マグロについて知ろう!
国民食マグロ
マグロは国民食と呼ばれるほどに生活の中に根付いている食材です。世界のマグロの消費量のうち2割ほどを日本が消費しており、日本の消費量は40万トン近くにまでなります。膨大な量のマグロが日本で消費されています。
身近にあるのに知らないマグロの世界
家庭で、外食で、さまざまなところで食すマグロですが、普段食べているマグロが何の種類でどの部位かを知っている人は多くないかもしれません。身近にあるのになかなか知られていないマグロの世界が広がっています。
マグロの産地や体重は
マグロの部位ごとの違いや特徴、マグロの種類と産地などのマグロの情報を紹介します。マグロは部位と種類でたくさんの分類があります。マグロをもっと詳しく知ることで、さらに美味しくマグロを食べられるようになるでしょう。
マグロの部位
大トロや中トロはどこにある?
マグロを食べるときには赤みや中トロや大トロなど様々な種類があり、それぞれで味が異なります。では、これらの種類がマグロのどの部位かを知っているでしょうか。マグロで食す機会が多い大トロ、中トロ、赤身のそれぞれの場所と特徴について紹介します。
最高ランクの大トロ
大トロはマグロの中で最高ランクの部位になります。大トロは1匹のマグロから取れる量も少なく、腹かみと呼ばれるマグロの頭に近い腹身のわずかな部分のみです。油がしっかりと乗っており、口にふくむととろけるような柔らかさと、贅沢な甘みが口の中を満たします。
程よいバランスで人気の中トロ
中トロは赤身部分よりも外側で大トロ部分を除いた腹身と背身になります。赤身よりも油が乗っていて、程よいバランスで人気の部位です。赤身に比べると値段は高いですが、大トロと比べると半値ほどのことが多く、大トロよりはかなり安いです。
たくさん取れて安い赤身
赤身はマグロの中心部の身のことを指します。量が多く、中トロや大トロに比べると安いため食卓に並ぶこともが多い部分ではないでしょうか。中トロや大トロよりも油が少なく、クセもなく、マグロが苦手な人でも食べやすい部位と言えるでしょう。
マグロのランク
マグロの種類とランク
一口にマグロと言っても様々な種類があります。マグロは種類によって味や旬の時期が異なり、産地も様々あります。日本で食べられているマグロは大きく5種類で、それぞれのマグロのランクを紹介します。
最高ランクは本マグロ
日本においてマグロの最高ランクはクロマグロです。日本でマグロといったときにはクロマグロを指すことが多く、またよく言われる本マグロはクロマグロのことです。クロマグロの次にランクが高いのがミナミマグロです。この2つのマグロは養殖も盛んです。
安くて身近なマグロ
メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロもよく食べられるマグロです。クロマグロとミナミマグロよりランクは落ちますが、その分だけ値段が安いので身近なマグロと言えるでしょう。この3つのマグロは安いためか、養殖はほとんど行われていないようです。
それぞれのマグロの特徴を紹介
それぞれのマグロにはどのような違いがあるでしょう。クロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロ、それぞれの特徴を紹介します。同じマグロなのにこれだけ違うのかと驚くはずです。
本マグロ(クロマグロ)の基本情報
日本のマグロと言えば本マグロ
クロマグロは日本の代表的なマグロで本マグロとも呼ばれます。本マグロと言えば青森県大間市の大間の本マグロがブランドとして有名です。本マグロは日本にだけ生息しているわけではなく、広く北半球に生息しています。
本マグロは大きい
本マグロの特徴はその大きさにあります。大きなものでは全長3メートル以上で、体重は400キロ以上になります。20年以上の寿命があり、少しずつ大きくなっていきます。10歳で2メートル近くにまで成長します。
なお日本では青森県の大間だけでなく、長崎や島根、北海道なども本マグロの産地です。
ダイナミックな本マグロ
本マグロは体重も大きいため、他のマグロよりもたくさんの中トロ、大トロを取ることができます。他のマグロよりも一回りほど大きいため、ダイナミックさも本マグロの魅力です。もちろん味も一級品で脂分とコクが絶妙で、多くの日本人の心をつかんで離しません。
輸入と養殖も活発
本マグロは輸入と養殖も盛んに行われています。輸入では大西洋や地中海のものが多いようです。養殖は国内では鹿児島、長崎、高知が主な産地です。やはり天然の本マグロの方が人気ですが、近年では養殖の技術も向上してきており、味も格段に良くなっていると言われています。
ミナミマグロの基本情報
北半球に生息
ミナミマグロも本マグロ同様に高級なマグロとして知られています。本マグロが北半球を中心に生息しているのに対してミナミマグロはその名前からも連想できるように南半球に主に生息しています。
メバチマグロは中型種に分類され全長は2メートル前後、体重は100キロ台のものが多いです。
インドマグロと呼ばれることも
ミナミマグロはインドマグロという別名も持っています。インドマグロと呼ばれる由来は、インド洋での漁獲が多いことから来ているようです。また、日本でも関西ではインドマグロという呼び方をされることも多いようです。
インドマグロと呼ばれることもありますが正式名称はミナミマグロになります。
お寿司や刺身で人気
ミナミマグロは刺身や寿司として使われることが多いようです。本マグロと比べると、多少油が落ちるようですが、その分だけ本マグロよりもクセがなく美味しいと言われることもあります。
また、南半球が産地になるため日本が夏の時期に旬が来るので、本マグロと旬の時期が逆になります。
養殖も盛ん
ミナミマグロも本マグロ同様に養殖が盛んです。ミナミマグロの養殖はオーストラリアが1大産地で1990年台から試行錯誤を繰り返しながらも続けられてきました。現在では養殖技術も確立して、日本にも年間で4000トンから5000トンの養殖ミナミマグロが輸入されているそうです。
メバチマグロの基本情報
消費量も多く安い
メバチマグロは味としては本マグロ、ミナミマグロよりも落ちるとも言われますが、流通量が非常に多いのが特徴です。クロマグロと比べると5倍ほどの消費量があります。本マグロや、ミナミマグロと比べると値段も安価で、刺身や寿司などでもよく用いられます。
特徴は目の大きさ
メバチマグロはミナミマグロと同じ中型種に分類されます。全長は2メートル、体重が150キロを超えます。メバチというのは目が大きいという意味で、他のマグロよりも目が大きい点もメバチマグロの特徴です。日本では静岡、高知、鹿児島、宮城などが主なメバチマグロの産地です。
日本での旬は秋から冬
メバチマグロは日本だけでなく、世界の温暖海域に広く生息しています。そのため、旬の時期や産卵の時期に違いがあります。なお、日本で漁獲されているメバチマグロの旬は秋から冬になります。メバチマグロは本マグロとミナミマグロと違い、養殖は活発ではありません。
キハダマグロの基本情報
消費量世界1位
キハダマグロはメバチマグロに次いで日本での消費量が多いマグロです。またマグロの中で世界での消費量が最も多いのがキハダマグロになります。油が少なくクセのない味わいが特徴で、その特徴を活かしてツナの缶詰などの加工食品としての消費量も非常に多いです。
特徴は黄色いヒレ
キハダマグロはヒレが黄色っぽいのが特徴で、キハダというのは漢字にすると黄肌ともあてられます。全長は2メートル前後、体重は150キロ以上と、ミナミマグロとメバチマグロ同様に中型種に分類されます。世界中の温暖海域に広く生息していますが、日本海ではあまり見られません。
キハダマグロは夏が旬
日本でキハダマグロの漁獲が多いのは静岡、宮崎、鹿児島などで、東日本よりも西日本の関東などで食される機会が多いようです。メバチマグロは夏が旬になり、クロマグロと旬の時期がずれる点も特徴です。
ビンチョウマグロの基本情報
ビントロのマグロ
ビンチョウマグロは日本ではメバチマグロ、キハダマグロに次いで消費量が多いマグロです、正式名称をビンナガマグロといい、ビンナガの「長」をチョウと読んでビンチョウマグロと呼ばれています。寿司のネタのビントロというのはビンチョウマグロを使った寿司ネタになります。
小型種で体重も軽い
ミナミマグロやキハダマグロやメバチマグロが中型種なのに対して、ビンチョウマグロはそれよりも一回り小さい小型種に分類されます。全長は140センチほどで、体重は60キロ前後と、他のマグロよりも小さいです。
熱帯・温帯海域に広く生息しており、日本のみならず海外でも人気が高いです。
大衆的なマグロ
ビンチョウマグロはビントロとして知られているほか、キハダマグロ同様にツナ缶などの缶詰の原料としても用いられています。なおシーチキンはビンチョウマグロが鶏肉に似た食感であることが由来だとも言われています。
ビンチョウマグロは、マグロの中では値段が最も安いことも特徴で、大衆的なマグロです。
マグロの漁獲情報
日本人はマグロ好き
マグロの中でランクの高い本マグロ(クロマグロ)とミナミマグロ(インドマグロ)ですが、実は世界基準で見たときにはほとんど食されていません。ミナミマグロは90パーセント以上、本マグロでも70パーセント以上が日本での消費になります。日本人のマグロ好きが伺えます。
最も漁獲されるのはメバチマグロ
なお、マグロの漁獲量は日本は世界第2位で1位はインドネシアになります。マグロの種類ではキハダマグロが世界で最も漁獲されており年間漁獲量は120万トン以上です。ちなみにランクの高い本マグロ(クロマグロ)とミナミマグロ(インドマグロ)は漁獲量も少ないです。
本マグロは絶滅の可能性も
世界的に人気なマグロですが、その一方で絶滅の可能性も指摘されています。特に本マグロ、ミナミマグロ、メバチマグロは絶滅の可能性が現実的に危惧されています。マグロが国民食とも言える日本人にとっては決して見過ごせないニュースのひとつです。
マグロについてまとめ
マグロを部位と種類で分類
マグロには大トロ、中トロ、赤身などの部位があり、マグロの種類には本マグロ(クロマグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロといった種類があることを紹介しました。このようにマグロには部位と種類という2つの分類があります。
本マグロの大トロが最高級品
部位と種類のマグロの組み合わせから、最高級品は本マグロの大トロになります。本マグロの大トロになると、天然のマグロより値段が安い傾向にある養殖のものでも100グラムで1000円を超えることは珍しくありません。簡単には食べられなさそうな高級なマグロになります。
本マグロ以外も美味しい
本マグロの大トロが値段の上では最高級品ですが、もちろんその他の部位やその他のマグロもとても美味しいです。近年絶滅の危険性も訴えられているマグロですが、今後も計画的に末美味しく食べ続けていけたらいいですね。