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仏式バルブとは
仏式バルブとは、自転車のタイヤに空気を注入するためのバルブに採用されている形式の一つで、おもにロードバイクやクロスバイクのタイヤに使用されています。その特徴は高い空気圧に対応できることに加え、微妙な空気圧調整が可能なことにあります。
そんな仏式バルブの正しい空気の入れ方や、起こりやすい空気入れの失敗に対する対処法、バルブの交換方法について解説していきます。
仏式バルブと他のバルブの違い
仏式バルブの特徴を語る上で欠かせない、代表的な他の種類のバルブとの特徴の違いについてご紹介します。
英式バルブ
おもにママチャリなどに使用される日本ではもっとも一般的なバルブです。通常の空気入れで普通に入れられるので、いつなんどき空気が減っても安心です。一方で微妙な空気圧調整は苦手なため、ロードバイクやクロスバイクのようなスポーツモデルには不向きなバルブと言えます。
米式バルブ
頑丈さがウリのバルブで、おもにマウンテンバイクなどタイヤに大きな負担がかかるタイプの自転車に使用されます。自動車のタイヤのバルブと同じタイプなので、ガソリンスタンドなどでの空気入れが可能なのが利点です。丈夫な反面、やはり空気圧の微妙な調整という点では、仏式バルブにはかないません。
仏式バルブの空気注入方法
空気の入れ方1/7:バルブコアを緩める
仏式バルブの先端についているキャップをはずすと、中からバルブコアが姿を現します。まずはこのバルブコアの先端を緩めましょう。回す方向は反時計回りで、工具などを使用しなくても手で回すことができます。このバルブコアを緩めることで空気の通り道ができ、バルブから空気を入れることができる状態になるのです。
空気の入れ方2/7:バルブコアの先端を押し込む
バルブコアを緩めたら、コアの先端を指先で押し込みます。すると「シュー」という音とともに、タイヤ内の空気が抜けます。この作業を行う理由は、前回の空気入れの際に生じた熱によって生じたバルブ内部の固着をはがすためです。そのため完全に空気を抜く必要はなく、固着をはがすためのワンプッシュ程度で十分です。
空気の入れ方3/7:空気入れをバルブにはめる
空気入れの先端のアダプターをバルブにはめ込みます。その際にアダプターがバルブに対して垂直になるように気をつけましょう。曲がった状態だと空気がちゃんと入らないだけではなく、無理に入れようとするとバルブコアを曲げてしまう可能性があります。コアを曲げてしまうと、後で説明する交換作業が必要になります。
空気の入れ方4/7:空気入れを固定する
空気入れのアダプターをバルブに差し込んだら、アダプターの後ろについたレバーを立てます。こうすることで、空気入れのアダプターと仏式バルブがしっかりと固定されます。レバーを立てる際はレバーがやや硬いので、バルブコアの曲がりを防止するためにアダプターをしっかりと手で固定しましょう。
空気の入れ方5/7:ポンピングをする
空気入れをポンピングして空気を入れましょう。手先だけでポンピングするとすぐにバテてしまいます。空気入れのペダルをしっかり足で踏んで固定し、背筋を使うようにしてポンピングしましょう。また空気入れのポンプは、途中で止めることなく上から下まで、しっかりとフルストロークするようにポンピングすることが大切です。
空気の入れ方6/7:適正空気圧に合わせる
タイヤのサイドウォールに印字された範囲の空気圧にしっかりと合わせます。この範囲内で好みや走行条件に合わせ微調整を行います。入れすぎた場合はバルブコアを押して空気を抜き、再度空気入れで調整していきます。
ロードバイクやクロスバイクのタイヤはかなりの高圧が要求されます。手で触った感覚ではなく、空気入れのゲージを頼りにしっかりと空気圧を管理しましょう。
空気の入れ方7/7:バルブコアを締め込む
適正空気圧に合わせたら、空気入れのアダプターをはずし、バルブコアを時計回りに回して締め込みます。ここでも工具は不要で、手で締めることができる程度で十分です。
チューブを交換した場合などは、バルブの根元のナットが緩んでいる場合があります。10ミリのスパナを使って締め込みますが、強く締め過ぎるとバルブの根元を破損し空気漏れの原因となりますので注意しましょう。最後にキャップを締めたら空気入れの完了です。
空気が入らない場合には
仏式バルブに空気が入らない場合があります。そんなときは以下のチェックリストを参考に問題点を探しましょう。
入らない原因1/4:バルブコアを緩めていない
仏式バルブのバルブコアが締まった状態では、空気の通り道がありません。コアを緩めることによってはじめてチューブ内と外との空気の通り道が確保されるのです。空気を入れる際は、まずこのバルブコアを緩めることが必須です。
入らない原因2/4:バルブコアが固着している
ロードバイクやクロスバイクのタイヤは非常に高い空気圧となっています。そのためバルブ内のパッキンは、長い間使用していないと固着の恐れも。また空気入れの際に生じた熱によっても固着は発生します。そのためバルブコアを緩めた後、コアの先端をワンプッシュして、この固着をはがす必要があるのです。