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モミジバフウとは?その育て方や気になる水害の多い地域に植えられる理由も解説!

モミジバフウはとても可愛い葉姿で、秋の紅葉の季節にはグリーンの葉っぱを美しい赤色に変える樹木です。育てやすく多湿を好むので水害の多い地方に植えられてきた歴史も。モミジバフウの一見異臭とも感じる香りについて、またモミジバフウの特徴や育て方をご紹介いたします。  
2020年8月27日
Yukari.S
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モミジバフウってどんな植物?

モミジバフウは、別名アメリカフウとも呼ばれる落葉高木です。モミジバフウはアメリカを原産とし、日本へは大正時代にはいってきたと言われています。モミジバフウの樹高は15~25メートルです。モミジバフウの葉っぱは、春の季節には新緑が、秋の季節には紅葉がとても美しいものです。

モミジバフウはシンボルツリーや街路樹として植えられる

モミジバフウは、時期折々の美しい葉っぱの色や樹姿で、見るものを楽しませてくれる樹木です。そのため、モミジバフウは、現在、庭のシンボルツリーによく用いられています。また、モミジバフウは、美しい樹姿でかつ育てやすく、さらに剪定などの管理をあまり必要としない樹木ということから、公園や街路樹にも利用されています。何気なく見ている街路樹が実はモミジバフウだった、ということがあるかも知れません。また、モミジバフウは多湿の環境を好む植物なので、原産地アメリカでは、モミジバフウは水害地域に好んで植えられてきた歴史を持っています。

モミジバフウ(アメリカフウ)とサンカクバフウ(タイワンフウ)の違い

モミジバフウが属するフウ属には、「モミジバフウ」と「サンカクバフウ」があります。モミジバフウとサンカクバフウの違いは、両者の葉っぱの形の違いです。モミジバフウの葉っぱは5~7裂の形をしています。対するサンカクバフウの葉っぱは3裂の形をしています。また、モミジバフウがアメリカ原産ということから、「アメリカフウ」いう別名を持つのに対して、サンカクバフウは、中国や台湾を原産としていることから、「タイワンフウ」と呼ばれています。

モミジバフウの特徴

モミジバフウの花の特徴

モミジバフウの開花時期は、3~5月ごろです。モミジバフウは、雌雄同株の性質を持っていて、同じ一本に木に雄花と雌花を開花させます。モミジバフウの開花した花色はグリーンです。開花した花はそれほど目立たないものです。モミジバフウは開花時期になると、丸い雄花が集合になったものがいくつも穂のように開花します。モミジバフウの雌花は雄花と同じく丸い集合体ですが、ひとつだけ枝先にぶらさがるように開花します。

モミジバフウの葉の特徴

モミジバフウの葉っぱは、互生の性質を持っています。互生と言うのは、枝に互い違いに葉っぱがつく形状のことを指します。モミジバフウの葉っぱは、5~7つに裂けていてモミジのような形をしています。また、モミジバフウの葉っぱのふちには、とても細かいギザギザがあります。モミジバフウの葉っぱは、春から夏には美しい明るいグリーン色で、秋になるとオレンジ色に紅葉します。とても美しい紅葉で、モミジと間違えられることもあるそうです。

モミジバフウの幹の特徴

モミジバフウの幹は、コルク質が発達したような質感です。またモミジバフウの幹は、不規則にところどころ裂けています。モミジバフウの幹は、多湿を好み水害地域に植えられているとは思えないような、ガサガサと乾燥したような雰囲気を持っています。

モミジバフウの実の特徴

モミジバフウが開花したあと、秋の季節になると、茶色くて丸い形をしたトゲトゲの実をつけます。枝についたモミジバフウの実は、時期とともに地面に落下します。モミジバフウの実は、とても可愛らしく、紅葉して落ちたモミジバフウの葉っぱとともに、クリスマスの季節のリースといった飾りつけに用いられることがあります。

モミジバフウの香りは異臭?

モミジバフウの葉っぱや幹、花をちぎって臭いをかぐと、独特の香りがします。好きなひとにとっては、青りんごのような香りでまた嗅ぎたくなるくせになる香りですが、匂いに敏感なひとや苦手なひとにとっては、鼻を刺す異臭とも言えるものなのだそうです。生のままでは異臭とも評されるモミジバフウの香りですが、実は「アメリカンスタイラックス」という精油に加工され、香料として用いられています。


モミジバフウの香りは異臭ではなくよい香り

モミジバフウの樹脂から得られる樹液を原料とした精油を、「アメリカンスタイラックス」と呼びます。モミジバフウの生の幹の樹脂を削って匂いをかぐと、まさに木のヤニの匂い、異臭と言えるものなのですが、驚くことに精油のアメリカンスタイラックスになると、この異臭が甘い香りに変身します。アメリカンスタイラックスの香りをたとえるなら、少し焦げた甘いお菓子のようなよい香りです。

モミジバフウから摂れる精油は香水にも利用される

モミジバフウから得られる精油であるアメリカンスタイラックスの香りは、まるでハチミツを思わせるような独特の甘い香りを持っています。古くより原産国アメリカでは、ネイティブインディアンが好んで使っていたとも言われています。アメリカンスタイラックスの香りをほかの精油の香りにたとえると、スイートミルラやベンゾインに近いものだそう。またバニラにも少し似ているそうです。アメリカンスタイラックスの甘い香りは、アロマで利用されるほか、食品の香りづけや香水などに用いられています。

モミジバフウの花言葉

モミジバフウには、2つの花言葉が存在します。2つの花言葉ともにポジティブな印象を持つもので、モミジバフウの美しい葉っぱの色や樹形からイメージされた花言葉となっています。

花言葉1「輝く心」

モミジバフウは秋の紅葉の季節になると、黄色からオレンジ色、赤色へと美しい紅葉を見せてくれます。秋の爽やかな日差しのもとで、まさに輝いているような美しいモミジバフウの紅葉。そんなモミジバフウの紅葉する葉姿からつけられた花言葉です。

花言葉2「非凡な才能」

非凡な才能もまた、モミジバフウの葉っぱの美しさに由来する花言葉です。春から夏の季節にかけての美しいグリーンから、秋の季節にかけて黄色、オレンジ色、赤色と変化していくモミジバフウの葉っぱ。まさに自然だからこそなせる業であり、私たち人間には到底真似できない美しさと言えるものです。

モミジバフウの花名の由来

和名である「モミジバフウ」、別名の「アメリカフウ」、そして学名の「Liquidambar styraciflua」 。それぞれの名前の由来について見てみましょう。

和名「モミジバフウ」の由来

モミジバフウの葉っぱの形は、モミジの葉っぱの形と似ています。しかもモミジと同じように、モミジバフウの葉っぱは、秋に赤みを帯びて紅葉する性質を持っています。このことから「モミジバフウ」という名前がつけられました。

別名「アメリカフウ」の由来

フウとは、一般的に「タイワンフウ」のことを指します。タイワンフウは、モミジバフウとよく似ているのですが葉っぱの形が3裂です。モミジバフウは5~7裂の葉っぱの形をしています。アメリカフウという名前は、アメリカからやってきたフウということから、アメリカフウという別名がつけられました。

学名「Liquidambar styraciflua」の由来

モミジバフウの学名は「Liquidambar styraciflua」です。「Liquidambar」は、ラテン語の「Liquid」とアラビア語の「ambar」の2つの言葉から成っています。「Liquid」はラテン語で「液」を意味していて、「ambar」はアラビア語で「琥珀」を意味しています。モミジバフウの樹液からは「アメリカンスタイラックス」という精油が抽出されます。アメリカンスタイラックスはとても甘い香りのする精油で、モミジバフウが琥珀のような芳香のある樹液を持つ植物ということから、学名が名付けられました。


モミジバフウの基本データ

科名属名

フウ科フウ属

学名

Liquidambar styraciflua

和名

紅葉葉楓(モミジバフウ)

別名

アメリカフウ

英名

Sweet gum

原産国

北アメリカ

モミジバフウの育て方1「土づくり」

モミジバフウは、丈夫で育てやすい植物です。また、モミジバフウは水を含んだ土壌を好む植物で、水害の起こりやすい場所に植えられてきた風習があります。ただし、モミジバフウは強い植物なので、植えつける土づくりは、あまり神経質にこだわる必要はありません。モミジバフウを植えつけるところの土を少し掘り返し、腐葉土を混ぜ込むとよいでしょう。

モミジバフウの育て方2「肥料」

モミジバフウは、それほど肥料成分を必要としない植物です。モミジバフウの木が若い時期だけ、12~2月ごろの冬の時期に寒肥を与えるとよいでしょう。モミジバフウの株がしっかりしてきたら、その後は肥料を施しません。モミジバフウは、肥料を必要以上に与えすぎると大きくなりすぎることがあるので、注意が必要です。

モミジバフウの育て方3「水やり」


モミジバフウは、多湿の環境を好む植物で、原産地アメリカでは水害の多い地域に植えられているそうです。ただし、よほど乾燥した地域でない限り、モミジバフウはすくすくと育ちます。モミジバフウをはじめに植えつけて根がしっかり張るまで水やりをしましょう。しっかり根付いたら水やりは特に必要ありません。

モミジバフウの育て方4「場所」

モミジバフウは、日当たりのよい風通しのよい環境を好みます。また湿り気のある土を好む植物で、水害の多いような地域に植えられています。ただし、モミジバフウは強い植物なので、多少日当たりが悪くても大丈夫です。また、モミジバフウは耐寒性耐暑性にも富んでいて、積雪地域でも枯れずに成長します。モミジバフウは、場所を選ばず、日本全国どの地域でも植えることができます。逆に、モミジバフウは大きく育つ植物なので、はじめに植えつける際にはそのことを頭に入れて、植える場所を決めましょう。

モミジバフウの育て方5「植えつけ」

モミジバフウの植えつけに適した時期は、モミジバフウの落葉の時期である冬です。苗を植える場所に腐葉土を混ぜ込んでモミジバフウの苗を植えつけましょう。植えつけた苗がしっかり根付くまで水やりを続けましょう。

モミジバフウの育て方6「病害虫」

モミジバフウには、ほとんど病気の心配も害虫の心配もありません。

モミジバフウの育て方7「剪定」

モミジバフウの剪定に適した時期は、秋から冬にかけてです。モミジバフウは、それほど剪定せずともある程度の樹形を保ちながら、すくすく育つ植物です。ただし、モミジバフウは成長スピードが早く、あまり大きくしたくない場合には剪定をして、樹木の大きさをコントロールするとよいでしょう。

モミジバフウの葉色の移り変わりを楽しもう

秋の深まる時期に美しく紅葉するモミジバフウ。葉姿も可愛らしく、またとても育てやすい植物なのでお庭のシンボルツリーにもピッタリです。モミジバフウは、耐寒性耐暑性のある植物で雪深いところでも生育します。また多湿を好むので水害の起こりやすいところに植えられていた習わしも。モミジバフウの葉っぱをちぎってかぐと、ひとによっては異臭と感じるほど独特の香りがします。ですが、モミジバフウの樹液からはアメリカンスタイラックスという精油が抽出され、この精油は大変甘く良い香りなのだとか。植物の不思議を感じずにはいられませんね。モミジバフウの木をお庭に植えて、春夏秋冬の色の移り変わりを楽しんでみませんか。