ヤマブキとは?ヤマブキの基本情報を紹介
『ヤマブキ色』など、名前だけは知っているものの実際にヤマブキという花がどんな花の形状で、原産地はどこなのかなどはわからない方も多いかと思います。 ここでは、ヤマブキについての基本情報を紹介し、皆さんにより深くヤマブキという花について知っていただこうと思います。
原産地
ヤマブキは、日本国内および中国で古くから親しまれている樹木の一種です。 国内では、古くは万葉集に十数集、源氏物語に二十箇所以上登場することで、現在でも俳句や短歌の季語として用いられています。
特徴
花の色は黄色または濃いオレンジ色をしており、花の形状は一重と八重の2パターンあります。 なかでも八重咲のヤマブキは、その高貴な佇まいから特に好まれて栽培されています。 樹木でありながら、枝葉細く雨水など花弁に溜まると枝がしなるほどに柔らかいのが特徴です。 葉の形状はノコギリ型をしており、薄くはっきりとした緑色をしています。
最適な栽培環境
ヤマブキの好む栽培環境は、日当たりが良く、水はけの良い土質の場所を好みます。 特に乾燥を嫌う品種のため、庭で栽培する際には、土の乾燥に留意しながら種まき・苗植えをするようにしましょう。
ヤマブキの花言葉と誕生花の日付
草花には、それぞれに花言葉を宿していることは広く知られていますが、花にはもうひとつ誕生日花というロマンチックなものがあることをご存知ですか? ここでは、誕生日花や花言葉の由来と、ヤマブキの誕生日花や花言葉をご紹介します。
誕生日花と花言葉の由来
誕生日花や花言葉の起源は、ギリシャ神話まで遡ります。 古代ギリシャの人々は、草花には神秘的な力が宿っており、神々のメッセージが込められていると信じていました。 地上にある草花は、そんな神々のメッセージを表意していると考えられています。
花言葉
ヤマブキの花言葉は、『気品』・『崇高』・『金運』・『待ちかねる』です。 伝承によると、その昔深い谷底に落ちた金貨が、ヤマブキの花に変わったとされています。 そのためか、ヤマブキの花言葉にはお金持ちを連想させる言葉が多いようです。 ヤマブキをプレゼントとして人に贈る場合は、例えば会社の決起集会などに社長に贈るなどすると良いかと思います。
ヤマブキが誕生花の日付
ヤマブキが誕生日花となっている日付は、『3月28日』と『5月4日』の2日間です。 春の季節を象徴する花として親しまれるヤマブキに、ピッタリの日付ですね!
ヤマブキの見頃の時期
四季折々に各地で見頃となる草花の情報がメディアなどで情報発信されていますが、ヤマブキの見頃となる時期とないつになるのでしょうか? 見頃時期、開花地域を知り、旬な時期にヤマブキを楽しめるようにしましょう。
見頃はいつ?
ヤマブキの見頃は、主に4月~5月頃とされており、ヤマブキで有名な観光地での2018年現在の見頃時期は以下の通りとなっています。
松尾大社 ヤマブキ祭り
上記はヤマブキ祭りの様子を写した画像です。 古都京都の季節を彩る、ヤマブキの春らしい色合いが古い街並みとよく馴染んんでいます。
境内には約3,000株の山吹の花があります。 緑の中に咲く鮮やかな黄色の山吹が、こぼれんばかりに咲き誇ります。
■日程■ 4月10日(火)~5月5日(土・祝) ■開催場所■ ○京都市西京区嵐山宮町3 ○松尾大社 ■問い合わせ先■ 松尾大社 《TEL》075-871-5016
どこで見ることが出来る?ヤマブキの主な開花地域
実はヤマブキは日本国内であれば、北は北海道、南は九州まで広く分布している植物で低い山や丘陵地でよく見かける植物です。 ただし、水はけが良く、日光がよく当たる場所を好んで育つため、周囲がほかの植物で鬱蒼としているなどの環境には適しません。
ヤマブキの育て方
ここでは、野生の植物のイメージが強いヤマブキの家庭での育て方を紹介します。 『春の庭先を鮮やかに彩るヤマブキ色を来シーズンには楽しみたい!』という方や、『今ヤマブキを育てているけど増やし方がわからない。』という方はぜひ参考にしてみてください。
種植え・苗植えの最適な時期は?
ヤマブキの種まきをする季節として最適なのは、ヤマブキの花が落ちて果実が熟して落ちてすぐの状態で採種します。 その後すぐにまくか、水で湿らせたキッチンペーパーなどで種子を包んでジップロックに入れて春が来るまで冷蔵庫に保管し、春に種まきをする必要があります。 秋まきにしても、春まきにしても、ヤマブキの種子は寒い冬を経験しないことには発芽しないため、秋まきの発芽についても春まきと同時期になります。
厳寒期や、成長の速度が著しく落ちる秋を避けて2月下旬~3月下旬に植え付けを行います。 最初から花壇に直植えするのではなく、ある程度の大きさになるまでプランターなどで育ててから植え付けすることも可能です。 いずれの場合にもヤマブキは非常にしっかりした根を張るたね、根を傷めないように掘り下げるよう注意しましょう。 また、植え付けする際には、植え穴は深堀しないよう浅めに広く掘るようにしましょう。 植え付け後は、土が乾燥しないようしっかりと水やりをしてください。
水やりのポイント
野生のヤマブキは低い山や丘陵地のなかでも、沢沿いに分布していることから特に水を好み乾燥を嫌う特徴があります。 そのため、家庭で育てる場合にも、土が乾燥しないように注意し、春~成長が鈍くなる秋の初頭にかけては土が乾燥した時点で水やりをするようにします。 秋の終わり~冬の寒い季節にかけては、水やりの回数を減らしても問題ありません。
肥料の与え方と時期
2月上旬~3月下旬の植え替えの季節に肥料を与えます。 肥料には、寒肥(※1)を使用しますが、腐葉土をたっぷり含んだ土を使っているようであれば過度に追肥する必要はありません。 (※1)寒肥とは 読み方を『カンゴエ』と読みます。 厳寒期に成長が鈍くなる植物に与える肥料のことを指し、寒肥として推奨される肥料は油粕・牛糞・鶏糞・魚粉・骨粉などの有機質肥料とされています。
剪定の仕方
ヤマブキの茎や枝は、途中で剪定してしまうと枯れこんでしまう可能性があります。 剪定のコツとしては、枯れてしまっている枝や茎の根元から切り込むと、枯れこみのリスクを軽減できます。 また、剪定に最適な時期はヤマブキの落葉の季節である11月上旬~2月下旬に行います。
植え替え時期とポイント
小さなプランターで育てている場合で、プランターいっぱいに根が張ってしまっている状態になっているようであれば植え替えの時期となります。 植え替えする場合には、プランターや鉢の大きさを徐々に大きくしていく必要があるため、根を張るスペースに余裕があるだけのプランターまたは鉢を選びます。
ヤマブキの増やし方
ヤマブキを増やしたい場合には、『株分け』または『挿し木』という増やし方があります。 プランターや鉢で育てている場合で、株分けする親株が小さい場合には挿し木、花壇に直植えしているため親株が豊富である場合には『株分け』をおすすめします。 適切な増やし方を判断し、長くヤマブキを楽しめるようにしましょう。
挿し木の仕方
挿し木の最適な時期は、6月上旬~7月下旬です。 この時期に新しい枝先を5~10cmほど切り、1時間程度水あげ(※2)します。 その後、湿らせた赤玉土(※3)や挿し木用土(※4)に挿し木しておきます。 挿し木したヤマブキは、根が赤玉土または挿し木用土に根付くまで日陰の涼しい場所で管理します。
(※2)水あげとは 植物の枝や茎には、道管と呼ばれる水を吸い上げる管が通っています。 水あげとは、切り花にした草花の切り取った茎の切り口から、空気や異物が混入することで花持ちを悪くする要因を断ち切るために行う処置です。 (※3)赤玉土とは 関東ローム層の土のことで、火山灰が堆積してできた土を乾燥させて作った土のことを指します。 肥料分はなく、水持ち・水はけともに良好なためガーデニングに好んで使われます。 (※4)挿し木用土とは 挿し木専用の土のことで、肥料分を含まず、水はけ・水持ちが良い土のことを指します。
株分けの仕方
花壇で広がり過ぎたヤマブキを別の場所に移す際にも用いられる株分けは、2月中旬~3月下旬または10月上旬~11月下旬に行います。 根を掘り下げて、枝を5本程度になるよう根から切り分けて株分けします。 植え方は、植え替えや植え付けの方法と同様に、土を浅く掘って深く埋まらないに注意し、土が乾かないようしっかりと水やりをしましょう。
まとめ
上品で気品のある季節の花、ヤマブキの魅力を紹介してきました。 凛としたシンプルな佇まいの一重咲き、可憐で優雅な佇まいの八重咲と春の庭先で咲くヤマブキを、ガーデニングや切り花で楽しんでみませんか?