ニューサイランってどんな花?
ニューサイランは、ニュージーランドを原産とする多年草です。ニューサイランの草丈は、60センチから、種類によっては3メートルまで育つものもあります。ニューサイランは、丈夫なうえに、寒さに強い特徴を持っていて、育てやすく増やしやすい植物です。また、ニューサイランは、美しい草姿からガーデンのアクセントや鉢植えの寄せ植えによく取り入れられます。
ニューサイランはフラワーアレンジメントの花材として人気がある
ニューサイランは、フラワーアレンジメントや生け花の花材としても、大層人気があります。フラワーアレンジメントや生け花を趣味にしている方で、ニューサイランを知らないという人はいないくらいなのだそう。とくにフラワーアレンジメントの世界では、ニューサイランの奥行や高さを利用して、立体的で特徴のあるフラワーアレンジメントを作りだせると、ニューサイランは重宝されています。ニューサイランの真っ直ぐ伸びた葉っぱを、折り曲げたり、丸い曲線に加工して、フラワーアレンジメントに使い、独創的な世界を作り出すこともあるそうです。
ニューサイランは織物にもなる
ニューサイランは、原産地のニュージーランドにおいて、さまざまな個所を、さまざまな用途で利用されてきました。古くより、ニューサイランの根っこは、すりつぶされて湿布に加工され、人々を癒していたそうです。また、ニューサイランの花から摂れる蜜は、とても甘くて美味なのだそう。さらに、ニューサイランの葉っぱは、繊維質の特徴を持っています。そのためニューサイランは、古くよりその葉っぱから採れる繊維が加工され、織物や漁の網などに製造されて、人々に広く利用されてきました。ニューサイランは、現在のフラワーアレンジメントや観葉植物しての役割だけではなく、有用植物としての役割を担ってきた植物なのです。
ニューサイランの花の特徴
ニューサイランの花は、品種にもよりますが、40年に一度しか開花しないという珍しい特徴を持っています。ニューサイランの花の開花時期は、初夏です。ニューサイランは夏の少し前の時期になると、葉っぱのあいだから長い花茎を伸ばします。そしてその花茎の先に、濃い赤色や黄色の特徴的な花を咲かせます。
ニューサイランの葉の特徴
ニューサイランは、大きくて細長い葉っぱをたくさんつけます。葉っぱの先はとがっています。ニューサイランは、常緑性の植物なので、一年中絶やさず葉っぱを茂らせています。ニューサイランには、さまざまな葉色の品種のものがあります。濃いグリーン、ライムグリーン、赤、シルバーグリーンなどバラエティーに富んだ品種です。また、斑入りの品種もあります。一緒に寄せ植えする花の色に合わせてニューサイランの種類をチョイスするとよいでしょう。
ニューサイランの花言葉「素直」
ニューサイランの花言葉は「素直」のひとつです。ニューサイランの葉っぱは、すらっと真っ直ぐに伸びた形状をしています。そうしたニューサイランの葉姿から、「素直」という花言葉がイメージされつけられました。
ニューサイランの花名の由来
ニューサイランの花名の由来は興味深いものです。ニューサイランは、ニュージーランドを原産とする植物です。ニュージーランドを漢字で記載すると、「新西蘭」です。「新」イコール「ニュー」と読み、「西」イコール「サイ」と読みます。すべての文字を続けて読むと「ニューサイラン」となるというわけです。実に面白い成り立ちですね。
ニューサイランの基本情報
科名属名
リュウゼツラン科マオラン属
学名
Phormium tenax
和名
ニューサイラン
別名
真麻蘭(まおらん)
英名
New Zealand Flax
原産国
ニュージーランド
ニューサイランの種類
ニューサイランは、「テナックス種」と「クッキアム種」の大きく2つの種類に大別されます。テナックス種は、古くよりニュージーランドで繊維の材料として育てられてきた種類で、赤い花を咲かせる品種です。クッキアム種は、テナックス種の花より小さめの、クリーム色の花を咲かせる品種です。また現在では、テナックス種とクッキアム種をミックスさせて生み出された園芸品種も存在しています。
斑入りニューサイラン(バリエガータ)
「バリエガータ」は、斑入りの種類のニューサイランです。斑入りの葉っぱは涼やかな印象を醸し出してくれるので、寄せ植えやガーデンに取り入れると、よいアクセントになるでしょう。
レインボークイーン
「レインボークイーン」は、赤い葉っぱがとても印象的なニューサイランです。濃い赤グリーンの葉っぱに、ピンク色のふちどりがあります。レインボークイーンは、フラワーアレンジメントの花材としても、人気の種類です。
ピンクストライプ
「ピンクストライプ」は、とても素敵なニューサイランです。淡いツートンカラーの葉色は、フラワーアレンジメントの花材として引く手あまた。ピンク色なのでガーデンや寄せ植えに用いると、可愛い雰囲気を醸し出すことができるでしょう。
アプリコットクイーン
「アプリコットクイーン」は、明るい葉色の美しいニューサイランです。淡いグリーンと黄緑がストライプ模様を作り出していて、ガーデンや寄せ植えに取り入れると、その場がぱっと明るくなります。
イエローウェーブ
「イエローウェーブ」は、少し個性的な種類のニューサイランです。ニューサイランの葉っぱは、一般的に、すっと真っ直ぐの形のものが多いのですが、イエローウェーブの葉っぱは、ふんわりと曲線を描いています。こちらもフラワーアレンジメントに人気の種類のニューサイランです。
ニューサイランの育て方・「土づくり」と「肥料」
育て方1「土づくり」
ニューサイランは、水はけのよい土壌を好む植物です。小粒の赤玉土に腐葉土を混ぜたものを準備しましょう。市販の草花用培養土を利用してもよいでしょう。
育て方2「肥料」
ニューサイランは、生育スピードのとても早い常緑性の植物です。ニューサイランの葉っぱを、いつも元気よく保つためには、定期的な肥料が必要です。鉢植え、地植えともに、一か月に一度の割合で、ニューサイランの足元に、固形の暖効性肥料を与えるとよいでしょう。
ニューサイランの育て方・「水やり」と「場所」
育て方3「水やり」
ニューサイランは、水を好む植物なので、こまめに水やりをすることが大切です。とくに、ニューサイランの成長期にあたる春から秋の時期には、鉢植え、地植えともに、ニューサイランを植えている土の表面が乾いたら、しっかりと水やりしましょう。ただし、冬のあいだはニューサイランの休眠の時期にあたりますので、春から秋の時期と比べると、少し水やりを減らします。ニューサイランを植えている土の表面が乾いてから、だいたい2~3日経ったあとで水やりするくらいにすると、ちょうどよいでしょう。
育て方4「場所」
ニューサイランは、日当たりのよい風通しのよい場所を好む植物です。とくに太陽の光に当たることで、ニューサイランの葉っぱは、まっすぐで硬い品質のよい葉っぱになります。ただし、ニューサイランには、真夏の直射日光など強すぎる光は禁物。ニューサイランの葉っぱが日焼けして枯れたようになってしまうことがあります。さらに、冬のあいだは、なるべくニューサイランの葉っぱが霜に当たらない場所で管理しましょう。ニューサイランは寒さに強い植物なので寒い時期にも枯れてしまうことは少ないのですが、ニューサイランが霜にあたると、葉っぱや根が傷み、株が弱くなってしまいます。
ニューサイランの根元をバークチップで守ろう
鉢植えの場合には、夏と冬は過ごしやすい室内などに取り込んであげるとよいでしょう。地植えの場合は、ニューサイランの根元に、枯れ葉やバークチップなどを置いて、夏の直射日光や冬の霜から守ってあげましょう。
ニューサイランの育て方・「植えつけ」と「植え替え」
育て方5「植えつけ」
ニューサイランの植えつけに適した時期は、3~4月です。鉢植えの場合、土を入れた鉢を準備して、ニューサイランの苗を植えつけます。育苗ポットなどからニューサイランの苗を取り出すときに、根っこについている土を崩さないようにすることが、ニューサイランの植えつけのポイントです。
育て方6「植え替え」
ニューサイランは、生育スピードのとても早い植物なので、鉢植えの場合、同じ鉢でずっと育てていると、根詰まりを起こして枯れてしまうことがあります。ニューサイランの鉢植えは、1年に1度の割合で、定期的に植え替えしましょう。ニューサイランの植え替えに適した時期は、3~4月です。これまで植えていたものより一回り大きな鉢を準備します。植え替えたいニューサイランの株を、ぽこんと取り出して新しい鉢にすみやかに植えつけましょう。植え替えたニューサイランが、しっかり根付くまで日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。
ニューサイランの育て方・「剪定」
育て方7「剪定」
ニューサイランは、およそ自然のままで美しい草姿になるので、草姿を整える目的の剪定はそれほど必要ありません。ただし、ニューサイランは、多湿の環境を苦手とする植物です。ニューサイランの株をこまめに観察して、混みあった部分や、枯れた葉っぱを切り取って剪定してあげるとよいでしょう。ニューサイランの病気や害虫の発生を防ぐことができ、元気な葉姿を保つことができます。
ニューサイランの育て方・「病気」と「害虫」
育て方8「病気」
ニューサイランには、あまり病気の心配はありません。
育て方9「害虫」
ニューサイランには、あまり害虫の心配はありません。
ニューサイランの増やし方・「株分け」
増やし方1「株分け」
ニューサイランは、生命力豊かな植物なので、株分けにより比較的簡単に増やすことができます。ニューサイランの株分けに適した時期は、3~4月です。株分けしたいニューサイランを掘り起こします。掘り起こしたニューサイランの根っこを、清潔なハサミやカッターで、適当な大きさに切り取り株分けしましょう。そして株分けしたニューサイランをすみやかに植えつけます。植えつけたニューサイランが、しっかり根付くまで、日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。
ニューサイランを植えてみませんか
ニューサイランは、鉢植えと地植えの、どちらでも栽培できる植物です。ニューサイランは、寄せ植えのグリーンとして用いられます。また、ニューサイランは、フラワーアレンジメントの花材としてもポピュラーなのだそうです。ニューサイランは、とても強い植物なので育てやすく、ガーデニング初心者にもぴったり。さらに、ニューサイランには、とても多くの葉色の種類があるので、選ぶのも育てるのも楽しい植物です。ガーデンや寄せ植えというのは、咲く花だけでなく、葉っぱも重要な役割があります。適度に葉っぱのアクセントが存在するからこそ、咲く花が引き立つのです。ニューサイランを、ガーデンのアクセントに取り入れてみませんか。