ムキタケとは
ムキタケ(学名:sarcomyxa serotina)とはガマノホタケ科のムキタケ属の一種で、非常に旨味のあるキノコということで昔より各地方で愛されてきたキノコです。一般的なスーパーに出回ることはあまりないため、聞き慣れない方が多いのではないでしょうか。今回このムキタケの季節や採り方・レシピまで解説していきます。
山のフカヒレ
ムキタケは傘と肉のあいだにゼラチン質の層があり、和名の通り綺麗に「剥く」ことができるキノコです。また、肉が非常に厚く濃厚なこと、ぷるんとして肉厚な食感がサメのフカヒレに似ていることから、ムキタケは山のフカヒレとも呼ばれています。
ムキタケの採れる時期・季節
ムキタケの採れる時期は10月中旬から11月中旬ごろと言われています。後述します毒キノコのツキヨタケも10月中旬ごろ発生しますので、ツキヨダケの減少が認められる11月初旬から中旬にかけてがおすすめの時期となります。季節としては秋から〜冬ごろ、晩秋が狙いどきの季節だと覚えておいて下さい。
ムキタケの採り方
ムキタケの採り方として、基本的にはナイフなどの刃物を用いて採取します。表面より空いている手で押さえて、ナイフで根元より切り取ると方法がよいでしょう。高木に群生していて自分の手では届かない場合は柄の長い刃物を用いて切り落とし地面から拾うような採り方がおすすめです。
ムキタケと他のキノコの見分け方
ここではムキタケと他のキノコとの見分け方を述べていきます。後述します「ツキヨタケ」は危険な毒キノコで、ムキダケと似ているため多くの事故が起きています。キノコ狩りでムキタケと採りに行く際、注意が必要なキノコとなっています。まずはムキタケの特徴から確認していきましょう。
ムキタケの特徴
ムキタケの特徴として傘は淡い黄褐色で扁平な形状をしており、表層は細かい毛で覆われています。肉は非常に厚く、皮の下はゼラチン質で皮が剥きやすくなっています。また、ひだも傘とほぼ同色でありますが、稀に暗色で縁取られることもあります。ひだは非常に密となっており、ぎっしり詰まっている印象を受けますね。
ツキヨダケとは
先ほどから登場していますツキヨダケの特徴について述べていきます。画像に載っている通り見た目はムキタケにそっくりなキノコです。群生時期は9月〜10月とムキタケ と被っていることもあり、日本における誤食率が非常に高いキノコとして有名なキノコです。くれぐれも注意してくださいね。ちなみに、ツキヨダケと間違われることが多いのですが、正式名称は「ツキヨタケ」です。
見分け方
ムキタケとツキヨタケの見分け方は簡単です。キノコを縦に割いてみて、上記画像のように黒いしみがあったらそれは毒キノコであるツキヨタケの特徴です。傘の色もムキタケに比べ褐色〜紫褐色で、表面は放射状に暗色の片鱗が配列します。柄もムキタケと比較し隆起が明瞭なことも1つの特徴と言えますね。稀に黒のしみもない場合があるみたいなので、近くのキノコも確認し黒のしみがあったら注意するようにしましょう。
ムキタケの食べ方
ムキタケには鍋やすき焼き、シチューなど多くの食べ方があります。ムキタケは穏やかな香りのキノコで昔より各地方でさまざまな食べ方をされてきたので、料理の種類も多いみたいですね。まずは料理をする前に、ムキタケを採ってきてからの下準備を確認してみましょう。
下処理
採ってきたムキタケは多くの場合、ゴミなどの汚れが付いています。粘性があるため仕方ないことです。なので、最初は水に着けて、表面についたゴミをとったり、ひだの間に挟まっている虫などをしっかりと取り除きましょう。半日くらい着けられれば安心ですね、その後柄を切り落としビニール等に入れて1週間程の保存が可能となります。
皮の剥き方
続いて表面の皮を剥いていきます。冒頭に述べたように傘と肉の間にゼラチン質があるので簡単に剥くことでできます。付け根の部分から包丁などを使って軽く切れ目を入れたり、包丁で表面を軽く擦ったりで剥くことができます。大部分を包丁で剥いたら素手で残った部分を優しく剥いでいきましょう。
保存方法
ムキタケの保存方法は基本的には冷凍保存か、瓶詰めが一般的とされています。もちろん缶詰でも代用可能ですね。長期保存する場合は、薄く塩で揉んでから冷凍保存または瓶詰めするのがよいでしょう。採ってきたムキタケのその日に食べる分以外は上記方法で保存し、後日汁物等で活用するのがおすすめです。慣れてきたら食べ方に合わせた保存方法を選択できるはずです。
ムキタケおすすめレシピ①
キノコうどん
ムキタケ といえばやはり汁物がおすすめですね。中でも鍋やうどん、けんちん汁は多くの方が慣れ親しんだ食べ方です。今回はその中でも相性の良いムキタケ とうどんを使ったレシピです。採ってきたムキタケの下処理をして、鶏肉や野菜、うどんと煮込むだけと非常に簡単ですが美味しい一品となっています。ムキタケの旬の季節の晩秋には体も心も温まりおすすめですね。
ムキタケおすすめレシピ②
ムキタケ と大根のトロトロ煮
こちらはムキタケの肉厚でジューシーな「山のフカヒレ」の食感を存分に生かした一品です。大根とキノコの旨味が混ざり合っていい味に仕上がることが期待できますね。作り方も簡単で、輪切りカットの大根と下処理済みのムキタケを一緒に煮てあげるだけです。なんども火を止めて再加熱を繰り返すことでどんどん味が馴染んでいくことがポイントです。夕飯のおかずとしても、晩酌のお供にもおすすめな食べ方ですね。
ムキタケおすすめレシピ③
ムキタケおろし納豆
最後に紹介するのは一見合いそうもないムキタケと納豆の組み合わせです。正直驚いた方も多いのではないのでしょうか。今までの定番的なメニューとは違った爽やかな一品となっています。作り方は、下処理したムキタケを食べやすい大きさにカットします。その後納豆とお好みで柚子や酢橘などと混ぜ合わせます。ムキタケと納豆のつツルッとした喉越しがたまらなく美味しく、暑い日に頂きたい料理となっています。
ムキタケの入手方法
上記の方に述べてきたムキタケ ですがでは実際どのような入手方法があるのでしょうか。折角、美味しいということを知ることができたのにどうやって手に入れればいいかわからない、といったことにならないよう、こちらではムキタケ の入手方法について解説していきます。
特産品店で購入する
あまりスーパーなどには出回らないムキタケですが、旬な時期なら特産品店には置いてある場合もあります。また、秋の季節ならキノコセンターなどに行けば販売していることが多いです。スキーやスノーボードが好きな方ならみかけたことがあるのではないでしょうか。アウトドアの帰りに寄って購入するのもおすすめです。
インターネットで注文する
地元での購入が難しい場合、ネット通販を利用してみましょう。旬の季節である秋なら加工前の状態で、秋以外の時期なら瓶詰めなど保存された状態で購入することができます。最近では、生産者の顔もみれる場合を多いので安心してネットでの購入ができ、おすすめです。
直接山へ採りにいく
新鮮が一番!自分で採る喜びとともに味わいたい!という方は自分の足で行くのがいいでしょう。読んで頂いたようにキノコの特徴をしっかり覚え、他のキノコと間違えないよう注意することが大切です。また、秋の山に入るわけですから、しっかり装備を整えて行ってください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。山のフカヒレと呼ばれるムキタケ について興味が湧いてきて頂ければ幸いです。実際に旬の時期に山の中に入って、自分で採って料理して頂くのが最高に美味しい食べ方です。ツキヨタケなど毒キノコとの見分け方を忘れず、安全に楽しくキノコ狩りを行うことが大切です。