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奥穂高岳の登山コースを難易度別に解説!初心者向けのルートは!

奥穂高岳は登山愛好家にとっては憧れの聖地、いつかは登ってみたい目標となる山です。奥穂高岳はその急峻で厳しい岩稜により、簡単には寄せ付けない風貌をしています。奥穂高岳の山頂に至る色々な登山ルートをご紹介しますが、いずれもかなりの体力、技術、精神力が必要です。
更新: 2023年7月25日
mmkk9944
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北アルプス奥穂高岳

北アルプス穂高連峰は、登山を愛している人に取っては心が躍る、魅力的な山です。恋人のように愛しく思っている人もたくさんおられます。 奥穂高岳を始めとする穂高の山々は登山家たちを魅了するに、十分すぎる高山です。 穂高連峰は、日本列島の中央部にあり、北アルプス(飛騨山脈)を代表する山岳地帯です。奥穂高岳は、まさにその聖主です。 穂高連峰は、日本第三の山奥穂高岳(標高3190m)そして、涸沢岳(3110m)、北穂高岳(3106m)、前穂高岳(3090m)、西穂高岳(2904m)など横綱級の山々の連なりです。 その連峰の稜線は、前穂高岳だけは長野県側ですが、これ以外は岐阜県と長野県とにまたがっています。

穂高連峰

この穂高連峰は、国内有数の難易度の高いルートを数多く持っています。山容の迫力、急峻な岩稜地帯、そして大パノラマ、涸沢の壮大な大景観などは登山者を魅了してやみません。 奥穂高岳は、岐阜県側、長野県側とそれぞれにアクセスがあります。岐阜県側は、白出沢又は西穂高ロープウエイを経て新穂高温泉へ。長野県側はいずれのコースも上高地を経て松本に下ることができます。

北アルプス穂高連峰の魅力

最大の魅力は、圧倒的なスケールを誇る岩稜、岩壁です。大キレット、ジャンダルムなどは強靭な体力、高度な登山技術、強い精神力を必要とする難易度の高い第1級の難所です。これに近いルートが連峰各所にあり、登山家の挑戦意欲を駆り立てています。 登頂を成功させたときには厚くこみ上げる感動があります。これが正に登山の醍醐味です。これこそ、苦労して登頂を成功させた人しか得られない感動です。

奥穂高岳頂上

そしてもう1つの魅力は、大自然の息吹を直接肌で感じられることです。 四季の美しさも圧倒的なスケールを誇っています。雪と氷の世界、春の新緑、一斉に輝く高山植物、そして秋早い大紅葉と、その魅力が途切れることがありません。

北アルプス奥穂高岳登山初心者、初登頂登山者向けルート作成注意事項

登山計画作成の留意事項

北アルプス奥穂高岳に初めて挑戦する人又は初心者の方は登山計画作成時に、どうしても留意してほしいことがあります。その1つは、ザイテングラードを経由するルートを往復するルート設定とすること。2つ目は、1日で上高地から穂高岳山荘まで登ることは困難であると認識すること。 これを前提として計画を立ててください。

ザイテングラードの登り方

そして注意することは、 ザイテングラードは急峻な岩稜地帯で鎖場、はしご場があり、足がすくむような高度感のある危険な難易度の高いエリアです。三点支持をしっかり守って慎重に登りましょう。天気が悪化した時のことも念頭に入れておきましょう。 本谷橋から先は距離に対して高度差が大きくなり、荷物が多いと体力の消耗が激しくなります。距離の長いコースということを十分認識して装備を作りましょう。地図上でのコースはしっかり読み込んでおきましょう。

奥穂高岳登山モデルコース(初心者コース)の作り方

北アルプス奥穂高岳は行動時間が長く、また険しい登山道を行くことになります。無理のない余裕を持った計画は必ず必要です。天気予報もチェックしておきましょう。そのために登山計画を立てるのですが、安全を確保した、ゆとりのある行程計画を作りましょう。特に初心者の方は念入りに計画を立てましょう。地図上でのすり合わせも大事です。 ①お住いの住所から上高地までの移動又は宿泊  ・午後移動して、松本か平湯、上高地で宿泊  ・朝から移動し、上高地から徒歩で明神、徳沢、横尾で宿泊 ②1日目の行動  ・朝上高地を出発して、涸沢で宿泊  ・朝、明神、徳沢、横尾から歩き始め、登頂を行って穂高山荘で宿泊

2日目の行動涸沢


③2日目の行動  ・朝、涸沢から歩き始め、奥穂高岳登頂を行い、その後涸沢を経て、横尾、徳沢まで下山する。難易度は高くありませんが上高地まで一気に下山するには、かなりのハイペースで行動しなくてはならない。初心者の方にはあまりおすすめできない。  ・朝の穂高山荘から歩き始め、奥穂高岳登頂後、涸沢を経て横尾、徳沢、上高地まで下山する。上高地到着が早く、バスの最終便にアクセスしていれば、その日の内に帰ることもできる。(天気次第です)

奥穂高岳 一般的なモデルコース(初心者コース)

上高地コース

ルート 上高地バスセンター(起点)-明神ー時沢ー横尾ー本谷橋ー涸沢ー穂高岳山荘ー奥穂高岳 歩行距離:31.9km 標高差:2479m コースタイム:8時間30分 2日から3日の宿泊が必要

涸沢テン場

上高地バスセンターを起点として、まずは涸沢を目指します。涸沢までのアクセスルートは6時間の歩行時間となります。ロングトレイルです。バランスよく歩きましょう(天気も要確認です)。バスセンターから河童橋、明神、そして徳沢園、横尾と各1時間かかります。迷うことはないでしょうが、地図での確認は行いましょう。 本谷橋を経て涸沢到着です。涸沢で宿泊し、翌日涸沢から難所のザイテングラード取り付けで穂高山荘に至ります。ザックを山荘に預けてもらって奥穂高岳を往復します。奥穂高岳の絶景を楽しみましょう。(天気が悪く何も見えない場合もあります)

奥穂高岳登山 中級、上級コース

白出沢(しろだしさわ)コース

新穂高温泉(起点)-白出沢小屋跡ー穂高岳山荘ー奥穂高岳 歩行距離:17.8km 標高差:2473m コースタイム:約10時間

ルート上の岩稜地帯

新穂高温泉駅を起点として、穂高平小屋ー奥穂高岳登山口ー重太郎新道、荷継小屋跡を経て穂高岳山荘、奥穂高岳という登りのルートです。難易度は中級以上です。このアクセスルートはところどころ7月まで残雪が残っている場合があります。残雪の量によってはあるいは天気次第では通行不能になる場合があります。地図で現在地、方向はチェックしましょう。 コースはガレ場が長いところがありますが比較的歩き易いです。但し道迷いの心配がありますのでここも適宜、地図で現在位置と方向を確認してください。落石にも注意が要ります。健脚な人であれば日帰りが可能です。初心者の方の入山はおすすめできません。

奥穂高岳登山 上級コース

岳沢から前穂高岳経由奥穂高岳コース

上高地バスセンター(起点)-岳沢小屋ー紀美子平ー前穂高岳ー紀美子平ー吊り屋根ー奥穂高岳ー穂高岳山荘 走行距離:約9km 標高差:2558m コースタイム:9時間30分 宿泊:1泊

前穂高岳

上高地バスセンターから河童橋を渡り梓川右岸を少し行きますと穂高・岳沢登山口があります。ここがスタートです。登山口から岳沢小屋(2170m)まで10区間に分けて標識があり、これに従って登っていきます。約2時間30分ほどで岳沢小屋に到着します。ここからさらに高度を上げ、紀美子平から前穂高岳を登頂し、このコースの核心部吊り屋根を通って奥穂高岳に至ります。地図での確認も怠りなくしましょう。難易度は上級です。体力のある初心者ならば経験者同伴ならば可能です。

奥穂高岳 上級コース

槍ヶ岳から奥穂高岳への大縦走コース


上高地バスセンター(起点)-横尾ー槍沢ロッジー殺生小屋ー槍ヶ岳山荘ー槍ヶ岳ー槍ヶ岳山荘ー南岳小屋ー北穂高小屋ー涸沢岳ー穂高岳山荘ー奥穂高岳 歩行距離:19km 標高差:2204m コースタイム:16時間 宿泊:4泊

大キレット

誰でも一度は挑戦したい鑓・奥穂縦走コース。どちらから廻ってもいいが、高度な体力、技術力、精神力を必要とされるコースで、途中の大キレットなどは日本有数の難所、厳しい岩稜です。天気次第ですが、うまく縦走できれば登山家にとって大きな勲章となるでしょう。難易度は上級クラスです。地図でコースをよく確認しましょう。

奥穂高岳 エキスパート向けコース

西穂高岳ー奥穂高岳大縦走コース

新穂高温泉(起点)-ロープウエイー西穂登山口ー西穂山荘ー独標ー西穂高岳ー天狗のコルージャンダルムー奥穂高岳ー奥穂高岳山荘 高低差:2204m 歩行距離:19km コースタイム:15時間30分 宿泊:2泊

コース紹介

長く険しい岩稜地帯を縦走する、超ベテラン向けのルートです。初心者の入山は控えてください。難易度は体力、技術、岩稜歩行技術などが必要で、ロープも使えないといけません、上級者でもベテランクラスの方向けです。地図での確認もしてください。。西穂山荘から先、奥穂まで小屋がありません。登山家の憧れのコースですが、安易に行くことは厳禁です。天気次第です。山岳救助隊のお世話に絶対なってはいけません。慎重な行動が求められます。天気が悪ければ中止してください。

【コース上の主な岩峰】

ご案内したコース上にある主な岩峰です。北アルプスを代表する山々です。

前穂高岳

前穂高岳(3090m)は、奥穂高岳から東に吊り屋根でつながっている岩峰です。この山の魅力は奥穂高岳の勇姿を眼前で見られることです。圧倒的な迫力で迫ってくる奥穂高岳の山容は感動ものです。 上高地から岳沢を通って、重太郎新道のアクセスルートを使えば比較的短時間に登頂できる山です。頂上の展望も素晴らしく、前穂高岳のみを目標とする登山者も増えているようです。登山道にはあまり危険な所もありませんが、急登が続くため、体力に自信のある人でないと難しい山です。地図は時々見てください。 なお新装なった岳沢小屋からの展望を目標としてここまで登ってくる人が多くなりました。上高地の大絶景を眺めるならここが一番です(但し天気が良ければです)。上高地から2時間30分ほどの行程です。

涸沢岳

穂高連峰の主な岩峰は涸沢カールを中心に半円形を描く様に位置しています。前穂高岳、奥穂高岳、涸沢岳、南岳、北穂高岳の3000m級ぼピークがきれいに並んでいます。地図で確認してください。その中でひときわ目立つ綺麗な三角錐の山容が涸沢岳です。難易度は上級クラスです。 北穂高岳から奥尾高岳への縦走路にあたり、厳しい岩稜地帯です。そのためこのルートは上級者向けです。 上高地からは涸沢、ザイテングラード経由でコースタイム約9時間ほどかかります。

北穂高岳

北アルプス北穂高岳(標高3106m)は、穂高連峰の最北端に位置する岩峰です。大変厳しい山で西側は絶壁となっています。 主稜線は南北に連なり、南は涸沢岳、北は大キレットを経て、南岳、中岳を経て槍ヶ岳に連なっています。難易度は上級クラスです。 この北穂の岩壁は国内第1級のロッククライミングのゲレンデとして特に有名です。

ジャンダルム


登頂には高度な技術が伴う岩峰です。一際目立つ独特なドーム状の岩稜で奥穂高岳から西穂高岳への縦走ルート上にあり、地図で見るとジャンダルムの北側にはロバの耳、馬ノ背などの急峻なヤセ屋根の岩稜地帯と連なっている。北アルプス最難関のルートで、上級者でないと危険です。これまで多くの山岳遭難者を出す危険なエリアです。(天気が悪ければ危険です) ジャンダルム登頂にはクライミングロープが必要です。信州側の巻き路で頂上に登らず迂回することができます。

西穂高岳

北アルプス西穂高岳は標高2909mで3000mを切っているが、迫力のある岩稜、高山植物の宝庫、ハイマツ地帯と高山特有の要素が揃っている様です。 西穂高岳は長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる飛騨山脈の山です。山域は中部山岳国立公園に指定され花の百名山として有名です。 西穂高岳から奥穂高岳に至る岩稜地帯は、国内有数の難所で、人を寄せ付けない厳しさを持った岩峰が続きます。(天気次第でさらに難しくなります) 難易度は上級者でも、相当の体力、技術力を持った人でしか入れません。

奥穂高岳各登山口へのアクセス

〇白出沢コース登山口へのアクセスは新穂高温泉登山口です。新穂高温泉登山口はバス停終点です。すぐ近くに登山指導センターがあり、ここで登山届を提出してください。ロープウエイ乗り場前を通って俣谷林道に行き穂高平小屋を目指してください。 アクセス:JR高山駅から高山濃尾バスで新穂高ロープウエイ行き終点下車 マイカーは新穂高温泉駐車場230台(500円/台)、鍋平駐車場730台(600円/台)

〇上高地、岳沢、涸沢、奥穂高岳、槍ヶ岳への登山口へのアクセスは上高地バスセンターからです。 上高地バスセンターへのアクセスは、岐阜県側は、平湯駐車場、長野県側は沢渡駐車場に車を駐車してシャトルバスで行きます。アクセスは極めて良好です。上高地は通年マイカーの乗り入れはできません。 電車の場合のアクセスは、JR高山駅から路線バスにて直接上高地バスセンターに行けます。約60分

コース上の山小屋

 山荘名    場所    標高  収容人数   連絡先 〇涸沢小屋   涸沢カール 2350m 100人    090-2204-1300 〇涸沢ヒュッテ 涸沢カール 2300m  200人    090-9002-2534

 山荘名    場所    標高  収容人数   連絡先 〇北穂高小屋  北穂高岳  3100m  80人     0263-46-0407 〇岳沢小屋   岳沢    2170m  30人     0263-35-7200 〇西穂山荘   西穂高岳  2370m 259人    0263-36-7052 〇穂高平山荘  穂高平   1340m  30人     0578-82-4010 〇穂高岳山荘  奥穂高岳  2983m  300人    090-7869-0045 〇横尾山荘   上高地   1615m  250人    0263-95-2421

 山荘名    場所    標高  収容人数   連絡先 〇徳沢園    上高地            0263-95-2508 〇徳沢ロッジ  上高地   1550m       0263-95-2526 〇明神館    上高地   1530m 130人   0263-33-3353 〇槍平小屋   高山    1550m 80人  0578-89-2523

まとめ

北アルプス穂高連峰は登山の聖地でありますが、山岳事故が特別多い所です。特に北穂ー奥穂ルート、奥穂ー西穂ルートは典型的な岩稜地帯で滑落事故が非常に多い。切り立った尾根は滑落し易く、落差は数百メートルにも及び、滑落したら、落下途中で岩と激しく激突して、大変悲惨なトラブルとなります。 奥穂高岳は登山愛好家にとっては憧れの山です。誰しも一度は挑戦したい山です。人気が高いだけに、初心者の登頂も目立っています。特に中高年の登山者も多く、事故に合う危険性が高いです。

奥穂高岳は初心者コースもありますが、経験者との同伴が求められます。切り立った絶壁の稜線を歩く事もあり、自分の体力、技術力とよく見定めて慎重な登頂をお願いしたいです。地図を読む力も必要です。