マトウダイとは
マトウダイはマトウダイ科に属する魚です。温暖な海域を好み、日本では本州の中部から太平洋の西部にあたる東シナ海にまで生息しています。平均では40センチほどの全長で、大きいものでは90センチほどまで成長すると言われています。
洋食の高級食材
日本では漁獲する量も多くなく、メジャーな魚とは言えないかもしれません。マトウダイは日本よりもヨーロッパで有名で、洋食で好んで用いられます。その中でもマトウダイのムニエルは人気の高い料理になります。
マトウダイの名前の由来
なぜマトウダイと呼ばれているかはその姿を見れば一目瞭然でしょう。マトウダイの身体の側面中央には黒い的のような斑点があります。この的のような特徴を持つことがマトウダイの名前の由来のひとつと言われています。
馬に似た顔
マトウダイの名前の由来として、その顔の特徴もあげられます。マトウダイの顔は馬に似ているように見えます。この顔がマトウダイの名前の由来という説もあります。確かにそう言われるとマトウダイの顔は馬によく似ているように見えます。
フランスではサン・ピエール
この2つの特徴からマトウダイは「馬頭鯛(マトウダイ)」もしくは「的鯛(マトダイ)」と呼ばれます。ちなみに高級食材として扱われているフランスではサン・ピエールと呼ばれています。その名称からも高級感が漂います。
マトウダイの生態と旬
群れを作らない魚
群れを作らず単独で泳いでいるマトウダイ。このことがマトウダイの漁獲が少ない理由のひとつでもあるそうです。魚を好んで食べ、その他甲殻類を捕食することもあります。大きな口を活かして吸い込むようにして獲物を捉えると言われています。
地域によってズレがある産卵期
産卵期は春から初夏までと言われていますが、地域によって違いもあるようです。一般的に北に行くほど産卵期が遅くなる傾向があり、早い地域では冬から産卵期に入るとも言われています。マトウダイは成長が緩やかな魚で平均的な大きさである40センチ前後になるには10年ほどの年月を要します。
マトウダイの旬の時期
マトウダイの旬の時期は産卵前だと言われています。そのため、マトウダイの旬の時期は地域によって多少のばらつきがあります。マトウダイの卵も非常に美味しいと評判で、旬のマトウダイの中でも抱卵したマトウダイは人気が高いです。
釣るのも旬の時期がおすすめ
マトウダイを釣るとしても旬の時期がおすすめです。マトウダイは通常は深海にいる時間が長い魚ですが、産卵期は水深40メートルから50メートルの比較的浅瀬に移動します。釣り方は生きたイワシを餌にする泳がせ釣りや、ジギングなどがよく用いられています
マトウダイの捌き方
マトウダイの捌き方1
マトウダイの捌き方を紹介します。マトウダイを捌く時ははじめに頭を切り離します。なおマトウダイにはウロコがないので、ウロコを取る作業はしなくても大丈夫です。ヒレの付け根辺りから包丁を入れる作業をマトウダイの両面で行います。
マトウダイの捌き方2
マトウダイの頭を取り除くときに、同時に内臓と血合いも取り除きます。頭、内蔵、血合いを取り除いたらマトウダイを真水で水洗いしましょう。また、このときに使用している包丁とまな板も水洗いしておくと殺菌がとれ、衛生的によいです。
マトウダイの捌き方3
水洗いまで終えたらマトウダイを三枚に捌きます。腹の方から包丁を入れていき、背骨に沿うようにしてマトウダイを開いていきます。マトウダイには棘状の突起があるので、気をつけましょう。この作業を腹側だけでなく背中側からも行います。
マトウダイの捌き方4
この作業までを終えて片身が捌き終えた状態になります。反対側も同じような方法で捌くことでマトウダイを3枚におろすことができます。マトウダイは身が割れやすい魚なので捌くときに注意しながら行いましょう。
マトウダイの基本的な料理と食べ方
上品な味を楽しむ
マトウダイは高級魚に数えられるだけあり、非常に上品な味が人気です。洋食のムニエルがマトウダイの料理の代表格ですが、それ以外にも美味しい食べ方はいくつもあります。マトウダイの基本的な料理と食べ方を紹介します。
マトウダイの基本的な料理と食べ方1:刺身
マトウダイそのものの味を楽しむと言ったら何といっても刺身でしょう。新鮮なマトウダイが手に入ったら刺身として食べるのがおすすめです。マトウダイの刺身はクセがなく、刺身が苦手な人でも美味しく食べられると人気があります。ほのかな甘みがあり、素材の味を楽しむことができます。
マトウダイの基本的な料理と食べ方2:焼き魚
刺身もよいですが、焼き魚のマトウダイも非常に美味しいと評判です。そのまま焼いても美味しいですが、味噌漬けにして焼くという料理法も人気があります。小骨がないため食べやすい点も魅力です。
マトウダイの基本的な料理と食べ方3:肝と卵の煮付け
マトウダイは肝と卵も食べることができ、また非常に美味しいです。おすすめの食べ方は煮付けで、また鍋などにしても美味しいです。新鮮な肝の場合は肝醤油を作って、刺身と一緒に食べるというのが通の食べ方です。
マトウダイのおすすめレシピ①ムニエル
マトウダイのムニエルはフランス料理の定番のひとつとしてあげられます。ムニエルとは、魚に小麦粉をつけてバターで焼くというフランスが発祥の料理です。調理方法はそこまで難しいものではありません。基本的なマトウダイのムニエルの作り方を紹介します。
マトウダイのムニエルの作り方1
はじめにマトウダイに下味をつけます。下味には塩とこしょうを使い、マトウダイに適量の塩とこしょうをふり、数分間放置して味を馴染ませます。このときにマトウダイから水が出てきたらキッチンペーパーなどで拭き取りましょう。
マトウダイのムニエルの作り方2
マトウダイに下味が馴染んできたら小麦粉をまぶします。小麦粉のつけ方にはコツがあり、焼く直前に薄くつけると上手に焼けます。ムニエルはカリッとした状態が美味しいです。小麦粉をつけたままの状態が長かったり、小麦粉をつけすぎるとこの状態から遠ざかるので気をつけましょう。
マトウダイのムニエルの作り方3
フライパンにオリーブオイルを敷いて、バターを熱します。この時ににんにくなども一緒に加えるとムニエルに風味と香りがつきます。バターが溶けてきたらマトウダイをフライパンに加えます。このときのポイントはマトウダイの皮の方をフライパンに当てることです。
マトウダイのムニエルの作り方4
焼き目がついてきたら反対側も同じように焼いてマトウダイのムニエルの完成です。ムニエルというと作ったことがない人は難しく思うかもしれませんが、調理方法は難しくありません。機会があったらマトウダイのムニエルにも挑戦しましょう。
マトウダイのおすすめレシピ②マトウダイの昆布〆
刺身にアレンジを加えたレシピ
刺身や煮つけ、ムニエル以外でもマトウダイの美味しい食べ方がたくさんあります。マトウダイのおすすめレシピを紹介します。はじめに紹介するのはマトウダイの昆布〆です。マトウダイの刺身にアレンジを加えたおすすめレシピです。
材料 マトウダイ(大)半身 昆布半身包める大きさ 酢大さじ2
1マトウダイをさばいて柵をとります。 2昆布の汚れを取り、酢で拭きます。昆布を敷き詰め柵をのせます。 3昆布を上にのせ、1日ほど冷蔵庫で置きます。 4柵を薄切りにして、刺身状にしていただきます。
マトウダイのおすすめレシピ③カルパッチョ
カルパッチョにしても美味しい
刺身のアレンジレシピとしてもう一点、マトウダイをカルパッチョにしたレシピもあります。マトウダイはカルパッチョにしても美味しく食べることができます。ここでは菜の花を添えたカルパッチョを紹介します。旬であったりお好みの具材を加えて美味しいカルパッチョを作りましょう。
料理レシピ 材 料(2人分) マトウダイ1/2尾 菜の花2把 トマト1個 ゆず果汁大匙1杯 EXヴァージンオリーブオイル大匙1杯 塩少々 乾燥バジル少々
1マトウダイは刺身用のものを使い、薄切りにします。鍋に湯を沸かして菜の花を50秒茹で、ざるにあげて粗いみじん切りにします。トマトをさいの目切りにします。 2菜の花とトマトをボウルに入れ、オイル、果汁、塩、バジルと共に和えます。器にマトウダイをのせ、上から野菜をかけて完成。
マトウダイのおすすめレシピ④マトウダイのソテー
マトウダイはソテーもおすすめ
マトウダイはソテーにしても美味しい魚です。ムニエルだけでなく、ソテーにしても美味しいところがヨーロッパでの人気の秘訣かもしれません。ワインの香りが食欲を誘うマトウダインのワインソテーのレシピを紹介します。
材料 (2人分) マトウダイ(白身の魚)1匹 白ワイン 100CC ブラックオリーブ10個 ニンニク 1かけ 岩塩適量 胡椒適量 プチトマト4個 ローズマリー 適量
1魚は、鱗と内臓を取り除きます。 岩塩・胡椒を振り小麦粉をまぶします。 2フライパンにオリーブオイルをいれ、スライスしたニンニクを入れます。香りが出たら魚を入れ中火で焼き・・・・強火にして綺麗な焼き色が着いたらひっくり返します。 3中火で表面を焼き上げたら、白ワイン・トマト・ブラックオリーブ・ローズマリーを入れます。蓋をして蒸し焼きにします。中まで火が通ったら皿に盛り付けます。残った、ソースに塩コショウで味を調えて魚に掛けます。 4お好みでレモンを絞って食べてくださいね。付け合せに長芋も一緒に焼いていました。
マトウダイについてまとめ
マトウダイの旬の時期や、捌き方、おすすめの調理方法などを紹介してきました。どのレシピも美味しそうで一度は捌いて食べてみたいですね。またヨーロッパの特にフランスに行く機会があったら、本場のマトウダイのムニエルを食べてみるのも良いかもしれません。
マトウダイは漁獲量自体は多くはないですが、市場に出ることが全くないというわけではありません。また釣ることも不可能ではなく、特に産卵前の時期は狙い目です。マトウダイを手にする機会があったら、調理して美味しく頂きましょう。