1×4材って?
1×4材はツーバイフォー建築の規格のひとつ
1×4材はアメリカではじまった「木造枠組壁構法(通称ツーバイフォー工法)」と呼ばれる工法に用いられる木材の規格です。
日本に古くからある木造家屋の工法が柱や梁など一本の木で軸組みされるのとはちがって、フレーム(枠組み)のパーツを組み合わせたものを組み合わせることで耐荷重をキープするのがツーバイフォー工法です。そのためにツーバイフォー工法のフレーム(枠組み)を作るための木材には一定の規格が必要なのです。
ツーバイフォーなのに1×4ってどういうこと?
1×4材は「わんばいふぉーざい」と読みます。ツーバイフォー工法が2×4材をメインに使うのに対して、それだけでは補えない建築に使われるのが2×4材を基準にした1×4材や4×4材などの規格でカットされた木材です。
すべて2×材(つーばいざい)を基準にして考えられている規格なので、その寸法の出し方は簡単です。具体的に1×4材と2×4材のサイズの比較次でご紹介します。
1×4材の寸法規格は?2×4材との比較
1×4材もツーバイフォー工法で使われる木材です。フレーム(枠組み)工法ですので決まった木材の寸法規格があります。まずは1×4材のサイズ規格から見ていきましょう。
1×4のサイズ規格
1×4材の寸法は一辺が約1(インチ)、長辺がその4倍の木材です。このワンバイ材の1は1インチ。1インチの長さは2.54cmですが木材にされると少し短くなってワンバイ材の1辺の寸法は19mmとなります。
1インチと考えると色々と誤差がでてくるので、1インチが寸法基準とだけ覚えておきましょう。このことから、1×4材の寸法は短い辺が19mm、長い辺がその4倍の76mmといいたいところですが、1×4材の寸法は長い辺は89mmとなります。
1×4材のサイズの出し方補足
「乾燥前の木材のサイズが1インチ×4インチだったものを、カットして乾燥させると小さくなる」と言われたり、「木材不足のときに材料をケチったのが一般的になった」など1×4材のサイズが1インチ基準でない理由は色々いわれています。
理由は定かではありませんが、1×4材がインチより小さくするの寸法にも決まりがあります。1インチ以内なら1/4インチ引いた数字。2インチ以上6インチまでなら1/2インチを引いた数字。8インチ以上は3/4インチ引いた数字が1×4材のサイズとなります。
補足で1×4材を計算してみる
これにより、1×4材の寸法を出すと2.54-(2.54÷4)=約1.9と(2.54×4)-(2.54÷2)=約8.9で1×4の規格サイズにほぼ一致します。1×4材の1って数字は何なんだろう?1インチにしては数字が小さいと思っていた方も、これでその疑問が解決したのではないでしょうか。
1×4材の基本サイズはアメリカ発祥ということで「インチ」が使われていますが、そこからマイナスされるサイズには決まりがあって、その値分だけマイナスされて1×4材や2×4材などの辺の長さが決まっていたんですね。
2×4のサイズ規格/1×4との比較
では、一般的によく見かける2×4材の規格は?というと38ミリ×89ミリの木材となります。短い辺が倍になっているのがわかります。これは1と2だからちょうど倍ということでも間違いではないのですが、正しい計算方法なら先ほどの補足から(2.54×2)-(2.54÷2)=約3.8となります。
「短い辺の寸法が2倍、引かれる数も2インチなのでマイナスされる寸法が1/4から1/2へと倍になるためちょうど寸法が倍になることになった」と考える方が他のツーバイ材の規格を考える際に役立つでしょう。
単純に倍と考えない理由
2×4材と1×4材を単純に倍といわないのは理由があります。これは3×4材や4×4材の規格を見てみるとわかるのですが、3×材の短い辺は63ミリ。4×材の短い辺は89ミリと単純に19の倍数になっていないのです。
ちょっとややこしいですが、正しいツーバイフォー材の規格寸法を計算でだそうとするなら、補足のマイナスの数を踏まえた計算方法をしないと誤差がでてきてしまうからです。
1×4材DIY/本棚を作ろう
1×4材と2×4材の違いは木材の厚みにあたる短い辺の違いだということがわかりました。厚みが薄くなるとちょっとした隙間を埋める棚などの2×4材では無理だった小物家具を作りやすくなり、DIYの幅がひろがります。
そんなDIY作りの1例として1×4材でつくる本棚の作り方をここではご紹介します。本棚以外にも色んなものを飾ることができる、汎用性が高いシンプルな棚の作り方です。
1×4材DIY本棚/材料
1×4(ホームセンターなどで買える)6フィート材/棚受け金具/木工用ボンド。道具として金具をビス止めするために使うドライバーが必要です。1×4材は本棚の大きさに合わせてカットしてもらってくると楽です。
1×4材DIY本棚/作り方①
1×4材を3枚くらい継ぎ足して棚部分を作ります。タボ穴を開けて木ダボでつないでいくと1枚板のようにスッキリとした棚板ができますが、ここでは耐荷重をあげるためにも市販のL字金具を使っています。幅が長い場合は真ん中にも金具で補強するとさらに耐荷重があがるでしょう。
1×4材DIY本棚/作り方②
棚板用にカットしたものとは別に横の部分の1×4材にさきほど加工した棚板をビス止めしていきます。金具が取り付ける棚の下にくるようにすると見栄えもよく耐荷重もアップします。好みの枚数の棚板と天板用の板をつけて簡単本棚のできあがりです。お好みのサイズで作ってみてください。
1×4材の耐荷重のあげ方
本棚の作り方でも耐荷重をあげるためにL字金具を使いました。1×4材でも厚みは2センチ弱ありますので、あまり大きくない本棚やちょっとしたものを乗せる飾り棚なら耐荷重的にも問題ないものができるでしょう。
でも、テレビ台をDIYしようとしたり、本棚でも何十冊も並ぶような大きいものを作ろうとすると「折れるんじゃないか」という心配がでてきます。
耐荷重をあげるコツは長辺にある
耐荷重をあげようとして何枚もの板を真ん中で補強したりする人もいますが、耐荷重に必要なのはたわませないことが必要です。真ん中の補強の板ごとたわんでしまうので、この方法はあまり効果がありません。
たわみは板の長さと乗せる物の重さに比例してきます。長い辺を補強するのが一番です。簡単にできる長い辺の補強として金属の金具を1×4材につけることでしょう。
背面の板を付ける
棚板と側面の板だけでは、支えが左右しかありません。左右だけで支えるとどうしても真ん中がたわむ、折れるおそれがあるというときは、背面にも板をつけましょう。
これも長い辺を補強してあげる方法のひとつです。全面を金具で、後ろを板で補強することでしっかりした耐久性のある棚作りができることでしょう。
まとめ
1×4材の規格と、その寸法の出し方の計算方法、2×4材との比較をご紹介してきました。いかがでしたでしょうか。1×4材や2×4材はホームセンターで手軽に安く買うことができる便利な木材です。
無垢板なのでゆがんでいたり、中には乾燥して割れているものもありますが、綺麗な物を選ぶことでしっかりとした綺麗な家具を作ることも可能です。1×4材は2×4材では厚みがありすぎて使えない小物類など作るのにはピッタリです。
6フィート材で200~300円程度で買うことができるでしょう。規格が統一されているので、カットしてもらったものを買ってくれば簡単にDIYをおこなうことができます。
耐荷重についてもっと知りたいという人は、以下のページも参考にしてぜひ素晴らしい作品づくりにチャレンジしてみてくださいね。
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