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ミヤコワスレとは?綺麗な花を咲かせる育て方や増やし方をご紹介!

日本原産のミヤコワスレ。昔から毎年可憐な花を咲かせて楽しませてくれます。春から夏にかけてよく山歩きをする季節、ひっそりとたおやかに咲く姿を見かける古来の花。今回はそんなミヤコワスレの育て方や管理方法、増やし方についてまとめました。
2020年8月27日
naocchi
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ミヤコワスレとは?

ミヤコワスレは東アジア原産で、日本では本州や四国、九州の山地に自生しています。元の名前はミヤマヨメナで、品種改良されてもともとの淡い青色から、現在は青、ピンク、白とバラエティに富んだ色の品種が存在します。 ミヤコワスレという名前は、鎌倉時代、承久の乱の際、戦に負けた順徳天皇が佐渡島に流されたときにミヤコワスレを見て心癒し、都を忘れようとしたという話からきたと言われています。

ミヤコワスレの特徴

科名、属名はキク科 ミヤマヨメナ属、というところからも、菊のような花を、4~6月、夏前の時期に咲かせます。まさに野菊、楚々とした雰囲気です。花が終わったら株の根元に短い茎が残り、円状に葉を開いて「ロゼット状」になります。

ミヤコワスレの種類

ミヤコワスレはいま品種改良がすすんで、ミヤマヨメナのように薄青色だけでなくさまざまな種類の苗が出ています。 一部、ご紹介します。

ミヤコワスレの品種(一部)

ミヤマヨメナ:日本の野山に自生している原種。花は淡青色。ミヤコワスレという名前は、もともとはこの原種のミヤマヨメナが品種改良されたものです。 江戸紫:古くからあるミヤコワスレの人気品種です。紫の花が咲きます。 みのる紫:色は濃青色で大きい花です。 浜乙女:花は濃いピンク色でかわいらしい印象です。 瀬戸の乙女:ピンクの花、明るくはなやかな花を咲かせます。

苗を選ぶときは状態に注意

どの苗もビニールポットなどで売られています。 良い苗は、株元がぐらぐらしてしていないか、葉っぱに虫がついていないか、葉が虫に食われたあとがないか、葉が白っぽくなって病気にいなっていないかなどに注意して苗を選びましょう。 育て方についてはほとんど変わりません。

ミヤコワスレの手入れの方法


いつまでも元気な株を保つために、花が咲いたあとすぐにすることについてご説明します。花が咲いたあと、できるだけ早く、時期を逃さずお手入れすることで来年もきれいな花をみることができます。

花が咲いたあとにすること

花が咲き終わったら、花のついていた茎を切り戻しといって付け根から切ります。できるだけ早く切り戻しをすることで株の養分が少なくなることを防ぎ、株を元気に保ちます。また、切り戻すことで風通しがよくなり、夏の暑さから株を守ることができます。 中粒のマグアンプKなどの化成肥料を、株元に直接かからないくらい離れたところに撒いてやります。

ミヤコワスレの育て方

置き場、日当たり

鉢植えでも構いませんが、地植えにするなら半日陰になる場所が適しています。季節では夏の暑さ、乾燥に弱いため、冬は日当たりがよくても夏は半日陰になる場所に植えるのがよいでしょう。一番良いところは、落葉樹の下です。夏には葉を茂らせて日陰を作り、涼しい気温を保ってくれます。冬は葉が落ちてしまい、日当たりのよい環境を作ります。冬は暖かく、夏は涼しい最適な状態です。

土は水はけの良いものを

土は、水はけのよい土に植えます。ミヤコワスレは湿気が大変苦手で、夏に根腐れを起こしたり蒸れてしまい、立ち枯れしてしまいます。また、病気を起こす原因にもなります。

水やり

鉢の場合は鉢の土を少し指で掘ってみて、乾いているようだったら鉢の底の穴から水が出てくるまでたっぷり水やりします。特に芽を吹く季節から花が終わり、株を充実させる夏までは水やりをしましょう。 地植えした場合も、土の表面がかなり乾いた様子になったときに水やりするのがよいでしょう。

肥料

花が鉢に植えるときに化成肥料を少し混ぜます。あまりたくさん肥料をやりすぎないほうがよく生長します。ふだんは、真夏と冬以外は薄めた液肥をひと月に2~3回程度、薄い液肥を水やりのときにやります。前述のように、花が咲き終わったあとに株を養うための化学肥料をやることを忘れずに。


肥料は与え過ぎに注意

そして、あまり肥料を与えないようにしましょう。野生のミヤコワスレはもともと山野に咲くため、その土地に落ちる葉が発酵し、ふかふかの土となったところがミヤコワスレの最も好む土地です。水はけもよく、腐葉土からの栄養で株を増やしていくのが野生のミヤコワスレ。そのためたくさん肥料をやりすぎるのはおすすめしません。 鉢に植えるときは、赤玉土、腐葉土、それに弱酸性を好むため、鹿沼土を混ぜて植えます。

ミヤコワスレ 季節ごとの管理

季節によって手入れをする必要があります。ここでは、植え替え、冬の時期の管理についてご説明します。

植え替え

地植えにしたときは数年は植えたままでもよいのですが、数年に1回は植え替えると生長がよくなります。鉢の場合も数年に一度は鉢から出して、株分けも兼ねて行います。時期は、花が終わったとき、または秋に行います。

冬の管理

寒さに強い性質なので、地植えのものはそのまま、鉢に植えたものも特に寒さよけをしなくても冬越しできます。肥料やりは秋までにしておき、芽を吹く春、3月ごろになったら再び薄めた液肥をやり始めるのがよいでしょう。

ミヤコワスレの増やし方

増やし方には大きくなった株を分ける方法と挿し芽、種まきなどがあります。ここでは株分けと挿し芽についてお話します。

株分け

株分けですが、ミヤコワスレは鉢に植えると鉢いっぱいに生長します。花の咲き切り戻したあと、または秋に一度鉢から株をすべて出して、土を落とし、株全体を両手で優しくゆすると、分かれ目が見えてきます。その部分を両手でひっぱって分ける、もしくはスコップや園芸用ハサミで切り分けて、それぞれ新しい鉢に植え直します。

株分けは異なった土に


土の配分は先ほどの赤玉土、腐葉土と鹿沼土のブレンドです。地植えにしている株も数年に1度は株全体を掘り上げて、土をいったん落とし、両手で分けられるならば分ける、もしくは、スコップなどで株元をできるだけ傷つけないように分けます。分けたものを地植えする場合は、植わっていた場所ではなく、異なった土地に植えるのが好ましいです。水はけ、風通しがよく、夏に半日陰になるような場所、落葉樹の下などに植えるとベストです。

挿し芽

園芸用のトレイ、もしくは少し深みのある鉢底皿などに赤玉土またはバーミキュライトを湿らせて挿し床を作っておきます。ミヤコワスレの花が咲く前、3月ごろに新芽が伸びてきます。その芽を先から2、3節のところで切って挿し芽を作ります。花が咲いたあとに切り戻した茎で挿し芽(穂)をつくることもできます。

土の湿り気をこまめにチェック

挿し床の土の中には葉が入らないよう、下の方の葉は取り除き、2、3センチほど感覚をあけて挿し芽を挿します。挿し芽から芽が出てくるまでは挿し床の土が湿っているか、常にチェックしましょう。もし乾いてきたら霧吹きなどでやさしく水を全体に蒔いて土を湿らせます。 挿し芽から芽が出てきたら根付いた証拠ですので、2,3日様子を見て伸び続けるようなら鉢植えの土と同じ土、赤玉、腐葉土、鹿沼土を鉢に入れて挿し芽を植え替えます。鉢の表面が乾いたらたっぷり水をやって、挿し芽を大きく生長させます。

ミヤコワスレの楽しみ方

庭の半日陰になる場所に植えて、野趣あふれた様子を楽しむのもよし、鉢に他の草花と一緒に和風の寄せ植えをしても夏前まで花が楽しめます。品種改良が進んで本来の薄青色だけでなく濃い青、青、ピンク、白と色もさまざまです。大きさも70センチくらいになる大きなものもあれば20センチくらいにしかならない小さな品種もあります。和の草花だけでなく洋風の草花と一緒に植えても一風変わってすてきな庭のアクセントになるでしょう。また、ミヤコワスレ一種だけを、足元に苔などあしらって、草もの盆栽仕立てにするのも風流です。

まとめ

ミヤコワスレは東アジア、日本原産で、冬も枯れずに越す強さをもっていて、育てやすい花です。 花言葉には「しばしの憩い」という言葉があります。本来は山野草の仲間です。山や野を散策したときのようなさわやかな風や光を想わせてくれるミヤコワスレ。自宅でも育てて山や野に想いをはせて、ひとときの憩いを求めてみませんか。