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デンキウナギ特集!電気作りの仕組みは?食べれる?そんな疑問を解説!

デンキウナギは本当に電気を発生させる魚です。ワニとデンキウナギの戦いや、うっかりデンキウナギを攻撃してしまった人がデンキウナギによって襲われるという事故も起こっています。今日はデンキウナギの発電の仕組みから、デンキウナギの味まで素朴な疑問にお答えしていきます。
2020年8月27日
佐藤3
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デンキウナギの疑問

デンキウナギはワニや人、馬までも気絶させることがあるといわれている危険な魚です。人に危険を及ぼす魚として「ピラニア」などもありますが、デンキウナギが生息する地域の人たちは「ピラニアなんてデンキウナギと比べたら赤子のようだ」というほど恐れられている生き物です。今日は、このデンキウナギの電気や発電の仕組みをご紹介します。また、ウナギと名がつくなら食べることが出来るのか?という素朴な疑問にもお答えしていきましょう。

デンキウナギについて

デンキウナギの発電の仕組みやその味も気になりますが、まずはデンキウナギが住んでいるところなど、デンキウナギの基本情報を御覧ください。

科名・属名

デンキウナギは、デンキウナギ目ギュムノートゥス科デンキウナギ属に属する生き物です。ギュムノートゥス科という代わりに「デンキウナギ科」とされているところもありますが、どちらでも良いそうです。デンキウナギには1属に1種類しか確認できていない魚です。

原産地・生息地

デンキウナギが住んでいるのは、南アメリカのアマゾン川流域です。アマゾン川水系だけでなく、オリノコ川水系の川でもデンキウナギが目撃されています。

英語名・由来

英語名は「Electric eel」直訳しても電気のウナギ、すなわちデンキウナギとなります。学名は「Electrophorus electricus」デンキウナギ属デンキウナギという意味となります。やはりこのウナギの一番の特徴である「発電する」「電気を蓄えている」ということが名前の由来となっています。

大きさ

日本で養殖されているウナギや、川などにいるウナギの大きさを想像していると、デンキウナギを見たらさぞ驚く人もいるでしょう。その長さは大人になると2.5mを越えるものもザラで、自然豊かなアマゾン川の中でもとても巨大な魚のひとつとされています。その太さは大人の男性でも掴みきれないくら太くなります。

デンキウナギの発電の仕組み


デンキウナギの外見的特徴や生息地などを知ったところで、早速「なぜデンキウナギは電気を発電できるのか」というその発電の仕組みについてご紹介します。

体内の様子

デンキウナギの発電の仕組みを知るには、デンキウナギの特殊な体内の様子を知っておく必要があります。蒲焼きなどにされるウナギがさばかれているのを見たことがあるでしょうか。あの長い体の腹がわに胃袋や長い腸が平均的に詰め込まれています。しかし、デンキウナギの内臓類はすべて人でいうなら頭の下、あごのあたりまでに詰め込まれています。デンキウナギの排泄する器官はあたまからすぐ下のところにあるのです。

デンキウナギの発電器官

それでは、デンキウナギの発電の仕組みよりも先に「2.5mにもなるデンキウナギの大部分はどうなっているのか」という疑問がわいてきます。デンキウナギの内蔵より先の部分はすべて「発電器官」となっています。その数、数千個というのですからその発電の仕組みが相当なものであるということが予想できるでしょう。デンキウナギの発電版で発電できる電力は0.15Vといわれています。しかし、それが数千枚あるのですから、デンキウナギの発する最高電圧は600V~800Vにも達します。電流は1Aですから、これを直に流し込まれたらワニや人が気絶してしまうのも当然です。

デンキウナギの攻撃

デンキウナギの電気攻撃に関する報告としては、長い間1800年に発表されたドイツの博物学者であるアレクサンダー・フンボルトが残した「デンキウナギが馬に攻撃して5分ほどで馬は気絶。水の中で溺死した」ということだけでした。フンボルトが見たことが本当か嘘かを裏付ける証拠が見つからなかったためです。

人の被害

デンキウナギを誤って水の中で踏んでしまった人で、たまたま心臓が弱い人であった場合、ショック状態になって心臓停止などにあう事故になる可能性もあります。デンキウナギを掴んでしまって、感電して手が離れずに電気を受け続けそれにより気絶することもあるそうです。

馬が気絶するのか

人も小さな動物ではありませんが、さらに体が大きな馬を感電させて気絶させるほどの電気の力はデンキウナギには無いといわれています。馬には長い足があり、電気の感電のショックにより大きな被害を受けるであろう心臓は、ウナギの攻撃を受けているそれよりももっと上にあります。水の中からデンキウナギに攻撃されてもそれほど大事にはならないというのが学者の意見でありました。

ジャンプ攻撃

アメリカの大学教授ケネス・カタニア氏の調べにより、デンキウナギは水面からジャンプしてより大きなダメージを敵に与えようとする攻撃をすることがわかりました。これにより、デンキウナギが発電する電気の通常ダメージよりも大きな感電ショックを馬(相手)に与えることになったのだろうという考察がされました。

デンキウナギは感電するのか


人やワニ、馬までも感電させてしまうほどの強い電気を発電して、デンキウナギ自身には被害がないのでしょうか。水の中なのですから、自分が放電した電気でデンキウナギも感電しそうと思いますよね。たしかに、デンキウナギ自身も自分の電気に感電しているそうです。しかし、体内にたくさん脂肪をたくわえてそれを絶縁体の代わりにして感電のショックを抑えているそうです。デンキウナギのあの大きな体のほとんどは発電版と絶縁体がつまっていると思っても間違いではありません。そのせいでデンキウナギは自分が放電した電気に感電して気絶してしまうことはないのです。

デンキウナギの泳ぎ

デンキウナギの体の大部分は尻びれであり、その尻びれをくねらすことでデンキウナギは進みます。しかし、デンキウナギの泳ぎ方は特徴的で前方だけでなく後ろにバックして進むこともできます。

デンキウナギの釣り方

デンキウナギは普段岩の隙間のように物陰を好んでねぐらとしています。デンキウナギは肉食。餌に他の魚の切り身などを付けたエサ釣りで釣り上げることが可能です。しかし、あの大きさの魚ですから口周りも相当硬くて針が通りません。デンキウナギがごくんと餌を飲み込んだ喉に合わせるようにアタリを取ることではじめて釣ることができます。また、先程の後ろに下がることも出来る泳ぎ方から、巣穴にもぐられたら苦戦すること必死なので、一気にデンキウナギとの勝負をつけることが大切です。

デンキウナギを食べることが出来るのか

2.5Mもの大きさになることもあるデンキウナギ。これが食べることができたらどれだけ大きな蒲焼きが作れんだろうと心躍らせる人も多いでしょう。甘じょっぱいタレにつけて香ばしく焼き上げたウナギの蒲焼きは、とても美味ですね。サイズが大きければ大きいだけその喜びも大きいでしょう。

デンキウナギを食べる①感電

まずは、デンキウナギは頭から下が発電板であるということです。この発電板に電気が蓄えられていたりして食べることで感電したりしないのでしょうか。デンキウナギを刺し身で食べた人によると、たしかにデンキウナギの肉は「ピリッとした電気を感じる」ものであったそうです。例えるなら、乾電池を舐めてみた時の味。または、アルミホイルを噛んだ時の味だそうです。感電するほどの電気ではないので食べてもショックを受けることまではありません。

デンキウナギを食べる②味

デンキウナギの味ですが、生のデンキウナギの肉の味はいうなれば「電気の味」です。アルミホイルを噛んだときのような味とお伝えしましたが、食べると金属っぽい味、酸味のある金物の味。歯の詰め物でスプーンを噛んでしまったときのような味がします。

デンキウナギを食べる③似ている食べ物

デンキウナギを蒲焼き風に焼いてタレをつけて食べると、また味が変わります。生では電気の味、金臭い味がしましたが、焼くと「とんカツの脂身の部分」を食べているような触感とタレの味になります。これは金属を食べるほど不快な味ではありません。しかし、とんかつ全てが脂身であることを想像してください。食べても食べてもあのフニャフニャとした触感の食べ物はさすがに飽きてしまうでしょう。デンキウナギは自身の出す電気の絶縁体として脂肪分を蓄えています。その肉はほとんどが脂肪であることがわかります。


デンキウナギ以外の発電する生物

自分の体の中で電気を発電して蓄え、敵に攻撃をするデンキウナギ。同じように電気を自分で作る生物は他にもいます。どれも海の中に住む魚類です。

電気ナマズ

ナマズ目デンキナマズ科に属するナマズの一種です。アフリカに生息する淡水魚。デンキウナギが体の後ろ側ほとんどであるのに対して、電気ナマズは体の表面に電気を作る器官をまとっています。体の周りに電場を作って、小魚などを攻撃して餌にします。その発電量はデンキウナギとくらべて弱く350V程度といわれています。

シビレエイ

シビレエイもその名の示すとおり、電気でしびれさせることで攻撃をするエイの一種のグループに属します。エイといってもその形は丸みを帯びた様子をしています。シビレエイはそれ自体体長35センチほどの、他の電気を出す魚と比べてあまり大きくならない魚です。発電器官はその丸い体の左右に1対の形でついています。発電器官だけ取り出してみると幅は3センチほどで、それだけでも電気を作り続けることもわかっています。「最大電圧で19V、最大電流は8Aであった」と、日本の理化学研究所が発表しています。

エレファントノーズフィッシュ・アロワナの仲間

エレファントノーズフィッシュやアロワナ目の魚の一部にも電気を作る器官があります。その中でも面白いのがアロワナ目モルミルス科の魚で、この発電器官を仲間同士のコミュニケーションとして利用するという点です。「魚はどうやって意思疎通をしているのだろう」と疑問に思ったことがある人もいるでしょう。ニオイを出したり、光で他の魚をおびき寄せる魚もいます。アロワナ目モルミルス科の魚は自身から出した電気が周りの障害物に跳ね返って戻ってくる様子で、周りの状況を知るのに使っています。

まとめ

デンキウナギの発電の仕組み、デンキウナギの刺し身(生)・デンキウナギの蒲焼き(焼いた身)の味をお伝えしてきました。自身の体を電気を発電するために独特の進化をとげたとても珍しい魚で、その身は脂身ばかりだったというのがわかりました。とても大きく成長するデンキウナギですが、食用には向かないのは残念でした。