押入れ・クローゼットをDIYで本棚にするという発想
限られたスペースを少しでも有効に使いたいと願うのは誰でも同じです。できるだけ簡単に、できるだけリーズナブルにそんな希望を叶えたい!と考えたとき押入れやクローゼットをなんとか利用できないものか?いまあるスペースに少しの時間とお金をかけて自作の本棚を作ってみましょう。
本の収納
読書好きでたくさんの本を読む人も蔵書が増えるとその収納には悩まされることがあります。本棚というのは家具の中でも大きく、お部屋が狭くなるからと本棚購入を躊躇するほど設置するためにはある程度のスペースを必要とします。限られた住空間の中でたくさんの本を収納する方法をご紹介していきます。
家庭の蔵書数
国際的にみて家庭の平均蔵書数は、300冊を超えるアイスランドなどに比べ、100冊前後と日本は多い方ではありません。しかしあくまで平均であって、蔵書の多い人は300冊を優に超える場合も多くあります。たくさんの本を収めるおしゃれな収納術を見て行きましょう。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にするメリット
押入れとは
押入れとは、押込みとも言われ、日本の住宅において主に布団や衣類、季節ものの道具など細々したものから大きなものまでを収納するための空間です。通常、中に段があって上段と下段に別れています。上段には布団など寝具を、下段には衣類や普段使わないものなどを収納するのが一般的です。三方を壁が、残りの一方を襖で開閉します。おもに畳のある和室に設えられます。洋室においてはほぼ同じ機能を持つ空間をクローゼットと呼んでいます。
押入れは主に布団など寝具を収納することを目的としているので奥行きは上段下段ともに75センチ以上あります。一方クローゼットは衣類をメインに収納することが多く、ハンガーポールが設置されていたり奥行きは人の肩幅程度があれば十分な造りになっている場合が多いです。
押入れ・クローゼットを利用する
押入れやクローゼットは収納力があり、収納の強い味方です。それを上手く利用してみませんか?押入れやクローゼットの中にすでにモノがたくさん収納されている場合は整理整頓、断捨離を敢行してスペースを作ってみましょう。押入れやクローゼットの中にスペースができたらそこを本棚にすることができます。
押入れ・クローゼットに本棚を
押入れは比較的小さいスペースにしっかりとした柱が四隅に立っていますし、もともと収納を目的に作られているので丈夫です。工夫次第で有効にスペースを利用出来るのです。どのように押入れやクローゼットを利用したらいいのかおすすめのおしゃれな収納術をご紹介します。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にする前に
押入れ・クローゼットの収納力を利用
まずは押入れやクローゼットの間口、奥行きの長さを考慮して無駄なく収納できる棚を設置します。木造住宅やマンション、持ち家や賃貸などあらゆる住宅の制約をクリアするためには直接クギや接着剤は使用しないことです。万が一気に入らなかった、状況が変わったからなどの理由で撤去する際にも都合がよいのでおすすめです。
収納したいものを把握しておく
押入れの間口、奥行きの寸法を測って本棚を用意します。本棚はその奥行きによって収納できる本の種類やサイズが限られます。事前に収納する予定の本の数やサイズを確認しておきます。購入してから本のサイズが棚に合わず収納できなかった、、などの失敗がないように事前準備が重要です。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にする場合の注意点
押入れの特徴
押入れには通常中段があります。上段には布団、下段には普段使わないものや衣類などを収納します。必要のないものを収納してすっきり片付くのはいいのですが、押入れには湿気がこもりやすく結露などが発生します。カビが発生する場合もあるので通気性をよくするなど湿気対策が必要です。
押入れの湿気
押入れには湿気がこもりやすく結露なども発生しやすいので、換気をし通気性を高めたり、除湿を行なうことが必要不可欠です。押入れの中に本を収納する場合、湿気はカビや害虫の発生を促し大切な本を傷めてしまいます。除湿や換気に必要な設備を整えて湿気から大事な本を守りましょう。
押入れの湿気対策
空気の流れが悪いため湿気がこもります。風を入れるだけでなく押入れの中で常に風を循環させる必要があるので、押入れ用の小型折りたたみ式のサーキュレーターなどを押入れ内に設置することが有効です。また空気が押入れ内を巡りやすくするために床面のみならず壁面にもすのこを設置することも有効です。すのこの上に新聞紙を敷き詰めることもおすすめです。この場合はこまめに湿気を吸った新聞紙を取り替えることが重要です。さら除湿剤なども取り入れてみましょう。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚に:5-1.カラーボックスを利用する収納術
本棚としてカラーボックスを利用する収納術
押入れの中に設置する本棚は一般的なカラーボックスで構いません。押入れのサイズや向きによってカラーボックスを縦に使うのか横に使うのかは決められます。設置する箇所については、押入れの正面、両側面など蔵書数によって増減できます。カラーボックスを本棚として利用するメリットは簡単で安くキレイに仕上がることが挙げられます。
本棚としてカラーボックスを利用する収納術
カラーボックスは一つのボックスの大きさが大きい場合がありますので、有効に使うためにも仕切れるようなアイテムがあると便利です。カラーボックスの中に仕切りを自作して仕分けして収納できるイメージです。またカラーボックスはシンプルな造りになっていますので材料を揃えて自作することもおすすめです。自作すれば必要な部分に必要なサイズを必要な個数用意することができるのでおすすめです。
押入れの上段にカラーボックスを入れて上手に収納している例です。どうしてもデッドスペースになりがちなコーナー部分にはコーナー専用のカラーボックスを設置しているので隅から隅まで無駄無く本棚として機能しています。上段の手前広く空いたスペースは作業スペースとして活用できます。もっとも簡単な自作の上段を利用した収納です。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚に:5-2.スライド式本棚を利用する収納術
スライド式本棚を利用する
押入れは奥行きがあるのでその奥行きを有効活用するためにはスライド式の本棚が便利です。寸法によっては押入れの上段でも下段でも設置可能です。手前と奥と両方に収納ができますので、同じ幅でおよそ2倍の収納力があります。手前と奥は利用頻度によって差別化もできますし気軽に入れ替えることもできますのでおすすめです。スライド式本棚はインテリア家具として販売されているのでおしゃれなデザインが多いです。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚に:5-3.キャスターつきボックスを利用する収納術
キャスターつき収納ケースを利用する
押入れは奥行きがあるので、一度奥の方に収納してしまうと探したり、引っ張り出すのに苦労します。そこでキャスターつきの箱や本棚を利用すると便利です。キャスターによって小さな力でも手前に引き出すことができるので、女性や子供にもおすすめです。またキャスターがついているので床から離れているので、気になる湿気対策にもなります。キャスターつきの箱や本棚を購入することもできますが、キャスターをDIYで取り付けキャスターつき本棚を自作してみるとより愛着も湧きます。キャスターつき本棚は上段ではなく下段で利用することをおすすめします。
キャスターつき隙間家具を利用する
キャスター付きで手前に引き出すことができるタイプの隙間家具です。押入れの奥行きに合わせたものを購入すれば、押入れ本棚の隙間を有効に活用することもできますし、読みたい本を探しやすくなります。また押入れの間口を測っておけば、この隙間家具だけを複数個並べるだけの収納方法もあります。押入れの中に色々な色、形、大きさの収納アイテムを入れるより、同じ色、形、大きさのものを並べた方が見た目もスッキリするのでおすすめです。
ワイン箱を利用する
ワイン箱のリメイクで書籍を収納する方法もあります。ワイン箱はとても丈夫ですし、ワインの銘柄やワイナリーの名前などが書かれていたりして雰囲気もありおしゃれです。深さは20センチ前後と深すぎないので立てても横にしても本を収納するのに適当なサイズです。底になる面にキャスターをしっかりと取り付ければおしゃれなキャスターつき収納ボックスが完成します。キャスター付きなので押し入れ収納の下段に設置すれば引き出しやすく、また出したままでもインテリアとして有効に活用できます。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚に:5-4.キャスターつきすのこを利用する収納術
キャスターつきすのこ+カラーボックスを利用する
本棚を、キャスターを付けたすのこの上に設置することもおすすめです。本棚本体にキャスターがついていなくても土台のすのこにキャスターが付いていれば、楽々前に引き出すことができます。すのこを買ってきてキャスターをビスで留め自作してみましょう。この場合もすのこに乗っているので湿気対策にも有効でおすすめです。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚に:5-5.すのこで棚を作る収納術
すのこの棚をDIYで作る
押入れやクローゼットに出来合いの家具やカラーボックスをびっしりと並べる方法で本棚にすることのほかに、押入れ内全体に棚を自作で造り付け本棚とする方法もあります。開口面と上面以外をすのこで囲います。そうすることで湿気対策にもなりますし難しい技術も必要なく誰にでも簡単にできますのでおすすめです。この場合、上段下段どちらにも向いていますので上下に自作することが可能です。
すのこの棚の作り方
すのこを押入れの底面、背面そして両側面に配置します。すのこの表側を壁側に向けます。そうするとすのこの下駄の部分が内側に現れます。その部分に板を渡します。これであっという間に棚が完成です。すのこや渡す板に防カビ塗料などを塗っておくのもよいです。直接押入れの壁にクギを打ちつけたり接着をしているわけではないので、賃貸にお住まいの方にも有効なDIYですのでおすすめの方法です。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にしたときあると便利なおすすめアイテム
書類ホルダー
カラーボックスの中に書類ホルダーを入れてみましょう。比較的薄めの雑誌や冊子、書類などの整理に向いています。白いホルダーなど色を揃えたり、種類別に色を変えたりするとおしゃれで見分けがつきやすく便利です。また背表紙に内容を書き込むこともできるのでおすすめの収納術のひとつです。
クリア収納ケース
マンガや単行本など小さな本を棚に収める収納術としておすすめなのはクリアな収納ケースです。手前に引き出せるタイプがおすすめです。種類別に並べて置けば中身が見えるので探す手間が省けます。中身が見えるので乱雑に見えないように向きを揃えて並べるなど配慮が必要です。
書籍はもちろん、取り扱い説明書などの薄い冊子も保管することができます。棚の中を種類別に区分けをして見やすく、取り出しやすくしまいやすくすることが収納術のコツです。
押入れ本棚を上手に活用するには、せっかく作り出したスペースをいかに有効に使うかを意識することが大切です。そのためには本が倒れず真っ直ぐに立っているか、無駄な隙間がないかどうかを確認し、書類ケースやブックエンド、クリアケースなどを駆使し収めるのが有効です。収納補助グッズというのは選び切れないほどたくさん売られています。ご自宅の本棚、カラーボックスのサイズや、蔵書数に合ったものを選びましょう。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にしたときおすすめのおしゃれアイデア
おしゃれな目隠し
押入れを本棚にしたあとで元々あった扉や襖をそのままにしておくのか、外してしまうのか迷うところです。元々の部屋のイメージを変えたくない場合はそのままに。イメージが変わっても大丈夫な場合は外して、押入れの本棚が丸見えの状態に。ただ、丸見えの状態では本が埃をかぶったり、日焼けして劣化してしまうことも。襖の代わりにお好みのおしゃれなファブリックを自作のカーテンにして吊るしてみるのはいかがでしょう。上段下段同時なら長めの丈で、どちらか一方なら短めの丈で。模様替えをする感覚で部屋のイメージを変えることができます。
おしゃれな壁紙
押入れを収納スペースに変える際に押入れ内をDIYでおしゃれに模様替えをすることもおすすめです。壁紙を貼ることが可能な場合、カビの生えにくい壁紙を選んで貼ることでカビの発生を抑えたりできます。また壁を塗ることが可能な場合は防カビ塗料などもありますのでおすすめです。とくに押入れを棚として意外に作業スペースとしても利用したい場合は押入れ内の模様替えはお部屋の模様替えと同様に有効です。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にしてスタディーコーナーに
勉強机として
押入れをDIYでおしゃれな自作の勉強コーナーにしてみませんか?限られた空間の中で大きな勉強机を置くことは本棚を置くことと同じように部屋を狭くすることになります。押入れの上段に棚を設置して、中段自体を机として機能させるとおよそ畳一畳のスペースに自作の二人分の勉強コーナーが完成します。成長とともに勉強コーナーが不必要となった場合でも押入れに戻すことも可能なのでおすすめです。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にしてホビーコーナーに
クローゼットの広さに余裕があったり、押入れの前にスペースがある場合は押入れに棚を設け本棚にしたり、レコードなど趣味に関するものを収めてみましょう。お気に入りの椅子などを置けばそこは本を読んだり、音楽を聴いたりできるホビーコーナーになります。
押入れ・クローゼットをDIYで本棚にして書斎コーナーに
押入れの中段をデスクとして使用、デスク奥にカラーボックスを組み合わせた書棚を作れば、そこは書斎になります。照明を設置したりパソコンなどを持ち込めばホームオフィスの完成です。壁に囲まれた感じの空間は作業するのに集中できるのでおすすめです。ただし襖やカーテンなどで開閉できる場合、電気機器のつけっぱなしなどによる火災には十分注意しなければいけません。
まとめ
読み終わってもお気に入りの本はなかなか処分できません。増え続ける本の収納に困ったら押入れやクローゼットを見直してみましょう。押入れをアイデアと工夫しだいで収納力たっぷりの本棚に変身させることができます。要らないものだけを押し込んでいた押入れに大切な本を大切に収納できる本棚を作ったら、そこに学んだり楽しんだりできる新しいスペースが生まれます。まずは襖を開けて押入れを見直すところから始めてみましょう。