憧れのガレージを手に入れよう
ガレージの役割
車やバイクを愛する人にとって、愛車の家ともいうべきガレージは憧れの存在です。サンデーメカニックの整備場や、愛車を飽きることなく眺めることができる空間、はたまた同じ趣味の仲間のたまり場や隠れ家的な存在であったりと、単に車やバイクを保管する車庫としての役割以上のものをあなたに与えてくれます。
ガレージを自作してみよう
ガレージを単に憧れの存在で終わらせないために、自分で作り上げるという選択肢があります。そんなことを言うと、技術的にムリだから、と言う声が聞こえてきそうですが、尻込みする必要はありません。
綿密な計画と、ガレージに対する情熱さえあれば、素人でも自作は可能ですし、費用も業者に頼むより安く上がります。近年ではホームセンターで材料の調達も容易になりました。みなさんもおしゃれでかっこいいガレージをDIYで手に入れて見ませんか。
DIYでガレージを自作する方法
ガレージを自作するには、その材料によりいくつかの方法があります。ここではホームセンターなどで入手可能で、素人でもチャレンジしやすいいくつかの方法について、その特徴や費用について解説します。
6-1:木造
文字通り木で作り上げる方法です。頑丈で大型なものもできる上に、設計の融通もききやすく、内装やインテリアなどのアレンジも思いのままです。2×4材など規格ものの材料を使うと費用も比較的安く上がり施工も楽ですが、それでも基本的な大工仕事の技術と工具は必要になります。
6-2:単管パイプ
単管パイプとは、建築現場で足場などに使われる材料です。一定の規格のパイプを何種類かのジョイントで接続することにより、素人でも頑丈な車庫を組み立てることが可能です。木造に比べるとやや設計の自由度は劣りますが、それでも費用も安く、DIYで車庫を自作する場合のフレームの条件を備えた素材であると言えます。
6-3鉄骨
鉄製や鋼製の材料で、通常の大型建築の材料としても広く使われています。重量的にはかなり重く、接続には溶接の技術が必要となりますが、費用も比較的安く、頑丈でかなり大型の車庫にも対応可能です。
6-4:イレクターパイプ
イレクターとは矢崎化工が販売する部材で、鉄パイプにプラスチックをコーティングした棒状のパーツを樹脂製のジョイントでつなぎ合わせて構造体を作るものです。
軽量で加工が容易なのが利点で、大型の車庫には向かないものの、バイクや自転車を収納する車庫のフレームを構成することは可能です。また、ガレージ内の収納棚なども簡単に作れます。
6-5:既存の車庫や物置の改造
何もない状態から新たにガレージを作るのは敷居が高いと感じる人も、既存の小屋や車庫、物置を改造するという方法であれば、比較的簡単にガレージを手に入れることができます。
古ぼけた小屋もアイデア次第でおしゃれなガレージに変身させることができますし、内装や収納などのインテリアをDIYで改造するだけでも立派なオリジナルガレージを作れます。
6-6:ガレージハウスのキットを購入する
自分でガレージを設計して材料を調達し、組み立てるのは難しいと感じる人におすすめなのが、キットのガレージハウスです。費用は若干高くなるものの、あらかじめ加工された部材を組み立てるので作り方も簡単で、素人でもチャレンジしやすくなっています。
あくまで既製品のガレージですが、内装やインテリアを工夫して、おしゃれでかっこいいオリジナルのガレージハウスに変貌させることも可能です。
DIY自作ガレージの作り方(単管パイプ編)1/7
設計図を書く
まずは作りたいガレージの設計図を書きます。いきあたりばったりではうまく行きません。プロの書くような詳細なものは無理としても、できるだけ作り方や完成形がイメージできるようなものを書きます。
入り口や窓、作り付けの収納棚などの位置もあらかじめ決めておきます。特に寸法に関しては、実際にガレージを建てる土地のサイズを計測し、正確な縮尺のものを書くようにしましょう。
設計図を書く際の注意点
設計図を書く目的はガレージを建てる際の作り方の手順を示すことだけではありません。必要な部材の種類や量を割り出し、大まかな費用を把握するためにも需要な役目を果たします。
材料を購入してきた後で、足りないものを買いに走るのは時間がもったいないだけでなく、精神的ストレスも大きくなります。また必要量以上に材料を購入して費用が膨らむのを防ぐこともできます。
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骨組みを作る
設計図をもとに、単管パイプで骨組みを組んで行きます。縦横方向の接続には直交クランプを用い、屋根の傾斜や筋交いの補強には自在クランプを用います。
今回はすでに既存の土間の上にガレージを建てたので、固定ベースにアンカーボルトを使って骨組みを地面に固定します。土の地面に建てる場合は、コンクリート支柱ベースなどを使用して固定します。
骨組みを組む際の注意点
後々の施工の際に狂いが出ないよう、骨組みを組む際には垂直や水平はきっちりと出すように注意します。特に入り口にシャッターやドアなどをつける場合、垂直・水平が合っていないと立て付けが悪くなったり、最悪の場合には開閉ができなくなったりします。
レーザーの水平器があればベストですが、簡易的な水泡を使ったものでもいいので、正しい水平を出して骨組みを立てましょう。
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屋根・壁の下地を作る
屋根の骨組みに、垂木クランプを使い垂木を固定していきます。続いて建物の外周に壁の胴縁となる下地を、同じように垂木クランプを使い固定してしていきます。垂木の材料には30×40ミリ程度の角材や2×4材などを使用します。
下地を作る際の注意点
下地となる垂木の間隔は、30〜40センチ程度の間隔で均等に固定していきます。垂木クランプにビスのみの固定で不安がある場合は、支柱部分の垂木に穴を開けて番線で固定するとよいでしょう。
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屋根の取り付け
いよいよ屋根の取り付けです。今回はポリカーボネート製の波板を使用します。ポリカの波板には透明や半透明の物があります。採光や夏の暑さを考慮に入れてうまく使い分けるとよいでしょう。波板の山の部分に傘釘を使って固定していきます。下地の垂木に合わせ同じ間隔で打ち込んでいきます。
屋根取り付けの注意点
波板の合わせ目は、2.5山以上重ねましょう。これは雨漏りを防止するためです。波板に傘釘を打つ間隔は5山ごとが基本となります。波板の合わせ目の最初の山には傘釘を打つ必要がありますので、これらの基本に合わせて重ね代を調整していきます。
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壁の取り付け
側面の胴縁に壁をビスで打ち付けていきます。壁材には耐候性のあるガルバリウム鋼材を使います。費用はトタンより高くつきますが、錆にも強く耐久性もあるのでおすすめです。屋根を取り付けた時と同様に、垂木に沿うようにしてビスを均等に打っていきます。
壁取り付けの注意点
屋根に波板を付けた時と同様に、ガルバリウム鋼板の合わせ目は重ねた状態にして雨漏りを防止します。屋根付近の壁は傾斜に合わせるように、斜めにカットします。カットには金切バサミを使用するとよいでしょう。
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入り口・雨どいの取り付け
自転車やバイクの車庫であれば、扉を入り口にするのもよい方法です。車を入れるのであれば、やはりシャッターやオーバードアを付けたいものです。シャッターやオーバードアのスムーズな開閉には、きちんとした取り付け精度が要求されます。
費用はかかりますが、できれば業者に取り付けをお願いするのが無難でしょう。入り口ができたら、雨樋を取り付けます。材料はホームセンターで入手可能ですし、素人でも簡単に取り付けできます。
雨樋取り付けの注意点
雨樋金具の取り付けは、雨水の落ちる角度や積雪時の雪の重みを考慮して張り出し量を決めます。実際に屋根に水を流してみるのもよいでしょう。雨樋は水の流れる側に傾斜を付けます。軒樋の傾斜はあまりきついと集水器にゴミがたまりやすくなります。1パーセント程度の勾配が適当です。
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内装を整え完成
いよいよガレージ作りも大詰めです。外側の工事は完了したので、内装を行います。骨組みむき出しのガレージも無骨でかっこいいのですが、OSB合板などで内壁を張ると単なる車庫ではなく、ガレージハウスらしい雰囲気の内装になります。
また自作ガレージの利点として、収納棚などを好きな場所に作ることもできます。最後にガレージ小物などでおしゃれなインテリアを整えたら、かっこいい自作ガレージハウスの完成です。
自作ガレージのDIYで気をつけたいこと
基礎工事
車庫を自作する上でもっとも問題になるのが、基礎工事です。物置程度の小屋であれば、ブロックを地面に置いただけのブロック基礎で十分です。バイクなどそれより重い重量物を入れる場合になると、レベルを出して型枠を組み、鉄筋を入れたコンクリートの基礎が必要になります。
作り方さえマスターすれば素人でも作業は可能ですし、費用も安くなります。でもそれなりに技術の必要な作業ですので、自信がない場合は業者に頼むのが無難でしょう。
電気や水回りの工事
自作ガレージでも、中でやはり電気や水道が必要になります。これらは水道の配管や電線からの引き込み工事が必要になります。これらは素人では技術的にも手を出しづらいだけではなく、電気工事士などの専門の資格を持たないで行うことは違法になります。これらの工事に関しては、専門の業者に依頼しましょう。
結露の問題
自作ガレージでは、結露も大きな問題になります。特に折版の屋根にガルバリウムの壁など、金属で覆われたガレージでは、冬場の結露に悩まされることになります。大切な愛車を守るために作ったガレージが、結露した水が垂れてくるようでは意味がありません。
結露の対策としては、外壁だけではなく内装の壁材を張り、中に断熱材を入れるのがもっとも効果的です。天井も同様に折版や波板のむき出しではなく、天井材を内装として張り、中に同じように断熱材を入れることをおすすめします。
DIY自作ガレージの税金問題について
自作ガレージに固定資産税がかかるかどうかは、まずガレージを建てようとする地域が都市計画区域かそうではないかが問題となります。もしその土地が都市計画区域内であれば、固定資産税が必要となる建築確認申請を行う必要が生じる可能性があります。申請が必要かどうかは、以下の点を満たすかどうかで決まります。
①ガレージハウスのサイズ
建てようとするガレージハウスが10㎡を超える場合は、建築確認申請が必要となります。
②ガレージの場所の防火基準
ガレージハウスを建てる場所が防火地域または準防火地域に指定されている場合には、建築確認申請が必要となります。
③基礎があり地面に固定されているか
車庫に基礎があり建物が地面に固定されている場合、定着性あるとみなされますので、建築確認申請が必要となります。
とりあえずは役所に確認を
固定資産税に関する見解は、自治体によって若干の違いがみられるようです。いずれにしてもまずは所管する役所に問い合わせてみることをおすすめします。
DIY自作ガレージ参考画像集7選
自作ガレージ参考画像1/7
ブロックと木材、構造用合板の組み合わせによる本格的なガレージハウスです。
自作ガレージ参考画像2/7
単管パイプとポリカーボネートの波板を組み合わせたシンプルなバイク車庫です。単管パイプがヘルメットなどバイク用小物を吊り下げるのにも役立っています。
自作ガレージ参考画像3/7
自作ガレージハウスなら、こんなおしゃれなドアも思いのままです。
自作ガレージ参考画像4/7
バイクや自転車の収納にピッタリなサイズのガレージハウスです。黒のガルバリウムがかっこいい雰囲気を醸し出しています。
自作ガレージ参考画像5/7
自作ガレージならおしゃれな収納やかっこいいインテリア小物など、自分好みの内装も自由自在です。
自作ガレージ参考画像6/7
おしゃれなインテリア小物で、かっこいい自作ガレージを演出しています。
自作ガレージ参考画像7/7
自作ガレージでも情熱さえあればここまで可能という雰囲気の、本格的なかっこいいガレージハウスです。
ガレージの収納もDIYで自作しよう
棚やロッカーなど収納スペースを思い思いの場所に作れるのも自作ガレージの利点です。2×4材を利用すれば幅や奥行きも思いのままの収納棚が作れますし、専用の棚受けなども販売されています。またガレージの内装に合わせて、おしゃれな収納を工夫したり、収納棚の素材や色を変えるのも自作ガレージであれば思いのままです。
自作ガレージにおすすめのインテリア
内装やインテリアを自分好みにできるのも、自作ガレージの良さです。そんな自作ガレージにおすすめのおしゃれなインテリアをご紹介します。
①写真や絵を飾る
愛車の写真や、自分のお気に入りのバイクや車のポスター、仲間と行ったツーリングの写真など、眺めているだけで楽しい気分にさせてくれるものです。
②バイクや車のパーツを飾る
バイクのマフラーやホイールなど、愛車の交換用パーツは、それ自体がおしゃれでかっこいいインテリア小物の役目を果たしてくれます。
③ガレージ用の小物を飾る
最近では、ネット通販などでもおしゃれなガレージ用小物が数多く販売されています。車やバイクメーカーだけでなく、オイルやケミカルのメーカーのロゴが入った看板や時計など、置いておくだけでガレージらしさを演出してくれるかっこいいインテリアになります。
手作りでかっこいいガレージを手に入れよう
ガレージを自作する方法についてご紹介してきました。自分でガレージを作るには、それなりの知識や技術も必要ですし、根気もいります。でも自分で作り上げたガレージは、外観だけでなく内装やインテリアなども思いのままですし、費用も業者に頼むより安く上がります。
そして苦労して自分で作ったガレージは、何より愛着の度合いが違ってきます。みなさんもやる気と情熱で、おしゃれでかっこいいガレージ作りにチャレンジしてみませんか。