培養土の基本情報
すぐに使える培養土
培養土はガーデニングですぐに使える便利な土になります。他の土と混ぜる必要や、物によっては肥料を新たに加える必要もないため、特にガーデニングをはじめたばかりなどの素人におすすめの土です。
さまざまな用途の培養土
培養土はさまざまな種類が販売されています。野菜に用いる培養土、花に用いる培養土、植物に用いる培養土など、用途に合わせた培養土を選ぶことが可能です。培養土がないと園芸ができないということはないですが、培養土を使うことで園芸が楽になり、また上手に育つ可能性があがることは間違いないでしょう。
培養土の使い方
使い方は簡単
培養土の使い方はとても簡単です。野菜や草花を育てるためのプランターを用意して、その中に培養土を加えます。培養土を加えたら水をあげます。培養土の全体に水が行き渡ったら、用意した種や苗を培養土に植えるだけです。
ガーデニングを簡単にスター卜
このように培養土は非常に簡単に使用することが可能です。作物にあった培養土を選んでさえおけば、あとは他に手間をかけることなくガーデニングをスタートさせることができます。
培養土の選び方
上手な培養土選び
培養土にはさまざまな種類があり、選ぶときに何を基準に何を比較して選べばいいのかわからないということもあると思います。培養土を選ぶときにはいくつかのポイントがあります。培養土を選ぶ際のポイントを紹介します。
品質表示の有無
培養土には「適用植物名または用途」「容量」「配合原料名(上位4品目)」「肥料を含んでいるかどうか」「製造会社名と所在地、連絡先」という5点の表示が義務付けられており、選ぶ際の目安になります。この表示がある商品は信頼でき、逆に表示がない商品は買うことを強くはおすすめしません。
肥料と酸度
品質表示があれば、次に見たいのが肥料と酸度です。肥料がすでに加えられているものは元肥を混ぜる必要がなくおすすめです。酸度は育てたい植物によって違います。一般的に弱酸性であれば大丈夫ですが、どの程度の酸度が適切なのかを把握した上で培養土を選ぶようにしましょう。
大きさ、重さ、状態
大きさと重さと状態も重要なポイントです。一般に粒が大きすぎる、小さすぎるもの、重さが重すぎるもの軽すぎるものはよくありません。状態は中に水滴があるか、カビがあるかなどを確認します。水滴があれば水分量が多く、カビがあれば堆肥の状態が悪い可能性があり、いずれも避けたほうがよいでしょう。
培養土とその他の土の違い
その他の土の違いは
ホームセンターなどに行くと培養土以外にもさまざまな種類の土が販売されています。知識がないと一体どの土を買えばいいのか迷ってしまうということも少なくないでしょう。ガーデニングをする上で土の種類を知り、比較ができると便利です。はじめに大まかな土の分類を説明します。
土台となる基本用土
基本用土とはガーデニングや農作物を作る際にベースになる土です。割合としては全体の5割以上を占めるものを基本用土と呼びます。赤玉土や鹿沼土と呼ばれる土が比較的よく用いられます。
基本用土に混ぜる改良用土
改良用土は基本用度に混ぜることで、その名の通り土を改良します。改良用土を混ぜることで、水はけをよくしたり、土に保水性や保肥性を持たせたりなどという効果を発揮します。腐葉土やパーライト、バーミキュライトなどが比較的よく使われます。また改良用土でなく補助用土と呼ばれることもあります。
基本用土と改良用土を配合した培養土
一般に土を作るときは、基本用土と改良用土を混ぜることで作ります。培養土はすでに基本用土と改良用土が混ざっている状態の土になり、そのため培養土単体で使用することができます。培養土というのは基本用土と改良用土が配合された土になるんですね。
培養土と腐葉土の違い
培養土と腐葉土は違う
改良用土の中で、腐葉土はよく培養土と使い方を間違われます。培養土と腐葉土は使い方が異なるので、使用には注意が必要です。腐葉土と培養土の違いを説明します。
腐葉土の作られ方を知る
腐葉土と培養土の違いを知るには、腐葉土がどのように作られているかを知ると早いです。腐葉土の主成分は、落ち葉や枝です。これらが分解され腐葉土になります。腐葉土は土のようにも見えますが、主成分は落ち葉や枝で、分類としては堆肥に分けられます。
腐葉土は改良用土の一種
培養土というのは基本用土と改良用土を混ぜ合わせたものですが、腐葉土は改良用土のひとつであり、使い方が異なります。腐葉土自体には保水性や保温性といった働きが期待されます。
基本用土の種類
それぞれの基本用土の使い方
培養土が基本用土と改良用土が配合された土であることを説明しました。では基本用土と改良用土で用いられている土や肥料にはどのような種類と成分があるでしょうか。基本用土と改良用土の成分を知っておくと自分で培養土を作る際に役立ちます。まず基本用土の代表的な種類と成分について説明します。
赤玉土の特徴
赤玉土は関東平野の火山灰層である関東ロームの中層の土になります。弱酸性で保水性、排水性、保肥性に優れている点が特徴です。観葉植物などの土の表面に撒いて雑菌や虫を防ぐという使い方もあります。粒の大きさによる分類分けがされます。
鹿沼土の特徴
鹿沼土は栃木県鹿沼地方で採取される土になります。赤玉土との最大の違いは酸性の度合いで鹿沼土の方が酸性が強いです。また赤玉土よりも固く、高い保水性や通気性が特徴です。赤玉土と同じく粒の大きさによる分類分けがあります。
赤玉土と鹿沼土の使い方
赤玉土も鹿沼土も共に基本用土として非常にメジャーな土になります。比較的、赤玉土の方が一般に用いられることが多いようです。鹿沼土は赤玉土よりも酸性を好む植物や野菜の栽培の際に使われる傾向があります。
腐葉土以外の改良用土の種類
パーライトの特徴
パーライトとは鉱石に熱処理を施した人工の発泡体です。排水性に優れており、また熱にも強いことから建築の材料にも使われます。大きくは黒曜石と真珠岩の2つのパーライトがあります。この2つは用途が異なり、排水性を高めるときは黒曜石、保水性を高めたいときは真珠岩という使い方をします。
バーミキュライトの特徴
バーミキュライトもパーライト同様に鉱石に熱処理を施したものになります。パーライトは排水性という特徴を持ちますが、バーミキュライトは保温や保肥や保水という効果が期待されます。バーミキュライトはサイズによる分類はありますが、パーライトのような原材料による分類分けは一般的にはありません。
ピートモスの特徴
ピートモスはシダや苔といった植物を乾燥させて細かく砕いたものになります。酸性で保水性に優れているのが特徴です。特に保水性は高く、その高さから逆に根腐れの心配もあります。ピートモスは有機質のため、単体で使われることもあります。
培養土の作り方1
培養土は作れる
培養土は基本用土と改良用土の混ぜることで作られるので、自分で培養土を作ることも可能です。農作物や草花用にベストな培養土を自分で作れるとガーデニングの楽しさもさらに広がります。培養土の作り方を紹介します。
赤玉土がベース
培養土のベースとなるのは基本用土になります。この基本用度は多くの農作物、草花の場合は赤玉土で大丈夫です。酸性の土壌を好むものを育てる場合は鹿沼土の方が適しています。赤玉土が全体の半分の量を占めることになるので、使いたい量を頭に入れつつ赤玉土を用意しましょう。
改良用土の割合は変動
気をつけなければならないのが改良用土の割合です。この改良用土の割合は育てたい作物によって種類も配合する量も変動します。改良用土の種類の中では腐葉土とパーミキュライトが用いられることが比較的多いようです。
培養土の作り方2
改良用土の配合の割合例1
基本的な配合としては実や葉の野菜は赤玉土を6に、腐葉土が3、パーミキュライトが1という割合があります。根ものの野菜の場合は赤玉土が5で、腐葉土が3、パーミキュライトが2と、基本用土を少し減らしてパーミキュライトを増やします。
一般的な改良用土の配合の割合例2
草花の配合の割合は、赤玉土が6で、腐葉土が2、パーミキュライトが2というのがよく用いられる配合です。根が弱い草花の場合はここから赤玉土を少し減らし、水持ちをよくしたい場合は腐葉土でなく、ピートモスを多めに入れます。
一般的な改良用土の配合の割合例3
もっと手軽に培養土を配合したいという時は、赤玉土と腐葉土のみの培養土もあります。混ぜる割合は野菜の場合は赤玉土6で腐葉土が4、草花の場合は赤玉土7で腐葉土が3という割合が一般的にはあります。これらのベースを踏まえつつ、それぞれの植物の特徴に合わせた配合をしましょう。
培養土使用の注意点1
栽培には肥料が必要
非常に便利な培養土ですが、それでも培養土の使用において注意点があります。培養土の使用において比較的多い失敗がその後に肥料を加えないことです。野菜や草花を丈夫に大きく育てるためには、植えてしばらくした後に追肥と呼ばれる肥料を与える必要があります。
それぞれの植物にあった肥料を
肥料には植物性のものや動物性のものなどさまざまな種類があります。育てている植物に必要な成分は何かを調べて追肥することで、植物は大きく育ちます。培養土と言えど完全無欠ということはないということは覚えておきましょう。
培養土使用の注意点2
培養土の使い回しは難しい
非常に便利な培養土を何度も使う、使い回しを考えるかもしれません。しかし、培養土に限らずですが一度植物を育てた土をもう一度使うことは難しいです。培養土の使い回しが難しい理由を説明します。
土の栄養の不足
培養土の使い回しが難しい理由のわかりやすいものとしては、土自体の栄養の不足です。一度植物を育てた土は植物が栄養をとっています。そのため土に残っている栄養は多くなく、その状態で植物を育てたとしても大きく育つ可能性はあまりありません。
植物が病気になってしまうことも
また土の中には以前植物を育てたことによる細菌などが発生している可能性もあります。この場合は植物が上手く育たないだけではなく、新しく植えた植物が病気になってしまうこともあります。
リスクの大きい使い回し
この他にも、水はげが悪くなっていたり、土の成分が最初の状態よりも酸性が強くなっているなどのことも考えられます。これらのリスクから、培養土の使い回しはあまりおすすめしません。
培養土を上手に使おう
初心者には特におすすめ
培養土の使い方や作り方、注意点を紹介してきました。培養土は簡単に使用することができるので、ガーデニングを始めたい人などには特におすすめと言えるでしょう。ある程度習熟してきたら自分で培養土を作ってみるというのもよいかもしれません。
培養土で広がるガーデニングの世界
土について詳しくなるとガーデニングが世界が深まっていきます。培養土のことをよく知り、上手に使うことで、より深くガーデニングの世界を楽しみましょう。