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シオマネキのハサミはなぜ片方だけでかい?その秘密と生態に迫る!

シオマネキというカニをご存知でしょうか。大きさは約2センチほどからなる小さなカニたちですが、特徴として片方の大きなはさみがあります。そのハサミの秘密、そしてシオマネキの生態、現在直面するシオマネキの現状などについてお話しさせていただきます。
更新: 2023年3月28日
riockdododoto
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はさみが大きくかわいい!シオマネキの生態とは?

シオマネキは、カニの仲間で、エビ目(十脚目)スナガニ科シオマネキ属に分類されます。

体長としては、約2センチから4センチといった小型カニです。地表では、複眼のついた眼を立てて、周囲を見渡します。足はかっちりとした造りで、逃げ足もなかなかの速さを誇っているカニです。

シオマネキの呼び名の由来とは?

シオマネキと呼ばれている名前の由来についてお話していきます。まず、由来は中国での呼び名から来たもので、招潮子、つまり、潮を招くものの名称から来たとされています。

太平御覧の嶺表録異の翻訳によると、シオマネキはイワガニの仲間であり、甲殻は白色、満潮が訪れる際に穴を出て鋏を上げて待ちうける様がみてとれた。故に塩を招くものと呼ばれるようになった。との一文があります。

シオマネキは文字通り潮招きから来たということだったようですね。

シオマネキの生息地域はどこ?

シオマネキの生息分布とは?

シオマネキが生息しているとされている地域についてです。まず、日本でも生息がもちろんですが、確認されています。細かく生息地域を絞ると静岡系以西太平洋側の本州沿岸部、四国全面、九州全面、さらに南側の諸島でも生息確認が取れています。

また周辺地域での生息ですが、朝鮮半島、先ほどの話にもあった中国、台湾などでも現在生息確認が取れております。

シオマネキの数自体が減っている?なぜなのか

現在、そんなシオマネキの生態調査をするにあたって、驚くべき事実がわかりました。実は、このシオマネキと呼ばれるカニは、現在2000年から無脊髄動物リストのなかの準絶滅危惧種に指定されているのです。

というのも、のちにお話しさせていただきますが、生息場所自体が、人間の活動によって減少するなど大きな影響を及ぼしているのです。

さらには、2006年には準絶滅危惧種から絶滅危惧Ⅱ類に指定されました。

シオマネキの特徴、はさみについてのお話

片方の大きな特徴のあるはさみの理由とは?

シオマネキの大きな特徴としては、間違いなく片方の大きなはさみだと思います。種類によって異なりますが、8割程度の割合で、右手のはさみが大きいようですね。

実はこの大きなはさみの存在理由が4つほどあります。その4つはどれも重要な役割です。皆さんで予想しながら、次の見出しへ進んでみてください。

大きなはさみの4つの存在理由とはなにか?

先ほど触れた4つの理由について触れていきましょう。まず1つ目ですが、これはわかりやすいかと思いますが、戦いの武器ですね。メスを巡ってオス同士がアピールのため喧嘩することも多々あります。

次は、外敵から守るための使用法です。巣穴に入ってこないようにふたをする役割ですね。次にはさみから熱を放っての体温調整というのも言われています。

最後ですが、やはり雌に大きさをアピールするというものですね。おそらくこれが1番の理由かと思われています。


大きいはさみと性別は関係があるの?

先ほど、メスにオスが大きなはさみをアピールするという話がありましたが、実は、メスのはさみは小さく、大きいはさみを持っているのは、オスだけなのです。

なので、シオマネキだから全部が全部、はさみがのサイズがでかいという話ではなく、オスかメスという性別がこの大きなはさみを持っているのかどうかにも関わっているのです。

意外と知られていない特徴ですね。見分け方にもなるので、覚えておいて損はありません。

何を食べて生活しているの?

シオマネキの餌にしている食べ物とは?

シオマネキの食生活についての話ですが、まず、食べるものも潮の満ち引きの影響があります。

というのも、シオマネキたちが食べているものっていうのは、プランクトンであったり、デトリタスと呼ばれるもので、潮が引いたタイミングで、泥に付随したものを捕食します。

そのプラントンたちを食べるため、はさみで泥の中から穿り出して、口に含んで、口の中で泥とエサを分けて摂取するという器用な食べ方をします。

逆にシオマネキが捕食されるシーンも多い

当たり前ですが、食物連鎖の流れは、シオマネキにも及びます。プランクトンやデトリタスなどを捕食するシオマネキたちに対して、サギやシギ、カラスなどの鳥類、甲殻類を好んで食べるたとえるならチヌなどの沿岸の魚たちがシオマネキたちを捕食しにやってきます。

対抗措置は取りますが、やはり大きさも異なりますし、少しの遅れで勝負が決まってしまいます。恐ろしいですが、これが食物連鎖の実態です。

鳥類、魚類へのシオマネキの対抗策とは?

とはいえ、このシオマネキたちの危機察知能力もかなり高いです。前述で言わせていただきましたが、このシオマネキの足の速さはかなりのものです。

合わせて、敵と思われる生物を認識すると即座に巣穴へ逃げ込みます。ただで食われるほどやわじゃないのが、このシオマネキです。しっかりと危機意識をもって、自己防衛の取れた対策がおこなわれているのですね。

どんなところに生息している?

干潟や湿地などが好み?シオマネキの生息場所とは?

シオマネキたちが、生活を送っている場所はどこなんでしょうか。

何度か出てきた話を合わせてみると、大方答えは出てきます。とはいえ、シオマネキの種類によって好みの質の場所があるので、細かく見ると異なるのですが、基本的には、マングローブ、干潟などが多いですね。

基本的には、シオマネキは砂泥質の場所を好みます。地域によっては、トビハゼやムツゴロウなんか共に生活する場所と被ることもありますね。

干潟が減少?生息場所の減少へ

現在、われわれ人間たちは、干潟の埋め立て、開拓などを行ったり、われわれの勝手で彼らのスミかを奪ってしまっていることにもつながっています。

そうでなくとも、現在の環境汚染の影響でも、彼らの生活に大きく影響を与えてしまっています。先ほどの数の減少の話につながりますが、彼らが生活しやすい環境づくりも、われわれ人間が考えていかなければいけないはずなのです。

シオマネキの仲間たち


シオマネキといっても、実は種類は豊富で、さまざまな特徴を持った個体が存在します。そんなシオマネキのなかでも5種類を紹介していきましょう。

①ベニシオマネキ

マングローブの根元などを拠点に生息しているシオマネキです。大きさは2センチほど。ハサミは左右どちらが大きいということもなく、どちらかがおおきくなります。つやのある赤色が特徴です。

オスのはさみも赤色になっていて、甲羅は赤一色か赤と紺の2色の2種類が多いとされています。主に動物の動物排泄物や死体のかけら、藻、プランクトンなどを食べて生活しているようです。

②リュウキュウシオマネキ

沖縄のリュウキュウ地方に生息することからリュウキュウシオマネキと呼ばれています。大きさは2センチほど。

茶色い体をしていて、八重シオマネキと似ているので、よく間違えられるようです。

眼がリュウキュウシオマネキの方が柄の部分がやや太くて短いのが、おおきく違うポイントですね。

また、若いリュウキュウシオマネキは。オレンジ色や鮮やかな赤色と黄色のカラーを兼ね備えていて、若干わかりづらいので、覚えておきましょう。

③ルリマダラシオマネキ

ルリマダラシオマネキは、他のシオマネキのような砂泥地よりも、小石がごろごろとしているような場所を好んで、生息しているようです。大きさは、1,5センチ程度の小さなシオマネキです。

体は青色のまだら模様で、かなり鮮やかなのが魅力の1つですね。はさみはオレンジ、朱色のものになります。かなりかわいらしいフォルムで、我々をいやしてくれるシオマネキですね。

④オキナワハクセンシオマネキ

ハクセンシオマネキと呼ばれる種類の亜種になります。大きさは2センチ超ですね。ハクセンとよばれるのは白扇、つまり、はさみを振っている姿が、白い扇をかざして待っているように見えるところから名前が付けられたとされています。

主な生息場所は、やや砂っぽくなっている干潟に巣穴を構えて暮らしています。食べ物は葉や枝、死体のかけらや藻、プランクトンなどです。

⑤ヒメシオマネキ

ヒメシオマネキと呼ばれていますが、もちろん、オス、メスともに存在します。オスのはさみは、左右どちらかに大きくなり、ごつごつとしたフォルムが特徴です。

ハサミの下半分はオレンジ、上半分は白というカラーコントラストが綺麗ですね。普段は、岸よりも干潟に穴を掘って暮らしています。このヒメシオマネキは、集団で水辺まで移動することがあり、砂泥部の干潟でよくみられる種類のシオマネキです。

シオマネキの生態を知ることができる水族館3選

①神戸市立 須磨海浜水族園


近畿地方、兵庫県神戸市の須磨に位置するこの須磨海浜水族園、通称須磨水族館には、シオマネキの展示がされています。

他にもイルカショー、ペンギンのお散歩、食事イベントをはじめ、有料での体験コーナーも充実しています。入園料は大人1300円、子供500円と割とお手頃価格になっております。全国の水族館の先駆けとなった水族館なので、是非、足を運んでみてください。(2018/4/3現在)

②沼津港深海水族館

シーラカンスやダイオウグソクムシといった他ではなかなか見られない展示がみられるのが、沼津港深海水族館です。こちらでは、ハクセンシオマネキの生態を観察することができます。

海の生物というよりも、どちらかといえば、水族館の名前にもあるように、深海に潜む魚たち、生物たちにスポットが当たっているので、かなり他と違った楽しみ方ができるかと思います。

料金は、大人1600円、子供800円となっております。(2018/4/3現在)

③沖縄美ら海水族館

大阪の海遊館と同じく、ジンベイザメを保有している水族館である沖縄の美ら海水族館です。こちらでは、ベニシオマネキをはじめシオマネキたちが展示されているようです。

合わせてみてほしいのは、やはりジンベイザメですね。この水族館のシンボルのようなジンベイザメの大きさ、迫力を体感していただきたいです。

かなり広い水族館なので、退屈することはないでしょう。料金は、大人1850円、子供850円、夕方入館ですと大人1290円、子供430円です。(2018/4/3現在)

シオマネキを食べる!?驚きの料理法をご紹介

珍味としても評価の高い、ガン漬けとよばれるものをご紹介します。有明海沿岸地域では、昔から食べられている郷土料理です。シオマネキをはじめ、干潟に潜むカニをすりつぶして、塩や唐辛子などと混ぜ合わせてねかせる塩辛の一種に当たります。

ご飯につけてよし、寿司のアクセントにもよし、酒のおつまみにもよし。是非、一度口にしてみてほしい一品です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。シオマネキたちの生態、生息地域、ハサミの理由、そしてわれわれ人間とシオマネキの関係性についてお話しさせていただきました。

今後、さらにシオマネキが生息しやすい地域が減少し、もしかすると絶滅の道をたどってしまうかもしれません。

われわれ人間の生活の影響を受けているということを少しでも知っていただけると、シオマネキたちが生きやすい環境が少しでも残る、あるいは新たに作られると思います。シオマネキが多く生きられるようわれわれも尽力しましょう。