ホーザン(HOZAN) ハンダゴテ 半田ごて 15w 最高温度400度 小型・軽量スリムタイプ 全長178mm 重量16g H-130
チップLEDとは?
チップLEDは、電子部品のLEDパッケージの1種で、プリント基板上に半田付けして使われることから「表面実装型LED」とも呼ばれているLEDです。「Surface Mount Device(表面実装)」の略で「SMD LED」とも言われます。
チップLEDは明るくて広範囲に照射できることから、照明器具で使われるLEDとして、今や主流の電子部品となっています。
電子部品におけるLEDパッケージには、チップLED以外にも「砲弾型LED」や「flux LED」など、いくつかの種類がありますが、今回はチップLEDについて詳しくご紹介します。
チップLEDの使用例
チップLEDは私たちの暮らしの中でどのような場所や物に使われているのでしょうか?身近なところでチップLEDが使用されているものをご紹介します。
照明器具
フロアライトやデスクライトなど、照明器具に使用されているLEDのほとんどがチップLEDです。照明器具ではテープ状の基盤にチップLEDを並べて作られた「テープLED」が使われています。
車の装飾
ヘッドライトやルームランプなど、車の装飾用の照明としてもチップLEDは活躍しています。ヘッドライトの場合は前述の照明器具と同様、主にテープLEDが使用されます。
エアコンパネルやスピードメーターでは、そのユニット内基板上にチップLEDが半田付けされて使われています。
プラモデル、ジオラマ
チップLEDは、プラモデルや模型の装飾にするという使い方もあります。模型のパトカーのパトランプや、夜景のジオラマなどでチップLEDを用いると、よりリアルなものが作れることに加えて創作の幅がぐっと広がり、工作が面白くなります。
チップLEDの特徴
暮らしの中の様々な場面で使用されているチップLEDですが、どのような特徴があるのでしょうか?チップLEDの構造や仕組みと合わせてまとめてみました。
チップLEDの構造
元々LEDは化合物半導体として作られたものです。電子部品や装飾パーツとして使われるチップLEDは、極小サイズの基板上にのせられ、電極にワイヤーで繋ぎ電気を流せるようにして樹脂コーティングされている構造となっています。
チップLEDの寿命や品質
一般的に白熱灯や蛍光灯と比べて長寿命で知られているLEDですが、チップLEDについても同様です。寿命の長さについては、その種類やメーカーによって様々となっています。
LEDは長時間の使用により、明るさが落ちてきたり、光の色の質が変わったりしてきます。明るさが落ちる原因はLEDの構造にあり、LED素子を覆う樹脂コーティングの長期間の使用による劣化が明るさ低下の主な原因です。
チップLEDの明るさ・光り方
チップLEDは空間の全方向に光る光り方をするため、ふわっとした丸型の光り方をするように見えます。
上の写真は左側がチップLED、右側が砲弾型LEDでそれぞれ対象物を照らした様子です。チップLEDは広範囲を照らすことができる反面、光が遠くまで届かないため、展示物などの照射照明にはあまり向いていないことが分かります。
チップLEDのメリット・デメリット
チップLEDにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?簡単にまとめてみました。
メリット
チップLEDの最大のメリットは、サイズが小型軽量であることです。そのため配線を細くすることが可能で、狭い所やわずかな隙間でも利用できるというメリットがあります。また、テープLEDのように複数を繋げてアーチ状にして使うなど、使い方の幅が広いのが特徴です。
デメリット
チップLEDはサイズが小型であるがゆえに、一つ一つのチップLEDが出せる明るさには限界があり、明るさを高めるためにはたくさんの量を使用しなければいけないとうデメリットがあります。照明として利用するには大量のチップLEDが必要となり、それと同時に放熱処置も不可欠になってきます。
チップLEDの種類
チップLEDはサイズや形状などによって様々な種類があります。それらについて簡単にまとめてみました。
基本的なチップLEDの種類
樹脂モールドタイプ
LED素子が軟質樹脂で覆われたタイプのチップLEDです。さほどの光量を求められない照明や表示、スイッチ向けの照明に用いられます。
リフレクタータイプ
ある程度強い光で照らしたい箇所、明るさが欲しい場所に使われるのがリフレクタータイプです。車のメーター、液晶バックライト、モニターバックライトなどで用いられます。
テープLED
チップLEDが等間隔に並び、テープ状となったLEDです。単発のLEDより明るさは強く、裏側がテープになっているため貼って使用することができます。柔らかい樹脂素材のため曲げての使用も可能、カットライン上で好きな長さに切って使うこともでき、使い方の幅が広く自由度の高いLEDです。
サイズの種類
チップLEDのサイズはある程度規格化されていますが、搭載する機械や照明によって各メーカーが薄さなどの形状に特徴をもたせて作っているなどの工夫がみられることもあります。
一般的に流通しているチップLEDの種類とサイズは上の写真の通りです。下に書いてある4桁の数字はチップLEDの名前(サイズ)を表しています。「5050」は「5.0㎜×5.0㎜」といった具合で、サイズがそのまま名前になっているのです。
小型軽量が特徴のチップLEDですが、つまようじと並べてみると上のように見えます。いかに小さいサイズかがよく分かりますね。
チップLEDの使い方
電飾や工作で用いられるチップLEDですが、どのような使い方をすればよいのでしょうか?チップLEDの使い方についてご紹介します。
基板上に表面実装
チップLEDは「表面実装型LED」という呼び方の通り、基本的には基板上に半田付けで表面実装して使います。
チップLEDの基板側には金属端子の電極がついていて、この部分にリード線などを半田付けして使います。電極の極性や半田付けの方法、表面実装する時のコツなどは、この後に詳しく述べていきます。
チップLEDの極性
チップLEDに限らず、LEDには「アノード」、「カソード」と呼ばれるプラスとマイナスの極性があります。この極性の向きを間違えると、チップLEDは点灯しません。
極性とは?
LEDは流れる電流の方向が決まっていて、このことを極性といいます。分かりやすく言うと、電池と同じようにプラスとマイナスの向きがあるということです。LEDにおいて、プラス側は「アノード」、マイナス側が「カソード」と呼ばれています。
プラスとマイナス、極性の見分け方
チップLEDの極性(プラス、マイナス)の見分け方には、表面からの見分け方、裏面からの見分け方があります。また、大きめサイズのチップLEDでは見分け方のコツに加えて、メーカーのデータシートの確認が必要です。
表面からの極性(プラス、マイナス)の見分け方
チップLEDを表面(樹脂コーティング面)から見た時、端部に緑色の着色や印が付いている方がカソード(マイナス)となります。そのため表面からの極性の見分け方はチップLEDの端の色を見ればOKです。
ただし、「1005」や「1608」などの極小サイズのチップLEDの場合、端部に色が付いていないためこの見分け方はできません。
裏面からの極性(プラス、マイナス)の見分け方
チップLEDを裏面(基盤面)から見た時、緑色の三角印がついています。この三角は電流の流れる方向を表しており、LEDではアノード(プラス)からカソード(マイナス)の方向へ電流が流れるため、三角の尖った方向がカソード(マイナス)となっています。
リフレクタータイプの極性(プラス、マイナス)の見分け方
「5050」などの大きめサイズのチップLEDやリフレクタータイプのチップLEDでは、角に切り欠きがついています。この切り欠きがある側がカソード(マイナス)になっていることが一般的ですが、メーカーによってはアノード(プラス)を切り欠きにしている場合もあるようです。
一概に切り欠きの方向を極性の見分け方として判断基準にするのはリスクがあるため、大きめサイズのチップLEDを用いる場合には、メーカーのデータシートなどを確認するようにしましょう。
チップLEDを半田付けしてみよう!
チップLEDの使い方は、基板上に表面実装するのが一般的です。表面実装、と聞くとなんだか難しそうなイメージですが、簡単に言えば半田付けのことです。
ここでは、チップLEDの半田付けの方法やそのコツについて述べていきます。
チップLED半田付けに適した道具は?
チップLEDは熱に弱い電子部品のため、半田付けにコツがいるのはもちろんですが、使用する半田ごてにも注意が必要です。
ピンポイントで半田付けができるよう、なるべくコテ先の細いタイプの半田ごてを選び、ハンダはφ0.3もしくはφ0.6の細いものを使用してください。
ホーザン(HOZAN) ハンダゴテ 半田ごて 15w 最高温度400度 小型・軽量スリムタイプ 全長178mm 重量16g H-130
チップLEDの表面実装には、こちらのような消費電力15W~20Wのタイプの半田ごてがおすすめです。コテ先が太いとその分LEDにも熱が伝わりやすくなるため、なるべく細めのものを選びましょう。
ハンダは前述の通り、溶けやすい経線であるφ0.3やφ0.6を使用します。取り付け作業に合った道具を使うだけで作業のし易さが変わりますので、道具選びも大切です。
また、チップLEDのようなとても小さな部品の半田付けには、部品を配置したり押さえたりするために先の細いピンセットがあると便利です。
チップLED半田付けのコツ
チップLEDを半田付けするときの手順は、おおまかに言うと以下の4ステップです。
①実装面に予備ハンダをする
基板上のチップLEDをのせる箇所に、あらかじめハンダをのせておきます。これを予備ハンダといいます。
②片側を半田付けする
ピンセットでつまみながらチップLEDを予備ハンダした所へ置き、まずLEDの片側に半田ごてを当てます。予備ハンダが溶けてLEDに付いたらコテを離します。
③反対側を半田付けする
ピンセットでLEDをつまんだまま、反対側も同じようにして予備ハンダを溶かしLEDに付けます。
④実装の具合を微調整する
引き続きピンセットでLEDをつまんだまま、実装したLEDの配置やハンダの付き具合などを微調整して完成です。
こちらの動画は車のエアコンパネル基板上のチップLEDを半田付けしている様子のものです。予備ハンダをしてからチップLEDを搭載、点灯テストまでの様子が見られて分かりやすいので、参考になります。
まとめ
今回は照明や模型工作などに用いられる電子部品、チップLEDについてご紹介しました。配線や半田付けなど、ちょっとした知識やコツが必要なものではありますが、使ってみると趣味や工作の幅が広がって面白いパーツでもあります。
この記事を読んでチップLEDについての興味が湧いたという方は、ぜひ活用してみてください。