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アブラハヤとは?釣り方や食べ方までアブラハヤの生態を大公開!

アブラハヤという魚をご存知でしょうか?アブラハヤは淡水に生息している小型の川魚になります。昔は田んぼの水路でたくさん泳いでいたアブラハヤの生態についてを釣り方や食べ方に至るまで分かりやすく説明します。アブラハヤに似た魚、タカハヤとの違いもしっかり解説!
更新: 2021年2月15日
石倉
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アブラハヤの概要

はじめに

アブラハヤはコイ目コイ科ウグイ亜科ヒメハヤ属の淡水に生息する小型の魚です。昔は田んぼの水路など住居のすぐ近くに多く生息していたのですが水質汚染の結果からか時代を経るごとにあまり見られることもなくなったこの魚。

最近では観賞用としても人気がある魚となりました。淡水域に広く見られる小型の魚、アブラハヤの生態と魅力について詳しくみていきましょう。

体長と体色

約15cmほどの大きさにまで成長するアブラハヤ。体に横に走る黒い帯上の模様がはっきりとしているのがとてもユニークなこの魚は、背中側がやや煤けた茶色をしており腹側は白く、グラデーションがかかったような色合いがあります。一般的に雄の個体よりも雌の個体の方が体長が大きい魚です。

アブラハヤの生態.1

寿命

アブラハヤの寿命はおおよそ5年前後とされていますが、観賞用として上手に飼育した場合には寿命はさらに延びるとの報告があります。また、生息する環境の水質により寿命には大きな差があります。

食性

アブラハヤは雑食性で何でも貪欲に口に運ぶ魚として有名です。そして、住んでいる環境に応じてその食性に変化が生じる性質があるので、例えば藻が多い水域なら藻を食しカワムシをはじめとした水棲生物が多い環境ならカワムシを捕食します。

アブラハヤの生態.2

産卵期

アブラハヤは産卵の際には多数でまとまって砂や小石が水底にある波の穏やかな、水深が深めの環境で行われます。 時期は春~夏となります。

好む場所

アブラハヤは河川の上流から中流に生息しています。そして、岩場の影などの身を隠せる場所に群れをなして潜んでいます。

生態の理由

アブラハヤの生態として雑食性で貪欲な点があげられますが、なぜそのような性質を持ち合わせたのかといえば、それはアブラハヤが川魚の中のヒエラルキーで下位にいることに理由があるのです。

川魚にはそれぞれエサを取るための能力に優劣があるのですがアブラハヤは川魚のなかでもほとんどの魚よりその能力が低いのです。そのためイワナなどの他の魚たちから逃げていくような形で、その生態を変化させていきました。

アブラハヤの名称

名前の由来

アブラハヤは漢字で「油鮠」と書きます。この魚は体表を覆う鱗が細かく、かつその体表を粘性の体液で覆っています。この性質から、昔の人々に「油を纏ったようなハヤである」と考えられ、この名前を付けられたとされています。


地方名

アブラハヤは広く日本中の河川で見られる魚です。そのため、地域ごとに土着の地方名を持っています。ただ、この魚の地方名は少し印象の良くないものが多いです。例としてほんの少し紹介すれば「ドロクソ」「クソッパヨ」という名前があります。

アブラハヤはヤマメやイワナ釣りのエサ取りの外道として釣り師の間で古くより忌み嫌われていた経緯があり、そこからアブラハヤは少々難がある異名を多く付けられてしまいました。

アブラハヤの分布

元来の生息地

アブラハヤは日本はもちろんのこと、他の国にも生息している淡水魚です。例えば朝鮮半島や中国でも生息が確認されています。そして日本国内では近畿地方の岡山県から東北地方の青森県と広く分布しています。

放流

アブラハヤの生息する環境は時代を経るごとに変化していきました。もともとは日本では青森県より南、すなわち北海道には発見例がないアブラハヤでしたが、昭和中期になると北海道で生息しているようだという目撃例が出てきたのです。

そして平成に時代が変わり、2000年代になるといよいよ北海道の河川調査で正式にアブラハヤは定着していることが大学の有識者らによって報告されたのです。これらのアブラハヤの出処は人間による放流だと考えられています。アユなどの放流に伴い、アブラハヤもまた北海道に持ち込まれたのです。

アブラハヤの利用

釣りの対象魚として

アブラハヤは釣りの対象魚としても人気がある魚です。古くからヤマメやイワナ釣りの外道として嫌われ、悪意のある名前まで付けられるほど敬遠されてきた魚ですが、皮肉なことに現代では子供でも楽しめる川釣りの対象魚として人気があります。仕掛けは主にミャク釣りが一般的です。

食用として

アブラハヤはあまり食味が良くないというのが通説ですが、地方によってはこの魚を料理して食べるところもあります。また、アブラハヤに適した食べ方を選び料理することで他の食用とされている川魚に匹敵するほどの深い味わいが出るとされています。

観賞魚として

アブラハヤは釣りの対象魚としてだけではなく観賞用としても人気がある魚です。川魚は動作の激しい種類が多く飼育にはあまり向かないとされていますが、アブラハヤは川魚のなかでは比較的に大人しい性質の魚です。加えてこの魚は寿命も5年と長く、飼育のしがいがある魚としてアクアリウムなどに利用されています。

アブラハヤの釣り方

仕掛け

アブラハヤはその生態の特徴として雑食で貪欲なところが上げられます。そのため仕掛けを選ばずに釣れる魚ではありますが、その中でも一般的な仕掛けはミャク釣りとなります。

ミャク釣り

ミャク釣りとは、延べ竿を用いた釣り方です。ウキを使用せずにハリとオモリを主な仕掛けとしたシンプルな釣りの方法です。竿先にふれる微妙な振動や糸の流れでアタリを掴むという釣り方はシンプルでいて、それでいて奥深いものがあります。

ウキを使わないので一見すると難しい印象を持たれるかもしれませんが、アブラハヤのように簡単にエサに食いつくタイプの魚を狙う場合には初心者でも容易な、そして面白い釣りの仕掛けといえます。

エサ


アブラハヤは雑食性で何でも口に運びます。釣りのエサとしてはカワムシやサシが一般的です。また他にもミミズなどでも容易に釣れます。

それ以外のエサですと例えば魚肉ソーセージなどの本来、その生息地にないものでも代用できます。この魚は貪欲で目に付いたものは何でも口に運びます。エサのついていない仕掛けでも釣れたという話すらあるほどです。

アブラハヤの食べ方

秋から冬にかけてがアブラハヤの旬です。産卵期を終えたあとの方が、他の時期のものよりも美味であるとされ、食べるのに適した時期だといわれています。

選び方

食べる目的でアブラハヤを選ぶ際には生きているものがおすすめです。また、アブラハヤはその食性によって味わいが変わる魚となります。藻などの植物を主に食べているアブラハヤは藻特有の臭みが出てしまいます。

カワムシなどの動物性のエサが豊富な環境で生息するアブラハヤはシンプルに塩焼きで美味しく食べられますが、判別が難しい場合には臭みを消す料理法を選ぶのが無難です。

調理の注意点

アブラハヤの他にも川魚全般にいえる注意点として寄生虫の存在があげられます。川魚はカワニナと呼ばれる巻貝を介して寄生虫を宿し、そしてそれを人が生食した場合には人体に悪影響がでます。

アブラハヤを料理する際には必ず内臓を取り、そして十分に加熱調理するようにしましょう。また、アブラハヤの内臓はそのまま食べると強い苦味があります。食味が良くないという意味でも内臓はあらかじめ取り除いておきましょう。

アブラハヤの料理

アブラハヤ料理.1:から揚げ

アブラハヤを食べる際におすすめの食べ方としてまず紹介されるものが、から揚げです。まず、鱗を取ってから頭を包丁で落とします。その後で腹を割いて内臓を取り出してから流水で綺麗に洗いましょう。

水気をキッチンペーパーでしっかりと拭き取り、醤油と酒、みりんとニンニク、そして生姜を加えたタレに15分浸して下味をつけ、また水気を取ったあとで小麦粉をまぶして油で揚げればできあがりです。

コツ・ポイント 2度揚げしたほうが、よりよいです。 川魚なので臭みがありますので生姜とにんにくの両方を入れましたが、どちらかだけでも大丈夫だと思います。

アブラハヤ料理.2:南蛮漬け

アブラハヤの食べ方として古くから愛されているのが南蛮漬けです。から揚げにしたものを野菜とお酢で作った漬け込み液に入れて1日から2日程度冷蔵庫で保管すれば完成となります。

から揚げにしても南蛮漬けにしてもアブラハヤを骨まで美味しく食べられる食べ方となります。アブラハヤのように手に入る型の小さな川魚を食べる場合には、このような骨ごと食べることが可能な食べ方がおすすめです。

コツ・ポイント ハヤの腹の中の黒い膜は料理を苦くするので綺麗に取り除くこと。合わせ酢を熱いままかけること。酢の作用で骨を柔らかくして頭まで食べられること。

アブラハヤの近縁種タカハヤ

ハヤとは

ハヤとはそもそも固有名ではありません。コイ科の淡水魚で中型以下の長細い体型をもつ魚は皆、ハヤと総称されます。例えば、アブラハヤ以外にもコイ科のウグイやオイカワもハヤと呼ばれますが決して間違いではありません。

タカハヤとは


タカハヤはよくアブラハヤと混同される魚で、生息する場所も寿命などの生態もアブラハヤとよく似ています。別名も多く持っており、その多くが悪意を感じるような悪辣なものばかりです。例えば「クソムツ」などです。それはタカハヤがアブラハヤと同様に釣り師の間でエサ取りとして嫌われていたことに理由があります。

アブラハヤとタカハヤの違い

共通点

タカハヤはアブラハヤと同じく体表に粘性の体液を纏っています。また、川の上流から中流までに生息している点も共通した特徴といえます。そして、寿命もアブラハヤと同じく5年程度とされています。雑食で何でも良く食べ、産卵期もほぼ同時期で方法や場所も類似しています。

異なる点

アブラハヤとのもっとも特徴的な違いはその体表の模様にあります。アブラハヤの場合には体表に黒いラインがありますが、タカハヤの場合は違います。タカハヤの体色は暗い茶色で黒いラインは見られません。またアブラハヤとの違いは他にもあり、タカハヤはアブラハヤと比べて体長はわずかに小さく、鱗は大きく尾は長いのです。

交雑

アブラハヤとタカハヤは交雑することでも有名です。多摩川などのタカハヤのDNAにアブラハヤ由来のものがあることが調査により判明したのですが、まだまだ判別方法に難があり、ミトコンドリアなどを詳しく調べても交雑個体を正確に判別することは極めて難しいとされています。

アブラハヤのまとめ

総評

アブラハヤはその生息する場所に応じた個性を持っています。水質の応じて寿命に違いがみられたり、食べるエサの違いによって大きさに変化が生じたり食材として使用できる料理にも変化がでます。

釣りの対象魚としてもミャク釣り以外のウキを利用した仕掛けでもアブラハヤ釣りをより簡単に楽しめます。小さなお子様とレジャーなどでアブラハヤ釣りを楽しむのもよい思い出のひとコマとなりますのでおすすめです。

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