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登山ロープワーク講座!フリクションノットの基本、ブルージックを覚えよう!

フリクションノットの中でも代表的なプルージックの紹介です。プルージックは比較的簡単で、素早く結べます。また、慣れてくると片手でも結ぶことができます。墜落防止の備えで使われることが多いため、登山家や消防士の間でよく使われます。
2020年8月27日
ルアーマン
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目次

はじめに

登山において重要なアイテムであるロープ(ザイル)ですが、さまざまな用途により結び方がたくさんあります。今回はフリクションノットの中でも代表的で、比較的結び方が簡単で幅広い用途に使えるプルージックについて紹介します。プルージックは、オーストラリアの登山家カール・プルージックが考案したとされる結び方で、ロープを把持することができます。 登山時の登るときも降りるときも墜落防止に大活躍するプルージックですが、結び方を知っていれば日常でも大活躍する場面はいくつもあります。ぜひ覚えて使ってみましょう。

フリクションノットとは

フリクションノットとは、メインロープ(ザイル)にロープスリングを巻き付けて、ロープスリングを固定する結び方の総称です。主に墜落した場合などに活躍するので、登山家や消防士などはよくフリクションノットを使用しています。

フリクションノットの種類

フリクションノットの代表的なものはプルージック、クレイムハイストが上げられます。クレイムハイストが一方向のみにしか効かないのに対し、プルージックは両方向に効きます。これがプルージックが好まれるポイントでもあります。他にもオートブロック(マッシャー)、バックマンノット、ターバックノットなどがあります。まずは比較的簡単なプルージックを習得し、いろいろな用途ごとに他の結び方にも挑戦してみましょう。

プルージックの結び方

ロープスリングを作ります


約6ミリの1.5メーターのロープを、二重テグス結びで結んでロープスリングを作ります。プルージックノットは、基本的に太いメインロープや物体に細いロープを結びつけます。二重テグス結びは、ダブルフィッシャーマンズノットとも呼ばれます。二重テグス結びは、二本のひもの材質や太さが違うときにつなぐと紐がすり抜ける危険が少ないです。

フリクションノットコードをロープに巻き付けていきます

ロープスリングの結びめのコブがあるほうを、内側にまいていきます。3から5回巻き付けます。慣れてくると片手で巻いていくこともできます。

プルージックの形を整えます

メインロープにロープスリングを巻き付けた後に、ロープスリングに弛みができます。弛みがなくなるまで締め付け、形を整えます。弛みがあると急な墜落時などにフリクションノット部分の摩擦が生じず、ロープスリングが滑ることがあるので注意が必要です。

フリクションノット、プルージックの完成

完成したロープスリングの巻き付けた部分を持てば簡単に上下にスライドすることができます。またロープスリングの末端部分を急激に引っ張ると、メインロープとロープスリングの間に生じる摩擦でロックがかかります。不完全なフリクションノットでは器物破損、怪我または死亡の原因となる場合がありますので、周囲に詳しい方がいらっしゃれば結び方のテクニックを確認してください。メインロープとロープスリングの材質の相性によっては、しっかりノットが組めていても滑る可能性があります。

フリクションノット・プルージックの用途


プルージックで登ってみよう

プルージックノットで山を登る一例を紹介します。傾斜のきつくない場所を数人が短時間で登るのに便利な方法です。 まずは先頭の人が先に登り、予め固定したメインロープにメンバーが自分のロープスリングをプルージックで巻き付けます。短スリングの反対側を自分のハーネスに固定します。 プルージックノットの結び目を手で押せば上方へ移動することができ、離しても下方へは滑らないので、メンバーが続けて次々に登っていけます。 注意する点としては、上にいる人が墜落してきた場合はメンバー全員に危険が及びます。各自がしっかりと自分のプルージックノットに責任をもって行動することが大切です。中途半端なロープ技術と自信は、メンバー全員を危険にさらすことになります。

プルージックで降りてみよう

プルージックで山を降りる一例を紹介します。代表的なものに懸垂下降があります。 比較的傾斜が緩くて安全なところを素早く下降する方法として、肩がらみの懸垂下降があります。 肩がらみ懸垂下降とは、懸垂下降時にロープを体に巻き付けて降りる方法です。ロープがはずれて墜落する事故がおおかったために、墜落予防のために巻き付けています。 懸垂下降時のバックアップにプルージックを使います。懸垂下降の失敗は簡単な場所でも死亡事故に直結してしまします。墜落防止のためにプルージックノットを使用すると良いでしょう。 登るときと同様に、数人で下降する際には一人の墜落がメンバー全員の危険につながります。プルージックの結び方はもちろん、慎重に降りる必要があります。

プルージックで薪を結わえて運んでみよう

プルージックは登山以外でも大活躍します。例えばキャンプに必須アイテムである薪を束ねて運ぶことができます。薪のように、ある程度同じ長さでいくつもの棒状のものを束ねるのには便利です。前方と後方の二か所をプルージックで結ぶと運びやすく、運んだ後もすぐにほどくことができます。

プルージックでランタンを吊るそう

キャンプで必須アイテムであるランタンを吊るすのにも大活躍します。ランタンスタンドをお持ちの方はランタンスタントを使用すれば良いですが、お持ちでない方はプルージックで近くの木に吊るすのも良いでしょう。 木に吊るす際にはロープが滑りやすいことがあります。ロープと木に摩擦が生じにくいためです。この場合は木とロープの間にタオルなどを挟み、タオルの上からプルージックを結んでみると良いでしょう。 また、丈夫なロープを張ることができ、ロープにプルージックでランタンを吊るすことができればランタンを容易に移動することができて便利です。 ランタン以外でもキャンプのときには吊るすと場所をとらなかったり、整理整頓になる場合も多いのでプルージックを活用してみましょう。


プルージックの応用

ロープスリングを巻き付けるメインロープが二本かそれ以上の場合、上記のプルージックでは大きな摩擦が生じたあとにノット部分が固く締め付けられ動かすことが難しくなることがあります。解決方法としては、ロープスリングを巻き付ける際に、コブのないほうを巻き付けてプルージックを完成させます。コブがノット部分にあることにより、固く巻き付けられてもコブを動かすことによりノット部分に緩みが生まれスライドさせやすくなります

プルージック用のロープの紹介

出典: https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/rescue-japan/cabinet/shohingazo/loopprusik.jpg

結び目がなく巻きやすさが抜群です。通常のプルージックコードは3巻きするとノットの位置を整えるのが大変です。しかし、このバウンドループプルージックでは心配いりません。初心者でも使いやすいでしょう。 初心者の人は一本のロープからフィッシャーマンズノット等でスリングを作るのも良いですが、このようなプルージックコードを試してみるのも良いでしょう。安心・安全にコードを使用できると思います。

まとめ

プルージックノットはフィックスロープと呼ばれる木や岩などの支点に固定したメインロープに結ぶときに使われる、登山のために考案された結び方です。結びめをずらしながら移動でき、急な荷重がかかると結び目が摩擦でロックされ、岩場の登りや下りなどでの転落防止に効果的です。 登山においては、基本的にロープは墜落してから使うものではありません。墜落しないように安全を確保する為のものなのです。墜落した人をロープで引き揚げたりするのは至難の業であり、二次災害の危険も伴います。プルージックは簡単な結び方ではありますが、十分な練習が必要でしょう。 しかし、キャンプや日常生活でも応用できる機会が多くある結び方です。簡単で覚えやすい結び方でもあるので、ぜひ練習してみてください。フリクションノット以外にもロープが活躍する場はたくさんあります。たくさんの結び方を覚えてアウトドアを楽しみましょう。