ることで、にべの臭みも抑えられますよ。

スズキに劣らぬにべのムニエル

スズキ料理の定番ムニエルは、にべでも美味しいです。レシピは二人前で、にべ2切れに塩・コショウして、小麦粉をまぶしたものを、バターを引いたフライパンで焼けばいいです。そのままでも食べられますが、レモン汁などをかけても良し。またはバター30g、白ワイン50cc、バルサミコ酢15gくらいの割合でソースを作ってかけると、さっぱりと頂けると思います。


にべ料理:煮物編

魚は煮るのも美味しい食べ方ですね。調理も意外と楽です。にべの煮ものをレシピ付きで紹介します。

にべの簡単煮つけ

煮つけレシピは数ありますが、今回は簡単に醤油、酒、みりんを大さじ3、砂糖と水を大さじ1の簡単煮汁で調理します。臭い消しのショウガの薄切りも1片加えましょう。煮たてた煮汁ににべを2切れ。落し蓋をして7、8分煮るだけです。煮汁の材料はお好みで加減して、自分好みのレシピにしてください。

にべのアラを使って味噌汁

にべのアラが余ってしまったら、味噌汁にしてみるのはいかがでしょうか?磯の香りを感じる食べ方ですね。レシピというのは特にないのですが、アラは軽く湯通しして、ウロコや汚れや血合いを除いてください。そのアラをだし汁で煮て、味噌を溶けばいいのです。ネギなどの野菜を入れてもいいですね。

にべ料理:刺身編

春から秋まで釣りシーズンのにべ。新鮮なにべは旬でなくても絶品です。刺身で頂きたいものですね。

甘くて淡白、にべの刺身

レシピは三枚におろしたにべを、食べやすい大きさに切るだけです。にべの刺身は甘く、癖もないので、いくらでも食べられます。調理というほどではないですが、大葉などと一緒に食べれば、さらに美味しく感じられるでしょう。にべの旬といわれる秋~冬には、絶対に食べておくべきです。

洒落た食べ方の焼霜造り

普通の刺身に飽きたなら、にべの刺身を焼霜造りにしてみましょう。皮が美味しいにべですから、皮つきの焼霜造りは超おすすめの食べ方なんです!皮つきでおろしたにべの、皮をさっと焼いて軽く焦げ目をつけます。レシピというかコツは、焼きすぎないこと。炙る程度でじゅうぶんです。焼いたにべを氷水に入れて、熱が取れたら取り出して、切ればいいです。簡単ですから、是非試してほしい調理法です。

にべのまとめ

にべの魅力を知ってほしい!

スズキの劣化版みたいに思われがちなにべですが、スズキにも負けない美味しい魚です。また、釣る魚としてもシーバスフィッシングに劣らない面白さもあるのです。この記事をきっかけに、にべに対してもっと注目していただき、にべに親しんでもらえたら嬉しいことです。