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昼顔(ヒルガオ)とは?朝顔や夕顔との違いと育て方をご紹介!

昼顔(ヒルガオ)はツル性植物で、名前のとおり、お昼間だけ、かわいらしい丸い花を咲かせます。大変強い多年草で、地下茎をグングン張り巡らせる性質です。昼顔(ヒルガオ)の育て方のポイントや、よく似てる朝顔・夕顔・夜顔との違いなどをご紹介いたします。
2020年8月27日
Yukari.S
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昼顔(ヒルガオ)の基礎知識1・特徴

昼顔(ヒルガオ)の花

昼顔(ヒルガオ)は、つる性の多年草です。葉っぱの付け根に蕾がつき、直径5センチ前後のかわいい花を咲かせます。花の開花時期は、夏6~8月頃で、条件が合うと、次々と花を咲かせ続けます。昼顔(ヒルガオ)の花は、朝もしくは昼に開花し、夕方には花を閉じる「一日花」です。この花の性質から、昼顔(ヒルガオ)の名前がつけられました。

昼顔(ヒルガオ)の葉

葉っぱは、長さ15センチ前後で、先の丸い三角形をしています。

昼顔(ヒルガオ)の根

昼顔(ヒルガオ)は地下茎で増えていきます。とても強く、どんどん広がる性質です。いざ、ほかの植物を植えたいと思っても、一度張り巡らされた昼顔(ヒルガオ)の地下茎をすべて駆除するのはとても大変です。そのため、農業に従事する人の間では、昼顔(ヒルガオ)を雑草として取り扱うこともあります。昼顔(ヒルガオ)の花はとても愛らしく、雑草扱いというのはもったいないです。場所を区切る、鉢に植えるなどして、ガーデンに上手に取り入れて楽しむとよいでしょう。

昼顔(ヒルガオ)の基礎知識2・似てる植物

昼顔(ヒルガオ)と似てる植物として、まず思いつくのが朝顔ではないでしょうか。小学生の頃、夏休みに育てて絵日記をつけたという懐かしい思い出をお持ちの方も多いようです。そのほかにも昼顔(ヒルガオ)と似てる植物として、夕顔や夜顔という植物があります。それぞれの特徴、昼顔(ヒルガオ)と似てるところや違いについて見てみましょう。

昼顔(ヒルガオ)と似てる植物1・朝顔

朝顔は、ヒルガオ科サツマイモ属のつる性植物で、一年草です。朝顔と昼顔(ヒルガオ)のひとつめの違いは、属名です。また、昼顔(ヒルガオ)が多年草なのに対して、朝顔は一年草です。ちなみに朝顔の原産地は、熱帯アジアやヒマラヤ山麓。日本では、鑑賞用の園芸品種の朝顔が数多く存在します。朝顔は、名前の通り早朝に花を咲かせ、午前中にしぼんでしまいます。これもお昼に咲く昼顔(ヒルガオ)との違いです。朝顔の花色は、紫、ピンク、白、水色などさまざまで、濃い地色に白い斑入りの華やかな品種もあります。

昼顔(ヒルガオ)と似てる植物2・夕顔

夕顔は、ウリ科ユウガオ属の一年草です。昼顔(ヒルガオ)と夕顔の違いとして、科名属名、一年草と多年草の違いがあげられます。夕顔の原産地は、インドや北アフリカです。夕顔も、昼顔(ヒルガオ)と同じく、つる性植物です。夕顔は、夕方花を咲かせ、次の日の午前中にしぼみます。夕顔の花の色は美しい白色です。また夕顔の果実は、実は、巻きずしなどで使われる「かんぴょう」です。夕顔のヒョウタンのような大きな果実を、細長く加工して乾燥させたものが、かんぴょうとなります。

昼顔(ヒルガオ)と似てる植物3・夜顔

夜顔は、ヒルガオ科サツマイモ属のツル性の一年草です。昼顔(ヒルガオ)とは、属名、一年草と多年草の違いがあります。夜顔の原産地は、熱帯アメリカで、現地では多年草扱いです。夜顔は、夜に白色の花を咲かせ、次の朝にしぼんでしまいます。夜にしか見られないなんて、なんだか神秘的。夏の夜、涼みながら、白い花を愛でるのもいいですね。

昼顔(ヒルガオ)の基礎知識3・花言葉

昼顔(ヒルガオ)の日本の花言葉

昼顔(ヒルガオ)の花言葉の1つめは「絆」です。昼顔のツルが、周りにしっかり絡みながら生長する姿から由来した花言葉です。2つめの花言葉は「友達のよしみ」です。こちらも、ツルが絡みつく様子からつけられた花言葉となっています。3つめの花言葉は「情事」です。昼顔(ヒルガオ)のツルの絡みつく様子から、官能的なイメージがなされ、つけられた花言葉となっています。

昼顔(ヒルガオ)のフランスの花言葉

フランスでは、昼顔(ヒルガオ)には、エロティックなイメージの花言葉がつけられています。1つめの花言葉は「危険な幸福」、もうひとつの花言葉は「昼の美人」です。どちらの花言葉も、日本より少し踏み込んだイメージの男女の愛を模した花言葉になっています。フランスでは、昼顔(ヒルガオ)をタイトルにした映画も作られています。パリを舞台に、娼婦として生きる女性をモデルにした映画です。

昼顔(ヒルガオ)の基礎知識4・基本データ


科名属名

ヒルガオ科ヒルガオ属

学名

Calystegia japonica

和名

昼顔(ヒルガオ)

英名

False bindweed

原産国

日本・アジア太平洋諸島・ヨーロッパ

昼顔(ヒルガオ)の基礎知識5・種類

昼顔(ヒルガオ)は、ヒルガオ科ヒルガオ属に属します。同じヒルガオ科には、秋に実るサツマイモがあります。ちなみにサツマイモは、ヒルガオ科サツマイモ属の植物です。そう思って見てみると、昼顔(ヒルガオ)とサツマイモの花は薄くて丸みを帯びた花姿で、少し似ています。昼顔(ヒルガオ)には、コヒルガオやハマヒルガオといった種類があります。いずれも、自生しているくらいなので、強くて育てやすい品種です。

コヒルガオ

コヒルガオは、ヒルガオ属の植物で、昼顔(ヒルガオ)の近縁種です。日当たりがよい場所に自生していて、雑草扱いとなっています。昼顔(ヒルガオ)と比べると、一回り小さい3〜4センチくらいの花を咲かせます。

ハマヒルガオ

日本全国の海岸、砂浜に生息しています。ピンクに少し紫色を混ぜたような、かわいらしい花を咲かせます。花の直径はおよそ4~5センチ。多年草で大変強い植物です。

コンボルブルス・クネオラム

コンボルブルスはヒルガオ科の園芸品種です。なかでもクネオラム種は、低木性です。大変強く育てやすいので、ガーデニング初心者にもおすすめです。日当たりのよい場所を好みます。全体的に地をはうように育つので、グラウンドカバーにピッタリ。吊り鉢などに植えて垂れ下がらせても可愛いです。

コンボルブルス

コンボルブルスのトリカラー種です。花色は濃い青紫、ピンク、白。どれも中心部分から、黄色と白色がはいります。この花姿から、サンシキヒルガオという別名もあります。


昼顔(ヒルガオ)の基礎知識6・効能

昼顔(ヒルガオ)は、「旋花(せんか)」という名前の生薬として利用されます。期待される効能としては、利尿作用、滋養強壮、疲労回復などがあるそうです。1日3回、水で煎じて飲むと良いそうです。なお、昼顔(ヒルガオ)の種には、有毒物質が含まれていて、幻覚症状を引き起こすことがあるようです。注意しましょう。

昼顔(ヒルガオ)の基礎知識7・昼顔と文化

昼顔(ヒルガオ)は、古来より日本人の間で親しまれていた植物です。平安時代には、「波夜比止久佐(ハヤヒトグサ)」という名前で呼ばれていたようです。万葉集のなかに「高円(たかまと)の野辺の容花(かほばな)面影に見えつつ妹は忘れかねつも」という歌が登場し、この「かほばな」というのが、当時の昼顔(ヒルガオ)の名前です。また、松尾芭蕉は 「鼓子花(ひるがほ)の 短夜眠(ねぶる) 昼間哉」と詠んでいます。  

昼顔(ヒルガオ)の育て方1

土づくりと肥料

土づくり

昼顔(ヒルガオ)は、水はけの良い土を好みます。赤玉土と腐葉土、川砂を5対4対1の割合で混ぜた土を作りましょう。市販の草花用培養土を利用してもよいでしょう。

肥料

昼顔(ヒルガオ)の花をたくさん咲かせるために、開花前の5月ころから1カ月に1度の割合で、緩効性肥料を施しましょう。液肥の場合は、1週間に1度くらい与えるとよいでしょう。

昼顔(ヒルガオ)の育て方2

場所と水やり

場所

昼顔(ヒルガオ)は、日当たりの良い場所を好む植物です。強いのでたとえ半日陰になったとしても枯れてしまいませんが、花があまりつかなくなります。また半日陰の状態は、害虫がつく原因にもなります。

水やり

昼顔(ヒルガオ)の土の表面が乾いたら、しっかり水を与えます。昼顔(ヒルガオ)はたくましい植物で育てやすいのですが、こまめな水やりをすることが育て方の最大のコツです。雨などで土が湿っているとき以外、1日1回水やりをします。ただし、真夏には、朝と夕方の2回水やりをすると安心です。

昼顔(ヒルガオ)の育て方3

種まきと植えつけ

種まき

昼顔(ヒルガオ)の種の発芽温度が20度以上。種まきの適期は、4~5月の暖かくなってきてからです。昼顔(ヒルガオ)の種は硬いので、種まきの前にやすりなどでこすってキズをつけておくとよいでしょう。さらに、数時間水に浸しておくと、より発芽しやすくなるでしょう。だいたい2センチくらいの深さに種をまき、発芽するまで水やりを続けます。日当たりの良い場所で管理しましょう。なお、昼顔(ヒルガオ)の種はあまり出回っていません。苗で購入して、自分で種を採取するとよいでしょう。

植えつけ

昼顔(ヒルガオ)の苗の植えつけの適期は、春4月頃です。昼顔(ヒルガオ)は、一度植えると地下茎を伸ばして、どんどん増えていきます。将来、駆除したいと思っても難しいので、植えるときには、場所をよく考えましょう。苗を根を傷つけないように気をつけながら、ポットから出します。植えつけたい場所に穴をあけて、ポトンと苗をいれて植えつけます。根がしっかりつくまで、水やりを続けましょう。


昼顔(ヒルガオ)の育て方4

ツルの管理・摘芯・花がら摘み

ツルの管理

昼顔(ヒルガオ)はツル性で、周りのものに絡みつきながら生長します。ネットや支柱などをしてやると、どんどんツルを伸ばして元気に育ちます。逆に、近くのものに巻き付いてしまうので、巻き付いてほしくないものは遠ざけておきます。ほかの植物などにも絡みつくので注意が必要です。

摘芯

昼顔(ヒルガオ)のツルが、だいたい30センチ以上になったら、先端を切る摘芯の作業をおこないます。この摘芯を繰り返すと、昼顔(ヒルガオ)の株は、より大きく広がりながら生長します。

花がら摘み

昼顔(ヒルガオ)の花は一日花。夕方にはしぼみますので、枯れた花は順次摘み取るとよいでしょう。ただし、種を採取したい場合は、状態の良い花を残して結実するのを待ちましょう。ちなみに、昼顔(ヒルガオ)は、地下茎で増えるので、種の結実のパーセンテージが低いです。

昼顔(ヒルガオ)の育て方5

病気と害虫

病気

昼顔(ヒルガオ)は比較的病気に強い植物です。あまり心配ありません。

害虫

昼顔(ヒルガオ)には、アブラムシやアカダニなどの害虫がつきます。害虫を見つけた場合、すぐに駆除しましょう。1週間に1度の割合で、薬剤を散布するとよいでしょう。

昼顔を育ててみよう

昼顔(ヒルガオ)は、古くより人々に愛されてきた植物です。万葉集、源氏物語、枕草子といった有名な書物にもその名があらわれます。夏の暑い時期、ほかの植物がパワーを減退させているときも、昼顔(ヒルガオ)は可愛らしい花を咲かせ、私たちを楽しませくれます。地下茎で増殖することから、畑などではしばしば憎まれ役にもなる昼顔(ヒルガオ)。素敵な鉢などに植えるなど、上手に楽しむとよいでしょう。