ボタニカルって何語なの?
今、頻繁に耳にする言葉、ボタニカル。ボタニカルはなんとなく「自然」「植物」といった意味をイメージしますが、いったい何語だとおもいますか? またオーガニックやプラント、といった似たような意味の言葉と混同しがちですよね。 ボタニカル、オーガニック、プラントという言葉は具体的にどのように違うのでしょうか。その意味を解説していきます。
ボタニカルは「植物由来の」という意味
ボタニカルは自然のなかにある草花やそれらをモチーフにしたものをいいます。「植物由来の」を意味する英語が由来です。たとえばボタニカルシャンプーは、植物から抽出した成分を使用した(ボタニカルな)シャンプーということです。 このようにインテリアや雑貨、ファッションなど様々なシーンでボタニカルが活用されています。
ボタニカルが人気の理由は?
話題沸騰中のボタニカル
人気のシャンプーも昨今では「自然派」「ボタニカル」の文字を見ることができ、様々なジャンルでボタニカルが話題沸騰中だということがうかがえます。SNS上でもボタニカルシャンプーを愛用している芸能人の声もみるでしょう。 どうしてこれほどまでに「ボタニカル」人気が高まっているのでしょうか?
優しいライフスタイル
最近では自然に優しいライフスタイルが流行っているように思います。とくに植物の力を生活に取り入れようとする「ボタニカル女子」なんていう言葉まで誕生しました。 植物の強い生命力で外見も中身も美しく輝きたい。そんな思いが一大ムーブメントをつくりだしたのかもしれません。
手間がいらない
一口にボタニカルと言っても日用品からインテリアまで背伸びせずに取り入れられるものが多くあるんです。 カーテンや壁紙に植物柄をあしらったり、ファッションの定番・花柄スカート等には葉やツタが加えられていたりしていますね。また観葉植物も水耕栽培やスポンジ状素材を活用した商品もあります。 このように取り入れやすい企業の工夫もボタニカル人気を支えています。
健康志向の高まり
オーガニックフードの流行もあり、「できるだけ自然に近いものが良い」という意識が高まりました。時間が掛かっても体にやさしく、じっくりと体を健やかにしてくれるものが好ましい。ケミカルなものよりも植物由来のやさしいものを。このように健康を気にする人が増えたのもボタニカル人気の理由のひとつです。
忙しい毎日のストレス解消に
無機質な部屋にたった一鉢でも植物があると、ちょっとほっとするような気分になりませんか? 緑というものは安心や調和を与えてくれるといわれています。ストレスフルな毎日を送っている私たちは、無意識に植物の持つ癒やしのパワーを求めているのかもしれません。 ボタニカル人気がストレス発散のひとつの手段になっているのかもしれませんね。
プラントとボタニカルの何語か意味の違いは
ボタニカルと混同しやすいプラントが何語なのかその意味について解説します。
プラントは植物そのものを指す
ボタニカルは「植物由来の」という意味でしたがプラントとの意味の違いはなんでしょうか。英語でのplantは名詞で「植物」のことです。たくさんある植物の中でもプラントは特に、草花や小さな木など土により近いところで生育する植物のことを指し、使い分けがされています。
ちなみに「プランツ」はプラントの複数系です。お花屋さんの名前になっていることもあり、こちらの方が耳馴染みがあるかもしれませんね。
プラントとボタニカルの関係
プラントに対してボタニカルは「植物由来の」ですから、植物そのものの形態をしていなくても良いといえます。たとえば植物からインスピレーションを受けて描いた図案はボタニカル柄、成分を抽出したアロマも大きな意味ではボタニカル成分配合といいますよね。 このようにボタニカルは非常に広い範囲で使用される言葉なのです。
オーガニックとボタニカルの何語か意味の違いは
ボタニカルと混同しやすいオーガニックが何語なのか、意味について解説します。
オーガニックは「有機栽培」という意味
ボタニカルと混同しやすい言葉にオーガニックがありますね。Organicは英語で「有機的」という意味があります。 ボタニカルとの違いは「有機栽培」という意味であることです。 たとえばオーガニックシャンプーというと、有機栽培された原料を使用したもの、という意味になります。
オーガニックの基準
ボタニカルとオーガニックの大きな違いは、安心・安全が保障されているかどうかです。 製品や原材料に、化学肥料、化学農薬を使用しているかどうか、安全性はどうか。また動物実験をしていないなど生物の倫理観に準じているかどうか。
このような厳しい基準をクリアしたものがオーガニックとして認められます。 反対にボタニカルには基準そのものがありません。極端なことをいうと、1%の植物由来の成分が入っているだけでもボタニカルと言えてしまうのです。
オーガニックの基準も各国で異なる
オーガニックの基準は各国で大きく異なります。日本でオーガニックの認定を行うのは「有機JAS認定機関」ですが、それ以上に厳格な基準を持つ国もあります。 たとえばドイツのBDIHという団体は極めて厳しい基準を設けており、この団体の認定マークのある化粧品や医薬品は世界でも高く評価されています。
ナチュラルとボタニカルの何語か意味の違いは
ナチュラルとボタニカルも混同しがちな言葉ですね。その使い分けを解説します。
ナチュラルは「自然であること」
Naturalは自然や天然といった意味があり、本来は人の手が入っていないものを指します。オーガニックは人の手で有機栽培されたものですので、厳密にはナチュラルとは言えないでしょう。
インテリア・ボタニカルの意味と使い方①
ここからはインテリアに取り入れやすいボタニカルを紹介します。
グリーンや植物を取り入れたインテリア
部屋に植物やグリーンをモチーフにしたものを取り入れると、ボタニカルインテリアというスタイルになります。 籐のかごに南国の花をあしらってアジアンテイストなお部屋に。針葉樹をモチーフとした柄のカーテンを取り入れるだけで北欧風なお部屋に。様々なボタニカルスタイルを楽しめるでしょう。
使い方例①クッションカバーにボタニカル柄を取り入れる
手軽に取り組めるのがクッションカバーを変える方法。大きなグリーンの柄にしてみるだけでボタニカルな印象になります。壁紙を変えてしまうのは大変ですが、ラグやカーテンなどで手軽に取り入れることができます。 初夏には青々とした緑の柄、秋には紅葉、など思い思いに季節を取り入れやすいですよ。
使い方例②観葉植物を置いてみる
100円均一で購入できる小さな観葉植物を、お気に入りの容器に植え替えて飾ってみるのも手軽で素敵です。慣れてきたら上から吊るして楽しめるハンギングにも挑戦してみましょう。土を室内に入れるのに抵抗がある方は、ハイドロカルチャーやコケ玉でも楽しめますよ。
美容・ボタニカルの意味と使い方②
ボタニカルをトレンドワードにまで押し上げたシャンプーやコスメについて紹介します。
植物由来の成分を取り入れたコスメ
ボタニカルという言葉を一躍有名にしたのが「ボタニカルシャンプー」ですね。それ以外にも植物由来の成分をたっぷりと配合した化粧品も多くあります。 ただ植物由来成分が90%以上であっても安全性が保障されたもの(オーガニック)ではありません。その点に注意を払いつつ、楽しみましょう。
使い方例①ボタニカルシャンプー
ボタニカルシャンプーは洗浄成分や保湿成分に植物由来の成分を使用したものです。低刺激であり安全性が高いとされています。皮膚に優しい反面、補修成分が物足りないと感じたり、すすぎ不足でべたつきやすかったりという口コミが寄せられています。使用には一定の注意が必要であるようです。
使い方例②ボタニカルコスメ
ボタニカルコスメもシャンプーと同じように植物由来の成分を使用しています。もともとハーブなどの植物は古代からその薬効成分が活用されていました。アレルギーの人にも優しく自然治癒力を高めてくれるなど評判です。香りも優しい製品が多いので、強い匂いが苦手な方にもおすすめですよ。
ファッション・ボタニカルの意味と使い方③
ファッションにだってボタニカルは人気があります。リゾート気分を盛り上げるもの、オフィスカジュアルに使えるものなど幅広く展開していますね。
植物モチーフを取り入れたファッション
ボタニカルファッションは自然の草花や木の実、それらをモチーフにした柄を取り入れたものです。単なる花柄では子どもっぽすぎると敬遠してしまいがちですが、グリーンを加えることで落ち着きのある上品で大人なファッションになります。
使い方①ネイルにも植物のモチーフを
ナチュナルなテイストに仕上がるボタニカルネイルは、きらびやかなネイルに抵抗がある人でも取り入れやすいデザインが多いです。凝ったものでなくともネイルシールを使ったり、一本の指だけボタニカル柄にしたりと気楽に試してみましょう。
使い方②花柄だけじゃないグリーンを取り入れて
植物をモチーフにした、というとフェミニンな花柄を思い浮かべるかもしれません。しかし大きな葉をあしらった衣服はきれい目な印象を与え、一部ではオフィスカジュアルとしても容認されることもあるようです。刺繍などを加えたハンドメイド風のもの、レトロさが加わったものなどもあり、まだまだ流行は続きそうです。
アート・ボタニカルの意味と使い方④
写真がなかった時代のアートが手軽に始められるアートとして人気です。ボタニカルアートについて紹介します。
今でも愛好されている植物画
ボタニカルアートとは写真がない時代の植物学者が描いた植物画が由来です。背景を描かない、人工物を描かない、植物の特性を変えないなど、いくつかの約束事がありますが、近年は芸術的な側面が大きくなってきました。デザイン性の高さから、インテリアやファッションに多く取り入れられています。
使い方①水彩画のテーマとして楽しむ
ボタニカルアートは水彩画や色鉛筆画のテーマとして親しまれています。写真にはないアンティークな趣(おもむき)が人気の理由の一つかもしれません。じっくりと画材である植物と向き合い、一心不乱に筆を動かすことは心を整えることにも繋がると評判です。 紙と色鉛筆だけで始められるので、なにか趣味を見付けたい方にもオススメですよ。
使い方②額縁にいれてインテリアの一つとして
ボタニカルアートに関係する本や雑誌または絵はがきなど、自分が気に入った絵を切り抜いて飾るのも楽しむのも一つです。100円均一ショップにあるような写真立てや少し額縁がこったフレームにいれるだけでステキなインテリアになりますよ。
「ボタニカルは安心」は間違い
ここでボタニカルのもつ本来の意味を思い出してみましょう。
ボタニカルには悪いものも良いものもある
とくにコスメや食品に言えることですが、ボタニカルは安心や安全を保障したものではありません。あくまでも植物由来の成分を使用したもの、であり現在のところその基準も曖昧なままです。
植物由来だから安心というわけではなく、当然ながらアレルギーや健康上のトラブルも考えられます。 もしも安全性が気になるのでしたらオーガニック表記のものを選び、異常があればすぐにお医者さんに掛かるようにしましょう。
まとめ
SNSでブームに火が付いたボタニカル。何語か、意味はなにかを解説しました。私たちは植物のもつパワーを求めているのかもしれませんね。上手にボタニカルを取り入れて、ストレス発散に役立てていきましょう。