ゴーヤ
夏になると良く出回る野菜として人気なゴーヤですが、実は様々な効能を持っており、美容効果やダイエット効果、それから夏バテ予防効果まで期待できる優れた野菜です。チャンプルが有名ですが、ゴーヤジュースにしてスムージーなどに利用すると毎日飽きずに楽しむことができます。
ゴーヤとは
ウリ科ツルレイシ属(モモルディカ)の植物で、特有の苦み成分を持つことが特徴です。ただし種子の周りの果肉(仮種皮)は熟すと甘くなります。おそらくは哺乳類に未熟な果実を食べられないよう苦味を持ち、そして伝搬力の強い鳥類に甘い仮種皮ごと種子を食べてもらい生息地を増やせるよう進化してきたのでしょう。日本では仮種皮の利用はありませんが、カロテンや高濃度のビタミンEを含むため中国南部からベトナムにかけ同属のガックフルーツが利用されています。
ゴーヤの苦味成分
ゴーヤの苦味成分はモモルデシンという成分で、胃の保護効果や粘膜の回復効果、食欲増進や熱中症予防効果などの様々な効能があります。調理して食べる場合には苦味を落としたりする場合もありますが、ジュースにしてスムージーに利用するのならばそれほど苦味も気になりません。苦味に慣れてくるとストレートジュースでも美味しく感じるようになります。
苦味の少ないゴーヤ
沖縄で有名なゴーヤ、厳密にはゴーヤーと呼ばれているタイプのゴーヤは苦味が弱く、食べやすいのが特徴です。正式な品種名はあばしゴーヤーというもので、現在様々な品種の親にも使われています。肉厚で歯ごたえがよく、チャンプルーに最適です。最近現れた品種に「ほろにがくん」という苦味が弱いことが特徴の品種もあるので、どうしても苦味が気になる方は栽培してみてはいかがでしょうか。
節なりタイプのゴーヤ
最近ではゴーヤにもキュウリ同様に節なりになるタイプが発見されており、様々な品種が生まれています。デルモンテのスーパーゴーヤやスーパーゴーヤ白が意外と育てやすく良いのですが、食感のよさでは島娘が一番素晴らしいと思います。作り方次第ですが、節なりタイプのゴーヤは収量が破格なので狭い庭で栽培するのであれば、節なりタイプを利用すると良いでしょう。
ゴーヤの栽培
苦みが強いゴーヤがいい場合は薩摩大長レイシや願寿ゴーヤ、ミニゴーヤなどが良いでしょう。苦味が少ない方が良い場合はあばしゴーヤー、キンニクゴーヤマン、ほろにがくんなどがいいですね。種子は1センチ程度土をかぶせ日陰においておきます。発芽して本葉が3~4枚出てきたら地植えします。放任でも雑草のようにぐんぐん育ちますが、好みの高さになったところで摘芯してやると実がつきやすくなります。
ゴーヤの種子まきのコツ
ゴーヤは意外と発芽率が悪く、簡単に発芽してくれない場合があります。ゴーヤの種子の発芽適温は25~30度で、また更にウリ科特有の嫌光性種子なため光が当たらないようにしっかりと土をかけないと発芽しません。そしてスイカやメロン、カボチャなどの一般的なウリ科野菜とは異なり、種子の殻が分厚く固いどちらかと言うとヒョウタンなどに近い種子であるため、水分を吸いづらいのも特徴です。そのため、種子のとがった部分を少し爪切りで切ってやると発芽しやすくなります。
ゴーヤの作り方
棚栽培、垣根栽培ができますが、上に伸びる力が強いので地這い栽培には向きません。地植えであればブドウ棚を作って子ヅルが出始めた苗を植えれば勝手に棚をよじ登り立派な果実をつけてくれます。垣根栽培の場合は株の両脇に支柱をたて、子ヅルが支柱を登り切ったところで摘芯します。すると孫ヅルに花が咲き果実が実るので、後は放任でかまいません。子ヅルを一本摘芯せずに残しておくと後半まで樹勢が衰えません。
ゴーヤの種の取り方
ゴーヤの果実は熟すと黄色く色づき、やがて裂開し赤い種が露出します。その赤い部分を食べるか洗うかして取り除き、4日ていど乾燥させて保存します。こぼれ種でも充分育つほど強い植物なので、種子取り目的以外の果実はキチンと収穫しましょう。
ゴーヤジュースの作り方
まずはゴーヤをよく洗い、先端とヘタの部分を取り除きます。次に濾過して、汁のみをジュースにする飲み方をする場合は種と一緒に内側のワタを取り除きますが、スムージーなど細かくなった果肉もそのまま使うような飲み方をする場合はワタを取る必要はありません。ミキサーにかける場合も細かくスライスしてからミキサーにかけると均等に破砕されます。レシピによってはゴロゴロに果肉をいれるのもありかもしれません。
ゴーヤのワタは栄養満点
ゴーヤの調理をするときにワタを取るのは基本中の基本ですが、実はワタには果肉の数倍のビタミンCが含まれており、甘みがあるので卵焼きや炒め物に混ぜても美味しくいただけます。もちろんスムージーやジュースを作る際にワタのついたまま利用しても問題ありません。ただジュースにする場合やや青臭さが出てしまうので毎日飲むようなジュースにする場合は取り除いて料理に使うのがオススメです。
綺麗なゴーヤジュースの作り方
苦味が特徴のゴーヤですが、中にはジュースとお酒を混ぜてカクテルのように楽しむ方もいらっしゃいます。お酒に混ぜるには綺麗な透き通ったゴーヤジュースを使いたいですよね、それには濾過が必要です。まず搾り汁をキッチンペーパーに通して濾過します。次に軽く泡立てた卵白を混ぜ中火で加熱していきます、すると卵白が汚れを包みながら凝固するのでそれを取り除きます。これはコンソメスープを作るときの作り方で、濁りの原因となるタンパク質を取り除くことができます。
ゴーヤジュースカクテルの飾りに
カクテルの飾りにはオレンジやレモンの輪切りがよく使われます、ゴーヤの場合はゴーヤの蜂蜜漬けでいきましょう。ゴーヤを薄く輪切りにし、レモンやシークワーサー、ライムなどの香酸柑橘のジュースを加えた蜂蜜に3~4日漬けると丁度良いと思います。フルートグラスなどを利用する場合には氷の間に蜂蜜漬けを2~3枚落とすと見栄えが良くなります。
ゴーヤジュースカクテルのレシピ
ゴーヤは南国野菜だからかトロピカル系フルーツと相性が良いです。パイナップルやレモン系と合わせると成功しやすいと思います。お酒はジン、ウイスキー、ブランデーなどを利用するのもありですが、スパークリングワインと合わせても美しく仕上がります。シャンパンだけではなくプロセッコやカヴァなどでも美味しいので色々なレシピを試してみて下さい。
レモンとゴーヤジュースのカクテル
リモンチェッロが手に入りやすいと思うので、リモンチェッロとゴーヤジュースを利用したものをベースにすると良いでしょう。例えばリモンチェッロ、ゴーヤジュース、パイナップルジュース、スパークリングワインが王道だと思います。ただゴーヤジュースを20%以上にすると苦味が出やすいので、11~12%のやや苦味を感じる程度にすると苦味がアクセントになり、一風変わったカクテルが出来上がります。
ゴーヤジュースと蒸留酒のレシピ
ゴーヤジュースの味わいをガツンと感じるお酒にしたい場合はアルコール度数の高い蒸留酒を利用すると良いでしょう。オススメはやはりラム酒で、ゴーヤの苦味が心地よく感じます。そのほか泡盛も良いですね。ゴーヤジュースの量が10%でほろ苦い20%で苦いお酒になります。飲み方によってですが、強いお酒をちびちび飲む飲み方ができる方はハマってしまうかも知れません。
ゴーヤジュースを使ったスムージー
ゴーヤジュースはよく共益リノール酸によるダイエット効果を期待してスムージーにも利用されます。様々な飲み方が出来ますが一番飲みやすく続けやすい飲み方がスムージーかもしれませんね。ゴーヤには他にも沢山の栄養素が含まれており、その中にはダイエット効果や健康への効能などが期待できる栄養素がいくつか存在します。血糖値を下げるインスリンの分泌を促す成分や、むくみに効果があるカリウムなどの栄養素があるためスムージーで毎日摂取することにより健康にダイエットが出来るかもしれません。
目的により変える作り方
健康のために飲みやすく美味しい飲み方をしたい場合と、ダイエット効果を期待して多少味が悪くてもダイエット成分を含むものをブレンドし、ダイエットのための栄養を取るような飲み方をしたい場合があると思います。美味しくするためにはやはり甘みをつける必要がありますし、ダイエットのためであればできるだけダイエットに効能を発揮する食材と合わせるのが得策です。レシピによって効果が変わってくると思います。
ゴーヤジュースで作るスムージーのレシピ
スムージーの基本は毎日摂取することなので、味が良く作り方が簡単で、栄養素や健康成分をきちんと取れるように濾過しないジュースを用いる必要があります。すると粘りが少なく口当たりが悪いのがゴーヤジュースの特性なのでやや粘り気の強いフルーツや野菜を合わせるのが良いでしょう。そのほか甘味をつける場合はグラニュー糖や上白糖などではなく、精製されていない蜂蜜や黒糖などを用いると栄養成分のUPが期待できます。
ゴーヤジュースとバナナのスムージー
ゴーヤ50gバナナ半分~1本、豆乳200cc、プレーンヨーグルト50cc、蜂蜜か黒糖で味を調えます。蜂蜜は言わずと知れた健康食品ですが、黒糖もフェ二グルコシドを含むため糖の過剰な吸収を抑えるなどの素晴らしい効能があります。また黒糖には人体にほとんど吸収されず腸内の善玉菌の餌になるオリゴ糖も含まれるため、お腹の調子を整える効能があります。これが一番スタンダードなレシピです。
ゴーヤジュースで疲労回復スムージー
ゴーヤ50g、リンゴ半分、ブルーベリー30g、人参半分、豆乳150~200cc、黒糖で味を調えます。夏バテ予防に効能を発揮するゴーヤに、疲労回復成分であるクエン酸やリンゴ酸などの栄養素を豊富に含むリンゴ、ストレスを軽減させる効能があるポリフェノール含有量の高いブルーベリー、ブルーベリーのアントシアニンが眼精疲労に効能を持つのは有名ですが、人参に含まれるカロテンも体内でビタミンAとなり角膜の保護に効果を発揮します。
ゴーヤジュースのその他の利用法
ゴーヤジュースには飲む以外にも利用法が沢山あります。例えば料理に利用するなどで工夫すれば美味しくいただけます。とはいえ苦味は必ず残るので好き嫌いが分かれます。使用するゴーヤジュースの量で苦味を調節すると良いかもしれません。苦味が気にならない方は沢山入れてしまっても構いませんが、沢山入れる場合は煮詰めるなどして水分を飛ばす必要があるかも知れません。
ゴーヤクリームコロッケ
クリームコロッケに使うベシャメルにゴーヤジュースを混ぜる事によりゴーヤ風味のクリームコロッケを作る事が出来ます。まずバターを多めに溶かし、小麦粉を炒めます。小麦粉とバターが馴染んだら牛乳を少しづつくわえて小麦粉溶かしていきます。とろみを残すくらいになったところでゴーヤジュースを加え、再び同じ固さになるまで煮詰め、冷やし固めます。固まったら衣をつけて完成です。具材を入れる場合は冷やし固める前に混ぜ込みます。
まとめ
沖縄では古くより利用されているゴーヤですが、都市部ではまだまだマイナー野菜の域を出ません。苦味が広く受け入れられないのが原因ですが、その苦味成分は様々な効能を発揮し、美容やダイエットにまで貢献します。栽培も簡単で、苦味の少ない品種も存在するので試しに栽培し、ジュースやスムージーにして楽しんでみてはいかがでしょうか。