はじめに
初心者むき?登る前にちゃんとリサーチを!
野口五郎岳は、残念ながら、初心者向けの山ではありません。 しかし、装備や体力をつけ、登山になれてから登るには最高の山といえます。 どんな初心者向けの山を登る際も、リサーチは必要です。 そのためにも、これから、まず野口五郎岳がどのような山なのかを ご紹介していきます。
野口五郎岳はどんな山?名前の由来は?
五郎岳と名の付く山で一番高い野口五郎岳
五郎岳と名の付く山は全国に17座ほどありますが、野口五郎岳が標高2924mと群を抜いて一番高い山です。頂部の地質は花崗岩で形成されており、西部は圏谷壁となっています。東側には高瀬川の支流があり、崩壊地の多い傾斜地であることが、野口五郎岳の特徴です。地図を見ればその高さがよくわかります。
野口五郎岳の名前の由来は?
野口五郎岳の名前の由来はというと、野口は長野県大町市の集落から名付けられました。五郎は大きな石が転がっている場所という意味でもあるゴーロのあて字とのこと。この二つの組み合わせによって野口五郎岳という呼び名が誕生したのです。こういった由来があることは世の中で、あまり知られていないのが現状かもしれません。
野口五郎(歌手)と野口五郎岳(名前の由来の真実)
野口五郎岳と聞いて、歌手の野口五郎さんを思い浮かべない人はいないでしょう。なんと野口五郎さんは芸名であり、本名は佐藤靖さんといわれます。岐阜県美濃市の出身。芸名の名付け親はデビュー当時所属していた、ポリドール・レコードのディレクターさんとのことです。
野口五郎(歌手)が先?それとも野口五郎岳?
どうしても野口五郎さんの知名度が高いせいか、その影響で、野口五郎岳という山の名前が誕生したと思っている人が多いそうです。しかし、野口五郎岳⇒野口五郎(歌手)の順が真実であります。芸名を決める際、野口五郎岳の近くにそびえ立つ、黒部五郎岳も候補にあがっており、野口五郎さんご本人が高いほうの山がいいということで、野口五郎を芸名に選ばれたというお話があります。
野口五郎岳の周辺の観光スポット①~花の名所~
登山だけではなく、お花の名所なども!
北アルプス周辺は、やはり登山がメインといえます。しかし、野口五郎岳がある、長野県の大町市には、たくさんの花の名所があります。何が素晴らしいかというと、すべての花の名所で、お花のバックに雄大で凛とした北アルプスが見えるところです。きれいな花々と北アルプスがマッチしていて、自然の素晴らしさを改めて感じることができるでしょう。今から、素晴らしい風景のお花の名所を紹介します。
大町公園の桜
大町公園は、大町市の市街地を見下ろすように、東山の中腹にあります。64本の桜があり、バックには北アルプスが見えます。北アルプスの残り雪と満開の桜が絶景です。ピンク色の桜と真っ白い残り雪がとてもマッチしています。青空も雲も素晴らしいです。
大町道路公園の桜
大町市にある山岳博物館から三日町まで大町道路公園は続いています。公園の途中に市民の森があり、そこには毛利衛さんが宇宙飛行より種を持ち帰ったエゾヤマ桜(宇宙桜)やコヒガンザクラなど多種多様な桜が植えられているそうです。こんな風景がまだ日本に残っていたのか?と思ってしまう絶景。北アルプスに白い雲、青空。北アルプスの麓には山里が広がっており、桜もみれる素晴らしい場所です。とても日本らしい風景といえます。
中山高原の菜の花
大町市の北東にある中山高原。NHKの連続テレビ小説「おひさま」のロケ地にもなりました。ロケの時期は菜の花の季節ではなく、そばの季節だったそうです。この高原は旧大町スキー場の第二ゲレンデだったこともあり、丘になっています。見事な菜の花の絨毯と、バックに北アルプスが見え、実に絶景です。
高山植物の宝庫でもある野口五郎岳
登山ともに高山植物鑑賞
いくら山歩きは楽しいとはいえども、体力を消耗し、同じ風景ばかり続くとどっと疲労が出てくるものです。風景に飽きた時など、高原植物を見つけながら歩くことで、気分転換にもなり、気分もリフレッシュし登山の足も進むこと間違いなしです。これから野口五郎岳に生息する高山植物の一部をご紹介いたします。
ミヤマキンバイ
ミヤマキンバイはバラ科キジムシロ属の多年草です。高山の岩場などに生えています。とてもかわいらしい黄色い花であり、緑の葉っぱとともに灰色の岩場を華やかに飾っているようです。
コケモモ
コケモモは、ツツジ科の植物です。真っ赤な実をつけ、実は食べることができ、ジャムなどに用いられます。花は釣鐘型で小さくかわいらしいです。-40℃以下にも耐えることができるので、とても耐寒性が優れている高山植物といえます。
コマクサ
コマクサはとても生命力が強く、他の植物が生息できないような場所に、生息していることから、「高山植物の女王」という別名がついています。花は少し膨らんでおり、濃いピンク色でとてもかわいらしいです。それよりもきれいな濃いグリーンが目立つ葉っぱは、パセリのようで、それが影響してか、とても不思議な感じがする植物に見えます。
野口五郎岳へのアクセス
信濃大町駅から七倉まで
信濃大町駅より七倉まで、タクシーか乗合タクシーの利用となります。七倉まではマイカーで入れます。駐車場も完備しています。登山シーズンの際は、東京の新宿より七倉までバスが運行するそうです。
七倉には素敵な山荘があり、温泉・カフェもあります。温泉は日帰り入浴可。カフェには七倉ダムカレーという名物もあります。予約でバーベキューも可。登山の前に宿泊し出発される方が多いそうです。
七倉から高瀬ダムまで
七倉から高瀬ダムまでは指定タクシーのみとなります。一般道ではないため、車両通行時間が決まっているとのこと。指定タクシー以外は徒歩のみです。徒歩の場合は距離は約6km。おおよそ1時間半~2時間かかります。
野口五郎岳 登山ルート
直接のルートがない野口五郎岳
登山ルートですが、地図を見る限りでは、野口五郎岳への直接の登山道はなく、裏銀座コースを縦走か、竹村新道を登るコースは最短距離となります。 今回は裏銀座コースを紹介します。 ■ 高瀬ダム濁沢登山口 ⇒ ブナ立尾根取付 ⇒ 権田落し ⇒ ⇒ 三角点 ⇒ 烏帽子小屋 ⇒ 烏帽子ひょうたん池 ⇒ ⇒ 野口五郎小屋 ⇒ 野口五郎岳
高瀬ダム濁沢登山口
高瀬ダムからスタートし、風光明媚なつり橋を渡り、高瀬ダム濁沢登山口を目指します。ダム湖からはこれから登る予定の山々が見えています。つり橋がとても自然とマッチしていていい雰囲気を醸し出していますが、高さというより、つり橋の質感のせいか、恐怖を感じられる方が多いようです。
ブナ立尾根取付
高瀬ダム濁沢登山口到着後は、日本三大急登であるブナ立尾根を登るルートとなります。その名の通り、急登ではありますが、登山道はよく整備されているので、歩きやすいですが、雨などで登山道に根付いている植物の根などが滑りやすくなり、転倒の危険性もあるので、気を付けなければなりません。ペースをよく考えれば、無理なく登れる場所です。
裏銀座入口
登山口には手作りの地図のようなものに番号が記されてあり、登山口は12番、烏帽子小屋が0番となっています。一つ一つ番号を見ながら登山をすることで、つらい登りも少し気がまぎれるのではないでしょうか。
烏帽子小屋
権田落し ⇒ 三角点 ⇒ 烏帽子小屋へ到着です。12番のブナ立尾根取付から1番の烏帽子小屋までは標高差1200mあります。4~6時間ぐらいかけてやっと烏帽子小屋まで到着です。
烏帽子小屋は個室なしですが、テント泊が可能です。小屋には暖房設備がないため、防寒着が必要とのこと。貴重品の預かりなし、電池の販売もしていないそうです。
烏帽子小屋では夕食がボルシチ定食。朝は和定食となっています。とても人気ですが、小屋どまりの方のみとなっており、メニュー変更もあるそうです。
野口五郎小屋
烏帽子小屋 ⇒ 烏帽子ひょうたん池 ⇒ 野口五郎小屋となりますが、このルートはとても絶景といえます。稜線歩きはとても素晴らしいです。人が少なく、静かな山旅が楽しめます。
野口五郎岳
野口五郎小屋 ⇒ 野口五郎岳へ登上。近いです。その名のとおり、頂上にはゴーロゴーロと岩があります。休憩を1時間ぐらいとったとすると、9時間ちょっとで慣れた方は頂上まで到着するでしょう。頂上からは、これぞ北アルプス!という素晴らしい風景が見れます。
野口五郎小屋について
ごろごろ山にある野口五郎小屋
野口五郎小屋は、北アルプスの裏銀座にある山小屋です。 ご家族で経営されています。 ■ 宿泊定員 50名 ■ 一泊二食 9500円 ※朝食をお弁当に変更可。 ■ 素泊まり 6000円 ※屋内に自炊小屋完備。調理等可能。 ■ お弁当(翌日持ち帰り用) 1000円 ◇ 消灯時間 20:00~21:00 ※野口五郎小屋にテント場はなし。 ※価格については2018/3/30時点のものであり、 改定される場合がありますので、ご注意ください。
予約は電話のみです。乾燥室や更衣室もあります。トイレも小屋内と屋外と設置してあるとのこと。水場がないので、雨水を貯めて利用されており、飲用水は500CC 100円で売られています。(※価格については改定される場合がありますので、ご注意ください。)※雨が降り続かない場合は提供できない可能性あり。
ごろりんアイスという手作りアイスもあり、朝食・夕食も充実しています。カレーライスやカップラーメンなどの軽食もあり。売店には、ソフトドリンク、缶ビール、ウイスキー、日本酒、缶チューハイやおつまみなども揃っているそうです。山の上なのに便利な野口五郎小屋は、宿泊でなくとも立ち寄りでも利用することができます。
野口五郎岳の周辺の観光スポット②~パワースポット~
日本最古の神明造、国宝仁科神明宮
国宝仁科神明宮は日本最古の神明造であり、お社を見るだけでご利益がありそうな雰囲気です。自然に恵まれた宮内にとても癒されます。幸福お守りが有名で、女性の神様が祀ってあるので、初めは女性に人気がありましたが、現在は老若男女問わず人気があるそうです。信濃大町観光案内所より、パワースポット案内の手作り地図がインターネットでも見ることができるようになっていますので参考にされるといいです。
神仏習合が色濃く残る、若一王子神社
若一王子神社は、鳥居のすぐそばに三重塔があり、とても趣のある神社です。神仏習合が色濃く残っています。仁科王と妹耶姫命を祀っており、縁結びのお守りが人気です。
まとめ
野口五郎岳は絶景であり、付近観光地も自然にあふれ絶景な場所。
これまで野口五郎岳についてご紹介してきましたが、名前の由来や、 歌手、野口五郎さんが芸名まで面白い真実が隠されていました。 野口五郎岳近辺の観光スポットも充実しており、登山だけではなく、 観光もセットで楽しめる場所なので、ぜひ訪れてほしいスポットです。