YAMASHIN ボードアンカー G4
プロドーグ GN-25B
WAKAI TG-TB
アルテ BB-1B
シンワ測定 79025
トラスコ中山 79153
八幡ねじ 中空用アンカー 4S
トーソー 4mm モリーアンカー
どこでも下地 スピードミニ10
八幡ねじ スクリュープラグ HLD-2 4〜12mm
最近の住宅には石膏ボードが使われています
お部屋の雰囲気を変えるためや、気分転換やリフォームなどで、棚の取り付けや、時計や鏡の取り付け、エアコンの設置など、壁に物をつけたくなりますよね。同じように、天井にもシーリングファンや、照明、室内物干しなど天井から吊るしたい場合もあるでしょう。最近の住宅やマンションでは、壁や天井に石膏ボードが使われています。
石膏ボードの厚みは3種類あります
石膏ボードは、安価で施工が楽なので、最近の住宅には欠かせないものとなっています。意外と種類が多いのですが、住宅では標準的な石膏ボードが使われています。
気になる厚さは、15mm、12.5mm、9.5mmの3種類ですが、住宅では、12.5mmと9.5mmがほとんどのようです。サイズについては、3✕6尺といわれるのが基本的サイズとなっています。
石膏ボードアンカーとは
石膏ボードの壁や天井に、物を取り付けようとしても、普通のねじや釘では固定できません。穴が崩れてしまい、スカスカになり、スッポ抜けてしまいます。石膏ボードにはボードアンカーを使います。ボードアンカーを使えば、壁にしっかりとねじを固定できますので、棚や時計などが取り付けられます。
ボードアンカーのしくみ
ボードアンカーは、石膏ボードに打ち込んでいくと、その先端が壁裏の中空部で広がり、アンカーが食い込むか、壁裏の面で支えることで、力が分散されしっかりと固定できます。
石膏ボードアンカーを選ぶ
ボードアンカーは、さまざまな種類があり、使い方、付け方、もちろん耐荷重だって変わってきます。締め付け用の穴を持った樹脂部品をねじこむタイプや、壁の中で広がり抜けにくくなるものなどがあります。
実際に取り付けることを考えると、手軽に行いたいものです。「下穴」が必要なタイプ、不要なタイプもあります。そのあたりの違いもふまえて、ボードアンカーを選んでいきましょう。
石膏ボードアンカー①:ねじ込みタイプ
YAMASHIN ボードアンカー G4
下穴不要で取り付けられます。付け方は簡単、ドライバーで直接石膏ボードに埋め込んでいきます。ねじ込むと壁の内部でアンカーの先が開いて、しっかりと固定されます。このタイプは、石膏ボードの裏側が中空でなくても使えます。もちろん、中空でも使えます。事前にボードの厚さを確認して下さい。
このボードアンカーは、タッピングビス3〜6mmで使用できます。対応する石膏ボードの厚みは、9.5mmと12.5mmとなっています。この製品の耐荷重は、ボード厚さ9.5mmで24kg、ボード厚さ12.5mmで26kgです。材質もガラス繊維入りの樹脂ですので、サビの心配もありません。
石膏ボードアンカー②:グリッパ
プロドーグ GN-25B
こちらの石膏ボードアンカーは、ネジの太さに合わせて先端が開くので、壁を傷めずに打ち込むことができます。ドライバー1本で行えるので、誰でも簡単に扱えるのがポイント。
また、抜けづらい石膏ボードアンカーなので、安全性を更に向上させられます。先端部分は4つに割れるので、しっかりと固定可能です。気になるという方やDIYを始めたいという方は、ぜひこの機会に購入してみてはどうでしょうか。
石膏ボードアンカー③:打ち込みタイプ
RBA412
こちらは、石膏ボードはもちろん、中空壁にも適したタイプです。特徴としては、先端が開脚式(カサ式)になっています。これが壁内の空洞で開くことで、しっかりと固定されます。
付け方としては下穴が必要。 ・ドリルなどで9mmの下穴を開けます。 ・ボードアンカーを穴に差し込み、首下の爪が壁にささるまで軽く叩き込みます。 ・ねじをまわして、回転が重くなるまで締め付けます。
取り付けのねじは、付属されていますので、組み合わせを考えることはありません。使用耐荷重については、メーカーからの明記はされていませんでした。構造からすると、強力な効き目を発揮してくれそうですが、事前の強度確認を行ってから使って下さい。
石膏ボードアンカー④:トグルタイプ
WAKAI TG-TB
先程と同様のタイプになりますが、樹脂製で「トグラー」とよばれるタイプです。付け方は下穴が必要となります。 ・ドリルなどで8mmの下穴を開けます。 ・トグラーの脚をたたみ、壁の裏面まで差し込みます。 ・付属のピンを差し込んで脚を開きます。
取り付けのねじは、3.5〜6mmとなっています。ねじの長さは、トグラーの種類により変わってきます。
参考までに、こちらのメーカーの規格を紹介します。品番:適応ボード厚:ねじ長さ:耐荷重、T9.5:9.5mm:40mm:33.8kg TB:12.5mm:45mm:54.0kg TC:15mm:53mm:59.2kgとなっています。
石膏ボードアンカー⑤:ボードフック
アルテ BB-1B
使い方が限られるかもしれませんが、こんな手軽なものもあります。付け方は、吊り金具を専用の釘で固定します。釘を斜めに3本クロスさせます。
下穴も、特別な工具も不要で簡単に取り付けられるので、いろんな使い方ができそうですね。しかし、あまり重たいものには使用できません。必ず決められた耐荷重を確認してから購入して下さい。
ホームセンターなどで多数取り扱っているので、用途に合わせて選んで下さい。 一般的な3本ピンのフック一個のタイプで、耐荷重10kgがひとつの目安のようです。
石膏ボードアンカーを取り付ける前に
ボードアンカーは、壁の裏が中空であるところに打ち込みます。ですから、柱や下地があるとボードアンカーが貫通できません。では、どうやって柱や下地を見つけましょうか。
壁を叩いてみる
壁を軽く「コンコン」とノックするように叩いていくと、柱や下地があると、少し鈍い音がします。壁の中空部は軽い音がしますので、そこにボードアンカーを打ち込みます。ただしこの方法だけで判断するのは難しいです。ある程度の経験が必要です。
ピンを刺す
シンワ測定 79025
虫ピンのような細い針、専用の針を刺して確認できます。石膏ボードは、スカッと奥まで刺さります。柱や下地があれば、ボードの厚さ分しか針が刺さりませんので、すぐにわかります。
下地センサーを使う
トラスコ中山 79153
今は便利な道具があります。下地センサーというものです。これを使えば、壁の裏のどこに柱や下地があるかすぐにわかります。いろいろな種類が市販されているので、対応できる壁の厚みや下地の素材によって選んで下さい。
石膏ボードアンカーを天井で使うには
ここまでみてきたボードアンカーには、「天井には使用しないで下さい」の注意書きが必ずあります。やはり、壁と天井では勝手が違うようです。一時的に取り付いても、膨張収縮・振動・横揺れが積み重なるようです。
さらに天井の作りは、壁よりも軽量に施工されているので、ボードの強度にも不安が残ります。では、天井に使用できるボードアンカーはないのでしょうか。
八幡ねじ 中空用アンカー
八幡ねじ 中空用アンカー 4S
八幡ねじというメーカーのもので、中空用アンカーです。「天井への施工にも使用可能」という説明がされています。付け方は、 ・ドリルで下穴をあけます。 ・付属のレンチを挟んで、下穴に差し込みます。 ・アンカーのツメにひっかけます。ドライバーで締めたあと、取付物をねじで止めれば完了です。
サイズは品番:下穴径 4S:8mmです。
モリーアンカー
トーソー 4mm モリーアンカー
スタンダードタイプの中空構造用の金属製アンカーです。中の傘が開いて、ガッチリと固定するというしくみです。種類がありますので、ボードの厚さに合わせて選ぶ必要があります。
サイズは2種類あります。 品番:適応ボード厚:下穴径:耐荷重 4-S:9.5mm:8mm:7kg 4-SL:12.5mm:8mm:10kg
どこでも下地 スピード・ミニ
どこでも下地 スピードミニ10
天井用のものではありませんが、石膏ボードなどの下地がない部分に、下地を作るすぐれものです。これを使うと、壁や天井のボードの強度が上がります。使い方に少しコツがいるようです。
・ねじを付けたい場所に下穴を開けます。 ・水を含んだスポンジを差し込みます。 ・専用の液でスポンジを硬化させる。 これで、壁や天井の強度が上がります。
硬化後は、振動が加わっても強度にほとんど変化はありません。また、ねじ穴の大きさを選ばないので、すべての石膏ボードに使えます。 耐荷重は約35kgです。ただし、強度が出るまでに90分はかかりますので、施工後は時間をおいて、取り付けを行って下さい。
天井への施工例を紹介しましたが、やはり施工前には十分な確認が必要なようです。アンカー取付部の補強をしても、天井ボードの強度が不足していると天井が壊れることも念頭に入れて下さい。
石膏ボードの穴を埋めるには
ボードアンカーを引き抜いた後には、穴ができてしまいます。そんな穴を補修するための方法のひとつを紹介します。
穴の空いた場所に「穴補修パッチ」を貼ります。ガラス繊維入りがオススメです。
補修パッチの上からパテを塗ります。パッチが隠れるくらいに塗って下さい。パテが乾燥したら、表面を平滑に仕上げ、新しいクロスなどを貼ります。穴が比較的小さい場合は、直接パテを埋め込むという方法もあります。
石膏ボード以外の壁に適したアンカーは
石膏ボード・コンクリート兼用タイプ
八幡ねじ スクリュープラグ HLD-2 4〜12mm
八幡ねじに、「スクリュープラグ」というものがあります。石膏ボードはもちろんですが、コンクリートにも使えるようです。壁の厚さに応じて、羽の開きが変化してしっかりと固定でき、強度も高いようです。
下穴を開けて、本体を差し込むと、羽が開いて壁面に固定されるしくみです。耐荷重は7kgです。
重量物を取り付けたい場合は?
ここまでを見てみると、普通の感覚で棚を取り付ける場合のボードアンカーの耐荷重は、10kg程度に抑えたほうが無難なようです。
重量物(エアコン・照明器具・扇風機・スピーカーなど)を取り付ける場合は、十分に強度を確認して取り付ける必要があります。基本的に、石膏ボードやボードアンカーの強度だけを期待するのではなく、柱や下地を利用した取付が安全です。
エアコン設置に適したボードアンカーもありますが、使い方を間違えると大変危険です。少しでも不安があるときは、専門家のアドバイスを受けて下さい。
まとめ
ボードアンカーは、たくさんの種類がありますね。耐荷重の強度はもちろん、下穴不要タイプやドライバー一本で取り付けられるタイプまで、さまざまです。取り付け方も難しいことはありません。ぜひ挑戦して下さい。
取り付け前には、ボードの状態や裏側を確認するのを忘れない下さい。また、アンカーを取り付けて、いきなり荷を掛けることのないように、取り付け状態を確認することも忘れないで下さい。ご自身で棚や照明やカーテンを取り付けると、愛着も湧いて来ること間違いなしです。