ASTRO PRODUCTS 01-08957 3/8DR プレート型トルクレンチ 0-90N・m 01-08957
マルチクラフト(MULTICRAFT) トルクレンチセット MTR-6
SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 3~60N・m SDT3-060
トーニチ プレセット形トルクレンチ 40~200N・m QL200N4MH
はじめに
みなさんはトルクレンチというものをご存知ですか?レンチという言葉は聞いたことがあるかもしれません。今回はこのトルクレンチとはレンチとどう違うのか、種類や用途によって違いはあるのかということをご紹介します。
トルクレンチとは?
トルクレンチとは、何かの機械を分解したり組み立てたりするときに持いることが多く、そのネジやボルト、ナットなどを緩めたり締めたりすることができる工具のことで、多くの用途や種類があります。また、目盛りや単位を正確に測り取ることもでき、その使い方をしっかりと知っておかなければ破損の原因にもなりますので、注意が必要です。
トルクレンチのトルクとは何?
トルクとは英語で(torque)と表し、力学の分野において、ある固定された回転軸を中心にはたらく、回転軸の周りで、物体に回転を生じさせるような力の性質のことです。一般的には「ねじりの強さ」ということで表されることが多く、この強さが締め付けトルクといいます。なお、この締め付けトルクとは対象のネジやナット、ボルト等の種類、めっき・油の度合いによっても異なってきます。
トルクの力学的概要
トルクとは力と距離を掛け算でして、表される量(モーメント)で、単位はN(ニュートン)という単位で表します。 主にこの「トルク」という単位は工学系や機械系などで用いられることが多く、一般には聞くことが少ないかもしれません。
トルクとは物体をある角度だけ回転させる力
一般に、ある物体を回転させようと思った時にどこを押して回転させようとするかによって力の必要具合は異なります。さらに一般に中心の回転軸からの距離に反比例します。これはてこの原理といい皆さんも聞いたことがあるかもしれません。しかし今回ご紹介している単位であるトルクとは物体をある角度だけ回転させるので、力を作用させる点にはよらない量で、一定なのです。
トルクレンチの種類
トルクレンチやスパナなどの工具にはその用途により様々な種類があります。ここでは様々な種類のトルクレンチを紹介します。
トルクレンチの種類1:シグナル式
シグナル式のトルクレンチの特徴は、名前にもあるようにシグナル、つまり目印をあらかじめ設定する方法のレンチのことです。あらかじめ締め付けたいトルクを設定することができ、レンチで締めていると、「カチッ」というような音や感覚が伝わってくるので、それが聞こえたらトルクが正常にしまったということです。 右(時計回り)専用のものもあれば、左(反時計回り)専用のものや両方使えるものもあります。
プレセットタイプ
このプレセットタイプはシグナル式のトルクレンチの中でも自分であらかじめ締め付けたいトルクを設定でき、用途の自由度は高いレンチになります。 こちらはトルク管理が必要な箇所でのボルトやナットの締め付け・組み立て 点検などのに用いられます。
単能タイプ
一方こちらはもともと締め付けるトルクが設定されており、プレセットタイプのように締め付けるコルクを自由に選ぶことはできません。しかしその構造の単純さにより、簡単に扱うことができ、さらにコストも低く安価で購入することができます。 こちらはコストがあまりかからないので量産されていることが多く一般でも簡単に手に入ります。一般の機械類の組み立て時などにご使用できます。
気をつけなければならないこと
この二つのトルクレンチは上記でも述べたように音や感触を頼りにトルクを締めるので、よく発生するミスとして締めすぎという問題が発生します。トルク値というものは精度が非常に高いもので少しの単位のずれが破損の現認にもなりますので、すごく細かな単位レベルの誤差が生まれないように締め付けなければなりません。 意外と音だけでは、不安で締めすぎる人や、感触が伝わったのに気づかず締め付けすぎることがあり、問題も多いようです。
トルクレンチの種類2:直読式
こちらはシグナル式とは違った種類で、メモリを自分の目で確認するタイプのトルクレンチです。最大値を保持するようウナ機構を持っているものが多く、このほとんどが右でも左でも計測できるものがあります。
プレート形
こちらの種類はビームと呼ばれる梁がたわむことによってトルクを検出してメモリを読むことができます。このトルクレンチの特徴は構造が単純なため、使い方も簡単でコストも安価になっているところです。このレンチは別名「FLレンチ」と呼びます。
ダイヤル形
こちらの種類はこの名前の通り、円柱のねじれの角度によってトルクを検出して、その値を本体のダイアル形式のメモリで読み取ります。こちらはトルク値がメモリ上で読み取ることができ、トルク値の単位誤差が少ないので主に検査用に使用されます。
デジタル形
この種類はデジタル式といって言葉の通り、他のものはアナログ式にメモリを読み取るなどしていたが、これは内蔵されているセンサーによってトルクを検出して、液晶にデジタルとして表示される形式です。このトルクレンチはトルク値がデジタル式に表示され、こちらもトルク値の単位誤差が非常に少ないので主に検査用に使用されます。
少し高めのコスト
レンチによっては表示される機械が本体と別のものもあり、パソコンなどの電子機器に読み取ったトルク値を転送できるものもあります。こちらは他のアナログ方式とは違いデジタルなのでコストも少し高めになっています。
モンキ式トルクレンチ
こちらの種類はモンキ式という持ち手とレンチ部分が猿の手のように長いタイプのトルクレンチで、調節できる範囲内なら口幅のサイズの調節なども可能で、様々なサイズのボルトやナットを取り付けることが可能です。こちらは口幅を調節できるので色々な用途で使用できます。
ヘッド交換式トルクレンチ
この種類のトルクレンチはこの名前の通り、ヘッド部分が交換可能になっており、用途で使うボルトやナットによってヘッドを交換して使うことができます。こちらはたとえヘッド部分が破損したりすり減っても交換することができるという利点があります。こちらはヘッドを交換次第様々な場面で使用でき、その用途も多岐にわたります。このヘッド交換式のトルクレンチもヘッドの交換次第で様々な用途でご利用できます。
トルクレンチの選び方
ここまで様々なタイプのトルクレンチを紹介してきました。では、これらのトルクレンチをどうやって選んで使い分ければいいのでしょう?ここからはトルクレンチの選び方について初心者にもわかりやすく解説します。
トルクレンチの選び方1:用途によって選ぶ
一般にトルクレンチを用いる時は自動車やバイクなどの乗り物や機械製品を整備する際にトルクの管理を行うことが多いかもしれません。分解する時や組み立てる時にこのトルクレンチを使用しますが、しっかりと分解も組み立ても自分の手で丁寧に行いたいという方にはプリセット型がおすすめです。一応工具の一つとしてトルクレンチを持っておこうという人にはプレート型でも良いかもしれません。このプレート型の方が安くてメンテナンスも少なくてすみます。
トルク値を正確に記録したい場合はデジタル
締め付けトルク値をしっかり計測して正確に設定したい場合はダイヤル型やデジタル型といったトルク値を細かく設定できるものを用いると良いでしょう。また、その中でもデータとして計測したトルク値を保存したいという人にはデジタルがぴったりです。
トルクレンチの選び方2:メンテナンス方法で選ぶ
トルクレンチは精密機器という分類に属します。ですので、使っているうち、保存しているうち、または使い方によって少しずつ狂ってくることがあります。 ですので数年に一回、1年に一回ほど点検をする必要があります。そのため、購入の際にはその後の保存方法やメンテナンスのことも考えて選ばないといけません。そのため、購入するトルクレンチは国内の有名なメーカーにしておくと、その後の相談や修理・点検の際に便利かもしれませんね。
トルクレンチの使い方
トルクレンチとは一般に 【決められたトルク値でボルトやナットを締め付ける時】 【複数のボルトやナットを同じ締め付けの強さで締め付けたい時】 このような場合に使用することが多く、使用する用途や状況により締め付けるトルク値が変化することが多いです。
例:自動車の代表的なトルク値 エンジンオイルドレンプラグ 25N・m〜40N・m〜 ホイールナット普通車103N・m軽自動車74.5N・m スパークプラグ5N・m〜25N・m アッパーマウント60N・m ダンパー上側30N・m 下側60N・m
注意
注意:これはあくまで目安ですので、実際のトルク値は多少異なることがあります。実際にトルクレンチを使う時には自動車屋やディーラー店で整備士に質問するか、実際の自動車の整備書などの内容をしっかりと確認してに正確なトルク値を認識することをおすすめします。
プレセット型トルクレンチの使い方
ここでは一般的なプレセット型トルクレンチの使い方を解説します。 1.トルク値をあらかじめ設定します。 2.そのあとボルトナットにソケットを差し込みトルクレンチのハンドルの中心部分を握り、ゆっくりと右回転で力を加えます。 3.あらかじめ設定しているトルク値になったら、「カチッ」と音と振動が伝わるのでそこで止めます。
プレセット型トルクレンチの注意
「カチッ」となったあとも強くボルトやナットを締め付けすぎると破損の原因にもなります。2度締めと呼ばれる締め付けには注意しましょう。感覚を覚えるために正確な使い方で使う前に数回テストをし、目盛りの読み方や単位など、感覚をつかむことをおすすめします。
トルク値の設定
プレセット型のトルクレンチの使い方としてあらかじめトルク値の目盛りを設定しなければなりません。これは、ほとんどのものがグリップ部分またはその付近の目盛りをハンドルを回すことで設定を変え、その後しっかりとロックをかけて使用するものが多いです。このロックをかけるということを忘れると設定したトルク値が無駄になりますので注意しましょう。
トルクレンチの使用後の保管方法
使用後はトルクレンチの設定トルク値をそのトルクレンチの最低のトルク値に設定し保管しましょう。 トルクレンチによって最低の目盛りが多少異なることはありますが、しっかりと小さい値のトルク値にしておくことが長期にわたる保管にとって重要です。最小の目盛り以下に設定したままにしてしまうと破損の原因にもなります。
トルクレンチのおすすめ商品
ASTRO PRODUCTS 01-08957 3/8DR プレート型トルクレンチ 0-90N・m 01-08957
ASTRO PRODUCTS 01-08957 3/8DR プレート型トルクレンチ 0-90N・m 01-08957
・測定範囲:5-90N・m ・最小目盛:5N・m ・測定精度:±5% ・重量:463g ・サイズ:全長約410mm ・差込角:9.5mm
こちらはシンプルな直読式のプレートタイプのトルクレンチでお値段もとてもリーズナブルです。 コスパがすごく良いので最初に購入するのには適しているかもしれません。錆びにさえ気をつけていれば保存も簡単ですので、ぜひトルクレンチを買う初心者の方にはおすすめの商品です。
変換アダプターなどの併用は厳禁
こちらのトルクレンチはエクステンションや変換アダプターなどとの併用では使用しないでください。測定値の誤差につながる可能性があります。また、目盛りを読み取る時はゲージに対して垂直に読み取るようにしてください。それ以外の角度では正確な目盛や単位が読み取れない場合があります。
マルチクラフト(MULTICRAFT) トルクレンチセット MTR-6
マルチクラフト(MULTICRAFT) トルクレンチセット MTR-6
・トルク調整範囲:28-210N・m ・形式:プレセット型(ラチェットタイプ) ・ソケット差込角:12.7mm ・精度:±3% ・トルク設定方向:右回転のみ ・サイズ:全長465mm ・重量:約1.35kg ・材料:カーボンスチール 販売価格3,280円(2018.2.21現在) セット内容 ・トルクレンチ本体 ・ショートソケット(14mm・7mm) ・ロングソケット(19mm・21mm) ・エクステンションバー125mm
こちらのトルクレンチはAmazonでもベストセラーの商品で、自動車等のホイールの脱着時などでは必需品になり、他のボルトやナットにも対応しています。また目盛りも読みやすく使い方は簡単です。このトルクレンチの特徴は、プレセット型でトルク値は自分で目盛りを確認しつつ調整します。また、5つのアタッチメントが付属についていて、交換することで使い分けることができます。回転方向を切り替えることができますので、自分の好きな回転方向にラチェットを切り替えることができます。便利なケースも付いており保存や持ち運びも楽チンです。
使い方
1.トルクレンチのロックネジを左に回しロックを解除する。 2.トルク調整のハンドル部分を回してトルクを調整する。 3.トルク値の目盛りを設定したらロックネジを右に回してハンドル部分をロックする。 4.対象のボルトやナットを締め付ける。
SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 3~60N・m SDT3-060
SK11 デジタルトルクレンチ 差込角 9.5mm 3~60N・m SDT3-060
・差込角:9.5mm ・測定範囲:3-60N・m ・測定精度:右ネジ±3%. 左ネジ±4% ・ラチェットギア数:52山 ・電源:単4電池2本 ・操作モード:ピークホールドモード、トラックモード ・重量:894g ・材質:クロムモリブデン鋼、樹脂
こちらはデジタル型のトルクレンチですので、性格で高精度なトルク管理ができ、しかも操作も簡単なので初心者の人にもおすすめです。デジタル表示の部分を見ながらレンチの力の操作が可能ですし、デジタル表示が見えにくい場合も音と光で合図をしてくれますので、トルク値に設定しやすい構造になっています。
左右の測定の誤差に注意
右方向も左方向も測定が可能で、測定の誤差に違いがあるのでそこに注意することをおすすめします。 約、2分間操作しなければ自動で電源が切れるオートスリープ機能が備わっており、バッテリーが切れる心配もしなくて大丈夫です。
トーニチ プレセット形トルクレンチ 40~200N・m QL200N4MH
トーニチ プレセット形トルクレンチ 40~200N・m QL200N4MH
・トルク調整範囲:40-200N・m ・最小目盛:2.00N・m ・サイズ:全長:490mm ・差込角:12.70mm ・測定精度:±3% ・トルク設定方向:右方向 ・重量:1.4kg
このトルクレンチはプレセット型のトルクレンチでトルク値を自分で設定し、そのトルク値になるようにハンドル部分を回転させボルトやナットを締めます。しかし他と違う点が、アナログ式ですが、設定したトルク値まで締め終わるとシグナル音が出て締め付けを完了したことを知らせてくれます。 また、頭部ラチェットは24枚刻み、15度の振り幅となっているので狭いところでの作業もとてもしやすく重宝します。
まとめ
トルクレンチというものには色々な種類があり、アナログのものやデジタルのもの、自分でトルク値を設定するものや自動で設定されているものなど、色々あります。また、メモリを読むときにどこまで単位があるのかなどにも注意して様々な用途でトルクレンチを使い分けるということが重要です。 この記事を読んだ方が少しでもトルクレンチの使い方について理解が深まれば幸いです。