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チチコグサ(父子草)とは?芝生に生える雑草の正体と駆除方法をご紹介!

ちちこぐさ(父子草)の生態についてまとめました。芝生などにも大量発生することがあるちちこぐさは、正しい除草方法で、こまめに駆除をすることがポイントです。庭中がちちこぐさの仲間でいっぱいになる前に、しっかり除草するようにしましょう。
2020年8月27日
吉岡てんぱ
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ちちこぐさ(父子草)とは

ちちこぐさ(父子草)とは、キク科ハハコグサ属の植物です。日本全土に分布している在来種の雑草で、日本のほか、中国や韓国、台湾等でもよく見かける雑草です。ちちこぐさは、葉や茎の全体を、白い毛が覆っているため、葉や茎は白っぽい色をして見えます。

花が咲かない時期は、地面に張り付くように生長するため、草丈は低く、他の植物に埋もれてしまい、あまり目立つ雑草ではありません。こういった生長の仕方を「ロゼット状」と呼びます。ただ、花は、茎を上に伸ばして咲くため、他の植物よりも少し背が高くなり、春以降は一気に目につくようになります。

ちちこぐさ(父子草)とははこぐさ(母子草)

ちちこぐさとよく似たざっそうに、「ははこぐさ」があります。ははこぐさは、「ゴギョウ」という名でも知られており、春の七草の1つです。ちちこぐさとははこぐさは、見た目もよく似ており、好む環境も似ており、入り混じって育っていることもよくあるため、なかなか見分けるのが難しい雑草です。

ちちこぐさは「多年生植物」で、横に這うように茎をのばしますが、ははこぐさは「越年生植物」で、横に這うように茎をのばすことはありません。ただ、花を咲かせると、大きな違いがあります。

ちちこぐさは、茶色い地味な花を咲かせますが、ははこぐさは、黄色い花を咲かせます。そのため、春になって花が咲き始めると、その違いは明確になります。また、「ちちこぐさ」という名前も、華やかなははこぐさに比べ、華やかさがなく地味という意味で、その姿を人間の「母」と「父」に見立てて、名付けられたと言われています。

ちちこぐさ(父子草)の学名

ちちこぐさの学名は「Gnaphalium japonicum」といいます。「Gnaphalium」とは、ハハコグサ属のことを指し、「japonicum」は、日本産という意味の、男性名詞です。つまり、学名的にも、はっきりと「父」と「母」が分類されていることになっていて、おもしろいですよね。

ちちこぐさ(父子草)の種類

ちちこぐさには、いくつかの種類がありますが、いずれも外来種で、日本原産の植物ではありません。ただ、外来種のもののほうが、繁茂する能力が高いことが多いため、ここでご紹介する仲間の方が、公園や庭でも、よく見かけます。基本的に生態はよく似ており、1か所にいくつもの種類が集まって育っていることもあるので、見比べてみるのも面白いですよ。


ウラジロチチコグサ

ウラジロチチコグサは、その名の通り、葉の裏面に白い毛がたくさん生えていて、葉の裏が白く見えるという特徴があるちちこぐさの仲間です。公園の隅や、芝生の中でもよく繁茂し、人に踏みつけられようが、草刈り機で刈られようが、枯れることなく育つ、とてもたくましい品種です。

タチチチコグサ

タチチチコグサは、葉や茎全体を大量の白い毛でおおわれているため、他のちちこぐさよりもより白っぽく見えます。花がつく茎は、20cm~40cm程度まで伸びることもあるため、たくさん生えていると、とても存在感があります。花を摘み取ってまとめると、シルバーリーフの花束のようになり、雑草とは思えない、かわいらしい姿になりますよ。

ウスベニチチコグサ

ウスベニチチコグサは、その名の通り、花が少し赤味を帯びているという特徴があります。他のちちこぐさの花は、茶色っぽいので、比べてみると花の色の違いは歴然としています。葉は、細長いものから、ははこぐさのような、すこしヘラ型のものまであるため、花が咲くまでは、ははこぐさと間違えられることもよくあります。

ちちこぐさ(父子草)の生態

ちちこぐさは、多年生なので。冬でも枯れることはありません。地上部が枯れてしまっても、根は生きており、暖かくなると徐々に地上部が育っていきます。また、種によって繁殖するので、春先にはグラウンドなど普段草がないような場所でも、小さな芽を見かけるようになります。

春になり、気温が上昇すると、生長スピードが一気に上がり、茎もどんどん横に伸びて、株全体がみるみる大きくなります。また、5月ごろには、高さ10cm~40cm程度の茎を垂直に伸ばすようになります。

5月の終わりごろから、垂直に伸びた茎の先端に、花を咲かせるようになります。夏の終わりから秋にかけ、種を作ります。種は、綿毛があり、風により広範囲に飛ばされ、また新しい場所に根付きます。

ちちこぐさ(父子草)が好む環境


ちちこぐさは、「日当たりの悪い場所を好む」と言われたり「他の草の合間に出ることは少ない」と言われていますが、実際は日当たりの良い場所や他の草の合間でも、しっかりと育つ強い雑草です。そのため、公園やグラウンドの隅などでもよく見かけます。また、芝生の間でも育つことができるため、ゴルフ場などでも発生することがよくあります。

ちちこぐさ(父子草)の駆除方法

ちちこぐさは手では抜きにくい

ちちこぐさは、横に這うように広がる上、根が垂直に深く生えるため、手で抜くのは難しいです。また、多年草で、根がしっかりとしているにも関わらず、葉は非常に柔らかいため、引き抜こうとすると、葉は取れて、根だけ残るということもよくあります。根が残れば、また同じ場所で葉や茎が生えて繁殖してしまうので、根が残っている限り、ちちこぐさを駆除できたとは言えません。

除草道具を使う

ちちこぐさを根からしっかりと駆除するには、除草道具を使用するのがおすすめです。小型のスコップや、茎の根元にひっかけて雑草を抜くタイプの除草道具は、ちちこぐさを駆除するのにぴったりです。100円ショップでも手に入るので、ぜひ探してみてくださいね。

除草剤を使用する

ちちこぐさが増えすぎて手に負えなくなったり、芝生の間で大きくなって抜きにくい場合は、除草剤を使用するのもおすすめです。ほとんどの除草剤が、ちちこぐさに有効なので、使用する範囲に合わせて適切な除草剤を選んでくださいね。また、芝生の間に生えてしまったちちこぐさを駆除する際は、必ず芝生を枯らさず、雑草だけ駆除できるタイプの除草剤を使用するようにしましょう。

ちちこぐさ(父子草)の繁殖を防ぐためには

ちちこぐさの種は、綿毛がついているため、かなり広い範囲まで飛ぶことができます。そのため、小さな種が1つ根付いただけでも、1年であっという間に発生範囲が広がってしまいます。そうならないためにも、1年に2回、徹底した駆除が必要になります。

ちちこぐさの繁殖を防ぐには、ちちこぐさが種が飛んだあとの秋ごろと、ちちこぐさの生長が活発になる春に、駆除対策を行うことがおすすめです。ただし、気温が低いと、除草剤の効果は低下するので、春や秋の中でも、比較的気温の高い日を見計らって、除草作業を行うようにしましょう。


ちちこぐさ(父子草)に似ているけど違う雑草

ちちこぐさにそっくりな雑草として、「チチコグサモドキ」が知られています。こちらも、繁殖能力が高く、よく見かける雑草ですが、父子草とは異なり、アメリカ原産の植物です。大正時代に日本でもその姿を見かけるようになったと言われている外来種で、葉や茎、花など、ちちこぐさによく似ていますが、分類上ちちこぐさとは全く異なる種です。

花がない状態で見分けることは難しいですが、花がついたら、簡単に見分けやすくなります。ちちこぐさは、茎の先端にだけ花をつけるのに対し、チチコグサモドキは、茎の中ほどまで、いくつかに分かれて花をつけます。チチコグサモドキは、ちちこぐさ以上の繁殖力で増え続けているので、ぜひ見かけた際は、ちちこぐさとの違いを観察してみてくださいね。

ちちこぐさ(父子草)の数は減少気味?

ちちこぐさの仲間は、人や車に踏みつけられても、そう簡単には枯れません。その上、近年は、除草剤に対しても耐性がついてきているのでは?という報告も出ており、生命力の強い雑草の仲間の中でも群を抜いて繁殖スピードを早めています。

しかし、外来種のちちこぐさの仲間が台頭しつつあり、在来種のちちこぐさ自体は、個体数を減らしているのではないかと言われていなす。もし邪魔にならない場所で、在来種のちちこぐさを見つけた際は、そっとしてあげるのも、良いかもしれませんね。

まとめ

ちちこぐさは、見た目が地味なため、花を咲かせるまでなかなか気づけないこともあります。しかし、生長スピードも早いので、気づいた時には、すでに種が飛んでいる・・・ということもあります。春と秋は、特にちちこぐさの仲間に注目し、その存在を見逃さないようにしましょう!