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「イトヨ」とはどんな魚?その生態や美味しい食べ方まで大公開!

「イトヨ」とはどんな魚でしょうか。あまり聞きなれない「イトヨ」という魚の生態系を調査します。それに生息場所から釣り方、美味しい食べ方やレシピまでこの魚に関する全てを徹底検証します。いろんな料理を美味しく食べてみたいですね。
2020年8月27日
sakuraryosukec34
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「イトヨ」とはどんな魚?

「イトヨ」とは

「イトヨ」とは全長が約5~11cm 程度の大きさで北半球に点在しているトゲウオ科の魚でサケ、マスみたいに川で生まれて海に下っていく降海型と、河川域で一生を過ごす陸封型のタイプが存在します。日本海系と太平洋降海型系、太平洋陸封型の3型があります。体は降海型の方が大きいですが、いずれも体は強く体高はありますが体幅は少ない感じがします。

「イトヨ」の降海型 とは

降海型(こうかいがた)と読みます。湖や河川で生まれ、海に下って成長する魚の生態型をそう呼びます。サケ、マスなどが代表的に有名な降海型は、産卵の際は河川湖沼に戻ってきて繁殖します。一生の大部分を海で過ごして一般に言えば大形で寿命も長く、繁殖力も大きいと言われています。

「イトヨ」の陸封型とは

陸封型(りくふうがた)と読みます。湖沼、河川に居座って成長して、繁殖するようにその生態系を繰り返すようになった魚をそう呼びます。サクラマスのヤマメや、ベニザケのヒメマスは陸封型とされています。一生を淡水域で生活します。本来、海を暮らす場所あるいは海と陸水の両方を暮らす場所としていた水生動物が、陸水だけに居座って生活するようになったことを言います。

「イトヨ」の生息地は

「イトヨ」は沿岸や入り江、汽水域など、河川や湖沼、小川や用水路などに繁殖しています。淡水域では水草の多い川の流れの緩やかなところや小川、湖沼に繁殖しているが、沿岸のものは、時に水深100m辺りのところでも見られます。国内では、降海型は利根川や島根辺りよりも北側に、淡水型は北海道地方や福島、石川、福井、栃木などに分布しています。

「イトヨ」の生態①は

2月下旬川を上り、小川や水田に住みつきます。澄んだ冷水の環境を好み、群れをつくって生活しています。落下昆虫や水生昆虫のほか、小型の甲殻類などを食べますが、小さな魚や魚の卵なども食べます。産卵期は春から夏にかけて行います。

「イトヨ」の生態②は

縄張りを作り、この中に入ってくる別の雄や魚などを追いまわし、激しく攻撃することもあります。雄が流れのゆるやかな砂泥底にすり鉢状の窪みを作り、水草などで集めます。ここで産卵して、雄が新鮮な水を送り込むなど卵を保護します。孵化した稚魚は6月頃川から海に向かって降りていきます。

「イトヨ」の生態③は

多くの「イトヨ」は1年で寿命を終えますが、中には次の年の繁殖に参加するものもいます。「イトヨ」は地域によっては天ぷらや唐揚げなどのいろいろと料理されることがありますが、スカンジナビアなどの海外では魚粉や脂などの加工製品に利用されるほか、各地で研究用の実験魚種としても利用されています。

「イトヨ」の基本情報は

「イトヨ」の見分け方


トミヨという魚に似ていますが、背鰭(せびれ)の棘数(きょくすう)がトミヨは7~10本あるのに対して、「イトヨ」は3本であることから見分けることが出来るはずです。毒や危険性についても特に問題はありません。

「イトヨ」の名前について

「イトヨ」の名前を漢字で書くと「糸魚」と書きます。石川県、新潟県、山形県でこの呼び名で呼ばれています。国内の降海型のものは2月の下旬頃から川をのぼりはじめ、旬になると小川や水田の溝などに定着します。産卵期は地域によって差がありますが、北陸では4~5月頃とされていて、北海道では9月以降にずれ込むこともあるそうです。

「イトヨ」の基本情報は

新潟県、秋田県などでは春の旬な食材のひとつとして食べられてきました。海から産卵回遊してきたものをとり、塩焼きや唐揚げなどにして食べる食べ方が一般的です。味は良いものの、近年だんだん取れなくなり、忘れ去られようとしているそうです。好きな人はトゲで口を切って口の周りを血だらけにしてでも美味しくいただいたそうです。

「イトヨ」の水産情報は

市場では旬になると秋田県、新潟県など一部で流通しています。「イトヨ」の価格はやや高値で取引されています。

「イトヨ」の昔は

昔は桜咲く前に川でイトヨを釣っていたそうです。「イトヨ」が海から上ってくる時期になると、河口の堤防には「イトヨ」釣り師たちで溢れていたそうです。仕掛けは、ワカサギ仕掛けに玉浮きをつけた仕掛けで、餌はサシです。リールをフリーにし、流れに沿って仕掛けを流すと「イトヨ」が釣れたそうです。

「イトヨ」の現在は

旬になると鮮魚店やスーパーマーケットなどで販売されていることもありますが、ほとんどが北海道や東北で漁獲されたものです。鮮魚店によると、この時期に料理店などから需要があるという話を耳にします。昔を懐かしむ人からの要望があるらしいです。価格も高いが産地によって味に大差があるわけではないようです。唐揚げがおいしいと話しています。

「イトヨ」の食について

「イトヨ」の旬は

「イトヨ」は昔、春には水路にあふれるほど生息していましたが今は幻の魚と言われています。海から淡水域に上る春が旬です。海から遡上した脂ののったものが小さな水路などにもたくさんいました。今や淡水だけで生きる「イトヨ」は少なく、陸封型は天然記念物にもなっています。

「イトヨ」の味わいは

「イトヨ」の味わいはトゲが鋭くちくちくするところです。小魚なので丸のまま味わうのが基本です。焼いて醤油やみりんで作ったタレで付けて食べます。唐揚げや内蔵を取って細かく叩きだんごにしてみそ汁で食べます。

「イトヨ」の食べ方は


「イトヨ」の食べ方は揚げる、煮る、焼くの三本立てです。揚げる食べ方は唐揚げで、煮る食べ方は佃煮で、焼く食べ方はつけ焼きです。どれもオーソドックスな食べ方ですがそれが一番美味しくいただけるのでしょう。

「イトヨ」の美味しい食べ方レシピ集①

唐揚げ

棘(とげ)はかなり硬いので軽く水洗いして水分を切ります。片栗粉をまんべんなくまぶしてじっくり二度揚げすれば丸ごと食べるのが可能になります。なかなか香ばしくてとても美味しいです。二度上げするのがポイントですね。よほど硬いのでしょうか。カリっと揚がった唐揚げ料理はみんなが大好き料理です。

「イトヨ」の美味しい食べ方レシピ集②

つけ焼き

「イトヨ」をそのまま白焼きします。醤油、みりんを混ぜたタレに繰り返し少しずつつけて置きます。それをもう一度焼いていきます。これがつけ焼き料理です。醤油、みりんを混ぜたタレ自体がもう美味しそうです。これを付けるのですから、これは間違いなく美味しいレシピです。

「イトヨ」の美味しい食べ方レシピ集③

だんご汁

「イトヨ」を内蔵や中骨を取り除き細かく刻んでいきます。それをすり鉢でもっとつぶしていきます。それから片栗粉を混ぜてだんごにしていきます。みそ汁にだんごを入れて煮込みます。以上で完成です。みそ汁は中に入る具によっていろいろなものがあります。だんご汁はとても美味しいレシピです。

「イトヨ」の美味しい食べ方レシピ集④

たたき揚げ

「イトヨ」を内蔵を取って骨ごと叩きます。さつま揚げのようにすり潰していきます。それを混ぜ合わせ、小判型にしていきます。それから粉をつけて油で、こんがり揚げて出来上がりです。骨ごと食べる食べ方は食感が良くとても美味しい料理です。

「イトヨ」の美味しい食べ方レシピ集⑤

佃煮(つくだに)

「イトヨ」の頭とハラワタを取り除きます。それを砂糖と醤油で鍋を使って煮込んでいきます。焦げないように、鍋をゆすりながら、また、魚を崩さないように気をつけます。砂糖と醤油で甘辛く煮付けた日本の料理です。棘(とげ)のある魚「イトヨ」の棘(とげ)までやわらかく食べられる食べ方です。

「イトヨ」の加工品

「イトヨ」の甘露煮

「イトヨ」のハラワタを出さずに、グリルでこんがりと焼いていきます。ただし、小さいのは焼きません。次に、砂糖大さじ3、醤油大さじ3、酒大さじ3、みりん大さじ3を混ぜて沸騰させます。そこに、焼いた魚、あるいは焼かなかったチビを並べます。汁をかけながら煮詰めます。棘(とげ)や骨、鱗(うろこ)なども軟らかく舌の上で心地よく崩れて美味しいです。

「イトヨ」の釣り方について

「イトヨ」の釣り場所


場所は北海道地方以南から本州全域にわたります。 ただし、陸封型は北海道地方と東北地方の一部にしか繁殖していません。天然の「イトヨ」は里山や水田近くの水源や湧水地帯に繁殖しており、冷たく綺麗な水でないと生きていけません。そのため環境変化に弱く、環境悪化により繁殖地、繁殖数、釣り場所を減らしているのが現状です。

「イトヨ」の釣り方

「イトヨ」の基本の釣り方は、ウキ釣りで釣ります。天然の「イトヨ」には一生を河川で生活する「陸封型」と海へ下り繁殖だけを河川で行う「降海型」がいます。赤虫やその場で捕まえてヌマエビのむき身などを餌にすることで意外に釣ることができますので釣り方は簡単です。好奇心旺盛の「イトヨ」は目の前にある餌を見ると食いつくそうです。しかし、そんな釣り方ができるかなあ?

「イトヨ」のタックルは

タックルとはロッドやリール、仕掛けなどの魚を釣る釣り道具の全般を言います。天然の「イトヨ」の釣り方はウキ釣りで小型の渓流竿を使えば十分釣ることができます。小型の渓流竿とは約3から4mの竿の長さくらいです。釣り場が用水路などになりますのであまり長い竿は使い勝手が悪いので良い釣り方とは言えません。

「イトヨ」の渓流竿は

川釣りを始めるにあたって最初から高級な釣具は必要ありません。万能竿のセットやリールの付いたちょい投げセットでまずは竿よりも釣果を目指いしてスタートしてみてください。「イトヨ」の釣りは数が少ないこともありかなり難しい釣りになりそうです。本格的な竿・タックルは川釣りに慣れてから少しずつ揃えていきましょう。

「イトヨ」の釣果情報

昔は唐揚げや佃煮など料理して食べていましたが、減少していることもあり、口にすることは無くなってきました。天然の「イトヨ」を釣ることはかなり難しいようです。天然の「イトヨ」と言いましたけれど養殖はやっていないので釣果は全て天然の「イトヨ」ということになります。

まとめ

「イトヨ」について

国内では近年の河川改修や水田の整備などによって生息地が減少して、天然の「イトヨ」がかなり減少しているのが現状です。場所によっては既に絶滅しているところもありますので、現在は「イトヨ」日本海型が環境省のレッドリストに絶滅の恐れのある地域個体群として指定されています。

「イトヨ」のこれから

「イトヨ」は上記で述べたように環境省のレッドリストに載っています。一杯釣ったり、美味しくいただいたりと色々書いてきたのですが水を差された感じがします。今後はどのように対応したら良いのでしょうか。これからは自然を壊さないようにすること、「イトヨ」を運良く釣ったとしても釣りを楽しみたいのでリリースすることで少しでも「イトヨ」を減らさないように心がけたいと考えます。