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センダン(栴檀)とは?特徴と育て方をご紹介!甘い香りがするってホント?

春頃になると花をつけ、アゲハチョウが戯れる姿が見かけられる植物「センダン」春にはお馴染みの植物と言えますが、身近過ぎて意識することは中々ないもの、センダンとは一体どんな植物なのでしょうか。更にセツブンソウとの見分け方や、セツブンソウについても解説していきます
2020年8月27日
咲良09
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センダンとは?

セツブンソウとどう違うのか

センダンは「センダン科センダン属」に分類される落葉高木の一種で、別名として「アフチ」や「アミノキ」などが存在します。樹高は5~15メートルで、成長が早い事から各所に植えられており、5~6月頃になると、淡紫色の可憐な花を咲かせ、アゲハチョウや小鳥などが花の蜜を吸いに集まる姿が見られます。時々間違われることがあるビャクダンやセツブンソウとは、まず分類からして異なる植物なのです。

樹皮と花をよく観察しよう

センダンは樹皮を見れば樹齢がわかり、まだ若いセンダンは樹皮が紫褐色で、楕円形の小さな黄斑が存在しますが、太い幹の樹皮は縦に裂け、でこぼこした突起が出来ます。花の1つ1つが小さいため、よく目にしないと見逃してしまいそうになりますが、よく見ると独特の形をしている為、変わった形の紫っぽい花が咲いていたら、それがセンダンだと思っていいでしょう。

センダンの名の由来と花言葉

センダンは漢字では「栴檀」と書き、その名の由来は諸説あり、何が正しいかはまだわかっていません。センダンの別名の一つである「アフチ(棟)」はこのセンダンの古い呼び名で、中国名では「棟樹」と書きます。果実の付き方が数珠に似ているからとも、身が沢山ついた姿を団子になぞらえたからとも言われていますが、まだ確定はしておらず、身近ながら謎の多い植物と言えるでしょう。

ちょっとネガティブな花言葉


センダンの花言葉は「意見の相違」とややネガティブ、花自体は可憐ですが、花言葉としてみるとちょっと暗めの植物です。センダンはその見た目と身近さから、セツブンソウやビャクダンと間違われることが多く、特にビャクダンは古くより「栴檀は双葉より芳し」のことわざで知られていますが、これは正しくはセンダンではなくビャクダンの事と書き足されるほどにそっくり。互いの特徴をしっかり把握し、間違えないようにしましょう。

センダンの特徴

センダンは落葉高木の為、他の植物よりかなり背が高いのが特徴。5メートル以内に達していないならセンダンではないと、まず高さで特徴を覚えるようにしましょう。高さを確認したら、今度は葉っぱの数を見る事、葉は奇数2-3回の羽状複葉で、茎の左右から交互に生えており、葉の1枚1枚が長めで、その長さは50センチに達します。茎を確認し、葉っぱが短かったり、交互に生えていなかったら、違う植物だと思いましょう。

果実は毒!見ても食べないで

センダンは葉っぱのみでなく果実にも特徴があり、果実は1~2センチほどの、楕円形の小さな果実で、10~12月ごろになると黄色く熟し、秋が深まり葉を落とした後も熟れた果実は残り、たまにヒヨドリなどがついばんでいる姿が見られます。と言っても、センダンの果実には毒があるため、鳥には毒でなくとも、人間や犬が食べると中毒を起こし、場合によっては中毒症状で死に至る場合もあります、間違ってもセンダンの果実は食べないよう気を付けましょう。

センダンとビャクダンの見分け方

センダンとそっくりで、非常に間違えやすい植物が「ビャクダン科」に分類される熱帯性常緑樹のビャクダンです。このビャクダンはインドでは「チャンダナ」と呼ばれ、爽やかな香りを放つことから高貴な木として珍重されています。香り以外の特徴もユニークで、始めは独立して生息しますが、宿主の根に寄生し成長すると言う半寄生植物で、イネ科やアオイ科、タケ類やヤシ類へと、成長に伴って宿主を変えていきます。常緑樹のため、秋になっても葉を落とさない、何とも南国ムードな植物です。

元々はビャクダンの名前だった

何故こんなに特徴が異なるのに、センダンとビャクダンは間違われやすいのか?それはセンダンの中国名に由来するものとされています。「栴檀」は元々このビャクダンの中国名で、発芽のころから香りを発する事から「大成する人は幼少の頃より優れている」と言う意味を込め「栴檀は双葉より芳し」と呼ばれるようになりました。元々はビャクダンの中国名である栴檀が、何故別の名前として伝わったのか?それは未だによくわかっていません。


センダンとセツブンソウとの見分け方

センダンとビャクダンの見分け方以外に、もうひとつ覚えておきたいのがセツブンソウとの見分け方です。セツブンソウはキンポウゲ科セツブンソウ属の多年草で、その名の通り節分の季節になると白く美しい花を咲かせます。センダンとは花を咲かせる季節も、花の大きさも、植物自体の高さからして全く異なるものですが、その可憐さから希少植物として珍重されています。

セツブンソウと間違われるワケ

実際に見てみるとセンダンとは似ても似つかないセツブンソウですが、その漢名には菟葵や莃が当てられ、中国語では別の植物を指すとされ、それがセンダンとセツブンソウが間違われやすい原因とされています。ビャクダンのみでなくセツブンソウとも間違われるとなったら「意見の相違」と言うネガティブな花言葉にも、納得いってしまうかもしれません。と言ってもセンダンもセツブンソウとどっちも違う魅力があるため、出来ればセンダンもセツブンソウも、両方とも好きになってあげて下さいね。

センダンの育て方

春の風物詩であるセンダンは自分で育てることもでき、成長が早いためあっと言う間に大きくなり、可憐な花を咲かせ目を楽しませてくれます。高木の為、その育て方は大変だと思ってしまいますが、剪定は不要な枝をハサミでちょっと切ってやるだけでいいと、とても簡単。育て方に特にコツはなく、かかりやすい病気もないため、高木を育てたい!と言う方におすすめです。

剪定はこまめに、日当たりのいい場所を

センダンは成長が早いため、剪定を怠るとあっと言う間に枝が埋め尽くしてしまうため、剪定はこまめに行い、不要な枝は躊躇せず切り落とすようにしましょう。植え付けは春に暖かくなってきたころの四月上旬がおすすめで、寒い時期に根をいじらないようにすれば、すくすくと育ってくれます。元々暖かな季節に花をつける植物の為、やや寒さに弱い傾向があるため、北国で育てるのには向いていません。

挿し木より種まきがおすすめ、センダンの増やし方

ある程度育ったセンダンを増やしたいときは、挿し木より秋に熟した果実を採取し、新しく育てたい場所に撒くことをおすすめします。勿論挿し木でもセンダンを増やすことは出来ますが、こちらの方が確実に数を増やせ、挿し木にする分も用意しなくていいのでお手軽ですよ。センダンの育て方で気を付けるべきことが特にありませんが、なんといっても成長が早く、高木になる事に気を付けなけらばなりません。小さなものでも5メートル以上となるため、育て方を覚え実践する前に、5メートル以上の植物が生えても問題ない場所か?しっかりと確認してから、センダンを育てるようにしましょう。


センダンの香り、どんな匂いがする?

「香りのいい植物」繋がりで度々ビャクダンと間違われてしまうセンダンですが、センダン自体にも葉や木材に芳香があり、近付けばその甘い香りを楽しむことが出来ます。ビャクダンが柑橘系のさわやかな香りなのに対し、センダンはチョコレートやバニラに似た甘い香りがし、高木でここまで甘い香りを放つのはセンダン位と言ってもいいでしょう。

時の流れを感じる?センダンの香り

何故ビャクダンの中国名と同じ名前なんて言うややこしい名前になってしまったのか?と言うのも、元をただせばセンダンもビャクダンも、両方とも非常にいい香りがすることに由来するからでしょう。元々は「日本にある、栴檀のような香りがする植物」という意味を込め栴檀と呼んでいたのが、名前だけが残され「センダンにそっくりな名前の植物がある」となってしまったのでしょう。この2つの植物には、そんな時の流れによる言葉の変化を感じさせます。

春の風物詩、センダンのある風景を楽しもう

センダンは「春になると花を咲かせる香りのいい高木」のみでなく、セツブンソウと間違われたり、ビャクダンと言う名前の基となった植物が存在したり、自分で育てることも出来たりと、身近な植物だけでは片づけられない魅力にあふれた植物です。今度からはセンダンの甘い香りを楽しみつつ、春の景色をのんびり散歩してみると言うのはいかがでしょうか?