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引っ張りタイヤってどう?限界サイズや車検など気になる疑問をまとめて解説!

皆さん引っ張りタイヤをご存知ですか?引っ張りタイヤとは、タイヤ幅よりも狭いホイールを組み、タイヤのサイド面が内側に引っ張られているセッティングのことをいいます。今日はそのメリットやデメリットを含め、車好きなら誰でも知っている引っ張りタイヤを詳しく解説します。
更新: 2021年2月18日
Jessy.G
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引っ張りタイヤとは?

引っ張りタイヤとは、ホイールの太さに対し、本来のメーカー規定マッチングより細いのタイヤを履き、タイヤの肩部分を寝かせて履くカスタムセッティングのことをいいます。

車好きの方以外は何故こういった組み方をするのか疑問な方も多いでしょう。今日は普段の乗用車にも普及してきたこの引っ張りタイヤの、メリット、デメリットを詳しく解説していきます。

引っ張りタイヤのメリット

引っ張りタイヤにするもっとも大きなメリットは、乗心地の向上と言われています。路面の拾う音やグリップする車体への様々な伝達が、引っ張りタイヤの組み方により大幅に軽減されると言われています。

また、その組み方によって、フェンダーにタイヤが干渉しにくくなる、とも言われています。また同じくらい車好きの人気を集める理由が、なんといっても意匠性の高さと言えます。引っ張りタイヤにするだけで、車の足回りがドレスアップされ、ワンランク上のカスタマイズカーとして生まれ変わるのです。

一度引っ張りタイヤに魅了されてしまったら、その見た目から車好きな方から、ノーマルタイヤには戻れなくなる、という声が多く挙がっています。

引っ張りタイヤで演出した絶妙な引っ張り感。前方を走る車と比較しても、足回りの印象がとても洗練されて見えます。まるでサーキットを走るレーシングカーの様に、車の足回りのビジュアルインパクトを印象的なものにし、重厚感を保ちつつ、シャープに彩ります。

引っ張りタイヤのデメリット

実は、そもそもが各タイヤメーカー規定の範囲、つまり限界を越えていることが多いのが引っ張りタイヤ。様々な問題が以前から挙げられています。問題についてそれを言っては元も子もありませんが、その問題故に、空気圧の低下や、偏った摩耗やバースト、車検時のリスクが多くなります。

無理な引っ張りタイヤのセッティングを行うことのデメリットも多いことを認識しておいた方が良いでしょう。問題をあげればキリがないのがこのセッティングといっても過言ではありません。リスクなどの問題を正しく認識し、安全なセッティングを心がけましょう。

タイヤに対する負荷能力の問題。

引っ張りタイヤにかかる車体の重量に対して、タイヤ自体の負荷能力が足りておらず、負荷が限界を迎えるとバーストやセパレーションといったタイヤの損傷などの問題が起こる可能性が高まります。

そもそも負荷限界近くまで突っ込んだセッティングをする自体が問題で、良くありません。引っ張りタイヤで空気圧が低い状態は要注意。引っ張りタイヤは空気圧が限界とも密接な関わりあっており、もっとも大きなリスクになります。

引っ張りタイヤの車検は?

多く問題がありそうなこの引っ張りタイヤですが、車検は通るのか?よくこの疑問が話題になります。以外にも、乗用車が引っ張りタイヤを履いていても、問題なく車検は通ります。実は乗用車の引っ張りタイヤを法律で禁止している項目はありません(車検でも規定上は問題なし)。

ですが無理な引っ張りをしているタイヤは、車検時にロードインデックス(タイヤの荷重指数のことであり、タイヤの最大負荷能力を指す数値)の問題で、指摘を受けることが多く、その点では乗用車の車検がスムーズに通るかというと一概にも言えない所があります。車検は微妙と認識していた方が良いかも知れません。

引っ張りタイヤのサイズ


引っ張りタイヤのサイズは、車体やホイールのセッティングにより様々です。タイヤの負荷の限界を考え、車体に合わせてリスクを軽減した上で、メリットを得られるセッティングをチョイスしましょう。

タイヤメーカーの横浜ゴムのホームページの記載では、225~255サイズのタイヤの適用リム幅は8.5〜9.5Jで、最適リム幅(標準)は9Jとなっており、必ずしも9.5Jではいけないということもなく、かなりメーカーもリム幅のレンジを許容していることが分かります。

セッティング出来る明確な限界は決まっていませんが、タイヤがリムに届いていない場合、そもそもセッティング不可ということになります。

17(8.5J)インチのホイールや19インチ(9.5J)のホイール。乗り方や車種に合わせて多種多様な引っ張りタイヤのセッティング(限界)があります。ご自分の好みに合わせ、最適なカスタムをしてくれるアドバイザーを探すこともひとつ重要と言えます。

引っ張りタイヤの225とは?

ここでサイズに関してもう少し詳しく解説していきましょう。215や225と、引っ張りタイヤを語る上で、言わば業界用語のように、205、215、225といった耳慣れしない言葉が出てきますが、これはタイヤの大きさ(タイヤの幅)を言っています。

20インチ低車高でよく使われる225/30-20と235/30-20一般的には車体の小さな車はこの数字が205、215、225と低く、大きな車は225、235,245といった具合に高くなっていきます。

引っ張りタイヤの9.5Jとは?

引っ張りタイヤ用語の、9.5Jとは、ホイールの幅のこと。タイヤサイズとホイールサイズが密接に関係して引っ張りタイヤが出来上がります。この関係を考慮して、限界までセッティングを詰める方もいれば、限界よりももっと手前で緩やかな引っ張りセッティングをする方もいます。

9.5Jというサイズが基準になっているわけではありませんが、一般的な引っ張りタイヤセッティングはホイールサイズが8.5J、もしくは9J~9,5Jなら、225/35-19が最適ではないかと言われています(諸説あり)。9.5Jくらいのホイールサイズだと、大排気量の車体でもかなり見た目のインパクトがあります。

引っ張りタイヤの組み方

引っ張りタイヤの組み方は、実はかなり大変な作業。各カスタムショップで独自の組み方があります。最も大事なのは最初からしっかりタイヤのビード部を開いておいて、いっきりホイールにはめこむことが重要。20インチの9.5Jに225クラスの引っ張りタイヤを組みこむのは素人では難しいといわれています。

この組み方の作業行程で、僅かでもタイヤに負荷をかけ傷つけてしまうと、空気圧低下のリスクや限界までのリスクが上がってしまいます。しっかりとした組み方をしてくれる業者さんに任せるのが良いでしょう。

引っ張りタイヤの組み方は専門性が高いので、組み上げるのは素人では一苦労。どうしても自分で組みたい、だが、上手く組み方が分からない、また組み方が分かっていても、どうしてもホイールにタイヤをはめられない。そんな時に使える爆発ビートと呼ばれる力業があります。

メーカーからも推奨を受けていませんが、スプレーでガスをタイヤとホイール内に充満させ、引火させた際の衝撃でタイヤとホイールを密着させるといった、最終手段があるそうです。とても危険な作業になりますので、やられる際には必ず安全衛生に気をくばり、自己責任で作業されることをお勧めします。

引っ張りタイヤは乗用車でもできる?

乗用車にも引っ張りタイヤ普及率が高くなっています。見た目もカッコ良くて、乗り心地も向上する、さらに車検にもさほど影響がないと認知されてから、世間の車好きな方から通常の乗用車でも引っ張りタイヤのセッティングはたちまち広まりました。

乗用車でもやはり19インチ(9.5J)の大き目のホイールに225あたりのタイヤサイズを合わせる方が多いそうです。限界までもまだ余裕があり、乗り心地も良いとのこと。車検も割とスムーズに通るそうです。また乗用車ではないモデルルームの試乗車などにも引っ張りタイヤの組み方でセッティングしている車も多いそうです。

引っ張りタイヤが人気の理由

以前は乗用車にはあまり普及していなかった引っ張りタイヤのセッティングですが、欧州や欧米での引っ張りタイヤセッティングが日本でもメリットが多いにあると認識されてからは、その見た目のカッコ良さも相まって、一気に車好きから人気を集めました。

乗用車でもホイールを広くし、ホイールがタイヤのサイドウォールより出っ張ると、見た目がレーシングカーの様になり、とてもインパクトが出てカッコ良くなります。意匠性の高さや運動性の向上の為にと、レーシングカーの多くが引っ張りタイヤのセッティングが多いとのことで、車好きの人気を集める大きな理由の一つです。

旧車にも引っ張りタイヤのセッティングは良く似合います。このセッティングはタイヤサイズ215、ホイールサイズ推定9.5J程度。こういったシブい車にも引っ張りタイヤは、まるで映画からそのまま飛び出してきた車の様な、そんなプラスアルファの魅力を与えてくれます。


タイヤサイズ225にホイール9.5Jのセッティングで颯爽とドライブ。車好きにはたまらない瞬間ですね。世間では引っ張りタイヤの愛好会やサークルもあるそうで、知る人ぞ知るセッティングだからこそ、人気を集める魅力があります。

引っ張りタイヤとホイール

タイヤよりも見えてくる面積が大きいホイール。その色やデザインが意匠性に多くコミットしています。引っ張りタイヤの顔は、なんといってもホイールデザインだろうと言う方も多いのではないでしょうか。

スポーツタイプのホイール。輝くアルミがとてもシャープでソリッドな印象を与えてくれます。こだわり抜いたホイールで街を走り、車好きからの視線を集める充実感は、格別です。

ホイールの種類も様々。

引っ張りタイヤのホイールデザインは、色、デザイン、材質共に、多種多様になっています。本当に多くのデザインが市場に出回っていますので、車のボディや、ライフスタイルに合わせて、さまざまな引っ張りタイヤの表情を演出できるのは、車好きにとってはたまらなく嬉しいものですね。

引っ張りタイヤはポルシェと関係?

引っ張りタイヤのカスタムセッティングで、まず名前があげられるのが、かの有名なポルシェです。欧州車はが好んで使っていたセッティングで、特にドイツ車がその傾向にあるのですが、一時期前のBMWや、オペルは、大胆に細くて狭いホイールにワイドなタイヤを組んでいたそうです。

欧州車はが好んで使っていたセッティングで、一時期前のBMWや、オペルは、大胆に細くて狭いホイールにワイドなタイヤを組んでいたそうです。特にドイツ車がその傾向にあります。ポルシェの美しい流線形に引っ張りタイヤの存在感が相性バッチリですね。

日本が誇る世界的メーカーのHONDAも、このポルシェの引っ張りタイヤセッティングをいち早く取り入れていました。HONDAは他メーカーより0.5インチ程度も狭いホイールで引っ張りタイヤをセッティングするのが常だったそうです。

引っ張りタイヤの空気圧

引っ張りタイヤと空気圧の関係は切っても切れないもの。引っ張りタイヤを履き続けるには、まず空気圧をキープすることが最も重要です。空気圧を常時管理できるなら危険なリスクは避けられます。

空気圧の低下は起きてからでは遅いので、運転前には必ず車を一周し、タイヤに異常かないか、空気圧が減っていないか、常に自主点検を行うことが大切です。


組み途中のタイヤサイズ225と9.5Jのホイール。空気圧をキープするのに、しっかりタイヤとホイールのサイズを確認し、安全な状態で引っ張りタイヤのセッティングをキープするのが、一番大切です。

引っ張りタイヤの味方

引っ張りタイヤは毎日の空気圧点検が欠かせません。自宅でしっかり空気圧点検をかかさない様にしましょう。引っ張りタイヤを管理する上で、一番の注意点は、一に空気圧、二に空気圧、三に空気圧といっても過言ではありません。特に高速道路などを長時間走行する際には、ご出発前に、必ず空気圧の点検を。

引張りタイヤの種類

こんな大きな四駆にだって、引っ張りタイヤは対応しています。オフロード車でもしっかり引っ張りタイヤの理論はあてはまります。通常タイヤよりも、とてもワイルドに見えますね。

街乗りでも引っ張りタイヤスタイル。車好きなら思わず目で追ってしまうのが、引っ張りタイヤ。引っ張りの調整で、こういったホイールの印象を際立たせるセッティングにも出来ます。レーシングーガーの表情にも似て、ドライバーのイメージアップにも繋がりそうですね。

引張りタイヤまとめ

メリットとデメリット

乗り心地や意匠性、その他様々なメリットがありますが、安全を考慮したセッティングを選択しなかった場合のリスクも多々あります。安全性を考慮すると、限界を超えるかも知れない無理な組み方は絶対に止めましょう。

安全性以外のデメリットの他にも、様々な問題がありますと認識した上でセッティングしましょう。気になる乗用車の車検は問題なく通るかも知れませんし、微妙かも知れません。

乗用車でもレーシングカーの様なビジュアルインパクトが得られる。ポルシェのセッティングから始まった、車好きを魅了してやまない引っ張りタイヤ。様々なサイズ、デザインから、自分に合った最適なセッティングを探して、運動性や満足感を向上させるには、とても有意義なカスタマイズと言えます。

いかがでしたか?最近ではご自分で引っ張りタイヤをセッティングする車好きな人も増えてきています。正しい知識で、マイカーライフを充実させてみてはいかがでしょうか。