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ガストロってどんな魚?その正体と美味しい人気レシピをご紹介!

 ガストロは、ミナミマグロと一緒に混獲されている食用魚で、別名ではウロコマグロなどと呼ばれています。実は日本でも意外とよく食べられている魚なのですが、名前を知っている人はかなり少ないのではないかと思います。今回はそんなガストロをご紹介します。
2020年8月27日
ymatszuaka
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ガストロとは?

名前の由来

ガストロは、学名を「ガステロキズマ・メランプス」といいますが、日本では「ガストロ」または胴体を覆った特徴的なウロコもった容姿から「ウロコマグロ」などとも呼ばれています。南半球の温帯海域に広く生息しており、ミナミマグロの遠洋漁業で混獲され、日本国内でも食用魚として流通しています。1960年頃から本格的に漁獲されるようになりましたが、その独特な顔つきがちょうど1959年にキューバ革命を起したガストロ議長に似ていたこともあり、学名の前半部分に因んで日本では「ガストロ」と呼ばれるようになりました。

ガストロの特徴

ウロコだらけ

ガストロはサバ科に属する魚で、1種のみで1亜科1属を構成しています。他のサバ科の魚であるミナミマグロやカツオ、本マグロなどは総じてウロコは退化している傾向にありますが、ガストロは胴体を大きなウロコが覆っており、サバ科の中でも例外的な存在となっています。成魚の全長2メートル程度になり、ウロコに覆われてはいるものの、他のミナミマグロや本マグロなどと同様に背側は紺色、腹側が銀白色となっています。 

幼魚の腹ビレは蝶のよう

ガストロは成魚になると頭部に丸みを帯び、背ビレや腹ビレは小さくなり、ウロコに覆われた胴体には各ヒレを格納するくぼみが出来てきます。逆に幼魚のときは頭部は尖った形をしており、長大な扇形の腹ビレを持っています。この腹ビレの様子が蝶を連想させることから、英名ではButterflyTuna(バタフライツナ)と呼ばれています。

ガストロの生態

南半球に生息

全身をウロコに覆われたガストロは、南半球のオーストラリア、ニュージーランド近海の水深200mほどの外洋中層に生息しています。南半球の温帯域に広く分布していますが、北半球では生息が確認されていません。    

ミナミマグロと似たような海域に生息

ガストロは、その多くがミナミマグロを漁獲する延縄漁で混獲されています。これはミナミマグロと生息域が重複していることが理由となっています。

頭足類や魚類などが主食


ガストロは、他のサバ科の魚類が捕食しているサバ、イワシなどの小魚やイカなどの頭足類、その他の甲殻類などを捕食しています。ミナミマグロと生息域が重複しているため、食性も似ているようです。

ガストロの漁獲方法

ミナミマグロとの混獲

ガストロは、日本国内で大量に流通している魚類ではありませんので専用の漁法というものはありません。主に分布域が重複しているミナミマグロと混獲されています。

延縄漁で漁獲されている

マグロの遠洋漁業では、主に数十メートルから長いものでは数千メートルもの幹縄に釣り針のついた枝縄をぶらさげた延縄漁が行われています。ガストロは、ミナミマグロと生息域が重なっているため、同じ延縄漁で混獲されています。

ガストロの食用魚としての歴史

開発魚として登場

ガストロは、高度経済成長期に、人口増加などに備えて食料供給量を増やすため、新たに開発された「開発魚」です。そのために設置された海洋水産資源開発センターは、日本近海には生息していないガストロ、カラスガレイ、ギンダラ、アカマンボウなど多くの魚を開発し、日本国内で流通させました。その後は時代の変化もあり、遠洋漁業についていろいろな制限がかかってしまったため1997年に開発魚の開発は終了しています。  

代用魚という名前

本来、それまで流通していなかった魚介類を新たに日本国内へ供給することが開発魚の目的でしたが、実際には既に流通していた魚の代用として使われるケースが多かったようです。それまでは流通しておらず、食用としての実績がないガストロは、日本人にはなじみが薄いことなどが影響して長い間「代用魚」として認識されることとなりました。

偽装魚という濡れ衣

長い間、代用魚として流通してきたガストロは、食品偽装問題を契機に転機を迎えます。ネットで「偽装魚」と調べてみると、アカマンボウ、アロツナス、ガストロといった代用魚の名前が出てきます。主に回転寿司などでマグロの代わりに使われているのでは?いった内容ですが、1960年ころより漁獲されはじめ、開発魚として日本に新たな食用魚として登場し、食卓を豊かにしてきたガストロにしてみれば偽装と呼ばれてしまうのは濡れ衣でしかありませんでした。


偽装問題が一つの転機に

しかし、この偽装問題などを契機に、ガストロをはじめとした開発魚は本来の名称で改めて流通することになったため、結果的にはガストロにとってよい転機だったといえるのかも知れません。

ガストロの味

マグロに似ている?

ウロコマグロ、バタフライツナなどマグロやツナといった名前が魚名に含まれていることもあってか、刺身などは人気のあるマグロに似た味をしているのでは思われることも多いガストロですが、実際にはマグロにはあまり似ていおらす、どちらかというとカジキマグロに似たさっぱりとした風味を持っています。ですので、どちらかというと刺身のような生食よりも加熱調理の方がガストロには向いているようです。

ガストロはどんな味?

ガストロは、カジキマグロのような淡いピンク色で、さっぱりとした味わいで食感もカジキマグロのよう身質をしています。マグロほどではないですがほどよく脂が乗っており、生食の場合も美味しく頂くことができますが、どちらかというと加熱後も固くならない身質をいかした加熱料理に向いているようです。刺身などの生食をする場合は、味が染み込みやすくさっぱりした味わいを活かしたヅケにすることで刺身としても美味しく頂くことができます。

食味をいかせる料理

ガストロは、マグロとは違い全般的にさっぱりとした味わいをしています。ですので、マグロとは違い刺身などの生食によりも、加熱後も身が固くならない身質を活かした加熱調理に向いています。なお、刺身などで生食する場合は、さっぱりとした味わいを活かしたヅケなどがお勧めです。

ガストロを購入する

比較的安価

ガストロは、専門に漁獲されることがなく、ミナミマグロなどと混獲されるため、一般的には流通量はあまり多くありません。ですが、マグロなどのように食用魚として広く認識されていないこともあり、比較的安価に購入することが出来ます。但し、基本的には加熱調理を前提として流通することが多いので、刺身などにする場合は生食が可能かどうか確認してから購入しましょう。

鮮魚店ではあまり売っていない

マグロなどと比べると安価で購入しやすいガストロですが、一般的な鮮魚店ではあまり販売されていません。やはりまだまだ一般的ではなく、今のところはネットで購入する方法が比較的簡単なようです。


購入はネット通販

ガストロは、遠洋漁業で漁獲された後、急速冷凍され出荷されています。食用魚として人気の高いミナミマグロや本マグロなども同様の方法で広く流通していますが、ガストロはマグロ類ほど人気が高くなく広く流通している魚類でないため、現状ではネット通販を利用して購入するのが一般的です。

ガストロの美味しいレシピ①

ガストロは、油との相性が良いのでレシピも油を使用したものが人気です。その中でも特に相性が良いレシピと言えばやはりフライです。ガストロは加熱しても身が固くならず、しっとりとしていて油との相性もバッチリです。

ガストロの美味しいレシピ②

加熱しても柔らかい特性を活かしたレシピとしてムニエルなども人気です。とにかく油と相性が良いですから、揚げ物系のレシピだけでなく、こうしたムニエル、ソテーなどのレシピも豊富です。

ガストロの美味しいレシピ③

さっぱりとした味わいで油との相性がとても良いガストロも、一工夫加えることで生食でも美味しく頂くことができます。生食ではヅケにするなど一味加えるレシピも人気です。マグロなども脂の少ない赤身部分がヅケに適しているように、さっぱりとした味わいのガストロもヅケにすると大変美味しく頂くことが出来ます。

まとめ

日本では、実は白身魚として広く流通しているにも関わらず、なじみの薄かったガストロは、本来の名前で流通されるようになってから徐々に知名度をあげてきています。人気のあるミナミマグロや本マグロなどと比べてしまうと若干見劣りしてしまいそうですが、実はフライ、ムニエル、お刺身など、どのように調理しても大変美味しい魚です。 ガストロ、ウロコマグロ、バタフライフィッシュなど、ちょっと日本人にはなじみがない名前を持っていますが、マグロなどに比べて安価に購入できて、しかも美味しい魚ですから、ぜひ積極的に購入して食卓を豊かにしていきたいものですね。