桜の種類・品種まとめ図鑑
春ムードを一気に加速させる桜の開花情報。日本では桜前線とも呼ばれて、毎年桜の開花を楽しみにしている人が多くいます。そんな桜ですが、日本には様々な種類や品種があるのをご存知ですか?今回は、日本でも有名な桜について桜図鑑をまとめました。花の見分け方や開花時期の早咲き・遅咲きまで、写真を見ながら徹底解説していきます。桜の名前を憶えて、今年はもっと桜を楽しめるようにしたいですね。
日本の桜の品種とは
桜とは、バラ科モモ亜科スモモ属の落葉樹です。冬にはどこにあるかわからない桜の木も、暖かくなってくるといっせいに芽吹きだし、満開の姿は圧巻です。毎年たくさんの桜の名所を訪れる人が後を絶たず、日本の名所にも必ず桜が植えられています。
なかには珍しい桜も
日本で主に観賞用として植えられている桜のほとんどが染井吉野という品種ですが、日本には珍しい桜や自然交配された多くの桜の種類・品種が植えられているんですよ。桜の花言葉は、「精神の美」・「優美な女性」・「優れた教育」です。今年も美しい桜の開花を見に行くのが楽しみですね。
桜の咲き方の種類①自然交配
桜の原種は約10種類とされています。染井吉野をはじめとして、その原種同士の桜が自然交配して生まれた桜が、約100種あるとされていて、いろいろな地方で自生しています。この自然交配された有名な桜の名前が、八重桜や枝垂桜になっています。さっそく、その染井吉野・八重桜についてみていきましょう。
有名桜の品種[図鑑1]染井吉野
有名な日本の桜といえば、染井吉野を思い浮かべる人が多いと思います。染井吉野の特徴や、名前の秘密、開花時期などをおさらいしておきましょう。
写真
花弁が大きい一番桜でイメージされる桜の形ですね。ほとんどが一重咲きとなります。染井吉野は花だけが咲くので、見分け方で葉があるかどうかをチェックすると良いかもしれません。吉野の桜は、花が新葉と共に咲く「ヤマザクラ(山桜)」になります。
名前
この桜の名前は、染井吉野(ソメイヨシノ)です。染井吉野は、江戸時代末期に江戸の染井村の植木屋が売り始めたことから付けられた名前のブランドです。花色は淡紅色で、花径が約3.5㎝程度になります。
開花時期
早咲きの桜で、開花時期は3月上旬〜4月下旬です。
原産国
原産国は、日本の本州から北海道の南部まで広く分布しています。沖縄や鹿児島では生育できないので、分布域での見分け方で見れば違いがわかります。
特徴
二位本原産の桜で、江戸末期~明治初期頃から栽培されていた桜で高木で強い性質のため多くが今では銘木の巨木になっていることが多いです。原種の桜ですが、この原種の中でオオシマサクラとエドヒガンを交配させてできた品種です。以前は「吉野桜」とも呼ばれていましたが、現在は染井井吉野と吉野桜は違う品種として取り扱われています。韓国起源説とい割れる場合がありますが、2011年の染井吉野のDNA鑑定の結果、韓国のソメイヨシノとは別種だということがアメリカの農務省から発表されました。日本古来からの伝統的な品種です。
有名桜の品種[図鑑2]八重桜
ぽんぽんとしたかわいらしい花を咲かせる桜は、八重桜として有名ですね。日本を代表する桜の中には、このように華やかさを取り込んだ桜もあるんです。八重桜の特徴や、花の見分け方、開花時期についてみていきたいと思います。
写真
花弁の枚数は300枚近くに達する品種もある、八重桜です。写真を見ると、花の咲き方が豪華で何重にも折り重なったような姿がかわいらしい桜ですね。見分け方は、花弁の枚数が一重咲きになっていないかどうかです。
名前
八重桜に分類されているのは、普賢象(フゲンゾウ)・カンザン(関山)・イチヨウ(一葉)などが有名です。花色は、淡紅色や白のかかったピンクなどに変化していきます。花の中で少しずつ変化する様子が美しく牡丹ザクラなどとも呼ばれます。
開花時期
開花時期は、4月下旬〜5月下旬で遅咲きの桜に分類されています。
原産国
広く日本の山野に自生している品種の桜です。
特徴
日本の古来から神聖な色として使用されていた記録も残っている八重桜は、「平安時代に宮仕えをしていた女房の装束「八重桜」と表現していた」と記録に残っています。また、品種改良され好んで栽培された歴史があって、人里に咲くことが多い桜です。このことから、「サトザクラ」という名前でも呼ばれています。性質も強健で、美しい花弁がたくさん詰まった花姿が美しく鑑賞性の高さを特徴です。同時期に開花する、カンザンとイチヨウを一緒に混色することも多いようです。見頃を迎える御所付近は一度訪れてみたいですね。
桜の咲き方の種類②彼岸に開花する桜
エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)は、名前の通りお彼岸の頃に開花することから名前が付けられました。自然交配される前の原種の桜の1つになっています。そのエドヒガンザクラの生態ンい分類されている品種・種類を「エドヒガン群」と呼んでいます。エドヒガンザクラの開花時期は、大体が早咲きで小ぶりの花を咲かせます。本州から四国・級までの山間部に自生していて、花が咲いた後に葉っぱが出てくるので花だけがきれいにみることのできる鑑賞性の高さで有名です。
日本三大桜
この種類の桜は、性質が丈夫で長寿なことが多く、樹齢100年を超える銘木が多く存在しています。花の開花にはまつりが開催されるなど、賑わいを見せている有名な桜になっています。なかでも、山梨県北巨摩郡武川村にある、山高神代桜は、樹齢2000年以上とも言われています。そして、根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)、三春滝桜(みはるたきざくら)の三つが日本三大桜として有名になっている桜です。ぜひ一度、開花時期に訪れてみたいですね。
有名桜の種類・品種[図鑑3]江戸彼岸桜
江戸という名前を持ち合わせた、日本の古い時代から愛されている有名な桜が「江戸彼岸桜」です。江戸彼岸桜の特徴や開花時期、花の特徴と見分け方についてご紹介していきます。
写真
淡いピンク色が優しい情景を生み出してくれる美しい桜です。中心にかけて赤が美しく、遠くから見ても鮮やかに写ります。
開花時期
開花時期は、3月下旬〜4月になります。花径が3〜4㎝というサイズで見事に美しい桜ですよ。
特徴
江戸彼岸桜は、その名前の通り彼岸に咲くのが特徴の桜なんです。夏の彼岸ではなくて、春の彼岸である3/20の前後あたりですね。この江戸彼岸桜は、本州・四国・九州、朝鮮半島などで広く分布している桜になります。桜の中でも この品種は強くて、かなり樹齢が長いというのも大きな特徴です。日本各地で古木・巨木となっている桜というのは、実は江戸彼岸桜に多いんですね。
有名桜の種類・品種[図鑑4]枝垂桜
しだれた姿が見事な有名な桜が枝垂桜です。
写真
海外でも人気の枝垂桜です。一重咲きでも八重咲でも美しく、人気の高い品種ですね。
名前
紅枝垂(ベニシダレ)桜が一般的です。
開花時期
開花時期は、4月上旬〜下旬と早咲きになっています。花の色は、紅紫色で、枝垂桜よりも色味が濃いのも特徴です。枝垂桜の中で色が濃いかどうかの見分け方で、桜の品種を見比べてみましょう。
特徴
枝が柔らかく、しなるようにカーブを描く美しさは見事な情景を引き出してくれますね。しだれえ桜の中には、江戸彼岸桜の交配によって生まれたものが多いため、早咲きです。
桜の咲き方の種類③温帯地で開花する桜
ヒカンザクラ群は、樹高があまり高くないのが特徴で、暖かい地方に自生している桜が多いのが特徴になっています。そのため、開花時期も早咲きで、一足先に春の気分に浸ることができますよ。低木~中高木の種類が多いので、盆栽として仕立てて育てるのも人気の桜になっています。かわいらしく下向きに花を咲かせるヒカンザクラは、桜愛好家にとっては有名な桜です。ヒカンザクラを交配した品種の桜が当てはまります。さっそく、気になる品種を見ていきましょう。
有名桜の種類・品種[図鑑5]寒桜
きれいな桜色に染める姿は、ひな祭りの時期に見かける桜です。寒桜の開花時期や、花の特徴・桜の見分け方などを合わせてみていきましょう。寒桜は、早咲きの品種が多いのも特徴ですよ。
写真
早咲きの桜なので、渡り鳥などが一番先に見つけてやってきます。メジロと一緒に撮影されている写真をよく見かけますよね。温暖地域では、開花時期も早咲きな桜が咲くようです。
開花時期
寒桜の中で、河津桜(カワヅザクラ)は最も早咲きです。その開花時期は、3月上旬〜中旬となっています。熱海では2月から咲き始める品種もあります。
特徴
寒桜になっていいる桜は、小輪タイプの桜が多く、花の色もきれいな赤みを帯びたピンク色をしています。ピンク色をした桜を見つけたら、寒桜だという見分け方ができそうですね。
桜の咲き方の種類・品種④山で開花させる桜
ヤマザクラ群は、日本で有名な桜の原種の1つなんですよ。近くにいて自然交配された品種の多い中、この仲間はヤマザクラ同士を交配したグループを総称しています。桜の花と葉っぱが同時に咲くのがこのヤマザクラの特徴なんです。このクループは、大山桜(オオヤマザクラ)・霞桜(カスミザクラ)・大島桜(オオシマザクラ)が主な品種です。関東から中部に分布されていた桜で、葉と共に咲く桜の花を楽しむのが流暢だっとされていたんですね。
有名桜の種類・品種[図鑑6]染井の桜
染井の桜は、染井吉野とは違う種類の桜なんです。その見分け方や、桜の名前の秘密・開花時期や特徴をまとめてみました。染井の桜を見つけられたら、周りの人に一目置かれそうですね。
写真
花が大きく香りも良い花を咲かせてくれますよ。丈夫で成長が早く、満開になるとよい香りで人々を魅了します。
開花時期
染井の桜は、開花時期が4月初旬から咲き始める桜です。葉と一緒に咲くんですね。
特徴
本州・西日本に分布している桜の品種です。奈良県吉野にある「吉野の桜」が日本で初めて発売された桜なんです。吉野という植木屋さんが売り出し始めたことが歴史になっています。そのため、染井吉野が出てくるまでは、桜といえば染井の桜が一般的だったようですよ。樹高も他の桜よりも大きくなるという特徴があります。
桜の咲き方の種類⑤珍しい桜
桜には約300品種もの桜の種類があるとされていますが、自然交配や人の手でより美しく交配された珍しい桜もあるんですよ。この中でもマメザクラ群は、名前の通り桜の花が小さくて豆のように咲かせる桜を言います。マメザクラは樹高も低く、葉が小ぶりなんです。地域性もあるようで、珍しい桜は地方にたくさんありました。富士山・箱根・伊豆に分布していることが多い桜ですよ。花は、白から薄いピンク色、そして濃いピンクとグラデーションのように色合いを変える姿が人々を魅了します。
有名桜の種類・品種[図鑑7]マメザクラ
マメザクラは、小さい花を咲かせる桜として有名な珍しい種類の桜です。桜の花自体は小さいですが、まとまって咲く満開の姿は美しく、有名な見どころスポットにも密集して植えられています。
写真
満開になっても小ぶりの桜が控えめに咲いているように見えますね。
名前
御殿場桜(ゴテンバザクラ)などが一般的な品種です。
開花時期
豆桜の開花時期は、3月下旬〜5月上旬となっていて、早咲きタイプですが開花時期が長いのも特徴の一つですね。
特徴
本州中部の太平洋岸という狭い地域に分布する品種です。山などでよく見える桜で、フジザクラ・箱根桜などとも呼ばれています。変異しやすい性質が特徴で、様々なタイプのマメザクラが広く分布しています。
有名桜の種類・品種[図鑑8]冬桜
冬桜という珍しい桜は、濃いピンク色が目を引きますね。桜の中では珍しいタイプで四季咲きの桜だといいます。その四季咲きの珍しい桜の開花時期、特徴、見分け方を見ていきましょう。
写真
写真を見ても、白色の色で大きめの花をしているのがわかりますね。
名前
冬桜(フユザクラ)や、十月桜(ジュウガツザクラ)・ヒマラヤザクラといった名前の桜の品種があります。
開花時期
どんな桜も、開花時期が10月〜12月と4月上旬〜中旬になっています。四季咲きになっていて、一年に開花時期は2回ある桜なんです。しかし、桜の中ではかなりの早咲きとみてよいのかもしれませんね。
特徴
一年に2回開花時期を迎えていいる珍しい桜ですね。色合いと花の大きさは、中輪の白~淡いピンク色をしています。八重咲や一重咲きなどありますが、冬場の10月から開花し始めます。そして、11〜12月に満開の姿を見せてくれます。その後に、花が散った後葉っぱを茂らせてきます。次の開花時期は4月になってから咲き始めるという特徴があります。
桜の種類や品種を見分けよう
いかがでしたか?日本の桜には、たくさんの種類と品種があったんですね。珍しい桜に出会えたらうれしいかもしれません。桜は日本の代表的な花ともいえる存在です。ぜひ、桜図鑑の写真と名前を憶えて桜の開花時期にはたくさんの種類の桜を楽しんでくださいね。見分け方がわかれば、簡単に覚えることができますよ。