人類未踏の峰
人類未踏の峰と聞いて、みなさんはどのような峰を想像しますか? 例えば、エベレストや南米のアコンカグア、南極のヴィンソンマシフなど、我々一般人には到底登ることのできない山を想像すると思います。たしかに、そういった山々であることであるためにプロの登山家でも登ることができないこともあります。しかし、意外にも、違った理由のため人類未踏となってしまっている峰々もあります。なぜなのでしょか、秘密を探っていきたいと思います。
意外にもアジアが多い!?人類未踏の峰
人類未踏の峰と聞いて。みなさんはどの地域を思い浮かべますか? ヨーロッパ、アフリカ、はたまた南米など。登頂が険しそうな峰は、そのあたりにあるとお考えになると思います。私もそうでした。しかしながら、事実として、今回あげる5つの峰はアジア大陸にあるのです。中国北東部やチベット地方、ネパールなど、意外にも標高が高い地域が多く、さまざまな理由で登頂ができない未踏の峰となっている山が数多く存在します。
なぜ人類未踏なのか
人類が登頂できてない理由は大きく分けて、2つあります。1つ目は、その山そのものが危険すぎて登頂できない、または気候条件にとても左右され、登頂できる条件になかなかならないこと。2つ目は、宗教的な理由です。これら2つを詳しく説明していきます。
人類未踏の理由 ①危険すぎる
山に登ること、それは死の危険と隣り合わせということは十分ご存知かと思われます。そういった数々の危険な山を登頂しようと挑む登山家の後ろ姿はかっこいいです。しかしながら、現実問題として。数多くの方が山で亡くなっています。どんなに小さな山だからと言って山をなめてはいけないと思い知らされます。そんな中、未踏の峰であるものの中には発達した現代の技術をもってしても、自然の猛威との戦いに敗れる可能性が高いため。あるいは、登山ルートの確保が難しいために閉山されている。こういった理由があげられます。
人類未踏の理由 ②宗教的な理由
2つ目は宗教的な問題によるものです。世界の中でもアジアは様々な国で、さまざまな宗教が発達してきました。その中には、自然のものを神として崇めるものもいくつかあります。例えば、ネパールなどでは、山を宗教的に申請的な山として扱っており、そのため入山許可が下りません。こういった宗教上の問題は日本ではなじみがないため、私たちからすれば理解しがたいものですが、こういった文化が海外にもあるということを今回知っていただけたら幸いです。
最近まで未踏だった峰
人類未踏の峰 ①キュンガリ
さて、ついに本題に入っていきます。キュンガリです! この記事ではメインとして扱いたいと思います。
キュンガリとは!? 標高は?
キュンガリとは、ヒマラヤ山脈の中央部にある山で、ネパールと中国チベット自治区との国境付近にあります。標高は6559メートル。東京スカイツリーが634メートルなので、およそスカイツリー10個分です。
キュンガリの場所
先ほどにも述べたように、キュンガリはヒマラヤ山脈にある山で、チベット自治区とネパールとの国境付近にあります。しかしながら、この山のすごいところは、地元の登山マップにも地図が載せられていないんです。行こうと決心しても場所がわからないのでは、いけないですね。
キュンガリへのアクセス
キュンガリへのアクセスですが、ありません。ヒマラヤ山脈の奥深く、中央にあるため、未だ登山ルートすら開拓されていません。そのため、一流登山家でも登頂は難しいようです。
キュンガリが未踏である理由
あまり情報がなかったので、ここからは自分の推測ですが、ネパールは標高6000m以上の山への登山を禁じています。キュンガリは標高が6599mあるため、そのため未踏の地となってしまったのだと思います。また、登山ルートすら開拓されていない、地元の人にすら知られていない山なので、昔から禁止されていたのではないかと思います。
地元に愛されるキュンガリ
地元の人ですら知らないというキュンガリ。しかしながら、標高6599mという高さ、そして、ヒマラヤ山脈の中央にあるという地理的状況により、この山を崇めている方々はたくさんいらっしゃいます。宗教上、このような山を大切にして来た彼らこその思いやりが今でも残っているのでしょうね。
キュンガリ周辺の峰
このように、キュンガリのそばには、世界最高峰エベレストやマナスルなどといった一般の方でもご存知な山がたくさんあります。しかしながら、やはり、キュンガリは地図には載ってませんね。
キュンガリに生息する生き物
人々は足を踏み入れることによって、目で確認することによって、さまざまな地域限定の動物や生き物を発見して来ました。例えば、西表島のイリオモテヤマネコなど。その地域のみに生息する珍しい生き物もいます。キュンガリには果たしているのだろうか!?と思い、調べたもののやはりわかりませんでした。ただ、1つ言えることは、まだ私たちが踏み込んでいない領域なので、何かしらのそこに住む珍しい生き物がいると思います。
人類未踏の峰 ②ガンケルプンスム
ガンケルプンスムとは!? 標高は?
ガンケルプンスムです。名前だけ聞けば、なんじゃそりゃ!?という山ですが、世界で一番幸せの国と言われるブータンの最高峰の山です。日本でいう富士山です。チベット自治区との国境付近にあり、標高は7550mととても高いです。このガンケルプンスムは、ブータンからもチベットからも愛される山なのですが、未だ未踏峰という山でもあります。
ガンケルプンスムの場所
ガンケルプンスムは、先ほども述べたように、ブータン王国とチベット自治区との国境付近、赤丸の印のところにあります。こうして地図を見てみると、本当に国の中心にある国の神様みたいな形で見れますね。国民の皆さんに愛されている理由がわかります。
ガンケルプンスムが未踏である理由
さて、ではガンケルプンスムがなぜ未踏の地となってしまったのでしょうか。実は、過去に日本やイギリスの登山隊にアタックが許可されていたのです。しかし、ガンケルプンスムはブータン最高峰。一筋縄では行かず、登頂は出来ませんでした。その後、1994年には、ブータンで6000m以上の山への登山禁止という法律が出され、ガンケルプンスムに足を踏み入れることが出来なくなってしまいました。そのため、アタックしようとしても、許可が下りないため、結果的に未踏峰の地となってしまったのです。
永久未踏峰に
さらには、2003年には、ブータン国王がガンケルプンスムを永久未踏峰とすると発表。今でもガンケルプンスムにアタックしたいという登山隊は尽きません。それは、ガンケルプンスムがブータンの最高峰であるとともに、自然雄大な地にそびえ立ち、人々の憧れでもあるからです。いつしか、ガンケルプンスムに登山出来る日が来るといいですね。
人類未踏の峰 ③カイラス
カイラスとは!? 標高は?
カイラスです。こちらは、チベット自治区の奥深く、ネパールとの国境付近にそびえ立つ山です。カイラスは、4つの宗教の聖地であり、未踏峰ながらも、周りを回ることは出来るという山です。しかし、周りを回ることは出来ると言ってもそこは標高5000mを超えている世界。富士山よりもはるかに高い世界です。そんなカイラスの周りをチベット仏教信者やボン教の信者が礼拝として回って行きます。少し、未踏峰のイメージが覆されるような山です。
カイラスの場所
カイラスは、チベット自治区とネパールの国境付近にあります。ただ、どちらかというと、チベット自治区の中に収まるような山です。そのため、多くの仏教信者に聖地として崇められているんだと思われます。
カイラスが未踏である理由
なぜ、カイラスが未踏なのか。その答えはもう明白ですね。仏教信者の聖地として、崇められているからです。写真を見たらわかるように、とても雄大で、上から見られているような、神様と思うのもわかるような山です。聖地という言葉が本当にふさわしい山。そのため、未踏峰となっています。
人類未踏の峰 ④梅里
梅里とは!? 標高は?
梅里とは。梅里、通称、梅里雪山です。名前に雪山とついているため、想像は容易かと思いますが、ここは南極か!?と思うほど、一年中雪に覆われています。梅里は、全長30キロにもなる連山ですが、連山全てが未踏峰です。梅里の最高点は、カワカブと呼ばれる雪山で、6.740mです。
梅里の場所
梅里は、中国の雲南省デチェン・チベット族自治州に位置します。実はこの山、山の中腹までは、チベット仏教信者が礼拝として向かっています。そのため、山に登ることは出来ずとも、山の麓、あるいは、山の中腹まではアクセスがある山となっています。
梅里が未踏である理由
梅里がなぜ未踏峰なのか。その答えは、梅里の写真を見ていただければわかる通り、全てが雪に覆われていて、その雪が深く、天候も非常に荒れるため、登山隊が登頂出来ていません。チベット仏教信者の聖地ともなっているためかと思ったんですが、ただ、気候条件によって登ることがとてつもなく困難な山となっているため未踏峰となってしまいました。
人類未踏の峰 ⑤ジャワリンガ
ジャワリンガとは!? 標高は?
ジャワリンガです。実は、このジャワリンガ、先ほどの梅里雪山の一部なんです。しかしながら、こちらも未踏峰には変わりません。そして、なんとも形が面白い、本当に山なのか!?と目を疑うような形であるため、取り上げさせていただきました。どこが頂上なのか、よくわからない形をしている山ですが、梅里雪山の一部をしっかりと成しています。
ジャワリンガの場所
ジャワリンガは、先ほどの梅里雪山と同じ雲南省デチェン・チベット族自治州に位置しています。上記の写真を見て貰えばよくわかると思うのですが、梅里雪山の最高峰、カワカブのそばにあります。そして、なんともこの面白い形ですよね。雪山の一帯の中で、少し平面のような状態になっていて、写真で見ると、サッカーや野球などを出来るような平面になっているんじゃないかと思うほどです。
ジャワリンガが未踏である理由
ジャワリンガが未踏である理由、それは先ほどの梅里雪山と同じく、気候条件が厳しいため、登山隊が登れていません。しかしながら、実は一度、日中合同の登山隊がジャワリンガにアタックを仕掛けたことがあったんです。残念ながら、一行は雪崩によって、帰らぬ人になってしまいました。しかしそれも20年も前の話。登山技術や道具は日々進歩しています。登頂不能と思われた山を最近はどんどんと登っていく登山家の方々がいらっしゃいます。それらの道具、技術を用いることによっていつか登れる日が来るといいですね。
まとめ
さまざまな理由で未踏峰となってしまった山々。しかし、ひとつだけ共通しているのは、どの山も美しく、そして人々に愛されているということです。我々、一般人には少し厳しいかもしれませんが、夢は無限大。今回の記事で興味を持ったあなた。家の周りの山、あるいは、登りやすい山からでいいので、ハイキングや登山を始めてはいかがでしょうか!?