イタヤ貝のホタテの違いはある?
イタヤ貝の生態は二枚貝綱イタヤガイ目イタヤガイ科のホタテによく似た二枚貝ですが貝の形状、大きさでホタテと見分けることができます。まずは形状ですがイタヤ貝は片面が褐色で(もう片側は白い)太い放射筋が8~10本あります。
ホタテは20本以上の放射筋が細かく入っているので解りやすい特徴です。
大きさはホタテは大きなもので20センチ程度、イタヤ貝は12センチ程度と小型ですが、しっかりした貝柱を持ちホタテに劣らず美味と言われています。貝殻が杓子の材料になっていたことからシャクシ貝と呼ばれることもあります。
イタヤ貝とホタテの違い:生息域
イタヤ貝の生息域は北海道以南から九州までの地域に生息します。ホタテが寒流を好むのと違いイタヤ貝は暖流を好む傾向にあります。ホタテと違い養殖は盛んでありませんが、島根県など一部地域で試みられています。
東北以北でも生息していますがイタヤ貝は一般にあまり食べられず、名前を知る人も少ないです。主に暖流が通る西日本で親しまれる地元の食材として食べられています。
イタヤ貝とホタテの違い:生態
水深10メートルから100メートルの砂地に生息しプランクトンを食べて成長します。高い遊泳能力を持ち貝を開閉させて活発に泳ぐのは意外な生態です。雌雄同体で産卵期は冬とされています。
イタヤ貝の生態で興味深いのが大量発生したり、いなくなったりととれる数の増減が激しいことです。養殖が盛んなホタテと比べると資源量が安定せず市場に出回らないのですね。大量発生したときに市場に出回るので食べるチャンスです。
イタヤ貝の歴史
イタヤ貝を兜などに見立てた家紋が長野、鳥取などにあり昔から長く愛されている貝だということが分かります。 最近ではイタヤ貝の資源量の安定のため養殖に力を入れる動きもあるようなので、将来もっと手軽に食べられるようになるかもしれませんね。
イタヤ貝を潮干狩りで
西日本など暖かい地域では潮干狩りでタイラギ、マテ貝に混じって取れることがあります。イタヤガイだけを狙ってまとまった数をとるのは難しいですが、とれたら食べてみたいですよね。
ホタテが潮干狩りでとれることはまずないのでイタヤ貝を狙ってみるのもいいんじゃないでしょうか。
ただ潮干狩りでとれた貝は食中毒の心配がありますので生食は避けるなど十分注意して食べましょう。
イタヤ貝の味と食べ方
イタヤガイはホタテより柔らかく甘があり特に刺身に適していますが、蒸し、焼きなど様々な料理で美味しく食べられます。調理法はホタテと同じで大丈夫です。貝柱はもちろん火を通せばヒモ、内臓も食べられますが黒いウロの部分は食べられませんので注意しましょう。
美味しいイタヤ貝の見分け方
貝殻がしっかり閉じるもの。貝殻表面につやのあるものが鮮度がよく美味しいとされています。特に貝は生きていることが美味しく食べるために最も大事な事とされていて、イタヤ貝に限らず生きたまま売り場に並べるため市場の方は大変な努力をされています。
そのように鮮度が保たれた貝は非常に臭みが少なく本来の味が感じられるそうです。
イタヤ貝の栄養素
イタヤ貝やその仲間の貝は脂肪分がとても少なく高たんぱくなので、良質の蛋白源となります。 ミネラル分では亜鉛を多く含んでいます。亜鉛は味覚障害の予防に必須の成分です。
そのほかにも、多くの酵素やインスリンの構成成分となっており、欠乏すると大変なことになってしまいます。また、鉄分をはじめとするその他のミネラルもたくさん含んでいます。
ホタテも同じ?
ホタテと同じようにタウリンを非常に多く含んでいると考えられます。タウリンは乳酸の増加を防ぎ、スタミナ増強、疲労回復に効果があります。
また、胆汁酸の分泌を促し、コレステロールの上昇を抑える作用や、眼の疲れや、視力の衰えを回復する効果もあるそうです。
ホタテがそうであるようにイタヤガイにもアミノ酸の一種、グリシンが豊富に含まれていると考えられます。グリシンには深い眠りと快適な目覚めへと睡眠の質を改善する働きがあるそうです。 栄養豊富なイタヤ貝、食べると元気になれそうですね。
イタヤ貝の美味しい食べ方:お吸い物
まずイタヤ貝を使った簡単お吸い物をご紹介します。 二人前で用意する材料 イタヤ貝貝柱 2つ 水 300cc 顆粒だし 小さじ1 酒 小さじ1 醤油 小さじ1 塩 少々 三つ葉 適量 イタヤ貝の貝柱は通販サイトなどでも購入できるので挑戦しやすいですね。 イタヤ貝は煮込むと良いダシがでますので今回はあえて顆粒ダシを使います。 昆布、カツオ節は沸騰させられないので。
イタヤ貝のお吸い物のレシピ
鍋に水、顆粒だし、酒、貝柱を入れ煮ます。貝柱に火が通ったら火を止めます。貝柱は火を通しすぎると固くなるので火を止めるタイミングに注意しましょう。貝柱が生食用のものであれば余熱で火を通すイメージでいいです。
火を止めたら醤油、塩で味付けします。お吸い物の場合は薄味に作って味見しながら調整するのがいいでしょう。最後に器によそったら最後に三つ葉を載せて出来上がりです。
イタヤ貝の美味しい食べ方:バターソテー
ホタテのバターソテーは定番ですがイタヤ貝もソテーしても美味しいです。 材料 イタヤ貝 10コ ほうれん草 1束 ミックスベジタブル(冷凍)適量 バター 20g 醤油 大1 貝の肝や内臓があれば一緒に火を通すと食べられます。
イタヤ貝のバターソテーのレシピ
フライパンにバターを溶かし熱します。熱くなったらイタヤ貝を片面ずつしっかり焼きます。十分火が通ったら醤油を入れ、バターと混ざったら火を止めてほうれん草を余熱で炒めて完成です。
ほうれん草に火を入れすぎず少し食感が残るように仕上げると美味しくなります。つまみにもなりますので是非お試し下さい。
イタヤ貝の美味しい食べ方:シチュー
イタヤ貝のを煮込んで出るダシと相性の良い白菜を入れることで美味しく仕上がります。 ■ 具材 イタヤ貝貝柱 10個 ブロックベーコン150g 白菜 1/4カット 人参 1本 じゃがいも 2個 玉ねぎ 1個 サラダ油 小さじ2 水 200cc 牛乳 300cc ルー 適量 コショウ お好みで
まず人参、じゃがいもを乱切りにします。じゃがいもは煮崩れ対策に大きめに切ります。ベーコン、白菜は一口サイズに、玉ねぎはくし切りにします。 次に鍋で油を熱しベーコン、玉ねぎを炒めます。
ここで気を付けることは、十分熱した鍋でベーコンに焦げ目がつくまで火を入れ、そのあと玉ねぎを色が変わるまで炒めることです。
しっかりと炒めることでベーコンと玉ねぎの旨味を引き出すことができ仕上がりが断然美味しくなります。十分火が通ったら白菜、人参、じゃがいも、貝柱を入れ具材がなじむ程度にさっと炒めます。
ここで水を入れ蓋をして煮込みます。沸騰させて20分程度が煮込み時間の目安です。 煮込んだら一旦火を止め牛乳と適量のルーを割入れます。
ルーの分量は使うものによって違うので説明書きを参考にしてください。ルーを入れたらとろみが出るまで加熱します。 とろみが出たらコショウ、塩で味の調整をして完成です。
海外のイタヤ貝
イタヤ貝は日本でとれるものの他に中国などから輸入されるものもあります。輸入されるものでは干し貝柱など加工品の他、生食、ボイルイタヤ貝があります。他にもハワイなど広い地域で食べられています。
イタヤ貝の魅力
一見ホタテにそっくりなイタヤ貝ですが、調べてみると昔から日本人に深く愛されてきた貝だということが分かりました。大発生と消滅を繰り返す生態といいどこか謎めいて興味深い貝ですね。これから養殖技術が発展しホタテのように気軽に食べられるようになればいいなと思います。