スピニングリールの選び方は釣果にも直結する
スピニングリールは、最も多くの釣り方で用いられているスタンダードなリールで、他の種類の リールと比較すると、釣り初心者でも比較的扱いやすいリールです。とはいえ、釣りの経験が浅い方が初めてスピニングリールを購入する場合、自分に合ったベストなスピニングリールを選ぶことは、決して簡単なことではありません。
特に近年は、多数のメーカーがスピニングリールの製造を行っており、さまざまなタイプのスピニングリールが販売されていますが、ものによっては、メーカーが発表しているスペックや特徴とは異なる仕上がりになっているスピニングリールも存在しているため、スピニングリールの選び方において十分な注意が必要でしょう。また、自分の用途に合っていないスピニングリールを購入してしまうと、釣り方によっては、釣果に悪影響を及ぼす場合も少なくありませんので、スピニングリールの選び方には慎重さが求められるのです。
スピニングリールの選び方のポイントを解説!
スピニングリールを購入する際は、スピニングリールの選び方における重要なポイントについて学んだうえで、幾つかの選択候補を絞り込み、自分の用途や好みに合ったスピニングリールを購入することが肝心です。ここでは、スピニングリールの選び方における「6つのポイント」を詳しく解説していきます。
スピニングリールの選び方のポイント1.【メーカー】
前述した通り、近年は、スピニングリールの製造を手掛けるメーカーが増加しており、釣り具店の店頭では、さまざまなメーカーのスピニングリールを目にしますが、リールは精密機械であるため、技術力が低いメーカーや、品質管理を徹底していないメーカーのスピニングリールを購入しまうと、後で痛い思いをすることにもなりかねません。ここでは、古くからスピニングリールを製造してきた「大手メーカー」と、海外で製造することによる低価格が魅力の「新興メーカー」それぞれの特徴を取り上げます。
スピニングリールのメーカーの選び方①: 大手メーカー
現在、スピニングリールの製造を行っている大手メーカーとして広く知られているのは、「グローブライド」の「ダイワ」ブランド、「シマノ」、「ピュア・フィッシング・ジャパン」の「アブ・ガルシア」ブランドの 3つ です。いずれのメーカーも、長年スピニングリールを作ってきたメーカーだけに、スピニングリールとしての基本的な性能は申し分ないレベルですので、釣り初心者が初めてスピニングリールを購入する際は、大手メーカーのスピニングリールを選ぶのが無難でしょう。
ただし、大手メーカーのスピニングリールは、後述する 新興メーカーのスピニングリール と比較すると、最も価格が安いものでも高価格になってしまう傾向があるため、とりあえず釣りを簡単に体験したい方が購入するには適しておらず、本格的に釣りを趣味として始めたい方におすすめです。また、アブ・ガルシアブランドについては、スピニングリールの製品ラインナップ自体が少なく、品質やグレードも、ダイワブランドやシマノよりもワンランク下の位置付けになることも頭に入れておきましょう。
スピニングリールのメーカーの選び方②: 新興メーカー
近年は、新興メーカーが近年急速に勢いを増しており、釣具店にあるスピニングリールコーナーの売り場 の半分を、新興メーカーのスピニングリールが占めていることも多々あります。新興メーカーのスピニングリールは、東南アジアや東アジアをはじめとする人件費の安い地域で製造されているため、価格が非常に安いのが最大の特徴です。
そのため、「とりあえず数回の釣行で使えるスピニングリールが欲しい」という方にはうってつけで、中には1000円を割る超低価格なスピニングリールもあるなど、ビギナーの釣りを全力でサポートしてくれる心強い味方です。とはいえ、基本的な性能は「高い」とは言えず、すぐに故障してしまうものも少なくなく、滑らかでパワフルな回転や耐久性など、スピニングリールの性能が釣果に直結する釣り方では使用不可能ですので、あくまで特定の釣り方における一時的な使用に限られてくるでしょう。
スピニングリールの選び方のポイント2.【タイプ】
市販されているスピニングリールにタイプはさまざまであるため、それぞれの 特徴の違い についての理解を深めたうえでの選び方が大切です。ここでは、一般的に購入できるスピニングリールを「3つのタイプ」に分類し、それぞれの特徴について見ていきます。
スピニングリールのタイプの選び方①: 汎用
「汎用スピニングリール」は、釣り方、ターゲット、フィールドを問わず、幅広い釣りで使うことが想定されているスピニングリールです。もともとは、汎用性を重視した設計のスピニングリールで、近年は、ルアーフィッシングの普及率が高まっていることから、ルアーフィッシングでの実用性が特に重要視される傾向が強くなっていますが、多くのエサ釣りでも問題なく使用可能です。
汎用スピニングリールは、スピニングリールにおいて最も基本となるタイプで、製品ラインナップも豊富ですので、製品グレードを大まかに決定した選び方ができるのも魅力でしょう。とはいえ、特定の性能 の高さが求められる釣り方では、オールマイティー性の強さがかえってあだとなる場面も少なくなく、「基本的には、釣り初心者でも比較的に気軽に楽しめるエサ釣りや、ミドルクラスまでのゲームフィッシングに適したスピニングリール」と評価できます。
スピニングリールのタイプの選び方②: SWタイプ
「SWタイプ」のスピニングリールは、力強くラインを巻き取るパワーや、過酷な使用環境に耐える耐久性に優れたスピニングリールです。「SW」は「ソルトウォーター」を意味しており、キャスティングゲームやジギングなど、5kgを超える大型のターゲットを相手にする ヘビークラスのソルトウォーターゲーム での使用に特化した設計になっています。
SWタイプのスピニングリールは、ボディーの剛性が汎用スピニングリール以上であるため、ハンドルを回す力を回転のパワーに効率的に変換できますので、パワーや耐久性が不可欠なゲームでは、大型の汎用スピニングリールよりも、SWタイプのスピニングリール の使用が強く推奨されます。青物やジャイアントトレバリーなどを狙う キャスティングゲームやジギング では、大いに活躍してくれるスピニングリールですが、陸続きのフィールドから簡単に楽しめる釣り方では、使用する機会はまずないでしょう。
スピニングリールのタイプの選び方③: 釣り方別専用タイプ
メーカー各社が発売しているスピニングリールの中には、特定の釣り方における使い勝手を追求して設計されている、「釣り方別専用タイプ」のスピニングリールが多数存在しています。釣り方別専用タイプのスピニングリールには、汎用スピニングリールをベースに、特定の性能を特に向上させているタイプのものや、操作性を高めるために、汎用スピニングリールにはない 機能や設計 が取り入られているタイプのものなどがあります。
当然、汎用スピニングリールと比較すると、特定の釣り方における使い心地は格段に良く、快適に釣りを楽しむことができますし、釣り方によっては、釣り方別専用タイプのスピニングリールでないと使い物にならなかったり、釣果に大きな差が生まれてしまったりすることもあります。とはいえ、釣り初心者が初めて本格的なスピニングリールを購入する場合は、さまざまな釣り方に幅広く使えるタイプのスピニングリールが適していることも少なくなく、釣り方別専用タイプのスピニングリールを選ぶ際は、必要性を十分に検討することが賢明でしょう。
スピニングリールの選び方のポイント3.【サイズ】
スピニングリールのサイズの選び方には、いくつかの重要な要素が絡んでくるため、選び方のポイントを押さえておく必要があります。ここでは、スピニングリールのサイズの選び方において重要な要素である、「ラインキャパシティー」と「タックルバランス」とについて取り上げていきます。
スピニングリールのサイズの選び方①: ラインキャパシティー
スピニングリールのサイズの選び方では、使用するラインを必要量巻くことができるラインキャパシティーが設定されているかどうかを判断しなければなりません。基本的には、使用するラインを150m前後巻くことができるラインキャパシティーが設定されているスピニングリールがベストですが、仕掛けを50m以上遠方に投射しない釣り方では、100m前後のラインキャパシティーでも問題ありませんし、水深が20m以上あるフィールドで使う場合や、掛かった魚が大きく走ることが想定される場合は、200m以上のラインキャパシティーが不可欠です。
スピニングリールのサイズの選び方②: タックルバランス
ロッドに装着した際のタックルバランスが適切なスピニングリールを購入することは非常に大切で、タックルバランスの悪いスピニングリールを使っていると、腕への負担が増大して快適性が損なわれるばかりか、釣果自体も伸びなくなってしまう恐れがあります。タックルバランスを大きく左右するのは、ロッドやスピニングリール の自重であることが多く、高価格のものほど軽量ですので、基本的には、スピニングリールを装着するロッドの製品グレードと同クラスのスピニングリールを選んでおけば、タックルバランスが極端に悪くなることはありません。
スピニングリールの選び方のポイント4.【ギア比】
リールのギア比は、最大巻き上げ長 (ハンドル1回転当たりの ラインの巻き取り量 のこと)を決定する要素であり、釣り方によっては、ギア比が釣果に大きな影響を与えることもあります。ここでは、「3種類のギア比」それぞれの特徴についてご紹介します。
スピニングリールのギア比の選び方①: 標準ギア比
標準ギア比のスピニングリールはトータルバランスが高く、あらゆる釣り方において最も無難に使えるスピニングリールです。ラインを巻く際の パワーとスピード とのバランスが取れているため、購入後に大外れすることが少ないギア比で、多くのエサ釣りでは標準ギア比のスピニングリールが最適ですが、ゲームフィッシングでは後述する理由から、ギア比が高い ハイギアのスピニングリール が主流となっています。
スピニングリールのギア比の選び方②: ハイギア
ハイギアのスピニングリールは高いギア比が設定されており、最大巻き上げ長が非常に長いのが特徴で、一般的なハイギアのスピニングリールよりもさらに高いギア比が設定されているスピニングリールは、「エクストラハイギアタイプ」と呼ばれています。ハイギアのリールは、大量のラインを楽に巻き取ることができるため、休むことなくハンドルを回し続ける ゲームフィッシング に最適で、標準ギア比のスピニングリールよりも巻き取りパワーが低いですので、ハンドルに掛かる負荷のわずかな変化でバイトを見極める繊細なゲームフィッシングにももってこいです。
スピニングリールのギア比の選び方③: ローギア
ローギアのスピニングリールは低いギア比が設定されており、高負荷が加わっているラインをトルクフルに巻き上げることを得意としています。ギア比の低さによって最大巻き上げ長が犠牲になっており、ラインを巻く際の パワーとスピード とのバランスを取ることが困難であるため、ローギアのスピニングリール のほとんどは、低いギア比でもある程度の最大巻き上げ長を確保できる大型のスピニングリールです。
スピニングリールの選び方のポイント5.【価格】
一般の庶民がスピニングリールを購入する場合、価格と品質とのバランスについて気になるのは当然のことでしょう。もちろん、価格と品質とが比例しているのは紛れもない事実ですが、ある一定の価格基準以上の価格が設定されているスピニングリールでは、品質の向上度が極端に鈍化し、高価格なスピニングリールを所有することへのステータスとしての意味合いが強くなってきますので、用途と財布事情とを総合的に勘案した、バランスの取れた選び方をする必要があります。
スピニングリールの選び方のポイント6.【使用感】
カタログ上のスペックやメーカーの宣伝文句が優れているスピニングリールでも、実際の使用感が良好であるかどうかは別問題であるため、特定の購入候補を決めることなく、その場で自分に合ったスピニングリールを見極めて購入する場合は、実物を触ることができない インターネット通販 は、あまりおすすめできません。釣り具店の店頭で実際のスピニングリールに触れる際は、回転の滑らかさはもちろんのこと、各パーツの組み込み状態や操作性を十分に確認しておく必要がありますし、購入しやすい価格のスピニングリールの場合は、価格と品質とのバランスも考慮しなければなりません。
適切な選び方で ベストなスピニングリールを購入しよう!
最高の1台を見つけられれば 自分の釣りにとことん活用できる!
現在販売されているスピニングリールは多種多様ですが、選び方のポイントを学んだうえで最高の1台を見つけることができれば、自分の釣りにとことん活用していくことができるでしょう。この記事の内容が、皆さんの スピニングリールの選び方 の参考になれば幸いです。
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