マダニとは
暖かくなると他の虫と同様に対処を
これから春に向かい気温が暖かくなり過ごしやすくなります。そうなるとハイキングや登山にする人も増えてくると思うのですが有害な虫に注意が必要です。特に軽装になりやすい夏に蚊に刺されたり毛虫に刺される、蜂に刺されるということが多くなります。
大抵の人は蚊噛まれないように虫除けスプレーを使用したり蜂に刺される事を防ぐために黒い色の服を避けたりなんらかの対処をしていると思います。同じように暖かくなるとマダニの活動も活発になり危険です。
マダニの生態
マダニは暖かくなる春から秋にかけて活動し普段は草の中や茂みの中に姿を隠しているのですが人間や動物の臭いや体温、発せられる二酸化炭素などを感覚器で探知し草木納花から吸血のために飛び降りてきます。
人間の場合背が高いので足にひっつきやすいです。大きさは蜂のように視認できるほど大きくはなく、蚊のように不快な羽音もしないので気づかないうちに付着します。
マダニの生息箇所
大きさはダニと比べると大きく吸血前で3~4ミリでよく見ると目視が可能ですがハイキング中に目視はなかなか難しく生息している場所も鹿、猪などの野生動物が居るような所や耕作放棄地など少し草があるところ、あぜ道などハイキングや登山でも通るようなところに住んでいます。
意外と人間の身近にいるので不用意に草木に近づくと刺される恐れがあるので注意が必要です。
マダニに刺される前に対処を
刺された、噛まれたの違い
例えば蚊に刺される、蚊に噛まれた。この違いは方言ですがここではマダニに「刺される」事を噛まれた後、噛まれる事として定義し、「噛まれた」場合は実際にまだ皮膚にマダニが噛み付いている状態を指します。
半袖では刺される
ハイキングや登山ではどうしても体を動かすので熱くなり軽装になりやすいですが極力肌の露出を避けたほうがいいです。半袖、半ズボンでは刺される可能性が高く特に昆虫採集などで草木が茂っている所に行く場合は必ず長袖にし首にはタオル巻いて手には軍手、足は靴下の中にスボンの裾を入れるなどします。
このように露出避けることで刺される事が少なくなります。しかし露出が減るということはマダニに刺されないようにするだけでなく熱中症にも気をつけないといけません。
虫除けスプレーを使う
近年ではマダニ刺されたこによる重篤な被害が増えてきたため従来の虫除けスプレーにマダニが寄り付かなくなる成分を配合したものも出てきました。ハイキングや登山をする場合あらかじめマダニにも聞く虫除けスプレーを使う事で対処できます。
服の上もかけることでさらに効率的に寄りにくくなりますが製品の有効時間を忘れないようにしないと虫除けスプレーはそんなんに長く持たないので注意して使うことが大切です。
マダニが生息しそうな場所から帰った後
家にマダニを持ち込まないように玄関先で上着、作業着を脱ぎます。ガムテープなどを使ってマダニを取り除くことも有効です。そしてハイキングや登山から帰ったらなるべく早く入浴をします。
この時に身体にマダニが噛み付いていないか確認していくのですが露出していた部分は特に気をつけて確認することが大切です。もし噛まれていても慌ててマダニを引っ張るのは危険で、この場合は噛まれたままで大丈夫ですので風呂からあがり対処します。
マダニに噛まれた時の状態
刺された時は気づかなくても
マダニは吸血する時に皮膚に顔(正確には口器)を差し込みます。血を吸っていくと胴体部分がタンクのようになっているので体がどんどんと大きくなり本当に顔だけが刺さっているように見え、最初は小さくて気づかなくても胴体がパンパンに膨らみ3~4ミリから最大1センチほどの大きさになり簡単に容易です。
マダニに噛まれた時の取り方
推奨する取り方 皮膚科に行く
一番確実で推奨する取り方はやはり病院へ行きます。この場合は皮膚科で対応が可能です。刺されたのがわかったらすぐに病院に行くことが一番安全かつ完璧にマダニを取り除けるし除くことができ、医療機関なので後述する感染症にかかっていないか検査をしてもらえます。
しかし昼に発見できればいいのですが夜間になると病院が閉まっているので自力で早くなんとかしたい場合は以下の方法がありますが自己責任の範囲で試してみてください。
取り方① ハンドクリーム、ワセリンを使う
ワセリンやハンドクリームをマダニが噛み付いている部分に塗ります。粘性のあるクリーム塗ることによりマダニが呼吸困難になり死ぬことで抜けたり、嫌がって吸血を諦め逃げ出すことで取り除けます。
この取り方は医学的な取り方ではないので自己責任の範囲で試してみてください。また死んでも抜けずにぶら下がった状態になる場合もありこうなると必ず皮膚科で取り除いてもらってください。
取り方② 虫除けスプレー、アルコールを使う
ディート、イカリジンが含まれている虫除けスプレーやアルコールをコットンパフなどに染み込ませ押し付けたりしないように注意しながら噛み付いているマダニの上に置きます。しばらくすると虫除けスプレーの成分を嫌ってマダニが自ら吸血をやめ離れます。
それでも離れない場合は軽く綿棒で刺激を与えると離れる可能性があります。こちらも同じように自己責任で試してみてマダニが死んだり取れないようなら皮膚科で診てもらってください。
推奨しない取り方
どうしても自分でなんとかしたい場合でなおかつハンドクリームや虫除けスプレーがない場合細長いピンセットで取る手段もあります。できるだけマダニの先(皮膚に近い部分)をピンセットではさみゆっくりと上に引き上げて行くだけなのですが失敗するとマダニが口器だけが取り残されたり潰れたりして危険です。
マダニに噛まれた時の間違った取り方
誤った取り方だと頭部が残る
手で払ったり手で引っ張ると頭(口器)だけが皮膚に残り対処がしにくくなります。このように誤った取り方をすると深く刺されるのでさらに抜きにくく、マダニの無理に体を引っ張ると口器から直接体内にマダニの体液が流れ込むので感染症の危険がますます高まり危険です。
取り方がわからない場合自分で取らずに病院へ
噛まれていることに気がついたらやはりハンドクリームなどで自分で取らずに病院で適切な治療を受けることが大切です。刺されただけでも感染症を引き起こす事が多いので病院へ行くことがとても重要でもし以下の症状が出た場合適切に対処しないと最悪命を落とすことにも繋がります。
マダニに刺された後に特に気をつけたい症状
重症熱性血小板減少症候群
近年西日本を中心にマダニ刺された後に重篤な症状があらわれ最悪命を落とすケースが増えています。この重症熱性血小板減少症候群はマダニ刺されることにより重症熱性血小板減少症候群ウイルスに感染します。
症状は主な症状は発熱や吐き気、嘔吐、腹痛、下痢の他に頭痛、筋肉痛、意識障害、失語などがあり致死率は約30%です。人間だけではなく動物も感染し命を落としたり、ペットから人間への感染も確認されているので普段外で飼っている犬、猫からも感染する可能性あります。
ワクチンは存在しない
致死率が30%ですが有効な治療法やワクチンはなく、それぞれの症状に対する対処療法しかありません。そのため最大の予防はマダニに刺されないようにすることなのでハイキングや登山などのマダニが生息する場所に行く場合は肌の露出を避け、刺されないようにすることが大切です。
マダニに刺された後に気をつけたい症状①
日本紅斑熱
マダニに刺されることで微生物が体内に侵入することで発症します。1984年に発見され重症熱性血小板減少症候群と同じように新しい感染症で西日本で症例が多いのが特徴です。
症例は発熱、発疹、刺し口(マダニの噛まれた痕のかさぶた状の形成)の三つが主要三徴候です。マダニに刺されることで媒介するので噛み跡が必ずかさぶた状に形成され、発疹もほとんどあらわれます。
その他の症状、対処法
頭痛や発熱、倦怠感、関節痛、筋肉痛などです。重症熱性血小板減少症候群とは違い科学的に対処できるので薬を使った治療法があります。
マダニに刺された後に気をつけたい症状②
ライム病
人間と動物の共通感染症の一種です。マダニに刺されることで細菌が付着します。ライム病かかると潜伏期間、感染初期、播種期、慢性期と進んでいき主な症状に感染初期では特徴的な紅斑があらわれるほか、リンパ節の腫れ、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、などの風邪やインフルエンザ似た症状が特徴です。
播種期は皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が現れ不整脈などの循環器症状、リンパ球腫などの重篤な症状になります。
対処法
マダニに刺されただけですぐに対処できたあ場合問題がありません。ライム病の原因である細菌はマダニから人への移行は48時間以上の吸血が必要とされるためです。抗生物質による治療が可能です。
マダニに刺された後に気をつけたい症状③
回帰熱
回帰熱はシラミやマダニに刺されることで感染する細菌が原因の病気です。名称のように発熱期と無熱期を数回繰り返すことが最大の特徴で悪寒、発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの症状があらわれ7日ほどすると熱が下がるのと同時に血液の中から菌が検出されなります。
この期間中の症状は発汗、倦怠感などあり再び7日ほどで高熱など症状があらわれる病気です。ライム病と同じような細菌で感染しますが人間だけかかります。
治療しなかったら致死率は高い
治療には抗生物質が有効です。重症熱性血小板減少症候群と同じ致死率は30%程ですがこれは重症化するまで治療しなかった場合なので重症熱性血小板減少症候群ほど危険ではありません。重症熱性血小板減少症候群は刺されてすぐに重症化しますしワクチンがないのも怖いところです。
マダニとダニの噛み跡の違い
手に赤い発疹があってもマダニの噛み跡ではない
お風呂で刺されていないかチェックして赤い発疹があったからと言ってすぐにマダニと断定するのは早いです。マダニ噛み跡は噛まれた場所を中心に10センチほど大きく腫れます。
マダニと間違われやすいのですがダニ噛み跡は無数の小さな腫れができるので分かりやすいです。あるいは腫れが一箇所でもすぐに治まるような腫れの場合はマダニではなく他の虫に刺された可能性があります。
跡が残らないように病院へ
マダニに刺されるだけでも炎症できるので適切に治療しないと噛み跡は残る場合あります。また腫れている時にかきむしったりすると噛み跡に色素が沈着して黒くなるので、噛み跡を残さないようにするには皮膚科に行くことが大切です。
まだ赤く炎症して腫れている状態なら市販薬で治すことも可能かもしれませんが感染症の有無もあるのでなるべく病院へ行くことをおすすめします。
まとめ
マダニがいそうな場所は極力避ける
マダニから身を守るのは刺されないようにすることが一番です。刺されないようにするためには草木が茂っているところを避け肌が露出しないようにハイキングや登山でも長袖を使用し虫除けスプレーも併用してマダニをよせつけないことが大切になってきます。
また人間だけではなく動物にも着くのでこれからの季節は犬の散歩の時も気をつけてください。
刺された後の症状や取り方に注意
刺されたからと言って慌てて手で振り払ったりすると余計に悪化する可能性があるので冷静なって正しい取り方を思い出してください。そしてマダニに刺されたら感染症があり最悪死に至る可能性があるので異常に腫れていたり発熱などの症状に気をつけて少しでも異変があるようなら速やかに病院に行くことが大切です。
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