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クレオメってどんな花?
クレオメは一年草に属する植物で、草丈は80~120センチほどになります。ほかの植物が少しパワーを落としがちな暑い真夏にもぐんぐん成長して、元気に花を咲かせるので、ガーデナーに重宝されている花のひとつです。クレオメの空に向かいまっすぐに茎を伸ばし花を咲かせるさまは、とても魅力的なものです。
楽園の花
スウェーデンではクレオメのことを「Paradisblomster(楽園の花)」と呼びクレオメの魅力を称えています。なお、クレオメはこぼれだねでも発芽する育てやすい植物です。クレオメは、日本に明治のはじめにやってきました。現在、北海道美瑛町にある四季彩の丘は、クレオメの花を観賞できるスポットとして有名です。
クレオメの花の特徴
クレオメは、初夏7月から秋9月頃にかけて、可愛らしい花を咲かせます。クレオメの花姿は、少し個性的なものです。クレオメのおしべとめしべは、花びらから突出している格好です。クレオメの花は、まるで、ちょうちょが舞っているようなく可愛らしい雰囲気を醸し出しています。
美しいグラデーションカラー
クレオメの1輪の花は、およそ1日の寿命と短いものですが、次々と新しい花を咲かせるので、ひとはなごとの短い寿命を感じさせません。クレオメは、花の咲きはじめから咲きおわりに向かうにしたがって、徐々に花びらの色を薄く変化させます。そのため、クレオメの花色は、濃いピンク色と薄いピンク色のグラデーションカラーになり、とても美しいものです。
クレオメの葉の特徴
クレオメの葉っぱは、楕円形の先がとがった形のものが5枚、ちょうど手のひらをパーにしたような、もみじのような形状からなります。クレオメの葉っぱの色はやや深い緑色です。
クレオメの花言葉
花言葉1・「小さな愛」
「小さな愛」はとてもロマンティックな花言葉です。クレオメのピンクの可愛らしい花模様からイメージされてつけられた花言葉です。クレオメの花姿はチョウチョに例えられますが、イマジネーションを膨らませてみると、まるで恋人がダンスしているようにも見えます。そんな花姿から生まれた花言葉でしょう。
花言葉2・「風に舞う」
「風に舞う」という花言葉は、クレオメの風にゆれている花姿からイメージされたものです。クレオメの花びらやおしべ、めしべが、そよそよと風にゆれる姿はとても可愛らしく、そんな花姿からこの花言葉が生まれました。
花言葉3・「秘密のひととき」
クレオメの原種は、夜咲きです。夕方開花して、夜、人間が眠るあいだに花を咲かせます。そうした特質からこの花言葉がつけられました。
クレオメの花名の由来
別名「西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ)」の由来
クレオメの花は、まるで、チョウチョが空に舞っているかのように楽し気に咲きます。このクレオメの花姿から、西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ)の名前がつけられました。
別名「酔蝶花」の由来
クレオメの花姿がチョウチョに似ていること、また、クレオメは花色が少しずつ薄くなっていく特性を持ち、その色のグラデーションが酔っているように見えることから、この別名がつけられました。
英名「Spider flower」の由来
Spider flowerを直訳すると、蜘蛛(クモ)の花。英名は、クレオメの花姿から足の長い蜘蛛(クモ)をイメージしてつけられました。
クレオメの基本データ
科名属名
フウチョウソウ科フウチョウソウ属
学名
Cleome spinosa
和名
クレオメ
別名
西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ) 酔蝶花
英名
Spider flower
原産国
南アメリカ
クレオメの種類
クレオメは、その可愛らしい花姿から世界中で愛されているお花です。ただし、品種改良はあまりなされていません。原種に近いタイプの種が出回っているようです。花色は、ピンク色が一般的ですが、白や紫のクレオメも存在します。
クレオメ・ピンク
クレオメを代表するピンクの花色です。クレオメは背丈のある植物であり、ピンクの花はガーデンをぱっと華やかにしてくれることでしょう。
ヘレン・キャンベル
ヘレン・キャンベルは、真っ白な花色が魅力的なクレオメです。真夏に花を咲かせるクレオメ。涼やかな白い花は、真夏の青空にマッチします。クレオメは種まきによる増やし方が容易な植物なので、はじめに種を購入したあとは、種を自家採取して増やしていくとよいでしょう。
クレオメの育て方・土づくりと肥料
育て方1・土づくり
クレオメは、水はけのよい、かつ保水性のよい土壌を好みます。小粒の赤玉土に腐葉土を少し混ぜ込んだものを使いましょう。また、市販の草花用培養土を利用するのも便利です。
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育て方2・肥料
クレオメを植えつける際、春の時期に、元肥として緩効性の化成肥料を施しましょう。そのあと、クレオメの花の咲く時期に向けて、だいたい月に1度の割合で追肥を施します。
クレオメの育て方・水やりと場所
育て方3・水やり
クレオメを植えている土の表面が乾いたら、しっかりと水やりをしましょう。ただし、水の与えすぎは禁物です。クレオメは乾燥には強い植物なので、あまり過度に水やりしないように注意します。とくに若い苗のときに過度に水をあげすぎると徒長に繋がってしまいます。クレオメのしっかりとした株ができあがらず、風に吹かれて倒れやすくなりますので、注意しましょう。
育て方4・場所
クレオメは、日当たりのよい水はけのよい場所を好みます。夏の暑い時期も比較的元気に育つので、よく日の当たる場所に植えつけましょう。クレオメはこぼれだねからも増えていく植物です。はじめに植える場所をクレオメの定位置にしておけば、毎年同じ場所からクレオメが芽を出してくれるかも知れません。
クレオメの育て方・植えつけと植え替え
育て方5・植えつけ
クレオメの植えつけに適した時期は春、4~5月です。クレオメは移植を嫌う植物です。種まきの際に直播きしてしまい植えつけを行わないという方法もひとつです。苗を植えつける場合には、育苗ポットに種まきした発芽苗をスコンと抜いて土を落とさないようにしながら、できるだけ速やかに植えつけましょう。植えつける際のクレオメの株間は、だいたい20~30センチくらいです。株間が狭いと、蒸れの原因となり、病気や害虫の発生に繋がりますので、注意しましょう。
育て方6・植え替え
クレオメは一年草なので、植え替えの必要はありません。毎年春の時期に種をまく、苗を購入するなどして更新しましょう。
クレオメの育て方・支柱立てと花がら摘み
育て方7・支柱立て
クレオメは水分の量により、徒長しやすい特質を持っています。クレオメの茎がひょろひょろと長くなり倒れやすいなと感じる場合には、支柱をしてあげましょう。支柱立ては、クレオメの花の咲く時期より少し早めにするとよいでしょう。花の重さで茎がしなだれたり、折れてしまうことを防げます。支柱を立てる場合には、支柱がクレオメの根っこにあたらないように気を付けます。なお、クレオメは葉柄のつけねにトゲを持っていますので、支柱立てする場合には指を傷つけないように注意しましょう。
育て方8・花がら摘み
クレオメの花の寿命は短いものです。クレオメの花の咲く時期は夏で、枯れた花をそのままにしておくと、蒸れたりして病気や害虫の発生源となります。クレオメの枯れた花がらは、こまめに摘み取りましょう。クレオメの花茎のつけねからハサミなどで切り取るとよいでしょう。なお、クレオメの種を採取する場合には、状態の良い花がらを少し残したままにしておきまよう。
クレオメの育て方・病気と害虫
育て方9・病気
クレオメには、灰色かび病やべと病が発生します。灰色かび病は、梅雨のじめじめした時期など多湿な環境で発生しやすいものです。はじめ葉っぱなどにできた薄い褐色の病斑は、やがて灰色もしくは灰褐色になり拡大します。灰色かび病にかかると、最後には植物全体が枯れてしまうこともあります。灰色かび病にかかった場合、治す手立てがありませんので、速やかに病斑部を切り取りましょう。
梅雨時期などに発生しやすい
べと病も、じめじめした梅雨時期などに発生しやすい病気です。薄い茶色いしみのような病斑部を形成し、徐々に広がりながら葉っぱを枯らせてしまいます。べと病にかかった場合も、その部分を治すことはできないので、病気を見つけ次第、病斑部を取り除きます。
育て方10・害虫
クレオメには、ハダニやオンシツコナジラミといった害虫がつきます。ハダニは、クレオメの葉っぱや茎に寄生して養分を吸ってしまう害虫です。ハダニに吸われた部分は、白っぽく変色します。ハダニは風通しの悪い場所に発生する害虫なので、クレオメを植えつける際には、密植させすぎないようにしましょう。オンシツコナジラミは、1.0ミリくらいの大きさの害虫で、葉っぱなどを揺らすとふわふわと飛びます。オンシツコナジラミは、クレオメの葉っぱから養分を吸い取ってしまいます。どちらの害虫も、見つけ次第駆除しましょう。必要に応じて害虫駆除の薬剤を塗布します。
クレオメの増やし方・種の採取と種まき
種の採取
夏、クレオメの花が終わったあと、しばらく置いておくと、子房が膨らんできます。クレオメの種はそのなかにはいっています。子房はやがて固くなり、ぱんとはじけます。はじけてしまう前に種を採取しましょう。ただし、あまり早く採取しすぎると、なかの種が未熟で発芽しません。
種が真っ黒になったら熟しているサイン
なかの種が真っ黒になっていたら熟しているサインです。クレオメの子房がはじける前に、クレオメの子房全体を、ストッキングなど網目の細かいものでくるんでおくのもひとつです。ストッキングのなかにはじけた種が落ちるので安心です。採取したクレオメの種は、次の春の種まきの時期まで、冷暗所で保管しておきましょう。
種まき
クレオメの増やし方としては、種まきがおすすめです。クレオメはこぼれだねでも簡単に増える植物。種まきはガーデニング初心者にも比較的簡単にできる、クレオメの増やし方でしょう。クレオメの種まきに適した時期は春です。種まき用の土を入れた育苗ポットに、クレオメの種をばらまきします。日当たりのよい風通しのよい場所で管理しながら、水やりを続けましょう。だいたい数週間でクレオメが発芽します。発芽したもののなかから、よいものを1本だけ残して、残りの芽を間引きましょう。クレオメの発芽苗がしっかりしてきたら、好きな場所に植え替えましょう。
クレオメの種を自家採取してみよう
クレオメの花姿は、まるで、ちょうちょが舞っているような愛らしいもの。少しさみしくなりがちな真夏の時期に花を咲かせるクレオメはガーデニングにもってこいです。クレオメはこぼれだねからでも簡単に発芽する植物なので、種まきによる増やし方が簡単です。はじめに種を購入したあとは、自分で採取した種をまいてどんどんクレオメを増やせます。真夏のガーデンに咲き乱れる「ちょうちょ」の風景は見事です。