検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

高級魚「タカベ」とは?その釣り方と食べ方を解説!エサ使いは勿体無い?

「お店で売られているのを見たことはあるけど、食べたことはない」という人が多いタカベという魚の生態や基本情報を解説しています。防波堤からのべ竿で釣ることができてしまうタカベの魅力や、釣り方のちょっとしたコツも紹介しています。
更新: 2023年2月2日
KERA
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

この記事で紹介しているアイテム

マルキュー(MARUKYU) マルキュー アミサビキ

タカベとは?

タカベ(鰖)は体調20~30㎝ほどの海水魚です。分類はスズキ目、タカベ科、タカベ属に属します。「タカベ」という名前は高知県、伊豆地方で一般的に呼ばれている名前です。漁村用語から生まれた呼び名で、”たか”は岩礁を指し”べ”は魚を意味しています。その他の呼び名としては、ベンタ、イボチ、トコヤ、シャカ、アジロ、シマウオ、ホタなどと呼ばれることがあります。

タカベの生態

伊豆諸島の代表的な魚の一つです。生息地は房総半島以南、九州までの太平洋岸です。比較的暖かい海域を好んで生息します。その名の由来の通り岩礁地帯に大群で生息している魚です。産卵期は8月~10月で、おもに動物性プランクトンを捕食します。タカベの卵は1㎜ほどで水温が16℃~17℃では受精後60時間でふ化する特徴を持っています。成長は比較的遅く、1年で10㎝、2年で20㎝、30㎝以上になるには7年かかります。

タカベの基本情報

刺し網や定置網で漁獲されることが多い魚です。神津島では数十人の漁師が海に潜り、磯まわりに張り巡らした網にタカベを追い込む、建て切り網と呼ばれる漁法を使います。伊豆諸島北部海域では毎年160t~360t漁獲されています。タカベは安定した資源量で、豊富に生息している地域では昔から漁師の生活を支えてきました。その身には、たんぱく質、カルシウム、ビタミンなどの栄養素を豊富に含んでいます。

タカベは高級魚

夏のタカベは特に上品な脂がのるため、関東では高級魚として高値で取引される魚です。関東の市場には伊豆諸島、千葉県、静岡県などで水揚げされたタカベが入荷してきます。夏の代表的な魚に数えられており、料理のレパートリーも豊富で人気がある魚です。タカベは三重県などでも水揚げされますが、人気も値段も関東ほどではありません。

タカベの旬

市場などでは4月ごろから出回ります。ところが、タカベの脂がのった白身のおいしいさを知る人は早い時期のタカベには手を出しません。タカベの白身に脂が一番のってくる夏場、6月~8月のタカベがもっとも人気が高くなります。その時期にはスーパーの店頭にも並ぶことがある魚です。

タカベの価格

高級魚といわれるタカベですが、値段は1匹300円~400円程度です。手が出ないほどの値段が付くことはないため、比較的庶民の食卓に上りやすい魚です。スーパーの鮮魚コーナーやお魚屋さんでは、店員さんに頼めば鱗や内臓を取ったり、三枚おろしなど無料で下処理をしてくれますので気軽にお願いしてみてください。お魚屋さんで買う際には、是非おいしい料理方法やレシピも聞いてみてください。

タカベの見分け方

タカベは背中が青色で、腹部が銀色をしています。側面の上部背びれ前方から尾びれにかけて黄色い鮮やかなシマが入っています。体に対して口は比較的小さめです。鱗は小さくて弱いのですが、皮は厚みがありしっかりしています。タカベに似た模様のウメイロという魚がいます。ウメイロはフエフキダイ科に属する別の種類の魚です。ウメイロはタカベよりも大きく、タカベの2倍くらいの大きさになります。ウメイロは背中の黄色いシマの範囲がタカベよりも大きいのが特徴です。


タカベの釣り方

タカベの釣り方はウキを使ったフカセ釣りが一般的です。磯でメジナを狙う釣り人からやっかいなエサ取りとしてみられているタカベは、口が小さいため仕掛けに小さめの針を使います。寄せエサにアミコマセを使うと効果的で、のべ竿にウキ、ガン玉、ハリといった簡単な仕掛けで手軽にタカベ釣りを楽しめてしまいます。サビキの仕掛けでも釣れますが、イワシやアジのように口を開けたまま泳ぐ回遊魚と違い、スレやすく、サビキの仕掛けを警戒する傾向をもっています。そのため、一本釣りがおすすめです。

タカベ釣りの仕掛け

タカベは体長が20㎝前後でサイズが小さく、口が特別弱い魚でもないので、それほど神経質にタックルを吟味する必要はありません。防波堤で釣る場合は足元まで寄ってくる魚なので、シンプルにのべ竿を使った釣り方で十分楽しめます。一般的な渓流のべ竿に1号のナイロン道糸、ウキ、ゴム管、よりもどし、0,6号のハリスにガン玉、5号の袖ハリという簡単な仕掛けで釣れます。鮮度が落ちやすい魚なのでクーラーボックスと氷は必ず持って行くことをおすすめします。

タカベ釣りのエサ

タカベ釣りをするときは、寄せエサ(まき餌)が必須になります。アミコマセを足元に巻き、それに寄せられてきたタカベを狙うスタイルの釣り方をします。袖ハリに付けるエサとしてオキアミを使って食いが悪いと感じる場合は、オキアミの皮をむいてからハリに小さく付けると食いがよくなることがあります。袖ハリに付けるエサはオキアミよりアミエビの方が釣果が上がるという釣り人もいます。

オキアミとアミエビ

オキアミはパックで売られていることが多い、少し大きめのエビのことです。アミエビはオキアミより小さなエビで、コマセといわれて売っているものを指します。タカベ釣りではコマセブロックを1キロ買えば寄せエサとしても、ハリに付けるエサとしても使えます。コマセブロックは冷凍で売られているので、冷凍のまま無理に砕いたりせずしっかり解凍させることがポイントです。バケツの中に水を張ってその中に冷凍コマセを袋ごと入れておきます。そうするとコマセブロックを早く解凍できますし、常温で解凍させたときのように表面を腐らせてしまうことを避けられます。丁寧に解凍するとアミエビの形が崩れず、アミエビをハリに付けやすくなります。

タカベの釣り方のコツ

マルキュー(MARUKYU) マルキュー アミサビキ

出典:Amazon
出典:Amazon

まき餌の使い方

タカベの釣り方で重要なのは、まき餌の使い方です。まずは、タカベの群れを自分の足元に寄せることです。一度タカベが寄り付いたら、その群れがどこかに行ってしまわないように、まき餌を少しずつ切らさないように投入するのがコツです。一度にたくさんのコマセをまいてしまうと、タカベがお腹いっぱいになってしまうので、少しづつ連続で切らさないことがポイントです。その群れの中に仕掛けを投入します。大型の群に遭遇できれば短時間で30匹以上釣ることもでます。

当たりの取り方

まき餌を夢中で食べているタカベは、ハリに付けられているアミエビにも食いつきます。タカベの釣り方はそれほど難しくありません。しかし、タカベはエサ取りといわれるように口が小さく、ある程度の警戒心を持つ魚です。そのため、のべ竿で足元のタカベを釣る際にはウキを見てあたりを取るというより、水中の仕掛けに直接目を凝らし、タカベがエサを食ったのを確認し軽く合わせるようにしてあたりを取る方がおすすめです。

タカベ釣りのシーズン

タカベ釣りのシーズンは4月~10月ごろです。夏がメインの釣りになります。引きだけでなく、味も楽しみたい場合はシーズン後半の8月、9月あたりがねらい目です。タカベは夏に脂がのる魚だからです。タカベが良く釣れるポイントは地元の釣具屋さんに聞くのがベストです。磯や防波堤から釣れますが、防波堤からタカベを狙う場合は湾内ではなく外海側で、水深が3メートル以上あるところがポイントになります。

タカベの食べ方


タカベの食べ方はいろいろありますが、一番人気なのは何といってもシンプルに塩焼きです。その他にも刺身、たたき、煮つけ、フライ、唐揚げ、ソテー、ムニエルなどさまざまな食べ方を楽しめます。刺身やたたきにするときは新鮮なタカベを使う必要があります。開き干しにしたものは焼くと内側からしみでてくる脂で表面がこんがり仕上がり、上品な脂と強いうまみで実に絶品です。三重県では漁港で水揚げされたタカベをすぐに桜の木でスモークし食べたりもされています。

たくさん釣れた時は・・・

まず、その日はお刺身で食べましょう。漁師さんは三枚におろして中骨ごと薄切りにして豪快に醤油で食べる食べ方が好きです。残りのタカベもその日のうちに下処理したり開きにして干したりしておきます。次の日は塩焼きで食べて、ゆっくり干物を消費していくのがベストです。もちろん、ご近所さんに差し入れても喜ばれる魚です。タカベを食べたことがない人も意外と多いので、鱗と内臓を取りすぐに塩焼きにできる状態で差し入れると喜ばれます。

タカベのおすすめの食べ方①

塩焼きレシピ

材料

タカベ 塩

料理手順

①鱗と内臓を取り水分をよくふき取ります。②タカベの側面に飾り包丁を入れて、焼き上がりの見栄えをよくします。③塩を両面にふりかけ少し寝かせます。これは、脂が多いので短時間では塩が身になじまないためです。一尾に小さじ1/3程度を目安にふりかけていきます。④グリルで両面をこんがり焼いてできあがりです。脂が多いので炎が出ないようにじっくりじっくり焼いていきます。

タカベのおすすめの食べ方②

お刺身レシピ

材料

タカベ 刺身醤油 ワサビ

料理手順

①鱗を取ります。②内臓とエラを取ります。③むなびれの付け根から包丁を当て、頭を落とします。④三枚におろします。⑤腹骨を包丁でそぎ落とします。⑥お刺身は歯ざわりが大切なので、背中とお腹の中間ある中骨を毛抜きで丁寧に抜いていきます。⑦皮をはぎます。皮面を下にして尾びれの方から包丁を入れていきます。⑧最後に斜めに包丁を入れながら、お好みのお刺身のサイズにして完成です。

タカベのおすすめの食べ方③


煮つけレシピ

材料

タカベ 4匹 醤油  50㏄ お酒  100㏄ 砂糖  大さじ2

料理手順

①タカベの鱗と内臓を取ります。②味が入るようにタカベの側面に飾り包丁を入れます。③タカベを湯通しします。④調味料をすべて鍋に入れて煮立たせます。⑤煮立ったら、タカベを入れ落とし蓋をして弱火で煮ていきます。⑥煮汁が少なくなり、とろっとしたら完成です。

タカベの創作料理レシピ

タカベをパスタ、カルパッチョ、アクアパッツァなどにする人もいます。下記はアクアパッツァのレシピの引用です。

【材料】 タカベ2尾 ミニトマト1パック エリンギ1~2本 長ネギ1本 にんにく 1/2~1個 お好みで香草類適宜 オリーブオイル 少々 (料理用)白ワインか酒少々 塩コショウ少々

これはクックパッドのレシピです。タカベを釣りすぎてしまった時は料理方法を変えて、少し違ったレシピを試してみてください。

【料理手順】 ①3枚におろして中骨などを取り除きます。②塩コショウと白ワインで下味を付けておくと魚の臭みを消す事ができます。③オリーブオイルで表面を焼きます☆フライパンの空いているところでスライスしたニンニクも軽く炒めておきます☆④水100ccくらいと白ワイン50ccを加え、野菜類と一緒に煮込み、塩コショウで味を整えます⑤お皿に盛り付けて、お好みで香草類などを飾ります。

まとめ

タカベは関東では人気がある高級魚です。伊豆諸島では防波堤から簡単に釣ることができます。さまざまな料理方法で味を楽しめ、食卓を飾ってくれます。また、釣って持ち帰った場合は是非お刺身に挑戦してみてください。タカベは鮮度落ちが速いので、お刺身という食べ方はまさに釣り人の特権です。夏の時期お魚屋さんでタカベを見かけたら、上質な脂がのったうまみが豊富な白身を是非食してみてはいかがでしょうか。一度食べたら、あなたもタカベを釣りに行きたくなってしまうかもしれません。