検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

聖岳の登山コースガイド!どのルートも日帰り困難?アクセス、天気情報も!

南アルプスの名峰聖岳、秘境の名山とも言われ、訪れる登山者は北アルプスより少ないので、ゆっくりお花畑や頂上の大絶景を楽しむことのできます。聖岳は登山口からのアプローチが長く、健脚者向け、また歩行距離が長いため日帰りは難しいのでテント泊か小屋泊まりがおすすめです。
2020年8月27日
mmkk9944
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

聖岳

南アルプスの名峰と言われている聖岳(標高3013m)、山小屋、テント泊で縦走登山が人気です。屋根の形をした特徴ある山容ですが、ピークが2つある双耳峰を形成しています。西峯の前聖岳(地図では聖岳)と東峰の奥聖岳(2978.7m)です。 秘境の山、アプローチが長いこともあって比較的静かな山です。地図で確認してください。 かなり体力を必要とするトレイルですので中、上級者向けとなっています。初心者の方も体力を付けて経験者と一緒に同伴登山をおすすめします。日帰り登山は難しいです。

高山植物の群生

聖岳は、南アルプス赤石山脈南部の静岡市葵区と長野県飯田市の境界に位置する山であり、日本百名山に選定され南アルプス国立公園の中にあります。また山頂付近とその南側標高2300mの聖平には大規模な高山植物の群生が見られライチョウの生息地です。ニホンカモシカやニホンジカの生息地でもあります。

聖岳の魅力

聖岳の頂に立つと、高山の山並がどこまでも続いています。地図を見ながら眺めてください。頂上付近には高山植物のお花畑、天空の楽園です。天気によっては雲海が周りを埋め尽くし、非日常が存分に味わえます。そして360度の大絶景、天気が良ければ富士山も見えますし千丈ヶ原や八ヶ岳、遠くに秩父の山まで見えます。 聖岳の仲間の赤石岳、上河内岳、茶臼岳、光岳などの稜線も見られます。 7月中旬以降下旬までお花畑では、ミナノキンバイ、ニッコウコスゲ、ハクサンイチゲ、コイワカガミなど色とりどりの花が咲きます。 聖岳は火山ではありませんから、特別気象庁から噴火情報などの連絡はありません。天気情報は通常の山岳天気情報で確認ください。穏やかな山ですが天候の急変もあります。

聖岳のグレーディング

信州 山のグレーディング 体力:6(10段階評価) 難易度:C(5段階評価) 難易度は中程度のレベルですが、体力は中以上のレベルの山ということです。 一部上級レベルの場所がありますが、全体的に中級レベルの登山道ということが言えます。日帰り登山はおすすめしません。

【聖岳の登山コース】

出典: http://kitasan.travel.coocan.jp/kitasan2/maphiziri.htm

聖岳の登山コースは縦走コース、単体ピストンコースともに多くのルートがあります。どのルートも日帰り登山は難しく、アクセスアプローチが長い。また難易度も中級以上で、技術よりも体力勝負となります。地図必携です。突然の天気悪化で体力を消耗し、疲労が溜まると遭難の危険性があります。聖岳方面への山行きは、日頃からの体力の増強に心がけておく必要があります。 多くの登山コースの中から基本となる、聖沢登山口コース(静岡県側)と長野県側の易老渡登山口コースのピストンコース、及び、聖岳+上河内岳+茶臼岳コース、聖岳・赤石岳の周回コース、以上4ルート(アクセス含む)をご紹介します。日帰り登山コースはありません。地図で確認ください。

聖沢登山口コース1泊2日(静岡県側)中級コース

ルート 第1日目 聖沢登山口ー聖沢吊り橋ー乗越ー岩頭滝見台ー聖平小屋(泊) 歩行距離:7.3km コースタイム:7時間

聖沢登山口は畑薙湖からアクセスとして送迎バスがあり明石ダムの林道沿いに登山道入り口の道標があります。 登山口からいきなり急登となり出合所小屋跡まで続き、その後1時間ほどで聖沢吊り橋に出ます。よく揺れる吊り橋です。渡り切るとまた急登、岩頭滝見台から奥聖岳から天気次第ですが流れ出る2本の滝を見ることができます。 ガレ場や急斜面の尾根を歩くと聖平小屋に到着します。テン場もあります。アクセス前に地図でも現在地確認は必ずしてください。

聖平小屋


ルート 2日目 聖平小屋ー薊畑(あざみばたけ)-小聖岳ー前聖岳(3013m)-奥聖岳(2978.7m)-前聖岳ー小聖岳ー薊畑 ー聖岳小屋ー岩頭滝見台ー造林小屋ー聖沢登山口 走行距離:12.8km コースタイム:9時間30分

聖平小屋を出発すると、眼前に聖岳の勇姿が眺められ、そして急登を経て前聖岳(主峰)到着です。ここまで聖平小屋から3時間30分、聖岳山頂から360度の大パノラマ、大絶景を楽しみましょう。天気が良ければ富士山も見えます。 聖岳は前聖岳と奥聖岳の双耳峰、片道20分ほどで行って来られます。奥聖岳から前聖岳を眺めるとと山容が美しい。 下山は今来た道を引き返します。帰りの道迷いを防止するため地図での方向確認は必ず行ってください。日帰り登山をする人がいます。(地図必携です)日帰り登山はおすすめしません。

易老渡登山口コース(長野県側)中、上級コース

第1日目 ルート 長野県飯田市側 易老渡登山口ー聖光小屋(便が島)-西沢渡ー苔平ー薊畑ー聖平小屋(泊) 走行距離:8km コースタイム:6時間30分

登山口は、遠山郷下栗の里から15kmほど林道沿いにある芝沢ゲートです。 下栗の里は、天空の里、日本の里100選に選ばれていて山の急斜面に建つ集落です。 易老渡登山口まではタクシー使用となります。 登山口から西沢渡まではゆるい登山道、聖岳名物の人力ロープウエイで30mの沢を渡ります。ロープウエイは結構重いので女性1人では難しいかも。天気が悪ければ慎重に。 薊畑までは長い急登、苔平近辺には美しい苔がいっぱいです。アクセスが悪く道迷い注意、地図確認です。薊畑から視界が開き、少し下って聖平小屋に到着です。

2日目 ルート 聖平小屋ー薊畑-小聖岳ー前聖岳ー奥聖岳ー前聖岳ー子聖岳ー苔平ー西沢渡ー聖光小屋ー易老渡登山口 走行距離:12km コースタイム:8時間45分

聖平小屋

標高2300m 住所:静岡県静岡市葵区田代 電話:080-1560-6309(予約054-260-2377) 営業期間:7/上ー9/下 収容人数:120人 料金:1泊2食付き8,500円

【聖岳登山口へのアクセス】

聖岳の主な登山口は、静岡県側の聖沢登山口、椹島ロッジ及び長野県側の易老渡登山口があります。いずれも登山口は交通の不便なところでアクセスが良くない、天気の確認も要(通行止め)。登山計画には十分な余裕が必要です。

聖岳聖沢登山口アクセス

〇マイカー:新東名新静岡ICー県道27号ー県道189ー県道60号ー畑薙夏期臨時駐車場乗り換え       山小屋送迎バスで聖沢登山口へ       畑薙夏期臨時駐車場収容台数200台 〇JR静岡駅下車バス(しずおかジャストライン)乗り換え畑薙夏期臨時駐車場下車送迎バスに乗り換え       山小屋予約時に送迎バスの予約も取ってください。

聖岳易老渡登山口アクセス

〇マイカー:中央自動車道松川ICー県道251号ー国道474ー国道152ー芝沢ゲートー易老渡登山口       芝沢ゲートの駐車場(50台)トイレなし 芝沢ゲートから易老渡登山口もで徒歩90分です。 バス:JR飯田駅、市営バス遠山郷線ー遠山郷下車乗り合いタクシー(60分)易老渡登山口まで      乗り合いタクシー;天竜観光タクシー0260-36-2205

聖岳+上河内岳、茶臼岳コース中級コース


ルート(2泊3日コース) 1日目 椹島(さわらじま)ロッジー聖岳登山口ー聖沢吊り橋ー滝見台ー聖平小屋 コースタイム:5時間30分 標高差:1665m

2日目 聖平小屋ー薊畑分岐ー小聖岳ー聖岳ー奥聖岳ー聖岳ー小聖岳ー薊畑分岐ー聖平小屋ー南岳ー上河内岳 ー横窪沢分岐ー茶臼岳ー横窪沢分岐ー茶臼小屋 コースタイム:9時間20分 標高差:1625m

3日目 茶臼小屋ー樺段ー横窪沢小屋ーウソッコ沢小屋ーヤレヤレ峠ー畑薙大吊橋ー沼平 コースタイム:4時間30分 下山時の沼平は茶臼岳の登山口です。畑薙第一ダムから1.5kmほど離れた林道ゲートの手前の駐車場あたりです。 日帰り登山の対象にはなりません。 合計走行距離:34km 合計コースタイム:19時間

聖岳、赤石岳の周回コース中級コース

ルート 1日目 椹島ロッジーガンバ段ー赤石小屋 コースタイム:4時間 標高差:1616m 2日目 赤石小屋ー富士見平ー北沢源頭ー赤沢小屋分岐ー赤石岳(3121m)-百閒平ー百閒洞山の家 コースタイム:4時間45分 標高差:848m

百閒洞山の家

3日目 百閒洞山の家ー大沢岳ー中盛丸山ー小兎岳ー兎岳避難小屋ー聖岳ー奥聖岳ー聖岳ー小聖岳ー薊畑分岐ー聖平小屋 コースタイム:7時間30分 標高差:1226m 4日目 聖平小屋ー滝見台ー聖沢吊り橋ー聖岳登山口ー椹島ロッジ コースタイム:4時間20分 標高差:-1695m 合計走行距離:33.8km 合計コースタイム:20時間40分

聖岳頂上

椹島を出発して、東尾根を登って赤石小屋を目指します。赤石小屋から富士見平、赤石小屋分岐を経て、赤石岳に登頂、天気が良ければパノラマ大展望が見られます。2日目は百閒平を経て百閒洞山の家泊。 3日目は百閒洞山の家から、大沢岳、小兎岳、兎岳避難小屋を経て聖岳、奥聖岳に登頂、聖岳から聖平に下山。現在地確認と方向確認は地図上で必ず行ってください。 4日目は、聖平小屋から滝見台、聖沢吊り橋を経て聖岳登山口、椹島ロッジに戻る。 日帰り登山は不可。

椹島ロッジ、聖岳登山口

椹島は南アルプス南部最大の登山基地です。ここに聖岳、赤石岳、千枚岳などの登山口があります。 椹島ロッジ 営業期間:4/下旬ー11/上旬 定員:180名 料金:8,000円ー9,000円 入浴:可能 個室:別途2,000円 連絡先:東海フォレスト0457-46-4717 送迎バスの予約もこちらの電話番号でお願いします。

椹島ロッジへのアクセス

椹島ロッジへのアクセスは十分余裕をもってお出かけください。 〇マイカーの場合:新東名静岡ICー県道279号ー県道189号ー井川ー畑薙第一ダム駐車場(83km) 〇電車、バス:大井川鉄道千頭駅から畑薙第一ダム駐車場までタクシー *7/末ー8/末しずおかジャストライン路線バスが運行予定 JR静岡駅ー畑薙第一ダム駐車場間(3時間30分) 畑薙第一ダム駐車場からは東海フォレストの送迎バス使用。(但しロッジ宿泊者のみ)

聖岳ルート上の山小屋

名称      場所        標高    収容人員 〇椹島ロッジ 大井川右岸椹島    標高1123m 180名 〇百閒洞山の家 赤石、大沢岳の鞍部 標高2430m 60名 〇兎岳避難小屋 兎岳山頂直下    標高2740m 8名 〇聖平小屋 聖沢源流部聖平     標高2260m 120名 〇茶臼小屋 茶臼岳頂上直下     標高2400m 60名 〇聖光小屋 便が島         標高970m 24名

聖岳周辺の山


〇赤石岳   3121m   日本百名山

赤石岳(標高3121m)は聖岳と同じ赤石山脈にあり、日本百名山に選定された高山です。長野県と静岡県にまたがっていて、聖岳から北東に8kmほどのところに位置しています。地図要確認。 赤石岳は一等三角点をもち赤石山脈の聖主であり、風格のある山です。山頂からの展望は素晴らしく、天気次第ですが、富士山、八ヶ岳、北アルプス、中央アルプスなどが一望できます。 登山口も聖岳と同じ椹島で、静岡駅からバスで畑薙第一ダムまで入り、ダムから林道を歩く(送迎バスもある)のが一般的です。

赤石岳縦走

出典: https://blog.goo.ne.jp/jonney_mickey/e/e49f390af45edd50bffcef703e0b5bce

こからの登山道は地図を確認しながらの山行きとなります。4時間ほどで赤石小屋、さらに3時間かかって赤石岳山頂に至ります。日帰り登山は難しいです。 赤石岳から聖岳への縦走コースも人気があります。通常3泊4日の行程です。椹島を起点として、赤石岳を登頂し、中盛丸山、兎岳を縦走して聖岳に登頂、下山は聖平から聖沢を経て椹島に戻るルートです。天気の急変もありますから行程は柔軟性が必要です。

兎岳

〇赤石岳   3121m   日本百名山 〇兎岳    2818m    〇奥聖岳   2982m 〇聖岳    3013m   日本百名山 〇小聖岳   2662m 〇上河内岳  2803m   日本二百名山 〇光岳    2592m   日本百名山

山の情報はヤマレコが便利

ヤマレコは山の記録を共有するウエブサイトです。ヤマレコ山行きのコーナーでは、実際に山に行ってきた人達の登山記録が画像付きで詳しく述べられています。日帰り登山の猛者も。対象の山を入力すれば、その山に行かれた登山者の記録が見られます。 山の環境は天気により、季節により、刻々とその様相が変化していきます。特に登山道などは、変化が激しく、最近の情報が得られるのは安全登山にとってはありがたい情報です。 あなたも山に行ったら、ぜひヤマレコに投稿して、山行きの記録を残してあげてください。他の人には大変参考になります。 又ヤマレコのサイトにはヤマレコ質問箱があり、知りたい山の情報があれば、ここに投稿すると、誰かが丁寧に答えてくれます。

ヤマレコ山岳保険

ヤマレコではヤマレコ山岳保険の受付も行っています。登山には危険がつきもの、ヤマレコ山岳保険でいざと言う時の備えを行っておきましょう。 年間タイプでは年会費4,000円から10,000円まであり、短期タイプは保険期間限定で年会費660円から1,600円まであります。 ヤマレコ山岳保険の加入は会員登録してネットで申し込みできます。 ヤマレコ山岳保険の詳細は直接問合せください。 ヤマレコURL:https://www.yamareco.com/

まとめ

南アルプスは北岳(標高3193m)を初め、間ノ岳(3190m)、農鳥岳(3026m)、仙丈ケ岳(3033m)など3000m級の山が9座(13座という説もある)あります。日本全体で3000m級の山は21座ですから、南アルプスは日本屈指の山岳地帯で文字通り日本列島中央部の屋根となっています。 聖岳もその一角を占め、地味な存在ですが、ずっしりした風貌が人気があります。しかし北アルプスと比べると訪れる登山者は圧倒的に少なく静かな山です。シーズンでも混みあうこともありませんから、ゆったりしたマイペースの登山ができます。