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御前山の登山・ハイキングコースまとめ!春に咲き誇るカタクリの花とは?

御前山は、その東西に並ぶ大岳山および三頭山と共に奥多摩を代表する奥多摩三山の1つ。さらにカタクリの群生地としても知られています。御前山北面には家族連れで楽しめる「体験の森」が整えられている一方、御前山南面には樹々に埋もれた狼石像が残す神秘があります。
2020年8月27日
栗鼠の森人
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御前山の概要

御前山とは

多摩川本流と北秋川の間に挟まれた奥多摩三山主稜

御前山は標高1405mで、東京都西多摩郡の奥多摩町と檜原村の境界に位置。自生カタクリの群生があり、春にはその見物に訪れるハイキング登山者でにぎわいます。

奥多摩湖も見下ろせる景観

御前山山頂はうっそうと樹々に囲まれ眺望がありません。それでも、山頂近くに展望に開けた場所もあります。北には長沢背稜を背景とした石尾根、南には優美な富士山、北面には「体験の森(奥多摩都民の森)」を眺め、北西には奥多摩湖を見下します。

御前山の登山・ハイキングコース①

三頭山、奥多摩湖と御前山

奥多摩湖バス停から奥多摩駅へ

多摩川主流から御前山へのルート

ルートは地図上で追うと、アクセスの奥多摩湖バス停・サス沢岳・惣岳山・御前山・御前山避難小屋・鞘口山・大ダワ・愛宕神社・アクセスのJR奥多摩駅です。距離11kmでコースタイム 7時間10分(昼休憩を含む)。

小河内ダムから御前山山頂へ

アクセスのバス停から小河内ダムを渡って登山口へ。大ブナ尾根は地図の通りに急な登りが続きますが、ところどころには穏やかな尾根道もあります。登山口から3時間ほどで御前山山頂(標高1405.0m)に到着します。

惣岳山からの富士山の眺め

御前山は展望が開けて居ませんが、御前山の手前に眺望の良い場所もあります。特に惣岳山(標高1348.5m)からの富士山の眺めは見事です。

御前山山頂から奥多摩駅への下山

御前山山頂から地図の通りに尾根伝いに鞘口山(標高1142m)を通り、鋸尾根ルートへ向かいます。水場のある避難小屋まで10分で、鞘口山までは50分です。御前山山頂から1時間15分程で鋸山林道の大ダワに。大ダワには駐車スペースとトイレがあります。鋸山(標高1109m)へは登らず巻道も。地図でも分かるように鋸尾根は険しく、梯子や鎖を備え付けた場所もあるので注意しましょう。

愛宕神社

大ダワから下り1時間半強で愛宕神社に着きます。そこからTR青梅線の車窓からも見える長い長い急な階段を下り、橋を渡ってアクセスのJR奥多摩駅へはもう30分かかります。

御前山の登山・ハイキングコース②

奥多摩駅から奥多摩湖バス停

ルートは①と反対でアクセスの奥多摩駅から鋸尾根を登り、鋸山林道の大ダワから奥多摩主脈を西へ進んで御前山に出ます。下りは大ブナ尾根を辿り、奥多摩湖バス停まで。ルートは奥多摩駅・愛宕山・鞘口山・御前山避難小屋・御前山・惣岳山・サス沢山・奥多摩湖です。距離は11kmで、コースタイムは休憩を含めて6時間10分。地図にも示されているように惣岳山から奥多摩湖への下りは厳しいので十分に注意しましょう。

御前山の登山・ハイキングコース③

奥多摩湖-境橋バス停

登りのルートは「御前山の登山・ハイキングコース①」と同じで、御前山山頂からの下りは「体験の森(奥多摩都民の森)」の栃寄の大滝経由でアクセスの西東京バス境橋バス停までになります。「体験の森(奥多摩都民の森)」は登山道、東屋、広場、トイレ等が用意され、森や渓流の自然を楽しめます。予め地図で調べて少し多めに時間を予定するのがおすすめ。距離は10.1kmでコースタイムは4時間50分です。

御前山の登山・ハイキングコース④

境橋バス停-奥多摩湖


御前山の北面が体験の森となっています。

「御前山の登山・ハイキングコース③」の逆コースでアクセスの西東京バス境橋バス停より徒歩20分の登山口から栃寄大滝とゴハンギョウの滝、トチノキ広場とカラマツ広場を経て避難小屋から御前山山頂に登ります。「体験の森(奥多摩都民の森)」は案内地図に示されているように良く整備されているので家族連れのハイキングには最適です。また、春先にはカタクリを探しながら登る楽しみがあります。御前山山頂からの下山は惣岳山からサス沢山へと大ブナ尾根を下ってアクセスの西東京バス奥多摩湖バス停へ。都民の距離は10.1kmでコースタイムは5時間半です。

栃寄大滝

登山道から少し外れますが立ち寄る価値はあります。

御前山の登山・ハイキングコース⑤

シダクラ尾根から御前山

このコースはバリエーションなので一般向きではありません。予め地図で調べておきましょう。御前山登山口から栃寄森の家に向かい、杉の樹林帯を西に踏み入れ惣岳神社の裏手のシダラク尾根に取りつきます。東京都水道局の道標があり、踏み跡もはっきりしているので迷うことはないでしょう。

惣岳山

シダラク尾根の西側は急な深い谷で何カ所か尾根が切れ落ちたり、ところどころは急な岩登りとなったりするので注意しましょう。標高1080m付近でアセビの広場に出て「体現の森」の道を辿って惣岳山に直登。その後、御前山山頂に向かいます。

下山は鋸山林道

御前山山頂からの下山ルートは、登りがハードだったので、鋸山林道大沢入線をのんびりとアクセスのJR奥多摩駅に下ります。このルートは境橋バス停(25分)御前山登山口(25分)栃寄森の家(10分)惣岳神社(1時間20分)アセビの広場(30分)惣岳山(20分)御前山(25分)クロノ尾山(15分)鞘口山(20分)大ダワ(鋸山林道)(1時間)JR奥多摩駅です。距離はおよそ10km、コースタイムは5時間10分。余り知られていないカタクリの群生地を見られるかも知れません。

御前山の登山・ハイキングコース⑥

御月夜見第2駐車場から御前山往復

月夜見第2駐車場から御前山へ

アクセスの御月夜見第2駐車場は奥多摩周遊道路の「檜原都民の森 山のふるさと村」内にあり、奥多摩三山主稜の上に位置しています。自家用車を駐車場にとめて御前山山頂までを往復。ルートは御月夜見第2駐車場(40分)小河内峠(1時間20分)惣岳山(20分)御前山山頂(25)惣岳山(1時間)小河内峠(50分)第2駐車場。距離9kmでコースタイムは4時間35分です。

山稜南面のカタクリの花

春には山稜南面に多くのカタクリが見られます。なお、奥多摩周遊道路は夜間通行禁止なので早めに下山しましょう。

御前山の登山・ハイキングコース⑦

大岳山付近

神戸岩からの御前山周回コース

大岳山と御前山の山稜南面の中尾根、湯久保尾根等。

このコースでは神戸岩・クロノ尾山・御前山・モーテ山・湯久保山・仏岩の頭・湯久保・宮ヶ谷戸・神戸岩入り口・神戸岩と周回します。距離は15kmでコースタイムは7時間20分です。

中尾根から御前山へ

先ず、アクセスの神戸岩駐車場に車を止めて10分ばかり戻って中尾根に取りつきます。スギとヒノキの黒木ばかりで、展望のない急な細尾根。地図を読みながら2時間ほど登ると、2対の狼の石像のある小さな神社あります。さらに1時間登り、奥多摩三山主稜の登山道のクロノ尾山(標高1170m)に到達。穏やかに上下する雑木尾根を西へと辿り、1時間で御前山山頂へ。御前山山頂は樹木に遮られ展望は開けていません。

湯久保尾根を下って宮ケ谷戸経由で神戸岩へ

御前山山頂から東に少し戻って湯久保尾根分岐から杉林を南へ下ります。モーテ山(標高1120m)を通過し、1時間で湯久保山(標高1044m)へ。そこから下では雑木林となり富士山が眺めも。さらに黒木の尾根を進むと仏岩の頭(標高1019.2m)の三角点への分岐に出ます。立ち寄った後、登山道に戻って2つ目の分岐から湯久保へ斜面をトラバース気味にくだります。

狼の石像


狼の石像の数体ある鑾野御前神社を大きな岩の下に見て舗装走路終点まで湯久保山から1時間20分。やはり狼の石像のある伊勢清峯神社に寄ってアクセスの神戸岩駐車場までの歩きは50分です

神戸岩

北秋川支流の神戸川の中流にあるジュラ紀チャート層で形成された峡谷です。悠久の時を経た浸食が切り立った峡谷と聳え立つ岩壁を形成。延長60mで谷幅4mしかありませんが、西壁の高さは100mにも及びます。下流からみると丁度、石の扉が開こうとしている天の岩戸のように見えるので、奥にある大獄神社神域の入り口と理解されています。この為、「神域の戸の岩」から「神域戸岩」へ、そして現在の「神戸岩」に名が変化。昭和35年に東京都の天然記念物に指定されています。

御前山の登山・ハイキングコース⑧

宮ヶ谷戸から御前山へ

アクセスはJR武蔵五日市起点の西東京バス宮ケ谷戸バス停です。北秋川を赤い橋で渡って御前山登山口へ。10分程で伊勢清峯神社への分岐。民家と畑を見ながら登ります。

湯久保尾根

湯久保への分岐を通過し露岩帯を登り、仏岩ノ頭の西を巻くと樹々の間から富士山や大岳山が眺められます。湯久保山を東に巻き、すこし下ると地図に記載の通りに急登の連続。北西に登る尾根道を外れて北へと斜面を穏やかに登ると大ダワからの奥多摩三山主稜の登山道に出ます。そこから10分程で御前山山頂へ。距離は片道6km、コースタイムは登り3時間、下り2時間です。

御前山の登山・ハイキングコース⑨

奥多摩三山縦走

奥多摩三山の縦走は全長23km、コースタイムは12時間を越えるので日帰り登山としては健脚な中級登山者向きです。

三頭山登頂ルート

三頭山登山には桧原都民の森ルート、奥多摩湖のドラム缶橋を渡って取り付くヌカザス尾根ルートと西の鶴峠ルート等があります。桧原都民の森ルート(3.5km)の登山口は標高1,000mで御前山山頂まで1時間程ですが、冬場は武蔵五日市駅から都民の森までの直通バスが運休します。ヌカザス尾根ルート(6km)は人気ですが、登りが急峻で御前山山頂まで3時間半掛かります。鶴峠の登山口は標高870mで御前山山頂まで2時間半弱(4km)です。

三頭山付近ルート地図

鶴峠は三頭山の西4km付近にあり、小菅村字白沢・長作の間を通る山梨県道18号上野原丹波山線の標高870mにある峠です。

奥多摩三山縦走のおすすめアクセス

おすすめは春から秋にかけてアクセスを都民の森バス停として、もう一方のアクセスを御岳登山鉄道の御岳山駅(標高831.0m)とするルートです。

三頭山の遠望

三頭山(標高1,531m)は三つの峰の総称で眼下の奥多摩湖、石尾根や富士山眺めに恵まれて居ます。

三頭山から御前山へ

小河内峠と鋸山の間の山稜に至る登山ルート等です。

小河内峠

御前山までは9.5km。鞘口峠を越え、奥多摩周遊道路に出て風張峠から月夜見第2駐車場まで車道歩き。御前山まで4km、小河内峠へ向かいます。小河内峠からは2.3kmの急な登り。北斜面は断崖で注意して急登が終わると前衛の惣岳山で御前山山頂までは直ぐ。御前山山頂から大ダワ(標高994m)に向かってクロノ尾山と鞘口山を通過して下ります。大ダワには鋸山林道が通じ、トイレ駐車場もあります。

大岳山

大岳山(標高1,266.5mの山)は奥多摩の名峰で、目立ちやすい山容の上、花でも名を成しています。

大ダワから大岳山へ


鋸山から御岳山までのルート。

御前山山頂から3kmの鋸尾根分岐を過ぎると地図通りに枝分かれは無く、大岳山までの更に3kmは傾斜の緩くて歩きやすい登山道。大岳山直下の岩場を4km先の御岳山駅方面へ。北の鍋割山(標高1084m)と南のロックガーデンの中間の道を通って進むと広い平坦な道が御岳山神社まで続きます。土産物、食堂、宿坊等が並ぶ中をケーブルカー御岳山駅へ。

御岳山駅

御前山の登山・ハイキングコース⑩

御前山のアクセスとなる登山口

御前山のアクセスとなる登山口は多摩川に沿った青梅街道にはJR奥多摩駅、境橋バス停、奥多摩湖バス停、小河内神社バス停等があります。北秋川に沿った東京都道205号水根本宿線には神戸岩入口、宮ヶ谷戸、藤原等の各バス停。その先の奥多摩周遊道路には都民の森バス停や月夜見第2駐車場があります。鋸山林道の大ダワも登山口にはなりますが、通行禁止や通行止めがあるので注意しましょう。その他、三頭山経由では山梨県道18号上野原丹波山線の鶴峠。また、大岳山経由では御岳登山鉄道の御岳駅も登山口になります。

御前山へのマイカー登山のアクセスとなる駐車場

御前山へのマイカー登山のアクセスとなる駐車場は青梅街道沿いにタイムズ奥多摩町役場、栃寄森の家駐車場、小河内ダム駐車場等があります。都道205号水根本宿線には払沢の滝駐車場、神戸岩駐車場、宮ケ谷戸駐車場、数馬広場駐車場等。奥多摩周遊道路には数馬広場駐車場や月夜見第二駐車場があります。通行禁止や通行止め等の問題はありますが、鋸山林道大ダワの駐車スペースもアクセスの対象になります。

春に咲き誇るカタクリの花とは?①

「カタクリ」って、どんな花

昔は堅香子(カタカゴ)ともよばれていたカタクリはユリ科の多年草です。雪解け後の落葉樹の林でいち早く咲き、特に早春の象徴する花。開花の季節は4月から6月頃で、群落の開花期間は2週間程度なので「春の妖精」の1つとしての名があります。花をつける茎の下の方に暗い紫色の模様がある長い楕円形の葉が2枚。日が当たると花びらが反り返るように開き、日射しがないと花は閉じたまま眠っています。

春に咲き誇るカタクリの花とは?②

カタクリの一生

発芽した1年目は細く糸の様な葉で過ごします。7年から8年目まで1枚の卵の様な楕円形の葉を付けて鱗茎に養分をたくわえながら成長して開花。開花前には2枚目の葉がでます。その後の数年は開花して実をつける場合と開花しない場合がありますが、十分に大きく成った後は毎年、結実。年毎に古い鱗茎の下に新しい鱗茎が出来て深く大きく成り、分球はしません。寿命は40~50年程。結実した実は蟻などに運ばれて生育範囲をひろげます。

春に咲き誇るカタクリの花とは?③

分布と群生地

生育範囲は沿海州、樺太、千島列島、朝鮮半島、日本に分布しています。日本では中部地方よりも北のイタヤカエデ、ブナやミズナラ等の落葉する広葉樹の林に主に群生。奥多摩三山である御前山や栃木県の三毳山(安蘇山)が群生地として「花の百名山」で紹介されています。その他にも岐阜県鳩吹山、相模原市の城山カタクリの里、岩手県西和賀町、魚沼市大湯温泉カタクリ群生地、北海道旭川市の突哨山、秋田県仙北市八津等の群生地が知られています。

春に咲き誇るカタクリの花とは?④

御前山一帯の群生地

御前山山頂は良く知られて群生地です。残念ながら鹿の食害や盗掘防止の為に柵が張り巡らされ、身近に鑑賞できません。サス沢山、惣岳山の南西側、御前山からクロノ尾山へ至る稜線上、大ダワ手間の登山道脇、カラマツの広場(避難小屋下)のあずまや付近等では多くの群生を見たとの報告があるので、その様な場所で身近なカタクリの群生を探してみましょう。

まとめ

御前山には整備された自然から神秘が残る自然まであります。南北の斜面は急峻ですが、奥多摩三山主稜の尾根道は比較的穏やかでゆったり。アクセスは北の多摩川渓谷と南の北秋川渓谷の両方に加えて、主稜に沿った縦走ルートのアクセスも利用できます。地図を眺めると各登山口からのバリエーションが多い上に、地図に掲載の無い水源監視道、林道、踏み跡も多いのでルートは様々に作れます。ただ、鹿やカモシカだけではクマやイノシシやサルもいる上、山稜の上り下りには急峻なクサリ場や梯子も多く、人里が近いとは言え十分注意しましょう。