トローリングとは?
トローリングとは簡単に言えばボートを走らせながら疑似餌(ルアー)を流して魚を釣ることを言います。この時のボートの速度はルアーや対象魚、その日の海のコンディションなどによって変わります。 トローリングはスポーツフィッシングとして世界中で親しまれており大会なども開催されています。その中には「JGFA(日本ゲームフィッシュ協会)」という非営利団体の協会もあり世界で競い合っています。
トローリングに似た漁法も
トローリングと似た漁法として、日本には古くから「曳き縄釣り」という漁法が存在しています。これは漁師さんたちが試行錯誤をくり返し、数々の工夫を重ねてできたトローリングにも及ばない理にかなった漁法です。
トローリングの対象魚
トローリングで狙える魚種は青物や回遊魚が基本でカジキやマグロ、カマスサワラなどの大型魚、カツオ・ブリ・ヒラマサ・シイラ・カンパチなどの中型魚など多種にわたります。
ライトトローリングとの違い
スポーツフィッシング機構の「IGFA」(国際ゲームフィッシュ協会)が定める規定ではラインの強度別に分類され主に※20ポンド(10kg)以下のラインで行うトローリングを「ライト・トローリング」とし対象魚としてはスズキやタチウオを始めとし、シイラやカツオも狙うことが多いです。 そして20ポンド以上のライン強度で行うものを「ビッグゲーム・トローリング」と定めており、対象魚はキハダやクロマグロなどのマグロ類やカジキ類、また沖サワラと呼ばれる大型のサワラがあります。 ※ポンド(lb)とは…ラインの強度を示す釣り用語で1ポンド=約450g
トローリングの艤装
トローリングをする上でかかせない道具がボートです。ここではそのトローリングをするにあたって必要なボートの艤装を目的や選ぶポイントも含め徹底的に解説していきます。
ロッドホルダー
一般的な釣りとは違いトローリングのタックルは大きく、そしてとても重量があります。それを長時間もっているわけにはいきません。そこでトローリングの艤装に必ず必要となるのがロッドポストとも呼ばれるロッドホルダーです。 ロッドホルダーは5つのパターンに分かれていて狙う魚種によって選択するといいでしょう。
ロッドホルダーの種類
【埋め込み型】サイドデッキなどに埋め込む。これが1番良いと言われています。 【横付け型】サイドデッキボードなどに付けて使用します。 【直立型】トランサムデッキのような幅のないところに埋め込む形になっています。 【自由形】ロッドの角度が自由に調整できるのが特徴です。 【レール用】パルピットなどに付けることができ、装備が簡単で扱いやすいです
アウトリガー
トローリングではロッドを何本も出すことが多いためルアーやラインが絡まないようにアウトリガーを使います。アウトリガーは、アウトリガーポールとアウトリガーホルダーの2つからなります。 選ぶ時のポイントとしては、まず自分のボートの大きさに合ったアウトリガーホルダーを選び、アウトリガーポールはそのアウトリガーホルダーに使えるものを選ぶようにしましょう。
アウトリガーは硬いものがおすすめ
また、アウトリガーポールは軟らかすぎるものを選んでしまうと、アウトリガーポールがしなりルアーに必要以上のアクションがついてしまうため、できるだけしなりの少ない硬めのアウトリガーポールがおすすめです。
その他 機器
その他細かい機器も安全に釣りを楽しむためには、あった方がいい艤装を4つご紹介します。
水温計
海水の温度を把握することができます。 魚たちは温度にとても敏感なので水温を知ることで居場所をさぐることがでるので、あると便利です。
GPS
ボートは車とは違い、波や風を受け気づかないうちに流されてしまうことがあります。一度流されてしまえば自分の位置を知るのも、しっかりとした知識がなければ一苦労です。そこで、GPSがあればボートの居場所を把握しておくことができます。広大な海の上で、自分の居場所を知ることは命を守ることにも繋がります。楽しむために安全も確保するようにしましょう。
魚群探知機
俗に言う「魚探」とよばれるものです。自然を相手にする釣りには地球を知ることも、ひとつのポイントになってきます。 海底の形や魚影を知ることが釣果の分かれ目となるポイントです。
無線
外部との連絡手段に必須です。大会では無線を飛ばしあい情報交換をしながらフィシングスポーツを楽しむ場面もありますし、万一の時の連絡手段にもなります。 安心、安全を最優先にフィッシングスポーツを楽しんでみてはいかがでしょうか。
トローリングのタックル紹介
タックルは対象魚によって得意、不得意があり、扱いやすさも何もかもが変わってきてしまうので一概には言えませんが、ここでは筆者が推薦するタックルを「ロッド」「リール」「ライン」にわけて、それぞれ2つずつご紹介していきます。
トローリングのロッドおすすめ
世界中から絶大な支持を集めているPENN。ヘビーからライトまで幅広いトローリングに対応できるグラス素材のロッドです。PENN ペン インターナショナル V ファイブ 2スピードリールとの組み合わせで最強のタックルです。
通常のトローリングロッドよりも柔らかくしなやかにしたことで30lb〜80lbクラスの幅広いラインクラスのファイトが楽しめます。 また、ロッドの長さも変えてあるため、スタンディングファイトからチェアファイトも兼用できるように設計されているロッドです。
トローリングのリールおすすめ
PENN ペン インターナショナル V ファイブ トローリングロッドとのベストコンビネーションタックルのリールです。
信頼のドラグとシンプルな操作性で、見事なクランキングパワーを発揮するリールです。どんなターゲットのファイトにも充分に対応してくれる道具です。
このリールは世界初のスマートシフトリールです。自動でギアを調節してくれる、アングラーが一生を通してパートナーにしたい道具であること間違いなしです。
トローリングのラインおすすめ
日本産で世界のアングラーも納得の信頼と実績ある、人気のラインです。 蛍光イエローが目視性抜群の人気カラーです。
ベテランアングラーが求めるラインとしても紹介されています。 ベテランアングラーが要求するラインのしなやかさと結節の強さが圧倒的人気の秘訣です。 オレンジが目視性抜群の人気カラーです。
トローリング ルアー選びのポイント
疑似餌と呼ばれるルアーを本物の餌に見せかけて釣り上げるトローリングですが、そのときに選ぶルアーのポイント「選ぶときに知っていたいこと」を2つご紹介します。
対象魚を知る
その時期に自分が狙いたい対象魚は何を食べているのか、ベイトフィッシュと呼ばれる「捕食しているもの」を知ることが大切です。ベイトフィッシュは仲間などを積極的に作り情報を集めてもいいですし、魚の胃袋を開くことでも情報を得られます。また、ルアーは対象魚に合わせて大きさも変えていかなければならないので、対象魚の生態を知ることも大切です。アングラーとしてベイトフィッシュや対象魚を知ることは、良いルアーを選ぶ重要なポイントになります。
フィールドを知る
魚ならどこで釣っても同じだと、自然を甘くみていてはいけません。自分のフィールドとなる海の情報をしっかりと知り、把握することが釣果につながります。自分のフィールドの水温や魚の流れを知りルアー選びに役立ててみてください。
トローリングの仕掛けはこれだ!
トローリングに使うタックルのひとつである仕掛けを「ヒコーキ」「ラビット」「潜行板」「バクダン」「ビシマ糸」の5つを役割から使用方法、初心者必見の購入のポイントまで徹底解説します!!
トローリングの仕掛け1:ヒコーキ
トローリングの仕掛けの中でもっとも多く使用されるのが、このヒコーキと呼ばれる集魚具です。左右に飛行機のような羽がついているため「ヒコーキ」と呼ばれるようになったとされています。
この仕掛けの役割としては疑似餌を本物のように見せる効果があります。 ボートに引っ張られたヒコーキが水面を飛び跳ね、左右両方についた羽で水しぶきを上げます。その水しぶきがナブラと呼ばれる小魚の魚群を表現し、魚たちにアピールすることで釣果につなげるのがヒコーキの役割です。 また、魚がHITするとヒコーキが沈むので、かかったがとうかを判断することができます。
選ぶポイント
対象魚に合わせた大きさのタックルを選ぶようにしましょう。暖流系のカツオやメジマグロなどや、寒流系のハマチやブリなどに適したヒコーキもあれば大型魚のカジキやマグロでは切れてしまうタックルもあります。 また、連結して使用し小魚が飛び跳ねているように見せる「バード」とよばれるタイプの仕掛けもあります。
対象魚に合わせた重さを
タックルを選ぶ時のポイントとしては、対象魚に合わせた重さのものを選ぶようにしましょう。出来るだけ、重すぎない程度に重量感のあるもので、性能の良い「スイベル」と呼ばれる(サルカンとも言う)ラインを結ぶ金具のついた仕掛けを選ぶのがおすすめです。
ヒコーキを曳くポイント
ヒコーキを曳くポイントとして大切なのは、何と言っても船速。船の速度です。ヒコーキが作る水しぶきが最大になる船速を調整するようにしましょう。また、ヒコーキが重すぎると水しぶきを出すのに船速が速くなりすぎてしまったり、軽いと風や波に流され仕掛け同士を絡めてしまいます。自分の狙う対象魚に適したファイトができるよう、道具選びをしっかりとして、ボートの船速を調整するように心がけましょう。
トローリングの仕掛け2:ラビット
ラビットの役割は「ヒコーキ」と同じでボートで曳いたときに水しぶきを上げることで魚たちにアピールすることができるタックルです。海が荒れているときや、ボートを速い船速で曳いたときなどに安定性があり、確実にルアーをアクションさせることができるので使いやすい道具としておすすめです。
大型魚に力を発揮
カジキやマグロなどの大型魚を対象としたビッグゲームの時はヒコーキよりもラビットの方が有効なので、対象魚によって仕掛けを変えてみてはいかがでしょうか。
ラビットを曳くポイント
ラビットを曳くときのポイントとしては、やはり船速です。 しかしラビットの良いところは、ヒコーキよりも羽が小さい仕掛けなので神経質にならずファイトを楽しむことができる道具になっています。
トローリングの仕掛け3:潜行板
潜行板をボートで曳くと、タックルが海中に潜行してルアーを沈める役割をしています。海中で潜行板は、水の抵抗によって板が左右に揺れる仕掛けで、魚がヒットすると板が反転して浮上する道具です。
潜行板のポイント
潜行板を使用するポイントとしては、太陽の位置が高くなり、対象魚が海の中層に潜ってしまったときなどに有効な道具です。左右に大きく振らせることが大きなポイントなので、このときの疑似餌は小さいものを使用するのがおすすめです。
トローリングの仕掛け4:バクダン
実際には大げさな表現ですが、爆弾を水面に投下したときのように、大きな水しぶきを上げることからバクダンと呼ばれています。
波とアウトリガーロッドの反発を利用し、シャクリ動作を自動的につくりだす役割があります。カツオ、キハダ、メジマグロなどに有効な道具です。
トローリングの仕掛け5:ビシマ糸
ルアーを沈める役割を持っています。対象魚に合わせてグミとも呼ばれるグミ型のオモリの量を決めて使用します。この仕掛けはヒコーキやバクダンのようにルアーにアクションをつける道具ではないので注意が必要です。
トローリングのノット4選
トローリングノット:ビミニツイスト
トローリングノット「ビミニツイスト」とは、PEラインをダブルラインにする編み方です。PEラインには、このビミニツイストが最も適していると言われており、ライト・トローリングで使用するラインは。PEラインがおすすめです。
トローリングノット:三つ編み
トローリングノット「三つ編み」とは、ナイロンラインの先端をダブルラインにする編み方です。三つ編みはナイロンラインに最も適しており、いきなりヒットしたときの合わせ切りも防げる編み方です。
トローリングノット:ループ トゥ ループ
トローリングノット「ループ トゥ ループ」とは、ダブルラインとクランキングリーダーの結び方です。リーダーとダブルラインの連結部を、クランキングリーダーという道具を用いてこのループ トゥ ループでノットするこで直接リールに巻き込むことができるのでギャフが打てるすぐ近くまで引き寄せることが可能になります。 ぜひ覚えておきたいノット方法です。
トローリングノット:スイベルノット
トローリングノット「スイベルノット」とは、スナップスイベルを留めるために、スナップスイベルをノットする結び方です。
トローリングでルアーにアクションをつける!
トローリングに欠かせない道具のひとつとして疑似餌、つまりルアーがあります。ルアーを上手に操れなければ釣果には繋がりません。 ここでは、ルアーのアクションを左右するポイントを3つご紹介します。
コツ1:ヘッドの角度
ルアーにアクションをだすなら、ルアーだけでなく、ルアーヘッド選びも大切です。ルアーヘッドの重量に合わせてルアーヘッド角度を選んでみてください。ルアーヘッドの軽いものは80〜90度くらいのカットのものを選び、ルアーヘッドの重たいものは60〜70度くらいのきつい角度のものを選ぶと良いでしょう。
コツ2:船の速度
ルアーをボートで曳きながら釣りを楽しむのがトローリングです。そこで重要になってくるのはボートの速度です。船速はルアーにとってベストな状態から、遅くても速くてもルアーの動きを悪くする原因になってしまいます。ルアーに適した船速を決めることが、ルアーにアクションをつけるポイントです。
トローリングのコツはこの2つ!
ここではトローリング入門をするうえで大切なコツ2つを徹底解説していきます。
コツ1:全体の把握
トローリングは自分のボートで仕掛けを曳いていくので、魚とのやりとりにばかり気を取られているわけにもいきません。仕掛けによってはボートの後ろから10m、20mまたは50mといった、さまざまな長さの仕掛けを曳いているということを常に念頭に置いておかなければなりません。
他船の動きも把握しておく
他船が自船の後ろを通りスクリューで仕掛けを切られ、せっかくのチャンスを逃してしまうこともあります。いつ訪れるか分からないチャンスを確実に掴むためにも、ボートから仕掛けまでの全体、そして自船の周囲全体をしっかりと把握しておくことが大切です。
コツ2:仕掛け選び
魚がいつも表層にいるとは限りません。陽が高くなり中層に移動してしまうこともあります。いくらルアーをながしても、その層に魚がいなければ意味がありません。まずは魚がいる層を把握しましょう。その時々にあったタックルや道具を使い魚とのやりとりを楽しんでみてください。
海底の状態も考える
そして、中層や深層を曳く場合にはフィールドの地形(海底)を考える必要があります。たいていの場合、海底は岩礁などの凸凹があります。仕掛けをロストしないように魚探なども見ながら曳くこともトローリングを楽しむコツです。
まとめ
数々の基礎知識をふんだんに盛り込み、トローリングについて徹底解説してきましたが、知識だけでは魚は釣れません。知識は経験に変えてこそ自分のものとなります。 実際に海へ行って溢れる情報を考慮し、さまざまなタックルや沢山の道具を駆使して、自分にあったトローリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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